とんでもなく恐ろしい知らせだと私は思うが、なぜか東電は平気な様子である。信じられない。燃料棒を閉じ込めている圧力容器に穴が開いているなら、もう半ば露出しているようなものである。しかも、下の方に空いていれば、水を入れるとどんどん溢れて、汚染された水が出てくる。それがタービン室の下や周辺の溝に溜まっているようである。
穴が開いている理由は二つ挙げられている。ひとつは、
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底部には、計測装置などを外部から差し込む貫通部などがある。その周辺から漏れている可能性が考えられる。
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である。もうひとつは、
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東電は、水面から露出した核燃料が過熱して損傷した可能性を認めている。専門家によると、核燃料を束ねた燃料棒が損傷して崩れ、圧力容器下部に落下してかたまりになると、表面積が小さくなって効率よく水で冷やせなくなる。極めて高温になった燃料が圧力容器の壁を溶かして穴を開けた可能性もある。
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これはいわゆるひとつのメルトダウンというやつである。
圧力容器に穴が空いていれば、冷却装置を作動させても、水が漏れるので、きちんと冷やすことはできない。圧力容器の穴を塞ぎに行くような、危険な作業は決してできないだろう。
極めて危機的な状態にあると言わざるを得ない。どこをどう考えたら「健全性は維持」などと言えるのか、私には理解できない。
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東電、核燃料の圧力容器損傷に言及「健全性は維持」
2011年3月28日15時0分 朝日新聞
燃料棒とペレット、たまり水の場所
東日本大震災で被害を受けた福島第一原発1~3号機について、東京電力は28日未明の会見で、核燃料を入れた鋼鉄製の圧力容器が損傷して容器の外と通じた状態になっている可能性を認めた。東電は「穴が開いているイメージ」と説明。燃料を冷却するために注がれた水に放射性物質が溶け込み、外部に漏れ続けているとみられる。
1~3号機は津波で非常用の電源が失われ、圧力容器内の水を循環させて冷やすシステムを動かせなくなった。このため圧力容器につながる配管にポンプを接続し、水を注入する作業が続いている。核燃料を水没させ、発電停止後も出続ける崩壊熱を直接、冷やすのが狙いだ。
しかし1~3号機いずれでも、圧力容器の水位計の数値は思うように上がっていない。東電は28日未明の会見で、注水しても圧力容器が満杯にならない原因を、「(圧力容器の)下の方に穴が開いているイメージだ」と認めた。穴が開いた理由は「わからない」という。
圧力容器は燃料ペレット、燃料被覆管、格納容器、原子炉建屋と合わせた5重の放射能閉じ込め機能の中で、最も重要な位置づけだ。福島第一原発の圧力容器は厚さ16センチの鋼鉄でできており、底部には、計測装置などを外部から差し込む貫通部などがある。その周辺から漏れている可能性が考えられる。
東電は、水面から露出した核燃料が過熱して損傷した可能性を認めている。専門家によると、核燃料を束ねた燃料棒が損傷して崩れ、圧力容器下部に落下してかたまりになると、表面積が小さくなって効率よく水で冷やせなくなる。極めて高温になった燃料が圧力容器の壁を溶かして穴を開けた可能性もある。
東電は一方で、内部の圧力が大気圧より高く保てているため「(圧力容器は)完全に壊れているわけではない」とも説明。「チェルノブイリのように破裂して(燃料が)外に出ている状態ではない」とし、容器の「健全性」は保たれている、という見解は変えていない。
この状態で注水を続けた場合、放射能を高濃度に含む水の外部流出が長引く可能性があるが、東電は、核燃料を冷やすには注水しかないとの立場だ。汚染水を外部に流すのではなく、本来の循環による冷却システムを再起動させる作業も進んでいるが、電源の確保などで難航している。
一方、原子力安全委員会(班目春樹委員長)は28日午前、臨時会を開き、2号機のタービン建屋地下1階にたまっている通常の10万倍の濃度の放射能を含む水について、一時溶融した燃料と接触した格納容器内の水が、何らかの経路で直接流入したと推定されると発表した。
ただ、屋外では極端に高い量の放射線は計測されていないとし、今後も水の漏出が続くとしても、炉心に注水し、蒸気を放出して冷却するという現在の冷却方法は継続可能と結論づけた。
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- 2011/03/28(月) 18:33:17|
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