「ただちに人体に影響が出るものではない」
という言葉がよく使われます。しかし、これも原子力関係隠蔽用語の一種なのです。そもそも、放射線を浴びた場合には、基本的に「ただちに人体に影響が出るものではない」からです。
「この芋を食べたからといって、ただちにオナラが出るものではない」
と真面目くさって言う奴がいたらどう思われますか。「そんなの、当たり前だろう」と言うでしょう。上の発言は、それとほとんど変わりません。なぜなら、癌や白血病は、十年二十年という期間を経て、発病するものだからです。
放射線が癌や白血病を引き起こす理由は、それが遺伝子のどこかの分子をノックアウトしてしまうからです。放射線が遺伝子に命中するかどうかは、運次第です。被爆量が増えると、当たる確率はそれに比例して上昇します。自然に浴びている放射線でも、私たちは癌や白血病になります。原子炉から出てくる放射線は、それにプラスされるので、たとえ極めて微量でも「人体に影響」があります。ごくわずかですが。
たとえば、ある放射線量が環境中で観測されたとして、それが「1万人に1人を死に追いやる」という量だとしましょう。これはつまり、1万人が浴びれば、ほぼ確実に1人が死ぬ、ということです。
また、原発から放出される放射性物質が身体に付着すると、非常に危険です。なぜなら、放射線によって遺伝子が破壊されるかどうかは、その距離に大きく依存するからです。わずかの放射性物質のチリであっても、それが細胞に付着して、延々と浴びてしまうと、確実に遺伝子は破壊されます。
これが体表面であれば、風呂にはいるだけで随分、流されます。しかし、鼻や口から取り込んでしまって、内部被曝になると、簡単には取れません。そうすると、極微量でも癌や白血病になってしまいます。
こういうことを隠蔽した上で、原子力産業が成り立っているのです。
※追記
書いてから気づいたのですが、上のような「1万人に1人」というようなケースでは、因果関係を立証することが不可能です。やろうと思ったら、1万人のグループを多数用意して、そのなかの被爆したグループと被爆していないグループをと比較しつつ、二十年三十年にわたる追跡調査をせねばなりません。ですから、微量の放射線あるいは放射性物質の環境放出では、決してバレないのです。ですから、
「ただちに人体に影響が出るものではない」
とうい言葉の本当の意味は、
「決してバレない」
ということなのだと思います。
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- 2011/03/14(月) 17:15:20|
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