昨日、早とちりして、トレンチから漏れているという小出説よりも、あちこち亀裂が入って出ているという安冨説の方が正しい、とまことに僭越なことを書いたが、やはり小出説が正しかったようだ。
そもそも、トレンチが防水構造になっていないことを小出さんが知っているということは、当然、東電は知っていたはずである。にもかかわらず、なぜ、彼らが、新聞紙やおがくすを詰めて暇つぶしをしていたか、が問題である。それは彼らの行動パターンから理解できる。
(1)最も深刻な問題からは目を背ける。
(2)対処可能な問題が原因だと思い込む。
(3)その対処にかまける。
(4)最も深刻な問題が噴出して、「想定外だ」と言う。
原発がそもそも、こういう論理構造で作動しているので、緊急事態でも同じ行動パターンを繰り返すのである。一刻も早く、彼らから主導権を原子力安全欺瞞言語を話さない人に移す必要がある、と私が言うのは、そのためである。
ここのところ、肝心の原子炉の情報が一切、出てこない。私は、そろそろ(4)がいきなり来るのではないか、非常に心配になっている。今度の「想定外」は冗談抜きに怖い。
============
汚染水、坑道下の砕石層から流出か 福島第1原発
東電が調査へ
2011/4/4 23:50
印刷
福島第1原子力発電所2号機付近から放射性物質を含む水が海に流出している問題で、東京電力は4日、汚染水がトレンチ(坑道)の下にある石の層を通り、ピット(立て坑)の亀裂から流れ出た可能性があると明らかにした。東電は5日、石の層まで掘削工事を実施した上、すき間を埋める薬品を注入して流量の変化を調べる。
東電によると、「砕石層」と呼ばれる石の層は厚さ約20~30センチ。坑道やピットを建設する際、でこぼこの床面を平らにする目的で敷き詰めている。東日本大震災で坑道にたまった汚染水が破損部分から砕石層に染み出し、ピットまで流れ着いて亀裂から海に流出した可能性があるという。
一方、東電は流出した汚染水が拡散するのを防ぐため、亀裂付近の海を鉄板やフェンスで覆う作業も計画。準備が整い次第、設置作業に入る。
スポンサーサイト
- 2011/04/05(火) 10:13:47|
- ブログ
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0