東電の工程表という、まぁ、気休めの予定表が出たので、それに合わせて海江田経産相が、下の記事のような見通しを明らかにした。20キロ圏外についてさえ、事態が収束してから、帰れるかどうか決める、というのである。この時点で帰れないところが出ることはほぼ確実という意味だろう。半年後にまだ帰れない水準の放射能があるということは、セシウムやストロンチウムは半減期30年程度なので、数十年は帰れない。20キロ圏内は、その時点でさえ、帰れるかどうかを決められない、という。
こないだの管直人首相が言ったとされる内容よりも、むしろ厳しいと私は思う。にもかかわらず、どうして誰も「こんなことを言うなんて、政治家として不適格だ!」と怒り狂わないのだろうか。言い方が違うからだとすれば、まさしく「朝三暮四」である。
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http://www2.odn.ne.jp/kotowaza/sub09-1-2-tyousanbosi-koji.htm
朝三暮四
宋の国に狙公という人がいた。猿を可愛がって群れをなすほど養っていた。サルの気持ちを理解することができ、猿も同様に主人の心をつかんでいた。自分の家族の食べ物を減らしてまで、猿の食欲を充たしていた。ところが急に貧しくなったので、猿に与える餌の茅(どんぐり)を減らすことにした。猿たちが自分になつかなくなってしまうのではないかと心配したので、まず猿たちを誑かして言った。
「お前たちにどんぐりをやるのに、朝は三つで暮は四つにする。足りるか」
すると猿たちは皆起ち上がって怒りだした。そこで狙公は急に言い変えて、
「それじゃ、朝は四つで暮は三つにしよう。足りるか」
と言うと、猿たちは皆平伏して喜んだ。
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賠償策の枠組み検討は始まっている…経産相
海江田経済産業相は17日の記者会見で、避難住民の帰宅時期について、「6~9か月後を目標に一部地域で帰宅が可能か否か知らせたい」と述べ、事故の収束のめどをつける6~9か月後に判断したいとの考えを示した。「(判断して)帰れないケースもある」と述べ、地域によっては避難生活がさらに長期化する恐れもあるとの認識も示した。
東京電力が福島第一原発の事故収束に向けた道筋を示したことを受け、臨時記者会見を行った。
海江田経産相は避難住民対策について「政府として仮設住宅や借り上げ住宅を早く大量に確保したい」と述べた。
数兆円から十数兆円に達するとされる東電の賠償策の枠組みについては、「すでに検討は始まっている。(今年度の)2次補正予算が大きな影響を与えると思う」と述べ、検討を急ぐ考えを示した。
(2011年4月17日22時54分 読売新聞)
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帰宅判断「6~9カ月後がメド」海江田経産相
2011年4月17日21時27分 朝日新聞
東京電力の発表を受け、海江田万里経済産業相は17日会見し、福島第一原発周辺から避難している住民が帰宅できるかどうか判断する時期について、工程表第2段階の6~9カ月後がめどになるとの考えを明らかにした。その時点で、内閣府原子力安全委員会の意見を聴き、避難区域の見直しを行うという。
工程表について、「道筋が示されたことは大事な一歩」と評価したが、今後の見通しについて「当初の予定より遅れがちなのは否定できない」として、経産省原子力安全・保安院で作業の進み具合や安全性の確認をする。
海江田氏が見直しに言及したのは、半径20キロ圏外の計画的避難区域と緊急時避難準備区域。避難指示が出ている20キロ圏内の見直しは明言しなかった。原子力安全・保安院によると、20キロ圏内については方針が決まっていないという。
また、「もちろん、(住民らが)帰れないケースもある」とし、判断の結果、放射能汚染された一部地域ではその後もなお、居住できなくなる可能性もあるとの見方を示した。
工程表はあくまで「東電がとりまとめたもの」としている。東電から相談を受け、低濃度であっても放射能汚染された水を外部に放出しないよう意見を述べたという。東電の工程表発表予定は午前中の段階で報告があり、関係閣僚や各国の大使館に連絡したという。(小堀龍之)
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- 2011/04/17(日) 23:35:00|
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