明日から韓国の学会に行くので、「日本海/東海」問題について考えていた。
子供の頃に小学校で日本の周辺の海の地理について学んだ。そこで私が驚いたことは、
日本のかたっぽうの海を「日本海」と呼び、
もうかたっぽうの海を「太平洋」と呼ぶ、
というように、海の名前のつけかたが、不自然なことであった。
もし日本人が、「日本海」という名称を使うなら、日本列島の周辺全体の海を「日本海」と呼びたくなるのではないだろうか。どうしてかたっぽうだけにこの名前を使うのだろうか。さらに、もうかたほうは、「太平洋」となっていて、「太平」という変な名称である上に、「海」ではなくて「洋」であって、著しく対称性を欠いている。
変だな。
と思ったのである。
そのままこの問題について考えずに、四十年が過ぎた。この間、惰性で、「日本海」という名前の不自然さについて忘れていた。ところが、韓国がこの名前にぶち切れているという報道を聞いて、このことを思い出したのである。
で、韓国人は何と呼んでいるかというと、「東海」であるという。これを国際名称にせよ、というのも、随分、自分かってな話である。日本からしたら北か西の海であり、沿海州あたりからしたら南の海であり、佐渡ヶ島からしたら、四方の海なのだから。
では「日本海」という名称は、どうなのだろうか。ここを「日本」と呼ぶのは、日本人の自分勝手だろうか。そう思い込んでいる韓国人も愚かだが、これを誇りに思っている日本人は
もっと愚かである。なぜならこういう名前をつけたのは、日本人ではなくて、西洋人なのだから。確かに西洋人からすれば、日本の東の海は「太平洋」という名前を既につけているのであるから、日本の西の海あるいは朝鮮の東の海を、「日本海」と呼んだり「朝鮮海」と呼んだりするのが自然な流れであろう。
他にも「東洋の海」とか、あるいは朝鮮風に「東の海」とか呼んでいたらしいが、紆余曲折の末に、19世紀に「日本海」で落ち着いたらしい。それは、西洋人が勝手に、そう落ち着かせたのであって、日本人は関与していない。
こういう西洋人が付けた「日本海」という名前を、有り難がって日本人が使い、その上、それに誇りを持つなんて、なんと恥しいことであろうか。植民地根性丸出しである。それを朝鮮人が怒るのもまた植民地根性丸出しで、そう言われて「ふざけんな朝鮮人」とぶち切れたりするのは、さらに植民地根性丸出しである。
朝鮮流の「東海」という名前の付け方はどうかというと、これも植民地根性丸出しなのである。しかしこれは西洋の植民地ではなく、中国の植民地である。自分の国を世界の中心と思って、東西南北を周辺の名称とする、というのが中国流だからである。
こういう植民地根性競争のような、恥しいことは、お互いにとって良くないので、やめたほうが良い。やめてどうするかというと、一緒に新しい名前を考えたらどうだろうか。「日本海」の周辺の諸国から代表を集めて、良い名前を考えるのである。
私の案は、
蟹の海である。なんといっても、「日本海」と言えば蟹だからだ。
ついでに、「太平洋」と、ポルトガル人が南米の端の方の海に付けた名前を、有難がって使うのも不愉快だから、こっちの名前も考えたい。私の提案は、
イルカの海である。静岡県ではイルカの肉をスーパーで売っているそうなので。アメリカとの戦争も、
イルカの海戦争とでも呼ぶことにしようかな。いずれにせよ「日本海」呼称や「東海」呼称にこだわるのは、お互いに愚かだからやめようではないか。
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- 2011/08/24(水) 21:40:34|
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