平智之さんの本が出る。昨年末に落選してから、明石書店からの
『禁原発と成長戦略』に続く二冊目だ。実はまだ私も読んでいないのだが、お話は伺ったのでだいたいどういう本か知っているので、強くオススメしたい。誰もが、これを読んでから、参議院選挙に行くべきだ。
日本は「事務局」が動かしているという恐ろしい話なのだ。しかも、その事務局を動かしている人は、そのへんのおっちゃんであり、自分の来年の生活を守るために奔走しているだけである。その奔走が作り出す煙幕のようなもので国会議員も翻弄されて、それが「多数意見」になるのである。そんな馬鹿な、と思うかもしれないが、平智之さんが国会にフィールドワークに行って実証された事実である。そればかりか、私もそういう仕事をしていた人を知っていて、平さんと同じ事を言っていた。そういうクルクルパーなことで、この社会は動いている。原発もそうやって動いている。こんなことになるのは、多数派が無力感を抱くように仕向けられており、それを唯々諾々と受け入れているからである。多数派がその無力感から抜け出せば、世界は一挙に変ると平さんは言っていた。
【7月6日発売】
『なぜ少数派に政治が動かされるのか? 〜多数決民主主義の幻想〜』発行日:2013.07.06
価格:税込み 1,050円
原発行政をはじめ、年金や教育、生活保護、公共投資、治安、成長戦略等々、あらゆる場面で少数の利権集団が官僚や政治家をうまく使いこなして政治を動かしている。また、日本の多数派は「もの言わぬ多数派」であり、少数派が流す誤った情報に左右され、彼らの意見に消極的に賛成する存在になってしまっているという問題もある。少数派は富を集中させるため、非効率な社会をそのままにしておきたいのだ。多数派よ、目覚めよ! そうすれば事態はすぐにも変わる。この国で何が起こっているのか、それを止めるにはどうすればいいかを国会議員を務めた理系ビジネスマンが論じる。
書籍キャッチコピー原発推進派はたった0.6%!? それでも原発が止まらない不思議。国会議員だったから見えた政治のカラクリ。多数派よ、目覚めよ!
著者からのメッセージ
声が大きいだけでも、多数派に見えてしまうことがある。間違った情報の喧伝が、消極的な多数派を形成してしまうこともある。多数派と思える意見は、本当に多数派の意見なのか。これまでの常識、方法論、仕組み、組織を前提に考えるのではなく、まったくゼロから考えて、考えて、吟味してみてほしい。(本文より)
目次
はじめに 少数派の情報が、多数派の意見を形成している!
第 1 章 多数派の声「原発ゼロ」が実現しない理由
たった0.6%の少数派が国を動かすシステムとは
一握りの人間が、大多数の国民を翻弄している
原発をなぜ禁止しなければいけないのか
効率的なやり方が歓迎されない理由
戦時統制経済がいまだに続いている
マジョリティの意見というものはどのように形成されるのか
少数派もこのチキンレースを楽しんでいない
第 2 章 経済弱者の声が政治に届かない
政治家には事務局の声しか届かない現実がある
誰もが破綻していると知っている年金制度
必要なのは抜本的改革のための議論なのだが…
最低賃金ではなく透明化が大事
伝統工芸を守るために一部国営化も考えたい
第 3 章 増税は大きな間違いだと気づくべき
金持ちから税金を絞っても、富の再配分は起こらない
減税政策の意味を国会議員でさえほとんど知らない
参加型民主主義という理想に向かって歩み始めたい
中央集権的土建国家からの脱却が急務
「地域の仕事は地域で行いたい」が多数派の意見
相続税ゼロがなぜ地域を富ませるのか
都市経済を中心とする地方分権化を提案する!
第 4 章 日本の成長戦略に必要なグランドデザインを考える
大学受験はなぜ年 1 回しかできないのか?
徒弟制度を前提とした人材の流動化という対案
延命ではなく、再チャレンジのしやすいビジネス環境を作る
「千三つプロジェクト」で日本経済を活性化する
第 5 章 政治家の通信簿はどうつけるべきか
議員立法のマジックに踊らされてはいけない
議員の立場、議員の本懐、政治家の汗のかき方
「議員に知恵をつける」くらいの姿勢で接してほしい
働かない人間を働かせるのも政治
現代版・頼母子講の復活も妙案かもしれない
いかなる原理主義にも与してはいけない
国会議員=政治家が行政側に立ってしまう瞬間
多数派は、本当に多数派だろうか?
おわりに 議員歳費ゼロでいいから官僚 OB を雇いたい
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- 2013/07/03(水) 22:59:19|
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