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マイケル・ジャクソンの思想

福島原発:東大話法の研究・また池田信夫氏のブログを題材として

Twitter で流れていたので池田氏の以下の記事を見て、これまた第一級の東大話法の研究材料であったので、議論したい。

http://news.livedoor.com/article/detail/5582619/

全国の原発を即時停止せよ
2011年05月24日23時06分

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アゴラは原発容認派の意見が多いので、バランスを取るために反原発派の立場から書いてみます(私のツイッターにいつも寄せられる意見を参考にしました)。
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そうだ!!!
「バランス」!!
これぞ、東大話法の真骨頂なのである。東京大学では「バランス感覚」が重視される。何か、極端な意見は軽蔑され、全体のバランスを考えた発言が尊重されるのである。

【東大話法規則】全体のバランスを常に考えて発言せよ。真理や信念を語ってはならない。

それから、
「反原発派の立場から書いてみます」
というのも凄い。
そうだ!!
「立場」!!
東大の先生は学生を指導するときに、
「お前は一体、どういう立場で議論をしているんだ?!立ち位置をハッキリさせなさい!!」
というようなことを良く言う。どうやら、彼らは、予め立場を設定して、そこから議論をを展開するのが正しいと固く信じているらしいのだ。

これは私にとって非常な驚きであった。私は学問というものは、真理を探求するものであると固く信じている。もちろん、私が勝手に思い込んでいることは真実ではない。真実を見るためには、私を離れて、対象に没入する必要がある。その没入の中で、対象をめぐって作動している論理を体感することが、不可欠だと考えている。その没入の中から、自分自身が囚われていた思い込みや錯覚や盲点が、ハタと浮かび上がってくるのである。そうして自分自身の世界の見え方が、ガラリと変わった瞬間に、真理へと一歩近づきうる発見がある。学問とはそういものだと思うのだ。

ところが東大ではそういう態度は、青臭いとか、百年早い、とか言われて、受け入れられないのが普通である。そのかわり、何らかの「立場」から、それにふさわしい「手法」を適用して、議論を展開することが、常道とされる。しかしその「立場」とやらを、一体、どうやって決めるのか、私にはサッパリわからない。彼らには、さまざまな都合に合わせて、適当に「立場」を選ぶことができるらしいのである。

こういう風に学問を捉えているので、ここで池田氏がやってみせるように、自分が思ってもいない「立場」からでも、議論が展開できるのである。こういうことができるのは、結局のところ、どの「立場」も彼らにとっては同等なのであって、ケースバイケースで使い分ければ良い、と考えているからであろう。

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浜岡原発を首相の「要請」で停止した影響で、定期検査を終えた原発の再稼働を拒否する自治体が増えています。福井県の西川知事は「安全が最優先だ」として、県内の原発の再稼働を拒否しました。「関西から原発をなくす」と勢い込んでいる大阪府の橋下知事は喜ぶでしょう。この他にも佐賀県の玄海原発でも県議会が再稼働に反対し、愛媛県の伊方原発でも地元は再開に反対しています。
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はい。

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斑目原子力安全委員長は「全電源喪失という事態を想定していない国の安全基準は明らかに間違っている」と国会で答弁し、安全基準の改訂を決定しました。これは全国の原発が「間違っている」ことを意味します。間違った安全基準で運転している全国の原発は即刻止めるべきです。命はお金に代えられません。
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はぁ。

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「東海地震の確率87%」などという首相の要請には、何の法的根拠もない。すべての原発は、いつ地震が起こっても大丈夫なように設計されているので、確率なんて意味がありません。政府は、他の地域は低確率なら死んでもいいというのでしょうか。福島事故で明らかになった津波の影響についてはすでに対策が取られたので、浜岡を止めるなら、同じ基準で全国のすべての原発を止めるべきです。命はお金に代えられません。
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お上手、お上手。

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いま全国の54基の原発のうち34基が止まっていますが、検査中の原発が再稼働しないままスケジュール通り定期検査に入ると、夏のピーク時には42基が止まります。「そんなことをしたら電気が足りなくなる」という人がいますが、命はお金に代えられません。最大出力だけを考えれば、全国の火力・水力を足せば、東電の目標とする5500万kWを出すことは可能です。
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「命はお金に代えられません」というのが三回も出てきた。どうやら、このフレーズが一番、彼の気に入らないことなのであろう。恐らく「全てはお金に代えられる」というのが池田氏の唯一の思想的背骨なのであろう。

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それによって燃料費は全国で年2兆円ぐらい増え、電気代は2割ぐらい上がります。古い火力発電所を無理にフル稼働すると事故が起こりやすく、ピーク時に1基が止まると首都圏全体が大停電しますが、命はお金に代えられません。停電で病院などで死者が出るかもしれませんが、放射線を浴びて死ぬよりましです。
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恐らく、電気代が2割も上がれば、電力消費量は大幅に減るであろうから、ピークは相当に低くなるので、停電しないだろう。

それから、「命はお金に代えられません」がまた出てきた。池田氏は、本当に命をお金に変えたいのであろう。


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最終的には、すべての原発を廃止すべきです。その穴は「自然エネルギー」で埋めるのが理想ですが、できなければ火力でもかまわない。それによって燃費は上がり、供給は不安定になり、大気汚染は悪化し、電気代は数倍になるでしょうが、命はお金に代えられません。
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何故、そんなに火力が嫌いなのであろうか。以下は中部電力の宣伝のHPだが、現在の日本の火力発電所の公害は非常に少なくなっている。特に、最新鋭の発電所になると、60%を電力に変換できるので、原発の二倍の効率を誇る。

http://www.chuden.co.jp/energy/kankyo/hatsudensho/hat_thermal/air/index.html

石炭だと効率が45%くらいに下がるが、燃料の値段が安い。

http://www.nikkei.com/tech/ssbiz/article/g=96958A9C93819696E0E2E2E79A8DE0E2E2E6E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;p=9694E3EAE3E0E0E2E2EBE0E4E2EB

火力発電所は、スイッチを入れたらすぐに動かせるのに大して、原発はそうはいかない。ちょっとした不具合でも止めないといけないが、そうなるとすぐには起動できないので、稼働率が非常に不安定である。

http://www.nuketext.org/mondaiten_tsukurisugi.html


【東大話法規則】都合の悪い事実は無視せよ。

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電力不足で工場が海外に移転して雇用が失われても、30年ぐらい前の暮らしに戻るだけです。
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原発が無くなったら30年くらい前の暮らしに戻るなど、ありえない脅しである。原発の無理な維持が発電コストを上げて、日本の雇用を失わせている。それに、原発事故の与えた日本ブランドへの巨大な風評被害のコストを考えてみよ。


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エアコンとか冷蔵庫なんかなくても、人間は生きていけるのです。
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それはその通りだ。真剣にそういう道を考えたほうが良い。
しかし、30年くらいまえにも、冷蔵庫もエアコンもあったぞ。
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  1. 2011/05/27(金) 00:02:26|
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