マイケル・ジャクソンの思想

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浜岡原発:池田信夫氏の東大話法の更なる事例

東大話法の事例研究の題材として、池田信夫氏の原発論議は最適の事例である。また、題材が提供されたので、考察する。

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2011年05月06日 22:19
浜岡原発の「停止要請」は非科学的だ

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菅首相は突然、記者会見で中部電力の浜岡原発の運転停止を要請した。その理由は

これから30年以内にマグニチュード8程度の想定の東海地震が発生する可能性は87%と極めて切迫しています。こうした浜岡原子力発電所の置かれた特別な状況を考慮するならば、想定される東海地震に十分対応できるよう防潮堤の設置など中長期の対策を確実に実施することが大切です。

ということだが、この理由は非科学的である。
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「非科学的」と大きく出ている。東大話法の話者がこういうレッテル貼りを他人にするときは、大抵、言っている本人の議論がそのレッテル通りである場合が多い。それゆえ、池田氏が「非科学的」というレッテル貼りをしている以上、池田氏本人がこれから非科学的なことを自信満々で言うのではないか、と疑うべきである。

【東大話法規則】★他人に「非科学的」とレッテル貼りして、非科学的な議論をする。
【東大話法規則】★自信満々で矛盾したことを言う。


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今までに判明している福島第一原発の事故の経緯は、次のようなものだ:
1 地震によって原子炉は緊急停止し、核燃料の連鎖反応は止まった
2 受電鉄塔が倒壊して外部電源が供給できず、ECCSが作動しなかった
3 予備電源が津波で浸水して給水ポンプが作動しなかった
4 原子炉(GE製)の電圧が440Vで、電源車と合わなかった
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これを「科学的根拠」とするのは無理がある。これは、現時点で東電と政府の語っているストーリーに過ぎない。たとえば、本当に連鎖反応が止まったのかどうか、多分そうだが、本当のところはまだわからない。「科学的」事実かどうかは確定していない。

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浜岡が危険だといわれたのは、東海地震の震源の真上にあって、原子炉が地震で破壊される(あるいは制御できなくなって暴走する)のではないかということだったが、これについては東海地震で想定されているよりはるかに大きな今回の地震で、福島第一の原子炉は無事に止まった。浜岡も国の安全審査では、東海地震に耐えられる(これは首相も問題にしていない)。
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今回の地震は広範囲なのでエネルギーの総計が巨大であり、モーメントマグニチュードが9.0 となった。しかし、各地の震度はそれほどでもなかった。なぜかというと、震源域が沖合で陸地から遠かったからである。

マグニチュードと震度とは違う

というのは、小学生でも知っているような話である。それゆえ、地震のエネルギーが大きかったからといって、福島原発の受けた地震動が最大だった、ということにはならない。

実際、下の読売新聞の記事にあるように、福島第一原発の受けた加速度は完全に「想定内」であった。地震の衝撃は柏崎刈羽原発が受けたほうが遥かに大きかったのである。

これに対して、東海地震で想定される8M は、原発の下に入り込んでいるプレートそのものが動く、という直下型であり、浜岡原発に対して実際に生じる加速度は、柏崎刈羽を遥かにしのぐ可能性がある。だから多くの人が、浜岡原発は廃炉にすべきだ、と言っているのである。

更に、池田氏は、「浜岡も国の安全審査では、東海地震に耐えられる(これは首相も問題にしていない)」と、いきなり、国の審査や首相の発言に話をすり替える。「非科学的」かどうか、が問題だったのではなかろうか。私は、国の審査は非科学的であるので、この際、関係ないと考える。

以上から、このパラグラフの池田氏の議論は、まさしく「非科学的」だと結論しうる。

【東大話法規則】★科学的かどうか検証する、と言って、科学と関係ないことを言う。


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問題は、予備電源が津波で浸水したことである。これについては、浜岡には12mの砂丘があり、予備電源と給水ポンプを原子炉建屋の2階屋上(海抜15~30m)に移設する工事がすでに行なわれたので、防潮堤は必要ない。かりに予備電源がすべて地震で破壊されたとしても、浜岡の原子炉は東芝/日立製なので、予備の電源車が使える(構内にも電源車がある)。つまり3と4は福島第一に固有の欠陥であり、浜岡には当てはまらないのだ。
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私は浜岡原発は廃炉にすべきだと考えるので、防潮堤が必要ない、というのには賛成だ。しかし、津波の被害は別に予備電源と給水ポンプだけではない。いろいろな機材が根こそぎ持って行かれている。もしかしたらそれだけで大事故が起きたのかもしれない。事故の「科学的」検証は何も済んでいないのであるから、このように断言するのは「非科学的」である。


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福島第一事故は、最悪の条件で何が起こるかについての「実験」だった。何も知らない外国政府が漠然と「原発は危ない」と考えて運転を止めるのはしょうがないが、日本政府は因果関係を詳細に知ることができるのだから、事故の原因は予備電源を浸水しやすいタービン建屋の中に置いたという単純な設計ミスだったことがわかるはずだ。
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(1)既に述べたように、地震については「最悪」ではない。他の諸条件も、「最悪」かどうかはわからない。
(2)東電も日本政府も、因果関係を詳細に知ってはいない。それがわかるのは何十年か先だ。
(3)だれも知らない本当の科学的因果関係を知るはずもない池田氏が、「単純な設計ミスだったことがわかるはずだ。」と断言するのは、あまりにも非科学的である。
(4)「単純なミス」でとんでもないことが起きるのが、原発の問題点だ、ということが繰り返し指摘されてきた。池田氏の主張に従えば、「単純な設計ミス」でこんな事故が起きることが立証された、ということになる。

この論法は結局のところ、自分の結論に持っていくために都合の良い話をつなげている、ということである。

【東大話法規則】★自分の持って行きたい結論に向けて、都合の良い話を集める。


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福島第一の場合も原子炉建屋の屋上に移設しておけば、福島第二と同じように冷温停止になったはずだ(工費は数百万円だろう)。事故原因は特定されているのだから、それを無視してなんとなく「津波対策をするまで危ない」と考えるのは論理的に間違っている。中部電力は法的根拠のない「要請」を拒否し、保安院の説明を求めるべきだ。
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「事故原因は特定されているのだから」というのは、池田氏が勝手に思っていることであって、何ら、科学的検証を経ていない現在、如何なる事故原因に関する推論も、確実とは言えない。

「それを無視して」というのは、「私が勝手に思っていることを無視して」という意味である。これは東大で非常によくお目に掛かるご意見である。ある教授は、教授会を勝手に休んでおいて、その間に大事なことが決まると、「オープンに議論がなされていない!!」と切れていた。彼が言いたかったのは、

「私が勝手に思っているを無視するとは何事か!!」

ということだったのだ。

「『津波対策をするまで危ない』と考えるのは論理的に間違っている」

と、「論理的に間違っている」という言葉が出てきたが、以上の議論から、池田氏の議論も「論理的に間違っている」ことが明らかである。これも「レッテル貼り攻撃」である。

【東大話法規則】自分の都合が通らないと、「非民主的」「非科学的」「閉鎖的」などと攻撃する。
【東大話法規則】★論理的に間違った議論によって、他人を「論理的に間違っている」と攻撃する。


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津波は想定以上、揺れは想定内…福島原発

福島原発
 東日本巨大地震で被災した東京電力福島第一原子力発電所で記録した揺れの最大加速度が、経済産業省原子力安全・保安院が同原発の耐震安全の基準値として認めた数値の4分の3に過ぎない448ガルだったことが18日、わかった。


 地震の揺れは想定内だったが、高さ6メートル以上とみられる想定外の津波が、原発の安全の根幹に関わる機能を喪失させた可能性が高い。

 同原発の2台の地震計で記録された今回の地震の最大加速度は、448ガルと431ガル。東電は同原発で予想される揺れの最大値を600ガルと想定していた。しかし、東電関係者の証言によると、この揺れによって、送電線を支える原発西側の鉄塔が倒れた。その結果、自動停止した原発に送電できなくなり、1~3号機の冷却機能がストップした。

 続いて襲来した津波は海水ポンプを水没させた後、タービン建屋にぶつかり、原子炉建屋の脇を抜けて西側にある小山の麓までを水没させた。緊急炉心冷却装置(ECCS)などを動かす非常用ディーゼル電源も海水に漬かり、6号機を除き使用不能になった。

 津波の正確な高さは不明だが、東電は土木学会の研究成果などに基づき、「津波が5~6メートルの高さであれば施設の安全性は保てる」としていたことから、6メートル以上あったとみられる。東電はまた、近海でマグニチュード(M)8・0の地震による津波で水位が上がっても、海水ポンプなどの機器に「影響はない」としていた。

 今回の地震の規模はM9・0で、想定した地震の約30倍というけた違いの大きさ。あるベテラン社員は「入社以来、何十年も原子力の安全性を信じてきた。『まさか』という気持ちの連続だ」と肩を落としていた。

(2011年3月19日07時50分 読売新聞)
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  1. 2011/05/07(土) 13:28:53|
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  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
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コメント

1 ■無題

中電の仕事を引き受けていた時期があったので浜岡原発の記事はいずれアップしようと思います。
今回は東京でんこさんに聞いてみました。
  1. 2011/05/07(土) 18:48:19 |
  2. URL |
  3. 藤枝俊一郎 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

2 ■池田氏氏の誤解

ECCは外部電源が復帰した現在でも使用されていない。従ってECCが作動しなかったのは電気がなかったからでなく、他の理由、例えば、ECCの配管が破損していた、冠水してポンプが故障した等によります。津波が来る前に地震で配管、機器、構造物がかなり破損していた疑いが強いのです。3月11日の原子炉のデータを東電が公表すればわかるのですが何故か隠しています。

電源車の電圧については一般に60HZでは440V、50HZでは400Vが使用されていますが、電圧が10%違う程度では全く問題なく兼用できます。電圧が違っていたから電源車が役に立たなかったからでなく、受電側の配電盤が冠水して接続できなかったものと思われます。
  1. 2011/05/08(日) 16:02:00 |
  2. URL |
  3. 釜山港 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

3 ■Re:池田氏氏の誤解

>釜山港さん

ありがとうございます。おそらく、「誤解」ではなく、自分に都合の良いように認識をねじ曲げる高い能力によるものだと思います。
  1. 2011/05/08(日) 16:07:39 |
  2. URL |
  3. 安冨歩 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

4 ■もう支離滅裂

この一週間、福島の新しい事実が報道され、その全てがこれまでの池田信夫氏の主張を覆すものでした。彼は全てを津波のせいにしてましたが、津波が来る前に重要施設が地震で破損の可能性があると東電が認め、昨日は地震が来た当日にメルトダウンが発生したとの東電の発表です。

今日のブログではメルトダウンと呼ぶのはおかしいと強弁してます。東電も原子力保安院もメルトダウンと言っているのにもかかわらずです。wikiでもmeltdownは炉心の溶融のことを指すと明記してます。事態は益々深刻で絶望的な状況です。今後数十年、高濃度の汚染水を海へ流す危険が高まっており、チェルノブイリ以上の事故となる可能性があります。池田氏がこれまでの自説をどう弁護していくか楽しみでもあります。
  1. 2011/05/16(月) 20:18:02 |
  2. URL |
  3. 釜山港 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

5 ■Re:もう支離滅裂

>釜山港さん

メルトダウンという言葉を使わないほうがいい、ということには賛成です。わけがわからなくなります。但し池田氏とちがって、「チャイナ・シンドローム」という中国差別用語の使用にも反対です。
  1. 2011/05/16(月) 20:26:40 |
  2. URL |
  3. 安冨歩 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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