http://mainichi.jp/select/news/20141109k0000m040029000c.html
昨日、牧野植物園に行った。すばらしい植物園だった。
しかし、驚いたことに、ゆるキャラの菊人形というのをやっていた。
そりゃ変だな〜と思ってパスしようとしたが、なにか厳かな雰囲気が漂っていた。
この日は、ミクロネシアの大統領が植物園を訪問されていたそうなので、大統領がおられるのかと思って入って行ったら、中にいたのは、しんじょうくんという高知県須崎市のゆるキャラだった。
その雰囲気に私は、
「大統領がいるみたいだ!」
と思った。いや正確には、
「王様がいるみたいだ!」
と思ったのだ。そしてその瞬間に、なぜ日本各地の自治体がゆるキャラに熱狂しているのか、その理由が理解できた。
日本人は、殿様が好きなのだ。殿様がいないと寂しいのだ。市長とか知事とかは、ぜんぜん好きになれないオヤジばっかりだし、コロコロ変わるので、まったく親しみがわかない。
実際、元殿様が知事をやっているケースも多い。秋田県に講演に行った時に、藩主佐竹家の話を聞いて、「佐竹さん、今なにやっているんですか?」と聞いたら
「知事やってます」とのお答えであった。「すげ〜、なんもかわってないですね〜」と感心してしまったが、やはり殿様が居てくれたほうが、安心するのである。
しかしほとんどの自治体では殿様は首長をやってくれない。
仕方ないので、その空隙を、ゆるキャラで埋めているのだ。
私でも知っているゆるキャラといえば、ひこにゃん、で元祖ゆるキャラみたいなものだと思うが、これは明らかに武将であるから、殿様の代わりだといって良いであろう。
http://hikone-hikonyan.jpすなわち、日本の首長が満たし得ていない機能、つまり各自治体の精神的な統合の不変の象徴という役割を、ゆるキャラが果たしているのである。
そう考えて私は、随分とスッキリしたのであった。
そして更に、それが日本国憲法体制の象徴天皇と機能が一致している、という驚くべき事実に気づいた。
天皇は、日本国のゆるキャラだったのだ。。。思いもしなかったことであったが、そう思うと、非常にスッキリしたのである。
それは日本国憲法体制にかぎらず、日本の長年の伝統だと言っても良いであろう。
だからこそ権力者はコロコロ入れ替わっても、万世一系の帝を頂く、ということが可能になったのである。
そして同時に、ゆるキャラの機能を、天皇陛下をはじめとする皇室の皆さまという、生身の人間に背負わせている、という事実にも、私は直面せざるをえなかった。それはどれほど大変なことであろうか。いっそのこと、ホントにゆるキャラにしてしまえば、そんな重い責務から人間を解放できるのであろうが。。。
追記:
【日本国憲法 第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて…】
天皇が「国」と「統合」の象徴というのは変だと思っていた。
「天皇は、日本国のゆるキャラであり日本国民統合の象徴であつて」と解釈すれば矛盾なく理解できる。
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- 2014/11/09(日) 11:10:26|
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