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マイケル・ジャクソンの思想

福島原発:ロイターの記事

昨日の IAEA の記者会見のロイターの記事を見てみた。

http://www.reuters.com/article/2011/03/30/us-japan-radiation-idUSTRE72T78120110330

要点の第一は飯舘村の高い放射線量のことである。40キロ離れたこのあたりで、IAEAの基準を遥かに上回る放射線量が観測されているということは、その範囲は既にかなり危険ということである。放射性物質は、そこにじっとしている訳ではなく、風やら水やらでまた拡散するので、汚染の範囲はジワジワ広がっていく。前にも書いたが、薄まっても安全にはならない。命中率が下がるだけで、標的となる人間は増えるので、半減期の長いセシウムなどの放射性物質の場合、被害総量は一定率で増え続ける。

第二の論点は、再臨界の可能性についてである。重要なので訳しておく。

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In a potentially negative development, Flory said the agency had heard there might be "recriticality" at the plant, in which a nuclear chain reaction would resume, even though the reactors were automatically shut down at the time of the quake.

That could lead to more radiation releases, but it would not be "the end of the world," Flory said. "Recriticality does not mean that the reactor is going to blow up. It may be something really local. We might not even see it if it happens."

潜在的な悪い事態の展開について、フローリー氏は以下のように述べた。IAEAは「再臨界」がこの発電所であるかもしれない、と聞いている。その状態では、原子炉は自動的に停止されているにもかかわらず、核連鎖反応が再開することになる。

そうなると、更なる放射性物質が放出されるが、とはいえそれは「この世の終わり」ではにあ、とフローリー氏は述べた。「再臨界は、原子炉が吹き飛ぶだろう、ということは意味しない。それはもっと局所的なものである。たとえ起こっても、気づかないこともある。」
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つまり、現状では、IAEAは、再臨界が起きても局所的なもので、放射能の放出が増大するにとどまり、大規模な爆発につながる全面的なものは起きないだろう、と見ている。

但しこれは、発電所内の放射能汚染がさほど進展せず、作業員が冷却作業を続けられる、ということが前提になっている。この作業は、このマッチポンプでは、どのくらいかかるかわからない。その間、放射能は流出し続ける。問題は、その濃度と範囲とに移ってきているようだ。

希望的観測も含まれているのかもしれないが、一応、本当と見て良いと思う。
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  1. 2011/03/31(木) 15:47:05|
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