マイケル・ジャクソンの思想

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『原発危機と「東大話法」』:池田信夫氏「安冨歩氏への反論*」の分析(4)

$マイケル・ジャクソンの思想(と私が解釈するもの)著者:安冨歩 明石書店のHPはこちら


それから、私が「過去に前例のない大事故が、浜岡原発よりもずっと可能性が低いと見られていた福島原発で起きたので、浜岡原発事故の可能性はもはや否定出来ない。[・・・]それゆえ、止めてしまうべきだという主張は、合理的である」と書いたことを採りあげて、

================
都合の悪いデータは「不十分」だといい、自分の主張を裏づける話は「可能性が否定できない」というだけで断定する彼の論法は、東大話法かどうか知らないが、ダブルスタンダードである。
================

というが、もちろん、ダブルスタンダードではない。私は、

(1)低レベル放射線被曝による深刻な障害の発生を否定するデータはないので、安全側に立って判断すべきだ。

と言い、

(2)浜岡原発周辺で大規模な地震が起きて事故になる可能性を否定するデータはないので、安全側に立って判断すべきだ。

と言っているのである。どうしてこれがダブルスタンダードに見えるのだろうか?

それで池田氏は、

===============
原発のようなサンプルの少ない問題については、すべてのデータは不十分なので、その制約の中で判断するしかない。そういう条件つきで、たとえば中川恵一氏は「福島では癌は増えない」とあえて断定している。
===============

というが、もしも、こんな不完全なデータしかないという条件で、そういう断定をする者がいるなら、もはや科学者とは言えない、と私はあえて断定する。

ところが池田氏は

===============
安冨氏の放射線についての議論は「低線量被曝の影響はわからないから恐い」という非論理的なものである。
===============

というが、私に言わせれば、こんな貧困なデータで「ない」と断言することのほうが、非論理的である。

その上で、

===============
福島第一原発事故についていえば、放射線の被曝による健康被害は今後とも考えられない、というのが放射線医学のプロである中川氏の意見だ。それに反論するなら「データが不十分だ」などというごまかしではなく、具体的にどういうリスクがあるのか証拠を示してほしいものだ。
===============

といきなり、人の褌で相撲を取る構えである。しかし、私には「データをとることが本質的に困難だから、安全側に立つべきだ」という指摘が、どうして「ごまかし」であるのか、理解できない。

具体的にどういうリスクがあるかというと、何度も私のブログでも本の中でも言ったはずだが、少なくとも、数%程度の癌死の増加、というような疫学調査に掛からない水準の被害が、極めて広範囲で出るだろう、と予想している。たとえ1%でも、三千万人が被曝すれば、元々一千万人が癌で死ぬのであれば、10万人が新たに癌で死ぬわけである。これは決して疫学調査には出てこないが、何十万人を病気で苦しめて、十万人を殺すような事故は、受け入れるべき事態だろうか。

そういえば思い出したのだが、私の記憶では、中川准教授は、疫学調査で見えるような被害は出ない、と言っていたのではなかろうか。

「疫学調査で見えるような被害は出ない」



「被害は出ない」

との間には、千尋の谷がある。私はそんな谷を渡るのは危険だ、と言っているのである。

池田氏はまた、私の同様の議論を引用する。

===========安冨のブログの記事=======
第一に、原発の危険性は死者数だけによるのではない。生態系が決して処理できない放射能を蓄積させる悪影響は、一体、どういうなるのか、だれも知らない。第二に、[チェルノブイリ事故の]死者数も、果たして100倍なのか、1000倍なのか、わからない。それに、低レベル被曝による死者数は、一般に因果関係の立証が困難なので、認定されていない。つまり泣き寝入りであるが、それはカウントされない。そういうわからない部分での隠蔽された危険が大きく、それが一体どうなっているのか、よくわからない、という点が、原発のリスクの嫌なところである。
===========================

そして、

==========池田氏の「反論」の記事=======
これも「わからないから危険かもしれない」というだけで内容がない。チェルノブイリの死者は100倍でも1000倍でもなく、60人前後だというのがロシア政府の見解である。
============================

という。ロシア政府の見解はなぜ、信用して良いのか、教えて欲しい。それから、これも彼が本書を読んでいない証拠であるが、なぜ放射性物質を環境中に出してはいけないのかは、第五章で詳しく論じている。読んでいれば、「わからないから危険かもしれない」などと主張しているのではないことがわかったはずだ。私が言っているのは、「わからないことが非常に多いから、放射性物質は嫌だ」ということだけである。ここで論じているのは、「嫌な理由」に過ぎない。

(つづく)
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  1. 2012/01/11(水) 18:12:35|
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