下のように浪江町から避難した人が「原発周辺が『死の町』になっているのは事実」と言っている。
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警戒区域や計画的避難区域に指定されている浪江町から福島市内の仮設住宅に移った農業の男性(63)は「原発周辺が『死の町』になっているのは事実で辞めるほどの言動ではなかったと思う。政界はいつも揚げ足取りばかりしてうんざり」と嘆いた。
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こういアホ臭いことをいつまでもやっていれば、国家体制そのものが揺らいでしまうだろう。チェルノブイリでソ連が崩壊したことを、思い出したほうが良い。
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鉢呂経産相辞任:「当然の結果だ」 深まる政治不信
日経新聞 2011年9月10日 22時11分 更新:9月10日 22時39分
福島入りし放射線量の高い地域の除染について説明を受ける鉢呂吉雄経産相=福島県伊達市霊山町の下小国中央集会所で2011年9月8日、小林努撮影
就任から1週間余。鉢呂吉雄経済産業相が、東京電力福島第1原発視察後の発言で辞任に追い込まれた。「福島の再生なくして日本の再生なし」と宣言した野田佳彦首相の言葉の重みに疑問符がつく事態。政治不信を募らせる福島県民は、複雑な思いで今回の辞任を受け止めた。【渡辺暢、浅野翔太郎、種市房子】
福島市内の借り上げアパートで避難生活を送る飯舘村の元畜産農家、只野あさ子さん(55)は「放射能で子牛を手放さなければならず、年老いた母も避難生活が長期化し、足腰が弱り始めた。民主党とか自民党とか言わずに被災地を一生懸命考えてくれる人に国を動かしてほしい」と求めた。
福島市の主婦、佐藤美由起さん(36)は夫と離れ、京都市に9歳と1歳の子供2人と避難している。「辞めるのはしょうがないと思う。放射能がうつるかのような表現で、子供たちがいじめに遭うかもしれないと心配している」と話した。
田村市で「みやこ旅館」を経営する吉田幸弘さん(55)は「永田町では『放射能がうつる』とか、その程度の認識がまん延しているんじゃないかと悲しくなった。次の大臣は国会議員でなくても痛みの分かる地元の人がいい」と望んだ。
一方で、辞任の必要はないとの声も。
警戒区域や計画的避難区域に指定されている浪江町から福島市内の仮設住宅に移った農業の男性(63)は「原発周辺が『死の町』になっているのは事実で辞めるほどの言動ではなかったと思う。政界はいつも揚げ足取りばかりしてうんざり」と嘆いた。
風評被害などの対応にあたる県庁のある課長は、「福島県民は風評被害に苦しんでおり、発言を悲しい思いで受け止めた。ただ、閣僚が代わると災害対応に空白ができ、政治家には『しっかりしてくださいよ』と言いたい」と注文を付けた。
放射性セシウムに汚染された稲わらが見つかった宮城県登米市で肥育農家を営む佐野和夫さん(58)は「あまりにも資質に欠ける発言で辞任は当然。7月以降ほとんど牛が出荷できず収入はゼロで、われわれは放射能の恐ろしさを日々感じている。本気で取り組まなければ解決できるはずがない。責任感のない大臣はいらない」と厳しい口調で話した。
妻と子ども4人を福島県浪江町から東大阪市に避難させ、自身は福島第1原発で働く安部三郎さん(33)は「人ごとのようで軽い発言でよくない」と経産相の発言を批判。「『死の町』という表現も含め、今はふざけた表現を使う時期じゃない。期待もあっただけに、がっかりした」と話した。
◇舞い上がり型失言
元民主党事務局長の伊藤惇夫さんの話 かつての自民党の閣僚の失言は、思想信条による確信犯的な発言が多かったが、民主党の場合は、自分が権力の中枢にいる自覚を欠いた舞い上がり型の単純な失言が目立つ。元々が「権力成り金」のようなものだから、大臣の発言の重みがわからず、浮かれてしまう。
◇自覚のなさを示す
前宮城県知事で慶応大教授の浅野史郎さんの話 本来はこの時期の職務の重要性を考えれば、身の引き締まる思いになるはずで、こうした発言がそもそも出てくるはずがない。大臣としての自覚のなさを示しており、辞任は当然だ。それを見抜けなかった野田首相も不明を恥じるべきだ。早期に辞めたのが不幸中の幸いとも言える。
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- 2011/09/10(土) 22:46:10|
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