ついにかなりの量の放射性物質が落ちてきた。
ゴフマン博士の『人間と放射線』の日本語版への序によれば、268人ラドあたり、1件のガン死が出て、同じ数の非致死的な癌が出る。また、1万人ラドで1.54件の白血病死が発生する。1ラドは、0.01グレイで、それはまぁ、面倒な変換があるのだが、0.01シーベルトと思えば良い。
つまり、2.68人シーベルトで一人が癌で死ぬ。
http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/13.html によれば、「10,000ベクレルを経口摂取した時の実効線量は0.13ミリシーベルトになる。」とのことである。5300ベクレルのセシウム137に内部被曝すると、0.075ミリシーベルトということになる。
さて、三千万人の首都圏に住む人のうち、このセシウム137をどのくらいの人が吸い込むのだろうか。見当がつかないが、たとえば百万人としてみよう。すると、
0.75mSv×百万人=750人シーベルト
となる。
750人シーベルト÷2.68人シーベルト=280
である。つまり、280人が癌で死に、280人が癌になる。セシウム137の半減期は30年だから、数十年間は放射能を維持するから、その間、放射線を出し続けるから、その間、癌を起こし続ける。
これが「健康に影響を与える値ではない」と言えるのだろうか。もちろん、いつ、どこで、誰が死ぬのか誰にもわからないし、死んだとしても、それが福島原発起源であることは、決して立証しえないから、彼らにとってはどうでもいいことである。
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首都圏、放射性降下物増える 東京で前日比10倍も
2011年3月23日0時1分 朝日新聞
文部科学省は22日、福島第一原発事故の影響を受け、上空からちりなどとともに落ちた放射性物質の測定結果を発表した。首都圏などを中心に増加傾向を示した。東京都新宿区で1平方メートルあたり5300ベクレルのセシウム137、3万2千ベクレルのヨウ素131を検出、前日に比べ、いずれも約10倍の濃度に上がった。健康に影響を与える値ではないが、長期に及ぶ監視が必要になる。
放射性降下物の測定は、文科省が21日午前9時から22日午前9時にかけて全国で行い、分析した。
東京都の値は、前日のセシウム560ベクレル、ヨウ素2900ベクレルから急上昇した。22日発表のセシウムの値は、放射線管理区域の基準値4万ベクレルの8分の1、ヨウ素の値は、5分の4にあたる。
この他の自治体のセシウムの値も、さいたま市が1600ベクレル(前日790ベクレル)、甲府市が400ベクレル(同不検出)、宇都宮市が440ベクレル(同250ベクレル)と、軒並み上昇した。
前日に、最も高い値を記録した茨城県ひたちなか市では、やや下がったものの、セシウム1万2千ベクレル、ヨウ素8万5千ベクレルと、依然、高い値を記録している。福島や宮城は震災の影響で計測できていない。
東日本は22日も、雨や雪が降ったところが多く、大気中に漂うちりとともに、放射性物質が落下したとみられる。ヨウ素の半減期は8日間と短いが、セシウムの半減期は30年で、地面に降りた後も長期間放射線を出し続ける。土壌や水、農作物への放射能汚染につながりかねないため、今後も監視を続ける必要がある。
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- 2011/03/23(水) 00:13:12|
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| コメント:3
はじめまして。どうぞよろしくお願いいたします。
毎回、原発についての情報をわかりやすく提供していただきどうもありがとうございます。
前々から指摘されていることですが、戦後の日本人のがん発生率が著しく高くなっているというのは、もしかして原発のせいなのでしょうか?
今回のこの騒動で、原発について初めて知ったことが多いのですが、
この狭い国土に世界の原発の1割以上があるという事実を知り、大変驚いております。
- 2011/03/23(水) 10:49:02 |
- URL |
- ティロ #79D/WHSg
- [ 編集 ]
>ティロさん
お役にたってなによりです。
がんがふえた最大の理由は、おそらく「寿命が延びた」だと思います。
原発も多少の影響はあると思いますが、それより、集団検診で無意味に膨大な数の人に浴びせられているレントゲンの方がヤバいでしょう。
しかし、最大の原因は、ハラスメントだと思っています。
この狭い国土に、というより、この地震津波列島の海辺に世界の一割も、というのが怖いところです。
- 2011/03/23(水) 13:55:55 |
- URL |
- 安冨歩 #79D/WHSg
- [ 編集 ]
>安冨歩さん
早速、ご回答いただきどうもありがとうございます。
この数日、がんの発生率が高くなったのは、原発のせいだ!と思い込んでおりました。
毎年、「健康のため」に受けさせられる集団検診のレントゲンにも危険が潜んでいたとは・・・。
そうでしたね、
福島のこの事故が地震と津波によって引き起こされたということをすっかり忘れておりました。
東京の水道水も乳児は摂取NGということになりました。
「直ちに影響がない」というのはこういうことも含まれていたのですね。
- 2011/03/23(水) 17:05:42 |
- URL |
- ティロ #79D/WHSg
- [ 編集 ]