だいぶ前に、電源が復旧して冷却系が回復すれば、人間側がコントロールを取り戻すのだが、ということを書いた。もちろんそれは、非常に難しいことであり、最初から可能性は低かった。
その可能性が遂に消滅した。
ということは、おそらく、原発の抑制はほぼ不可能になった、ということである。空気を流して100度以下に持ち込むなど、夢物語に近く、気休めのようなものであろう。
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原発、海水利用の冷却断念…外付け空冷装置に
読売新聞 5月2日(月)3時8分配信
東京電力は、福島第一原子力発電所1~4号機の危機を収束させる手段について、本来の冷却システムである海水を使った熱交換器の復旧を、事実上断念した。
熱交換器が動けば原子炉などの温度を劇的に下げることができたが、ポンプ類が集中するタービン建屋に大量の汚染水がたまり、既存のポンプを使う熱交換器の復旧には相当の時間がかかると判断した。
今後は、補助的な位置づけだった空冷式の「外付け冷却」によって、100度未満の安定した状態(冷温停止)へ徐々に持ち込むことを目指す。
熱交換器は、海水が流れる装置の中に、原子炉などの冷却水が流れる配管を浸し、低温の海水で高温の冷却水を冷やす仕組み。冷却効率が高く、5、6号機では3月19日に熱交換器が復旧すると、原子炉内の温度が1日で約200度から約30度まで下がった。
東電は1~4号機でも熱交換器の復旧を急いだが、タービン建屋の地下などには、原子炉から漏れ出したとみられる汚染水がたまり続けて排水が追いつかず、ポンプ類を復旧させるめどが立たない。また、余震による津波対策として作業用トンネル(トレンチ)をコンクリートで塞ぐことになり、トレンチ内の配管を通して海水を熱交換器へ引き込むのが難しくなった。
最終更新:5月2日(月)3時8分
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- 2011/05/02(月) 08:12:06|
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これ読んで、久々にぞーっとしました。それで、お返しに、以下の映像をプレゼントします。
チェルノブイリで事故処理を行った作業員の様子とその後を描いたドキュメンタリー。
http://www.youtube.com/watch?v=tQLs7lbuT-8
- 2011/05/03(火) 14:56:55 |
- URL |
- まゆまゆ #79D/WHSg
- [ 編集 ]
もうひとつ、ぞーっとする話です。反原発デモへのメッセージ欄から。
全く報道されませんし公表もされてませんが、茨城県東茨城郡東海村にある、日本原電東海第二原発(東京から約100Kmちょっと北東)も実は福島第一原発一歩手前までいっていました。
地震によって外部電源喪失、ディーゼル発電機も津波によって一台が停止し、そのため残留熱除去系ポンプが停止して炉内圧力上昇、減温減圧の為にこっそりベント(つまり内緒で放射性物質撒き散らし)、幸い一系統の冷却システムが生きていて3月14日に外部電源が回復した為なんとか冷温停止したものの、その間原子炉は非常に不安定な状態で、本当に危なかったんです。
しかも3月11日の大震災当日、私はNHK-FM水戸放送局の情報を聴いていたのですが、「県内17の原子力施設に異常はありません」と放送していました。原子力機構(旧動燃)も廃炉になった研究炉の排気塔が倒れたりしてますが、発表しておらず詳しい事は全くわかりません。情報隠しは相変わらず。おそらく福島第一原発の様な事態に陥るまで、私たち地元住民は蚊帳の外だったのでしょう。
本当に他人事では無いんです。
私は5月7日、仕事のために参加できませんが、皆さんのご活躍を心から応援しております。
そして、口コミでも何でもぜひ東海第二原発の事も広めて下さい!今は停止中の東海第二原発を二度と稼動させず、そのまま廃炉にさせましょう!
中村豊(脱原発とうかい塾世話人)
- 2011/05/03(火) 21:26:14 |
- URL |
- まゆまゆ #79D/WHSg
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