【ご意見及びその理由(800字以内)】 現代社会において、最も重要な経済的価値は、ブランドである。ブランドを持つ企業は高い利益を挙げることができるが、如何に技術が高かろうと、製品がよかろうと、ブランドがなければ、利益は出ない。これは社会全体にとっても同様であり、「日本」あるいは Made in Japan ブランドこそは、我々の最大の資源である。 ところが、福島原発事故とその処理のまずさによって、日本ブランドは致命的とも言える傷を受けた。クリーン・ハイテク・信頼性というイメージは、放射能まみれで、技術が低く、嘘つきだ、という印象に変わってしまったのである。そのダメージは、計り知れないほど大きい。ブランドがそもそも「風評」である以上、「風評被害」だと言っても無駄である。 このダメージを回復するためには、21世紀にふさわしいあらたな経済社会についての具体的イメージ(おそらくは「里山経済」あるいは「里山社会」というもの)を提出し、それに向けて全力で邁進する以外にない。 そのための第一歩が、「脱原発」のメッセージを明確に出すことである。もし、日本政府が、過去からの原子力中毒に拘泥するなら、ブランド価値は完全に失われてしまうことであろう。