この問題についての連続ツイートをまとめておく。
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STAP細胞は、ソーカル事件以上にアカデミズムのあり方を浮き彫りにした。大半の研究は①良心的であれば無意味、②面白ければインチキ、のどちらか。 大昔の論文を見ればそうでしょ?にもかかわらず稀に③インチキでなくしかも意味のある研究がある。その奇跡に私は感動する。学問はそういうもの。
もちろんインチキでかつ無意味な研究も多い。学問的真理というのは無意味とインチキとにまみれた泥の池に咲く蓮の花のようなものなのだ。Nature とか Science というのは「タブロイド」だ、とアメリカのある学者が言っていた。泥の池は泥まみれ、タブロイドは嘘まみれ。何も驚かない。
問題は泥の池を「真水のプールなのでお金下さい」と国民に嘘をついていることだろう。「泥の池が大きくないと、蓮の花が咲かないのでお金下さい」と言うべきなのだ。泥の池で蓮の花を咲かせるのは真理を知りたいという情熱だけだが、情熱があると池から放り出されるので池が大きくないといけないのだ。
嘘と無意味にまみれた泥の池の、どこに蓮の花が咲くかは、事前には絶対にわからない。
だから、競争的資金やポスト争いはまずい。
嘘をうまくつく人のところに、すべての資源が集まるからだ。
そうなると泥の池の濁りはさらにひどくなって、蓮の花はどこにも咲かなくなってしまう。
無意味とインチキとにまみれながら、体裁だけキチンとしている論文が日々量産されるので、毎日、これを追いかけて読んでいると、頭がおかしくなってくる。
そうなると、「うまくインチキかまして体裁を整えるのが研究だ」という気がしてくる。実際、それで学会報告も論文も通過する。それが怖い。
昔、数理生態学のある分野の論文を書いて、関係論文をレビューしたら、大自由度力学系の知識が少しでもあれば当たり前のコンコンチキであることをめぐって、たくさんの論文が有名な雑誌に出ていたので驚いた。で我々の論文はリジェクトされた。あとで有名な先生が評価してくれて別の雑誌に出たのだが。
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- 2014/03/27(木) 09:50:00|
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このツイ―トのまとめは、安冨さんの非凡さを表わすものです。 今回の関係者への個人攻撃が全く含まれないのも素晴らしいです。 まっとうな研究者というのは、きっとこういう人のことなんでしょうね。 (池田某さんに爪の垢でも煎じて飲ませたい。)
- 2014/04/02(水) 18:39:30 |
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- ダン #-
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