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マイケル・ジャクソンの思想

福島原発:福島大学への小出裕章さんのアドバイス

福島大学が小出さんに意見を求めたことに対する回答がアップされている。

この中で、以下の点が重要である。

(1)ICRPは、しきい値ナシ仮説をとっている。つまり「安全な被曝量はない」という立場。
(2)ICRPは、20人シーベルトで一人が癌死する、としている。
(3)この推定は「線量・線量率効果」という確定されていないものを想定して、甘くしている。
(4)それを外せば、10人シーベルトで一人が癌死。
(5)小出さんはゴフマン博士の係数(2.68人シーベルトで一人)を支持している。
(6)若い人ほど感受性が高くなる。

年間20ミリシーベルトという新しい「安全基準」のところに、1万人が1年住めば、200,000人ミリシーベルト=200人シーベルトである。

ICRPの係数で10人死亡
ICRPの正しい方の係数で20人死亡
ゴフマンの係数で、75人死亡

である。死ぬ以外にも、体調不良に苦しむ人はその何倍も出る。被害者は若い人が中心である。

=========
http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-10855633185.html

中里見 博 様

 福島大学での講義に関して、私の意見をお求め下さり、ありがとうございます。
 個別のご質問次項に対して、以下に記します。

Q.1
「福島大学では、5月はじめに授業開始を予定しているのですが、学生および教職員の安全と健康の観点から、5月授業開始という決定は、どのようなリスクを伴うものとお考えですか?」

 ご承知のとおり、放射線に被曝することはたとえ微量でも影響があります。国際放射線防護委員会(ICRP)のリスク推定によれば、積算で1万人・シーベルト当たり500人がガン死するとなっています。ただ、この推定は科学的に確定していない線量・線量率効果なる効果を使ってリスクを半分に値切っており、原爆被爆者データを使えば1万人・シーベルト当たり1000人とすべきです。つまり、積算で10人・シーベルトになると1人がガン死するということになります。
 お知らせくださった福島市ならびに福島大学構内の放射線の線量率はおおむね数μSv/h程度のようですね。通常の環境であれば、0.05μSv/hですので、数倍から1桁程度高い値になっています。仮に2μSv/hの場所に1日5時間、月に20日居るとすれば、その間の被曝線量は200μSv、つまり0.2mSvになります。
福島大学の学生数を私は知りませんが、仮に5000人の学生が上に仮定した被曝線量の場所に居るとすれば、被曝の総量は1人・シーベルトとなります。つまり、学生のうちの誰か一人が将来ガンで死ぬ確率が10%ということです。
 ただ、私自身は米国のJ.W.Gofmanさんの評価が正しいと思っており、Gofmanさんの評価によれば10人・シーベルト当たり白血病も含めて4人がガン死することになります(J.W.Gofman, “Radiation and Human Health”, Sierra Club Books(1981)、邦訳「人間と放射線」、社会思想社(1991))。つまり、ICRPによる推定の4倍の被害です。
 ただし、放射線に対する感受性は年齢で異なっており、年が若い人たちは感受性が高く、歳をとるに従って感受性が低くなります。その点を、Gofmanさんの評価を図にして最後の頁に貼り付けておきます。平均的な放射線リスクはほぼ30歳の方が受けます。20歳くらいの学生であれば、平均に比べて約2割感受性が高いです。一方、年齢が50歳を超えるようになれば、感受性は数十分の一に減ります。歳のいった教職員の方々であれば、被曝の危険は先の評価より大幅に小さいものとなります。

Q.2
「仮に5月開始を実行した場合、学生に対する対応・配慮として、最低限いかなることを大学は行なうべきとお考えですか?」

 添付文書は空間ガンマ線量に対しての外部被曝についての評価です。
 今後の事故の展開にもよりますが、もし放射性物質が流れてくるような事態になるのであれば、むしろ内部被曝が重要になると思います。
 そのため、マスクの励行や、皮膚の露出を避けるなど、周知することが必要と思います。

Q.3
「同じく、大学で業務を行なう教職員に対しては、大学はいかなる対応・配慮を行なうべきでしょうか?」

 添付文書に記したとおり、年齢が高い職員の方は被曝のリスクが大幅に減りますが、基本的に注意すべきことはQ.2について記したことと同じです。

Q.4
「大学の場合、体育や部活動など、屋外での活動が多々ありますが、屋外活動にはどのような対策が必要でしょうか?」

 3月15日から16日にかけて福島市に届いた放射性物質は今現在土地を汚しています。
 I-131は半減期が短いため、かなり減ってきてくれていますが、Cs-134は半減期が2年、Cs-137は半減期が30年ですので、土地の汚染は長く続くでしょう。
 したがって、できるだけ土に触れない、土に触れた後は身体を洗うなどの配慮が必要です。


2011年4月7日

大阪府泉南郡熊取町朝代西2丁目1010
京都大学 原子炉実験所
                 小出 裕章

URL: http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html
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  1. 2011/04/10(日) 22:44:15|
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コメント

1 ■無題

「死ぬ以外に、体調不良に苦しむ人は、その何倍も出る」ことがとても重要だと思います。「死んだ方がまし」という表現があるように、「体調不良に苦しむ」というのが、どういう日常を送ることを意味するのか。そういう人がどれほどの割合になるのか。そういう苦しみを抱えた人を隣人としながら、自分もいつ同じ状況になるかもしれないという精神的恐怖を抱えながら日々を送ることの意味。それらすべてに想像をたくましくすると、斉藤さんの「もう逃げ場はない」という歌詞が迫力をもって迫ってきます。
  1. 2011/04/11(月) 08:49:51 |
  2. URL |
  3. まゆまゆ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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