電源が全機に繋がり、中央制御室が一つ点灯した。これは大きな成果だ。あの危機的状況からよくぞここまで持ち直したものだ。それに、原子炉さんが、短気を起こさないで待っていてくれてありがたかった。
小出さんが電話インタビューで、
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福島原発の場合は一切の電源がなく、ポンプも回らない状況です。消防のポンプ車を使って冷却水を回す方法を思いつき、一気に破局的な状況にいくのを食い止めているのが現状です。しかし、事態は日が経つにつれて悪化しています。
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と言っておられた。つまり、マッチポンプは非常に重要な役割を果たしているのだ。よくぞこのマッチポンプ方式を思いついたものだ。これがなければ今頃、最終段階まで行っていてもおかしくなかっただろう。
とはいえ、まだ電灯がついただけで、緊急冷却装置の復旧までの道程は長い。そこまで行かないと、原子炉を手懐けたことにはならない。その間に、炉心がつむじを曲げないとも限らない。また、そうでないと、放射性物質の散乱がいつまでも継続する。
また、その下に付けた記事で、有冨内閣官房参与が言っているように、海水の注入を早くやめないといけない。というのも、塩分の凝着が進むと水が通りにくくなる上、腐食が進んで危険だからだ。
乗り越えないといけない問題は山積している。それでも、外部電源を復旧したのは重要な一里塚だ。
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福島第1原発:3号機の中央制御室が点灯 全機に外部電源
東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発の電源復旧作業で、東電は22日夕方までに、4号機への外部電源の接続を終了。4号機経由で3号機に電気を送るための作業も完了し、3号機の中央制御室が同午後10時43分、点灯した。既に接続を終えている2号機から1号機へ、5号機から6号機へ電気を送る作業も終え、すべての号機で外部電源から電気を受け取る態勢が整った。
東電によると、今後の復旧作業はまず、3、4号機の中央制御室がある建屋内の設備を点検し、通電が可能な状態にした上で、原子炉を監視する中央制御室を点灯。各種機器の健全性を点検した後、原子炉、使用済み核燃料プールの冷却機能の復活を目指す。
中央制御室が復旧すると、ヨウ素などの放射性物質を取り除く空調や照明が使えるようになり、作業効率が大幅に改善する。現在は最低限しか作動していないさまざまな計器類も復活し、より正確に原子炉内の状況などを把握できる。
東電は当初、建屋の損傷が少ないため外部からの放水による冷却が難しい2号機を優先して電源復活作業を進めてきた。しかし21日に2号機と3号機の建屋から煙が上がり、作業員が一時避難して作業を中断。22日にも2、3号機から白煙が上がっているのが確認されたが、東電は使用済み核燃料プールから上がる水蒸気で影響はないと判断、作業を再開していた。
一方、経済産業省原子力安全・保安院は22日、2号機の使用済み核燃料プールが満水になった模様だと発表した。同プールには20日、消防用ポンプで約40トンの海水を注入、さらに22日も注水したが、18トン入れた時点で、「満水」を知らせるセンサーが作動したという。水温は51度(30度前後が安全な状態)と推定される。【江口一、関東晋慈】
毎日新聞 2011年3月22日 21時10分(最終更新 3月22日 23時49分)
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福島第1原発:放水、真水に切り替えを…有冨内閣官房参与
東京工業大原子炉工学研究所長の有冨正憲教授
22日に内閣官房参与に任命された東京工業大原子炉工学研究所長の有冨正憲教授は同日、東京電力福島第1原発の放水について、「海水注入は塩分が炉内にたまり、冷却能力が低下して腐食が進む。早急に真水に切り替えなければならない」と語った。
東京都内で開かれた市民らとの「情報交換会」で発言した。有冨教授は「海水注入は緊急避難としてはやむを得ない措置だったが、海水注入は一刻も早くやめるべきだ。政府や東電に申し入れてきたが後手に回っている」と語った。【小川節子】
毎日新聞 2011年3月22日 23時37分(最終更新 3月22日 23時55分)
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- 2011/03/22(火) 23:57:16|
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