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マイケル・ジャクソンの思想

『東電OL殺人事件』の著者・佐野眞一氏のコメント

以下のような記事をツイッターで知った。

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隠蔽体質の最たるものは泰子が夜の商売をしていることを、東電の連中がみんな知っていたことだよ。それでいて社員が身体を売っているなんて認めるわけにいかないから処分するでもなく、ロクに寝てないから会議中にウトウトする泰子を、同僚はみんなでバカにして笑っていた。どれだけ陰険な会社かわかるだろ。
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というのが強烈である。私は東京電力ではなく住友銀行で二年半ほど働いていたのだが、もし、そういうことがあったとしたら、同じような感じだっただろう、と想像がつく。銀行というところはおカタイところなのだが、後で知ったら、オフィス不倫だとかそういうのがワンサカあったのだ。

私の直接知っているところでは、既婚男性と窓口の女性とが恋仲になって、男性が離婚して、女性が退職して後に結婚した。これなどは、別に隠すような話とも思えないのだが、完全秘密であった。あるいは、既婚女性が新人男性社員を誘惑してメロメロにしてしまい、その男性が女性の両親に電話して結婚させて欲しい、と言ったものだから、女性は別の店に転勤になるということもあった。あるいは、ハイミスの美人女性を支店長が愛人にしていた、という話もある。これらは全て、退職してから聞いた。

こういうことは、まあ、人間というものはアホだから、常にあるのだろうが、とにかく、表に出てこないのである。しかし、実は、みんな(私みたいな空気よめない君を除くと)知っているのである。みんな知っているのに知らないフリをして表に出さないのである。実にヘンチクリンな世界であった。大企業とか官庁とか大学とかは、だいたい、そういう感じである。

そうやってバブルが起きて崩壊したし、原発ができて爆発したのである。

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『東電OL殺人事件』著者 表題の“東電”外すよう工作された
2011.06.25 07:00

 ノンフィクション作家・佐野眞一氏が東日本大震災のルポルタージュ『津波と原発』を上梓した。数多の被災地や事故現場を取材してきた佐野氏が、東北を歩くなかで感じたこと、そして東電の隠蔽体質について語った。
 * * *
 実は震災を取材するなかで、特に福島を歩く俺の脳裏から離れなかったのが、かつて『東電OL殺人事件』(2000年)に書いた渡辺泰子のことだった。慶応から東電に入り、通産大臣の渡辺美智雄ら政界との連絡役も務めた泰子は、娼婦として街角に立つ夜の顔を持ち、そして殺された。
 当時、俺はせめて表題から“東電”の二文字を外させようとする広報担当者からやけに豪奢な鯛釣り旅行に誘われたり、慇懃で狡猾な懐柔工作の標的になったから、その隠蔽体質はイヤになるほど肌で痛感しているけどね。
 隠蔽体質の最たるものは泰子が夜の商売をしていることを、東電の連中がみんな知っていたことだよ。それでいて社員が身体を売っているなんて認めるわけにいかないから処分するでもなく、ロクに寝てないから会議中にウトウトする泰子を、同僚はみんなでバカにして笑っていた。どれだけ陰険な会社かわかるだろ。
 つまり今回露呈した東電の隠蔽体質は昨日今日始まった話じゃない。底意地が悪くてどこか他人事な無責任体質の化けの皮が、多少剥がれたってだけなんだ。
※週刊ポスト2011年7月1日号
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  1. 2011/07/22(金) 11:01:22|
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コメント

1 ■タイトルに原発の二文字を入れてほしかった

書名に「東電」の二文字を残すことさえ大変だったとのことなので、『東電OL殺人事件と原発』なんてタイトル、可能だったはずはないでしょうけど、東電がどんな会社か知らなかった世間知らず君の私は、この事件、ネパール人のえん罪事件としてしか覚えていませんでした。

再審が始まるという情報もありますが、佐野氏にはぜひ、『・・・と原発』というタイトルで次を書いてほしいと思います。
  1. 2011/07/23(土) 13:10:29 |
  2. URL |
  3. まゆまゆ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

2 ■深い闇

こんにちわ
この東電の女性は、(反)原発の論文で賞を得たそうです。その父も東電社員として、業務から原発への危険性を訴えていた…
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1363773493
東電=深い闇世界(まさにplutoの世界)を感じてしまいます。
また桐野夏生『グロテスク』は、「階層差別」に挑み、排除された女性の1人と見ていました。面白かったです。
  1. 2011/07/24(日) 08:13:47 |
  2. URL |
  3. coucou #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

3 ■Re:深い闇

>coucouさん

この方が、反原発の論文で賞をとったというのはデマです。高橋亀吉賞の佳作だったはずで、其のタイトルは、

http://www.cool-knowledge.com/0529Kokorono-yami(1).html

によると、

『家計収支構造の変化―制度改革論議のための一考察』

だそうです。確か、こういう分野の専門だったはずなので、これがホントだと思います。

  1. 2011/07/24(日) 09:10:09 |
  2. URL |
  3. 安冨歩 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

4 ■そうでしたか!

ありがとうございました。
このごろは「何でもありだな」と思ってしまい、とんだ風評を拡散させてしまうところでした。
気をつけます。
さて、このOL事件は、当時、ダイアン・キートン主演の『ミスター・グッドバーを探して』とそっくりだと思いました。やりきれない映画でしたが…
  1. 2011/07/24(日) 16:27:55 |
  2. URL |
  3. coucou #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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