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マイケル・ジャクソンの思想

2,000 Watts:2000ワットで済ませよう(4)

マイケル・ジャクソンが本当に2000ワット社会という概念を知っていて、それをこの歌に込めたのかどうか、私にもわからない。しかし少なくとも、そう思うと意味が通じるので私はとても驚いた。

現在の原子力発電所の事故を見れば、2000ワット社会がどれほど必要なことか、明らかだと私は思う。近視眼的な人々は、「原発が危ないから全部止めろというなら、一体、電気をどうやって発電するんだ」と凄む。私の答えはこうだ。

(1)とりあえずは石炭を燃やせば良い。
(2)水力と火力をフル稼働させれば、大丈夫。
(3)みんなで節電すればよい。

この三つで何年かはなんとかなろう。そのつぎはどうするのかというと、スイスの2000ワット社会は、自然エネルギーを活用しようとしている。

しかし私はそれには反対だ。というのも、いわゆる自然エネルギーという奴は、それほどエコロジーではないからだ。たとえば太陽電池だが、太陽電池パネルをつくるのに、相当の資源を食っている。効率が年々上昇しているのでもしかしたら違うのかもしれないが、太陽電池パネルをつくるのに投入されている資源+エネルギーは、もしかしたら得られる電気より、少ないのではないだろうか。大きな問題は砂埃である。太陽電池パネルは、どうしても、砂埃で汚れる。汚れると、効率が落ちる。かといって、毎日パネルを磨くわけにも行かない。自動パネル掃除ロボットとかを投入すると、資源と電気を食ってしまう。

それに、

太陽光+機械⇒電気

と、

(太陽光⇒光合成⇒植物⇒化石化⇒石油石炭)+機械⇒電気

というのは、そんなに本質的な変化とも思えない。

マイケル・ジャクソンは、http://secret.ameba.jp/anmintei/amemberentry-10514114881.html#main で論じたように、That man in the mirror という詩のなかで、

===========
地球の問題を解決したいと願う良き人々を探すのは、むずかしくはなかった。彼らの解決策に耳を傾けて、私は考えた。「ここには多くの善意が、多くの関心がある」と。その晩ベッドにはいる前、鏡のなかのあの人は、真剣な顔つきでぼくを見返した。「きっとどこかに行ける」と力強い声で彼は言った。「皆が自分の役割を果たせば。」

だが、皆は自分の役割を果たさなかった。もちろん、果たした者もいるが、潮流を止めただろうか。痛み、飢餓、憎悪、汚染は解決されんとしていただろうか。願うだけではそうはならない、と私は思い知った。
===========

という厳しい指摘をしている。つまり、いわゆる環境問題を解決するためのアイディアというのは、結局のところ役に立たない、と言っているのだ。いわゆる自然エネルギーというものは、上の「解決策」に過ぎないのだと思う。

これに対して彼が提唱する解決策は以下である。
===========
 「さあ、友よ」私は彼にささやいた、「愛なしに問題が解決できたりすると思うか?」。鏡の中のその人には、よくわからなかった。あまりにも長い間孤独でいたため、他人を信じられず、他人に信じられず、人生の真実から遠ざかってしまいがちだったのだ。「愛は痛みよりも真実なのか?」彼は尋ねた。

 「そうだと確言はできない。しかしおそらくそうだ。発見しようじゃないか」と私は言った。私は歯を見せて笑いながら鏡に触った。「もう孤独でいるのはやめよう。私の相棒になってくれないか?ダンスが始まるのが聞こえている。」鏡の中の者は恥ずかしそうな笑顔を見せた。我々が親友たりうることがわかってきたのだ。我々は毎日、互いにより安らかに、より愛情がこもり、より正直になれるだろう。

 これが世界を変えるのだろうか?私はそう思う。なぜなら母なる地球は、我々が幸福になり、母なる地球を愛し、その必要を満たすようになることを欲しているからだ。地球は恐れない人々が自分の側にいることを必要としている。その勇気は、自らが地球の一部であることから生じる。まるで、いつでも抱きとめて守ってくれる母親がいるがゆえに、赤ん坊が勇気をもって歩み出せるように。鏡の中の人が、私のための、彼のための、愛に満ちたとき、もはや恐れの入り込む余地はない。我々が心配して取り乱したときに、自らの人生とこの地球とへの愛を止めたのだ。我々は断絶した。断絶したと感じていて、地球を救うために駆けつける者などいるわけがない。おそらく地球は、望んでいることを我々に告げているのに、それに耳を傾けず、我々は自分自身の恐れと取り乱しとにたじろいでいるのだ。

 ひとつ、私にわかっていることがある。自分が地球の子供であるなら、決して孤独を感じない。日々、命の全てが私の中にあるということがわかっている限り、自己の生存にしがみつく必要はない。子供たちとその痛み、子供たちとその喜び。太陽の下で広がる大洋、黒い油に涙を流す大洋。怯えて狩られる動物、生きる純粋な喜びをはじけさせる動物。

 「私のなかの世界」というこの感覚を、私は常にどれほど欲しているか。鏡の中の人は、時に疑う。それゆえ私は彼を哀れむ。毎朝、私は鏡に触ってささやく。「ああ、友よ。ダンスが聞こえる。相棒になってくれるかい?さあ。」
===========

ここで言っていることは、自分自身の表層(=鏡のなかの自分)を、自分自身と統合する、ということなのである。これを実行することが、2000ワット社会を実現するための重要な鍵だと私は考える。それは、私の言葉でいえば、

「偽装された幸福の追求」

から

「幸福の追求」

への移行である。前者のためには原発がいるが、後者のためには全く邪魔者である。

(了)
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  1. 2011/04/14(木) 20:00:00|
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  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

1 ■素晴らしいと思います。

マイケルは、ほんとに素晴らしいです!
また、読み返して涙してしまいました。
この歌の意味が、よくわからなかったのですが、
解釈を読んで、よくわかりました。
自分自身を生きることで、いらない消費をする必要がないということですよね。
そして、そうなれば原発も必要なくなると!
そのようなことは、今まで思いつきもしませんでした。
ほんとに、凄いことを教えてくれていると思います。マイケル万歳!!
  1. 2011/05/03(火) 21:14:43 |
  2. URL |
  3. ☆まみ☆ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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