福島原発:逃げるべき人、逃げなくていい人で書いたように、30キロ圏外であっても、逃げるべき人がいる。端的にそれは若い人だ。逃げなくて良い人がいる。それは老人だ。それはほぼ、単純に年齢で決まる。
(1)胎児
(2)赤ちゃん
(3)幼児
(4)児童
(5)若者
(6)これから子供を持つつもりの人
(7)子供をこれから持つつもりのない人
(8)もう子供なんか出来ない人
(9)老人
(10)後期高齢者
(11)平均余命を超えた人
(9)~(11)の人は逃げる方がリスクが高まるので、逃げるべきではない。(7)と(8)とは事情による。(1)~(3)は念には念を入れて、退避した方がいいが、それでも、退避から生じるリスクが大きいなら逃げるべきではない。たとえば、赤ちゃんが路上で一夜を過ごすくらいなら、家にいたほうが明らかに健康被害が少ない。
原発事故が最終的にどの程度の死者や病人をもたらすのか、実はわかっていないのだ。チェルノブイリについても、既に何十万人もが亡くなり、これからも多数が死亡するという人もいれば、何百人しか死んでいない、という人もいる。
しかし、遠くにばらまかれる放射能によって内部被曝した場合に、誰が最も大きな影響を受けるかについては明確な合意がある。(1)~(3)の人々が最も高いリスクにさらされている。それから、(1)~(6)の人々から将来生まれるであろう人々が。こういった人々こそが、将来の日本社会を形成するのであり、彼らを守ることが、大人の責務である。
特に、(9)~(11)の人々は、そもそも大したリスクを負わない。代謝が低くて放射性物質を体に取り込みにくい上、内部被曝して発がんしても、その前に寿命が切れる可能性が高いからだ。それゆえ、若者を逃がして、都市機能を守る献身をお元気なご老人にお願いしたい。
この観点からすれば、原発を抑えこむ仕事を、現在は若い東電職員、自衛隊、警察官、消防隊員にやらせているが、とんでもない話である。これは、少なくとも(7)以上の人々がすべき仕事であり、できれば(9)以上の人がするべきである。
特に、過去に原子力行政を推進してきた官僚、御用学者、その政治的誘導をした政治家、東京電力の幹部職員、特に、既に引退した人々には、大きな直接的道義的責任があろう。こういう人々は、直接、現場に行って決死隊を買って出るくらいの気概を見せて欲しいものである。軽い機材の運搬、自動車の運転、現場の目視、簡単な計器の操作など、出来る仕事はいくらでもあるだろう。
これらの人々には、自分たちの行動が惹起した事態に、果敢に立ち向かって欲しい。原発は絶対に安全だ、という信念に従って、この地震津波列島に、大量の原発をつくってきたのだから。そうして、皆さんの子孫を守ってほしい。
そうやって立派に自ら責任を果たす姿を見せて頂ければ、「あいつのせいだ、こいつのせいだ」といった犯人探しを誰もしなくなり、今から我々が何をすべきであるのかを、冷静に考え、責任をもって行動するようになるだろう。
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- 2011/03/19(土) 09:59:23|
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今回の未曾有の原発事故、政府の対応には私も憤っています。
そして原子力発電所という悪魔を作り出してしまった私たちのこれまでの社会のあり方と、その業に深い悲しみを感じています。
ここ数日は、マイケルを聴きながら、この危機を乗り越えることを祈ってます。
あと私の安富さんへの個人的な希望なのですが、マイケルの思想についての記事を、すでに書かれている分でもよいので、ブログに上げて頂けないでしょうか。
今こそ、救世主マイケルの歌を必要としている人々もいると感じています。
宣教師の言葉をよろしければお願いいたします。
- 2011/03/19(土) 15:25:55 |
- URL |
- ねはん #79D/WHSg
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