ドクター・ロマンは、医大生だった。ある試験で落第したのをきっかけに、勉強をやめてしまった。しかし大学にいっているフリを続け、卒業したフリをして、医者の資格をとったフリをして、WHOの職員になったフリをして、結婚して子どもを二人もうけて、十八年も「家族思いのパパ」のフリを演じた。妻も、親も、子どもも、愛人も、友人も、知り合いも、すべて騙した。
その生活費は、資産運用すると称して自分や妻の両親や、あるいは愛人の資産をだまし取ってそれで暮らした。「スイスの銀行で特別に運用してもらえるのだ」と言った。親戚が死にそうになったとき、「スイスの特別な薬がある」と言って、数百万円で売りつけた。妻の父親が「車を買うから金を引き出してくれ」と言ったら、突然、階段から転げ落ちて死んだ。その家にいたのはドクター・ロマンだけだった。
そしてついに、その嘘がバレる時が来た。彼は、そうになった時、家族・親たち全員を殺し、自分の家に火をつけ、自分だけ、救出された。
これは実話であり、『嘘をついた男』エマニュエル カレール
http://www.amazon.co.jp/dp/4309203418/ref=cm_sw_r_tw_dp_OunDtb1009PPE という本に詳しく書かれているし、日本のテレビで再現ドラマが放映されたこともある。
私が『東大話法』以来、繰り返し指摘しているように、こういう人種がエリートを形成しているのだ。
彼らは、国民の資産を騙し取り、その金で生活を切り盛りし、財政を破綻させてしまった。
その破綻がどうしようもなくなったとき、ドクター・ロマンと同じように振る舞うだろう。
私は常々、そう言ってきた。
岩上氏の記事には次のように書かれている。五十代のエリート官僚の一人の発言だ。
「うちの上層部はもう、戦争を覚悟しており、その方向へ進もうとしている」。
なぜ?という問いに即座に「一部の人は、儲かるから」。戦争は一部の人間にとってはビジネスなのだ。
「この秘密保護法を突破されたら、一気呵成に憲法改正、そして集団的自衛権行使まで突き進む。そうなったら間違いなく戦争になる。省内を見ても、他省を見ても、自分のように懸念している人間はたくさんいる。でも、上の方は戦争の方向へ進む気でいる。食い止めるにはここしかない」と、昨年末の時点で、このキャリアはそう断言していた。
「日本の財政はもうこんなに悪化している。戦争でもやって儲けるしかないと、本気で思っている」。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/140101
「戦争でもやって儲けるしかないと、本気で思っている」と言っているが、私にはそうは思えない。その程度の合理性すら欠いているように思うのだ。彼らは、自分たちの嘘を誤魔化すため、ドクター・ロマンと同じように、国民を殺し、家に火を放とうとしているのだ。
私だって信じたくはないが、彼らがそういう人間であれば、大人しくしていれば、ドクター・ロマンの家族のように、わけもなく殺されるだろう。
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- 2014/05/16(金) 00:17:56|
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