http://ameblo.jp/isseiishida/entry-10819818986.htmlいしだ壱成氏の子供の時の体験である。日本では、原発の危険な出力調整実験に反対するだけで、子供でさえこういう目にあうのである。
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その瞬間、誰かに突き飛ばされて地面に叩きつけられた。
やはり、武力による衝突が始まったのだ。
急いで起き上がるが、身体の小さい僕は圧倒的に非力だった。
あたりはカオス状態だった。
今度は機動隊員の膝蹴りを喰らった。
また冷たいアスファルトの地面に顔面から叩きつけられた。
ラジ!!と聴いたことのある声が聞こえた。ラジというのは、僕の洗礼名で、親たちにはこう呼ばれる方が多い。
顔を上げると、子供になんてことするんだ!!と僕を助けようと手を伸ばして叫んでいる西荻窪で無農薬野菜の八百屋を営む親(一括してそう呼びたいと思う、僕には沢山の親がいると思っている)がいた。一瞬だが、知った顔を見つけて安心した。
その矢先、機動隊の警棒が彼に叩きつけられ、彼は苦痛に顔を歪めてその場に倒れ込んだ。
あんなに優しい笑顔しか見たことのなかった人間が見知らぬ人間に殴られて、苦痛に顔を歪めている。
全部がスローモーションだった。
自分の母親を探した。
遠くに見えた。騒乱に巻き込まれていた。誰かに殴られたのか、痛そうな顔をしていて、尚且つ機動隊の警棒が母を襲おうとしていた。
助けに行かねば、と立ち上がった。僕がいった所でたいした助けにはならないのだが、とにかく息子の本能というやつだろうか。
その瞬間、今度は自分が警棒で右肩あたりを殴られてまた倒れた。
このくそがきが!!
と聞こえた。地面に丸くなって防御体制に入っていた僕の横腹を何人かの隊員に蹴られた。息が出来なかった。そうか、僕はくそがきなのか。そんなこと、初めて言われた。
安全靴のつま先の鉄板があんなに重くて威力のあるものだとは思わなかった。左頬に鉄の冷たさを感じた。後頭部を厚いブーツの底で踏んずけられた。何人の隊員に踏みつけられただろう。
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- 2011/05/15(日) 10:28:14|
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