http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/08/02/1306855_0802.pdf文部省が日本中の大学に土壌サンプルを送って放射線量の測定を行っていた結果が漸く出た。今まで出されていた飛行機でのモニタリング・データとほぼ一致しているが、より精密で精度が高い。これでハッキリしたが、アメリカ政府が言っていたように、80キロ圏内からの避難が正しかったのだ。そうすれば、飯舘村の高濃度被曝や、福島市・郡山市といった大規模人口の被曝を防御できた。
福島市では、震災直後、ライフラインが寸断され、被災者は水をもらうために何時間も外で並んでいたが、誰も真剣に心配しておらず、マスクもしていない人が多かったので、大量に内部被曝したと予想される。そういうことも、キチンと危険性を認識してやれば、かなりの程度、回避できたはずだ。日本政府・自衛隊の総力を挙げて子供たちを疎開させれば、最初の二ヶ月ほどの高濃度被曝を回避することもできたはずである。そういうことを一切やらなかった政府の責任は重い。「安全だ」「心配ない」を連発してこの事態をつくりだした原子力関係者・放射線医療関係者の倫理的責任は、更に重い。
山下俊一教授らの努力によって、福島県の住民は「安心」し、ほぼ無防備に被曝し、いまも被曝している。彼らにとっては、疫学調査のための、願ってもない被曝サンプルができたわけである。この放射線量地図に重ねて疫学データを今後三十年ほどとれば、すばらしい低レベル被曝のデータがとれる。その結果が出る頃には、被爆した住民のうち運の悪かった人は、既に病気になっているか、死んでいる。
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- 2011/08/03(水) 10:53:02|
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『季刊東北学』28(2011夏)掲載の、大矢根淳「震災地復興の主体と条件 ー生活再建とコミュニティづくりに向けての覚え書き」が、震災・原発事故対策の法的基盤、
緊急災害対策本部の設置(災害基本法)
原子力緊急事態宣言の発令(原子力災害対策特別措置法第15条)
警戒区域の設定(同第63条)について論じています。
杜撰な出来の、別々になりたっている法を都合良く接続して事を進めていることがわかります。
責任回避だけは周到に確保して、場当たり政策がまかり通るのも道理でした。
- 2011/08/03(水) 14:18:59 |
- URL |
- NadjaM #79D/WHSg
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責任回避とその場しのぎ。
私達の国は、どこで道を誤ったんでしょうか。
継続的改善をしていかないと、子孫に顔向けできません。
- 2011/08/06(土) 20:32:11 |
- URL |
- さとレックス #79D/WHSg
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>さとレックスさん
明治以来、ずっとこの路線で来ているので、「道を誤った」というわけではないと思います。責任回避とその場しのぎ、というより、私は、純粋の悪意を感じています
- 2011/08/06(土) 20:37:39 |
- URL |
- 安冨歩 #79D/WHSg
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