マイケル・ジャクソンの思想

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中川恵一准教授(東京大学医学部付属病院)の東大でのシンポジウムでの発言

自称「しがない私立大学に勤務している」経済学者の池田信夫氏は、東京大学の権威がお好きなようで、

東大医学部の放射線科の責任者と世界中の放射線被害を調査した専門家が一致して「福島で癌は増えない」と断定しているのだから、それに異論を唱えるなら、彼らの認めるような反証を出さないと話にならない。「わからないが遠い将来に…かもしれない」という類の「安冨話法」はお断り。

とツイッターで流していた。

「東大+医学部+放射線科+責任者」

と、4つもつけたので、恐れ入れ、ということである。

ここにいう東大医学部うんぬんというのは、中川恵一准教授のことである。正確に言うと彼の身分は、「東京大学医学部附属病院放射線科准教授・緩和ケア診療部部長」だそうである。つまり、「医学部の放射線科の責任者」ではなく、「医学部の附属病院の放射線科の責任者」と言わないと、こういうことにうるさい医学部ではこっぴどく叱られるから、池田氏は注意したほうがよい。

HPで医学部放射線教室のスタッフを見ると、

大友 邦 教授/放射線部部長
赤羽 正章 准教授/放射線部副部長
國松 聡 准教授/教育・安全担当副科長
中川 恵一 准教授/外来診療担当副科長/緩和ケア診療部部長

となっており、中川准教授は序列第四位のようである。

それで、私に対する池田氏の反論を分析したときに、

=====
そういえば思い出したのだが、私の記憶では、中川准教授は、疫学調査で見えるような被害は出ない、と言っていたのではなかろうか。
=====

と書いた。すると、池田氏は、

=====
たとえば彼は・・・と曖昧な記憶で言っているが、「アゴラ」の私の記事に貼ってある画像を見れば、中川氏が「フクシマではがんは増えない」と断定していることがわかる(本にもそう書いている)。彼はグロービスで行なわれた講演でも「癌は増えない。内部被曝も問題にならない」と断言している(彼も原発推進派ではない)。
=====

と書いた。それでグロービスの講演を見たのだが、その高度の東大話法に唸ってしまった。また別途、彼の話法を分析したい。

私が記憶だけで書いた中川氏の発言というのは、2011年7月8日に行われた

東京大学 大学院 人文社会系研究科 哲学研究室
第6回 応用倫理・哲学研究会
東京大学 緊急討論会「震災、原発、そして倫理」

におけるものである。

それで、公約通り発言内容を調べてみたところ、以下のような発言であったことが確認できた。

=============
(1)福島の学校で20mSvを限度とするということは、20mSvまで大丈夫、という意味ではない。20mSv以上には絶対に超えないようにして、できるだけ下げていこうという意味。

(2)正直にいえば、柏市の状況はたしかに問題である。

(3)日本人全体として現在1年あたり3.8mSvという医療被曝は多すぎるので大きな問題。

(4)放射線被曝は、ある数字以下だったら安心だというものはない。年1mSvまで、という被曝線量にしても、LNTモデルに立てば、危険がある。ゼロ被曝以外は全部グレーである。

追記:(2と3とは、「正直にいえば、柏市の状況はたしかに問題でしょう。しかしその前に、日本人全体としてみて、いま現在1年あたり3.8mSvという医療被曝をどこまで落とせるのか。これは除染と一緒で、大きな課題です。」というように発言された、とのことである。1/23追記)
=============

私はこれらすべての発言に、基本的に賛成である。「東大医学部の放射線科の責任者」が言ったのだから、池田氏も支持すべきだ。

これを東大で言っておいて、他所に行ったら、「フクシマではがんは増えない」と発言するのは、

完全に二枚舌

である。「正直に言えば」柏ですら問題なら、「正直に言えば」福島は大問題、と言わざるをえない。東大の権威を信じる人は、東大の先生が、東大で発言するのと、お座敷で発言するのと、どちらが重みがあると考えるのだろうか。

中川氏は、この両者の発言が、なぜ矛盾しているのかわからないのではないか、と私は疑っている。というのも、グロービスの講演のなかで「放射線に閾値があると私が考えるのは、塩に閾値があるのとおんなじだ」というような喩え話をしていた。しかし、塩はそのものに発がん性があるのではなく、国立がん研究センターのHPによれば、

食塩と胃がん発生
動物実験などから、胃の中で食塩の濃度が高まると粘膜がダメージを受け、胃炎が発生し、発がん物質の影響を受けやすくなることが示されています。そのような環境では、慢性的に感染することにより胃がんリスクを高めることが知られているヘリコバクター・ピロリという細菌の感染も起こりやすくなることが知られています。

とのことであり、間接的なものである。細胞の遺伝子やタンパク質に直接の破壊性がある放射線の喩えに、こんなものを持ち出すのは、あまりにも論理性を欠いている。

中川氏もさすがに医者なのだから、このくらいのことは知っているはずである。知らないとしたら、全然、信用できない。知っているとすれば、塩による発がんの機序と、放射線被爆の機序との、論理的な違いが直感できない、ということを意味する。こんな思考方法の人物に、「癌にならない」と言われても、信用できない。もし直感できるのであれば、それでもこんな喩え話をするとは、うそつき、であることを意味するので、これまた信用できない。

2月に『低線量被曝のモラル』(河出書房新社)という本で、このシンポジウムの議事録が出版されるのでそこでハッキリとわかるだろう。学内で聞いてみたところでは、

「中川氏は『調子がいい』ところがある」

とのことである。つまり、

【東大話法規則 7】その場で自分が立派な人だと思われることを言う。

をやっているのである。

池田氏は注意した方が良い。あんまり彼に乗っかっていると、風向きが悪くなったら、いきなり切り捨てられて、ハシゴを外される。東大ではそういうことを良く見聞する。
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  1. 2012/01/23(月) 00:36:02|
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