吉井議員は、津波の問題や電源喪失の問題などについて何度も国会で質問してきた。それらについての政府・電気会社の「想定外」考えが全て間違っていたことが明らかとなった。
これだけのことが起きたら、正しいことを言っていた吉井議員や福島議員に主導権を渡すべきだろう。それをやらないで、斑目といった「知識を持ち合わせていない」連中にやらせても、何も改善しない。彼らがやるとすれば、今回起きた事態にだけ対応することであろう。それだけでも大変なことだが、しかし、それ以外にも無数に「想定外」の事態はある。これら全てに備えることは理論的に不可能であり、必然的に「想定外」と見做さざるを得ない事態が生じる。
原発の問題は、「想定外」の事態が起きたときの被害の最大値の見極めがつかないことだ。今回の事故でも、現在の段階で収束しうるのか、あるいは水蒸気爆発などを通じた連鎖的拡大で、チェルノブイリを上回る状態にいってしまうのか、誰にもわからない。「想定外」の事態が起きたときに何が起きるのか、そしてその場合に放出される放射能によってどういう被害がもたらされるのか。それがわからないので見積もれないことが、原発の最大の問題なのである。正常に運転して正常に廃炉にしたとしても、そのあと何が起きるかわからないのであるから。
こういうことを真面目に考えたら、決して運営できないのが、原発である。原発を運営できるのは、こういう深刻な問題から目を逸らして、平気で見切りをつけて、やっているフリができるような人である。そういう不誠実な人は、異常事態に対応する能力を持たない。これが原発最大の本質的問題だと私は考えている。
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電源喪失、認識の甘さ陳謝 保安院・安全委トップら
2011年4月7日0時25分 朝日新聞
東京電力福島第一原子力発電所で深刻なトラブルを招いた、非常用を含めた電源喪失事故。経済産業省原子力安全・保安院や原子力安全委員会のトップらが、6日の衆院経済産業委員会で、電源喪失を「想定外」としていた過去の認識について陳謝した。
この日、これまでに原発問題を国会で追及してきた吉井英勝衆院議員(共産)が質問。原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は昨年5月の同委で、電源喪失は「あり得ないだろうというぐらいまでの安全設計はしている」と発言していたが、この日は「当時の認識について甘さがあったことは深く反省をしている」と述べた。
これまでの法廷証言などで電源喪失の可能性を否定してきた班目春樹・原子力安全委員長は「事故を深く反省し、二度とこのようなことが起こらないようにしたい」と答えた。
また、過去に同様の見解を示してきた前原子力安全委員長(現・日本原子力研究開発機構理事長)の鈴木篤之氏も「国民の皆様に大変申し訳ないと思っている。痛恨の極み」。電源喪失の事態に備えてこなかったことは「正しくなかった」とした。(野口陽)
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- 2011/04/07(木) 01:15:54|
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