マイケル・ジャクソンの思想
浜岡原発:海を温める環境破壊の停止を悲しむ新聞記事
海を7度も温めることは、
猛烈な生態系の破壊
である。クエの養殖はできなくなるかもしれないが、浜岡の元来の豊かな生態系が帰ってくるから、それを商売にする道を考えるべきである。
なのに多くの新聞が、海水を温めることが、まるで原発の恩恵であるかのように書き立てるのは、異常である。海をこんなに温める蛮行は、新聞の大嫌いな二酸化炭素を、海中から空気中に出す。それが停止したことは、なぜどの新聞も書かないのか。
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クエが再び「幻の魚」に?浜岡原発停止が波及
浜岡原発から出た温排水を利用して養殖されているクエ
中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全面停止で、「幻の高級魚」とされるクエ(スズキ目ハタ科)の養殖がピンチに陥っている。
浜岡原発から養殖施設に送られていた温排水が止まったためだ。クエは御前崎市の観光名物で、市内の観光関係者は「再び幻の魚に戻ってしまう」と頭を抱えている。一方、温排水の供給停止で、県内沿岸に放流されてきたマダイやヒラメも影響を受けそうだ。
クエはあっさりした上品なうまみが特徴で、「鍋よし、刺し身よし。フグよりうまい」と評される。天然ものは希少で、養殖技術も難しいが、浜岡原発に隣接する県温水利用研究センターが2005年、産卵―孵化
ふか
―育成―産卵の完全養殖に成功。天然ものの約5分の1の価格で出荷されている。
市観光協会などがクエを観光の目玉にしようと働きかけ、08年2月、市内のホテルや旅館などが「御前崎クエ料理組合」を結成、クエ料理の提供を始めた。「高級魚が安価で味わえる」と評判を呼び、観光ツアーも組まれるようになった。
浜岡原発では蒸気の冷却に海水を使っており、排出される温水は、通常の海水より約7度高い。クエは水温が低いと成長が止まるため、温排水がなければ安定生産できなくなり、事実上、養殖は続けられないという。11月からの今シーズンは例年通りの約2000匹を出荷できる見込みだが、来シーズンは途中で数が足りなくなる恐れがある。
市観光協会の小野木邦治局長は「クエ養殖のため『原発を再稼働して』というのは本末転倒。しかし、せっかく定着した観光の目玉が消えてしまうのは寂しい」と顔を曇らせる。
一方、温排水の供給停止で、同センターが養殖しているマダイとヒラメにも影響が及びそうだ。
同センターでは、冬に温排水を使うことで産卵期間を長くし、マダイやヒラメは天然魚の2倍の産卵数を確保している。毎年生まれるマダイ100万~200万匹、ヒラメ65万~80万匹の稚魚は、漁業組合を通じて県内沿岸の海へ放流され、漁獲量の増加に貢献してきた。
同センターは冬に一部の水槽の海水をボイラーで温める予定だが、稲葉義之所長(57)は「単純に考えると稚魚は半分に減るだろう。ボイラーの効果がどこまであるか……」と気をもんでいる。
(2011年5月31日07時55分 読売新聞)
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温水利用の稚魚養殖がピンチ 浜岡運転停止で死滅の恐れ
2011年5月18日 中日新聞
浜岡原発からの温排水を利用し、マダイやヒラメの養殖が行われている県温水利用研究センター=17日、御前崎市で
中部電力浜岡原発(御前崎市)の運転停止が、静岡県の沿岸漁業に深刻な影響を及ぼしつつある。隣接する県温水利用研究センターに、原発から冷却過程で出る温排水が供給されなくなったからだ。センターは温水を利用して稚魚を育て海に放流してきたが、温水の供給ストップで飼育槽の水温が下がる秋以降、稚魚が死滅する恐れがある。 (静岡総局・広瀬和実)
県温水利用研究センターは、浜岡原発1号機着工翌年の1972年10月に開設。原発立地に伴う水産振興として、中電が建設し県に寄付した。県によると、2009年度には、マダイ、ヒラメ、クエなど8種類、計約572万5000匹を育てて放流している。
浜岡原発では、海から取水し、発電機を稼働させるタービンの蒸気の冷却に利用している。この過程で、水温は自然の海水よりも約7度高くなる。海水温が下がる11月から翌年7月にかけ、センターにこの温水が一日1万5000トン送られ、稚魚の飼育に利用している。
浜岡原発が運転停止してから温水の供給は止まったが、平温の自然海水は送られてきている。現状では飼育に支障はないが、11月以降に温水が来ないのは致命的だ。
取水槽から海水を循環させるために動かしていた浜岡原発のポンプも今後、止められる可能性がある。水が循環しなければ水質が悪化し、夏でも魚が死ぬ恐れがある。
一昨年8月の駿河湾地震時にも浜岡原発は一時停止したが、今回の停止は2~3年に及ぶとみられる。中電静岡支店広報担当者は、中日新聞の取材に「ポンプの稼働継続の時期や、今後の対策をどうするかは現在、県と協議中」と話す。センター運営を委託された県漁業協同組合連合会の安井港・指導部長は「このままでは沿岸漁業への打撃は大きい」と困惑している。
県は稚魚の死滅による県内漁業への影響額を11億円程度と単純試算する。県水産業局の日向彰局長は「出荷減による漁業や地域経済への影響も大きい。中電と協議しながら、原発停止を要請した国にも何らかの支援を求めたい」と解決策を探っている。
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クエなくなるの? 浜岡原発停止で養殖ピンチ
2011年5月30日18時47分 朝日新聞
クエ=東海大学海洋科学博物館提供
浜岡原発に隣接する静岡県温水利用研究センター。原発の運転が止まり、温排水の供給が途絶えた=同県御前崎市
菅政権の要請で中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)が全炉停止し、クエの養殖やマダイなどの放流が危機に追い込まれている。原発からの温排水(おんはいすい)も止まり、稚魚の孵化(ふか)や育成に欠かせない水温調整が出来なくなっているからだ。県は国に対策や費用の負担を求めたいとしている。
温排水は、原発でタービンを回した蒸気の冷却に使った海水。放射能は帯びておらず、水温が海水より約7度高い。毎年11月中旬から翌6月末ごろまで、原発に隣接する「静岡県温水利用研究センター」が毎日各1万5千トンの温排水と海水をもらい、クエの養殖や、マダイやヒラメなどの親魚の飼育、稚魚の孵化・育成に活用していた。
センターは、原発建設に協力して漁業権の一部を放棄した漁業者への補償としてつくられた。中部電が建設し、県に譲渡。県漁業協同組合連合会が運営している。
クエの養殖は、温排水を使って御前崎市が全国で初めて、孵化から育成までの「完全養殖」に成功した。今では市特産の冬の味覚になっている。深海にいる天然ものの漁獲高は少なく、1キロ当たり1万円以上するものもある。
同市の養殖ものは小ぶりだが、温排水が無償提供されるので値段も手頃で、鮮度もいいのが売り。「御前崎クエ料理組合」も結成され、まちおこしの目玉になっている。センターは今年、約4千匹のクエを養殖する計画だ。
しかし、14日に浜岡原発が全炉停止し、センターへの温排水供給も途絶えた。夏に向かう今は海水の温度が上昇してきているので影響は小さいが、水温が下がってくる11月までに対策を講じる必要がある。水温が下がると、えさを食べなくなって親魚の産卵や稚魚の成長が遅れたり、稚魚が死んだりする危険性があるという。
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2011/05/31(火) 09:36:56
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福島原発:iPS細胞に拒絶反応
iPS 細胞を発見した山中教授がなにやら賞を貰ったらしい。iPS細胞は、癌や白血病の治療に画期的な影響をもたらすのではないかと期待されており、福島原発事故はその研究の追い風になると思われる。
しかし、同じ日の新聞が、iPS細胞が拒否反応を起こす可能性を報道した。 これは興味深い内容である。今までは、遺伝情報が同じであれば免疫拒否反応が起こらない、と考えられてきたからである。もし深刻な拒否反応が出るなら、治療への応用が難しくなる。
私は、前々から、遺伝子主義はおかしいのではないか、と考えてきた。なぜかというと、遺伝子は生命の本質なのではなく、生きるという過程で利用されるデータバンクに過ぎないからである。本質は過程の方にあるので、同じデータバンクでも、過程が違えば意味が違ってくる。それはたとえば、
「おまえ、あほか!」
という言葉が、使われ方次第で、罵倒にも、賞賛にも、親愛の情や感謝の表現にもなるのと同じである。同じように、DNA中心ではなく、その使われ方の方に注意を向けないと、生命の本質は理解できず、有効な治療法にも行き当たらない、と私は考えている。iPS細胞に全てを託して更なる金を突っ込むのは、危険である。
原発事故を受けて、医療費を拡充するとすれば、マッサージやあんまやハリや漢方薬や、あるいはアールユベーダなどの代替医療の方ではないかと思う。あるいはそれ以上に、禁煙政策であろう。レストランや公共スペースを完全に禁煙にする法令を出せば、首都圏の放射能被曝による癌の増加分くらい、キャンセルできるはずだ。
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iPS細胞なのに拒絶反応 再生医療応用に課題
2011年5月14日3時1分 朝日新聞
iPS細胞と免疫拒絶反応
さまざまな臓器の細胞にすることができ再生医療の切り札と期待されるiPS細胞(人工多能性幹細胞)の応用に新たな課題が見つかった。従来は患者の細胞から作れば、移植で戻しても免疫拒絶反応は起きないと見られていたが、拒絶反応を起こす可能性があることが米カリフォルニア大研究チームによるマウスの実験でわかった。
14日付の科学誌ネイチャー電子版に掲載される。
研究チームは、マウスの胎児の線維芽細胞から作ったiPS細胞を、まったく同じ遺伝情報になるよう操作したマウスの背中に皮下注射した。遺伝情報が同じなら体が「異物」とみなして免疫拒絶反応を起こすことはないはずだ。ところが、実験では移植した複数のマウスで拒絶反応が起きたという。
iPS細胞の分析では免疫反応に関係する遺伝子が作製の過程で活性化された可能性があるという。
iPS細胞は京都大の山中伸弥教授が開発した。皮膚などの体細胞にウイルスを使って遺伝子を入れる手法で細胞が神経や心臓などさまざまな臓器・組織になり得る状態にリセットできることを示した。治療への応用に向け、目的の臓器・組織にできるかや、効果や安全性の確認が課題になっている。(大岩ゆり)
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「研究続ける励みに」 ウルフ賞受賞の京大・山中教授
2011年5月30日10時26分 朝日新聞
ウルフ賞医学部門を共同受賞した京都大の山中伸弥教授(左)と、米マサチューセッツ工科大のルドルフ・イエーニッシュ教授=エルサレム、井上写す
イスラエルのウルフ財団は29日、ノーベル賞の行方を占う賞の一つとされるウルフ賞の授賞式をエルサレムで開き、医学部門をiPS細胞(人工多能性幹細胞)を開発した山中伸弥・京都大教授(48)に授与した。
山中氏は、記者団に対し、「発展途上の技術を評価していただき、研究を続ける励みになる」と述べ、「iPS細胞を使い、難病治療のための薬を開発、実用化したい」と、今後の抱負を語った。
米マサチューセッツ工科大のルドルフ・イエーニッシュ教授との共同受賞で、賞金計10万ドル(約810万円)が贈られた。
2011/05/30(月) 13:55:20
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福島原発:石橋克彦教授の国会での証言
石橋克彦教授の証言が
こちら
で文字化されている。
上の画像は、石橋教授が国会で配布した資料である。K.I. と原発にサインしてあるので、石橋教授ご自身で描かれたものだろうか。
2011/05/30(月) 00:47:24
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福島原発:二本松市長の山下教授批判
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1071
要点は
・山下教授は「国民は国の指示に従うのが義務だ」と何回も言った。
・政治の主人公は国民であるから、こんな考えは間違っている。
・科学者として原理原則に基づいて、誰が言っているかではなく、真実は何か、その真実に基づいて国民がどのように身を守ったらいいのか、それを話すべきだ。
・こんなことを言う人間を話させたのは、主催者として責任を感じる。
ということである。本当に、筋が通った批判である。山下教授(に限らず、御用学者連中)は、本当に見ていて恥しいくらい、知性が欠如している。
2011/05/29(日) 23:55:16
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福島原発:石井紘基の探求
原発を理解するには、日本社会が如何に「天下り」によって搾取されているかを理解せねばならない。それを明らかにしたのは2002年に暗殺された故・石井紘基議員である。彼の著作をぜひ手にとってほしい。
http://www.amazon.co.jp/s/ref=ntt_at_ep_srch?ie=UTF8&search-alias=books&field-author=%E7%9F%B3%E4%BA%95+%E7%B4%98%E5%9F%BA&sort=relevancerank
拙著
『経済学の船出』
の第五章は、石井の研究を継承したものである。(拙著の amazon にところに、ひどいコメントが書きこまれているのに気づいた。これも東大話法の良いサンプルである。)
http://ameblo.jp/hennaoji/entry-10692288648.html
に石井の探求をわかりやすく説明しているドキュメンタリーがまとめて貼ってある。但し、彼の掴んだ「秘密」というのは、この番組やブログの著者が想定するような、一撃必殺の爆弾ではなかったと私は考えている。彼の思考そのものが「王様は裸だ」ということを明確にするものであり、それが人々に知られることで彼が権力を奪取する日が来ることを永田町の人々が恐れたのだと私は思う。たとえばもし今、石井紘基が生きていれば、人々は彼を首相にしようとしたに違いな。そうなれば、本当に革命であった。
2011/05/29(日) 12:49:14
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福島原発:東京都内の放射線量
日本共産党都議団が都内の放射線量を測定した結果を発表した。
http://www.jcptogidan.gr.jp/html/menu5/2011/20110525195904_3.pdf
この図を見ると、東京都の東部は、1ミリシーベルトを越えてしまう。しかもこれは、内部被曝を考慮していない数字である。
そもそも、3月15日の東京には、1時間吸い込むだけで、内部被曝を考えると、年間20ミリシーベルトになってしまうほどの放射性物質が滞留していた、と小出裕章氏は調査結果を出しているのだが。
http://www.jcptogidan.gr.jp/html/menu5/2011/20110525195904_6.pdf
http://www.jcptogidan.gr.jp/html/menu5/2011/20110525195904.html
2011/05/27(金) 01:23:22
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福島原発:東大話法の研究・また池田信夫氏のブログを題材として
Twitter で流れていたので池田氏の以下の記事を見て、これまた第一級の東大話法の研究材料であったので、議論したい。
http://news.livedoor.com/article/detail/5582619/
全国の原発を即時停止せよ
2011年05月24日23時06分
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アゴラは原発容認派の意見が多いので、バランスを取るために反原発派の立場から書いてみます(私のツイッターにいつも寄せられる意見を参考にしました)。
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そうだ!!!
「バランス」!!
これぞ、東大話法の真骨頂なのである。東京大学では「バランス感覚」が重視される。何か、極端な意見は軽蔑され、全体のバランスを考えた発言が尊重されるのである。
【東大話法規則】全体のバランスを常に考えて発言せよ。真理や信念を語ってはならない。
それから、
「反原発派の立場から書いてみます」
というのも凄い。
そうだ!!
「立場」!!
東大の先生は学生を指導するときに、
「お前は一体、どういう立場で議論をしているんだ?!立ち位置をハッキリさせなさい!!」
というようなことを良く言う。どうやら、彼らは、予め立場を設定して、そこから議論をを展開するのが正しいと固く信じているらしいのだ。
これは私にとって非常な驚きであった。私は学問というものは、真理を探求するものであると固く信じている。もちろん、私が勝手に思い込んでいることは真実ではない。真実を見るためには、私を離れて、対象に没入する必要がある。その没入の中で、対象をめぐって作動している論理を体感することが、不可欠だと考えている。その没入の中から、自分自身が囚われていた思い込みや錯覚や盲点が、ハタと浮かび上がってくるのである。そうして自分自身の世界の見え方が、ガラリと変わった瞬間に、真理へと一歩近づきうる発見がある。学問とはそういものだと思うのだ。
ところが東大ではそういう態度は、青臭いとか、百年早い、とか言われて、受け入れられないのが普通である。そのかわり、何らかの「立場」から、それにふさわしい「手法」を適用して、議論を展開することが、常道とされる。しかしその「立場」とやらを、一体、どうやって決めるのか、私にはサッパリわからない。彼らには、さまざまな都合に合わせて、適当に「立場」を選ぶことができるらしいのである。
こういう風に学問を捉えているので、ここで池田氏がやってみせるように、自分が思ってもいない「立場」からでも、議論が展開できるのである。こういうことができるのは、結局のところ、どの「立場」も彼らにとっては同等なのであって、ケースバイケースで使い分ければ良い、と考えているからであろう。
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浜岡原発を首相の「要請」で停止した影響で、定期検査を終えた原発の再稼働を拒否する自治体が増えています。福井県の西川知事は「安全が最優先だ」として、県内の原発の再稼働を拒否しました。「関西から原発をなくす」と勢い込んでいる大阪府の橋下知事は喜ぶでしょう。この他にも佐賀県の玄海原発でも県議会が再稼働に反対し、愛媛県の伊方原発でも地元は再開に反対しています。
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はい。
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斑目原子力安全委員長は「全電源喪失という事態を想定していない国の安全基準は明らかに間違っている」と国会で答弁し、安全基準の改訂を決定しました。これは全国の原発が「間違っている」ことを意味します。間違った安全基準で運転している全国の原発は即刻止めるべきです。命はお金に代えられません。
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はぁ。
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「東海地震の確率87%」などという首相の要請には、何の法的根拠もない。すべての原発は、いつ地震が起こっても大丈夫なように設計されているので、確率なんて意味がありません。政府は、他の地域は低確率なら死んでもいいというのでしょうか。福島事故で明らかになった津波の影響についてはすでに対策が取られたので、浜岡を止めるなら、同じ基準で全国のすべての原発を止めるべきです。命はお金に代えられません。
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お上手、お上手。
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いま全国の54基の原発のうち34基が止まっていますが、検査中の原発が再稼働しないままスケジュール通り定期検査に入ると、夏のピーク時には42基が止まります。「そんなことをしたら電気が足りなくなる」という人がいますが、命はお金に代えられません。最大出力だけを考えれば、全国の火力・水力を足せば、東電の目標とする5500万kWを出すことは可能です。
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「命はお金に代えられません」というのが三回も出てきた。どうやら、このフレーズが一番、彼の気に入らないことなのであろう。恐らく「全てはお金に代えられる」というのが池田氏の唯一の思想的背骨なのであろう。
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それによって燃料費は全国で年2兆円ぐらい増え、電気代は2割ぐらい上がります。古い火力発電所を無理にフル稼働すると事故が起こりやすく、ピーク時に1基が止まると首都圏全体が大停電しますが、命はお金に代えられません。停電で病院などで死者が出るかもしれませんが、放射線を浴びて死ぬよりましです。
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恐らく、電気代が2割も上がれば、電力消費量は大幅に減るであろうから、ピークは相当に低くなるので、停電しないだろう。
それから、「命はお金に代えられません」がまた出てきた。池田氏は、本当に命をお金に変えたいのであろう。
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最終的には、すべての原発を廃止すべきです。その穴は「自然エネルギー」で埋めるのが理想ですが、できなければ火力でもかまわない。それによって燃費は上がり、供給は不安定になり、大気汚染は悪化し、電気代は数倍になるでしょうが、命はお金に代えられません。
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何故、そんなに火力が嫌いなのであろうか。以下は中部電力の宣伝のHPだが、現在の日本の火力発電所の公害は非常に少なくなっている。特に、最新鋭の発電所になると、60%を電力に変換できるので、原発の二倍の効率を誇る。
http://www.chuden.co.jp/energy/kankyo/hatsudensho/hat_thermal/air/index.html
石炭だと効率が45%くらいに下がるが、燃料の値段が安い。
http://www.nikkei.com/tech/ssbiz/article/g=96958A9C93819696E0E2E2E79A8DE0E2E2E6E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;p=9694E3EAE3E0E0E2E2EBE0E4E2EB
火力発電所は、スイッチを入れたらすぐに動かせるのに大して、原発はそうはいかない。ちょっとした不具合でも止めないといけないが、そうなるとすぐには起動できないので、稼働率が非常に不安定である。
http://www.nuketext.org/mondaiten_tsukurisugi.html
【東大話法規則】都合の悪い事実は無視せよ。
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電力不足で工場が海外に移転して雇用が失われても、30年ぐらい前の暮らしに戻るだけです。
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原発が無くなったら30年くらい前の暮らしに戻るなど、ありえない脅しである。原発の無理な維持が発電コストを上げて、日本の雇用を失わせている。それに、原発事故の与えた日本ブランドへの巨大な風評被害のコストを考えてみよ。
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エアコンとか冷蔵庫なんかなくても、人間は生きていけるのです。
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それはその通りだ。真剣にそういう道を考えたほうが良い。
しかし、30年くらいまえにも、冷蔵庫もエアコンもあったぞ。
2011/05/27(金) 00:02:26
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福島原発:清華大学で報告
http://wwv.newsmth.net/pc/pccon.php?id=10003608&nid=426349&s=all&tid=20909
中国に出張して、清華大学で阪大の深尾さんと共に、「日本近代的结构与福岛核电站事故的真相」という講演をしてきた。私は中国語が下手くそなので、深尾さんに中国語で主としてやってもらったのだが。言うまでもないが、清華大学は中国の理系の中核大学で、最近は政府首脳の多くが清華大学なので「大清国」とさえ言われるくらいで、当然ながら、あちらの原子力村は、清華大学関係者が多い。
総勢30人くらいの方が聴きに来てくださった。清華大学以外の方も多く、熱心に聞いてくださった。このブログで書いていることをまとめると共に、日本社会の構造のどういう部分がどう作用して、今回のようなひどい事態が生じたのかに関する見解を説明した。それはまた今度、まとめを書きたい。
活発な討論が行われ、主催してくださった王中忱教授が、「今回の事故が、天災のようにみえて人災であり、また、中国にとって、世界にとって、全く他人ごとではない、ということがよくわかりました。これから清華大学でも議論を深めていかねばなりません。」とまとめてくださった。ちなみに、清華大学でも徐々に議論が広まっているとのことである。
2011/05/26(木) 23:50:38
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福島原発:参院行政監視委員会での参考人発言
画期的な一日であったが、報道は以下のみ。
朝日新聞には、小出さんの名前も出さなかった。
後藤さんの名前が出た報道はなかったように思う。
四人の写真を掲げて、一面トップで全文報道すべき大事件であると、私は思うのだが。
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エネルギー政策の転換を 参院委で識者が脱原発訴え
2011年5月23日 23時24分
石橋克彦神戸大名誉教授や孫正義ソフトバンク社長ら「脱原発」を主張する識者4人が23日、参院の行政監視委員会に参考人として出席し、国のエネルギー政策の転換などを訴えた。
委員から、津波対策後に再開を目指す中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の耐震性を問われた石橋氏は「大丈夫なんて全く言えない。浜岡は、地雷原でカーニバルをやっているようなもの」と再開に強く反対。浜岡1号機が運転を開始した1976年から「東海地震」の可能性を指摘しており「地盤の隆起で敷地がでこぼこになる可能性がある。海水の取水管や防波壁が壊れて役に立たないかも」と強調した。
100億円の義援・支援金を寄付するほか、全国各地に太陽光発電所の建設を計画する孫社長は「国内の休耕田と耕作放棄地の2割に太陽光発電を設置すれば、原発50基分をまかなえる。今は農地転用の規制で不許可となるが、仮設置を認めたらどうか」と政策転換を促した。
京都大原子炉実験所の小出裕章助教は「高速増殖炉は68年に計画が持ち上がって以来、10年ごとに目標が先延ばしにされ、いまだ実現していない。永遠にたどり着けないであろう施策に、すでに1兆円を投じた責任を誰も取らない」と原子力行政の行き詰まりを指摘した。
福井県選出の委員からは「原発銀座」と言われる同県の現状への質問も。石橋氏は「若狭湾は地震の活動帯。海底活断層がたくさん見つかっており、大津波の可能性はある。非常に危険なのは間違いない」と話した。
(中日新聞)
原発推進政策に批判相次ぐ 参院委で小出京大助教ら
東京電力福島第1原発事故を受け、参院行政監視委員会は23日、小出裕章・京都大原子炉実験所助教や、石橋克彦・神戸大名誉教授(地震学)ら4人を参考人として招き、原子力行政について討議した。参考人からは「破局的事故の可能性を無視してきた」(小出氏)など、これまでの原発推進政策を批判する意見が相次いだ。
小出氏は、今回の事故対応で「政府は一貫して事故を過小評価し、楽観的な見通しで行動した」とし、放射性物質の拡散予測など情報公開の遅れも批判。また、国が「核燃料サイクル」の柱と位置付けてきた高速増殖炉の例を挙げ、当初1980年代とされた実用化のめどが立たないのに、関係機関の間で責任の所在が明確でないとした。
石橋氏は、地球の全地震の約10%が日本に集中しており、「原発建設に適さない場所である」と強調。原子力安全委員会と経済産業省原子力安全・保安院が「原発擁護機関になっている」とし、安全性の審査が骨抜きになっていると指摘した。
ソフトバンクの孫正義社長は、太陽光など再生可能エネルギーの活用を提言。元原子力プラント設計技術者の後藤政志・芝浦工大非常勤講師も「完璧な事故対策の模索より、新たな分野へのエネルギーシフトの方が容易」と、脱原発を訴えた。
2011/05/23 20:04 【共同通信】
2011/05/24(火) 00:19:43
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もんじゅ:頼むからうまく抜いて、止めてくれ
もんじゅの作業が始まる。抜こうとして爆発したら、それこそ西日本壊滅である。まぁ、そんなことにはならないだろうが、抜けない可能性は高い。これで抜けないと、今度は原子炉の圧力容器の蓋を壊さないといけない。それは更に危険な作業になる。
しかし、抜けたら抜けたで、連中は、もんじゅを動かす実験を始めるつもりである。
とんでもない話である。全力で抜いて、止めろ!!
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もんじゅ原子炉容器に落ちた装置、引き抜きへ
日本原子力研究開発機構は23日、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の原子炉容器内に落ち、取り出せなくなった核燃料交換用の装置(長さ12メートル、3・3トン)を6月中旬をめどに引き抜くと福井県に報告した。
24日に準備作業に入る。
原子炉の熱を伝える冷却材のナトリウムは、空気に触れると燃える性質があるため、外気を遮断する特殊な器具を設置し、原子炉の上ぶたの一部ごと引き抜く。
装置は昨年8月に落下。同10月につり上げを試みたが、落ちた衝撃で装置の一部が変形してしまって抜けず、作業を断念していた。
(2011年5月23日20時30分 読売新聞)
2011/05/23(月) 23:17:15
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福島原発:山下教授の目論見通りの健康調査
放射線の病気は、治療して治る、というようなものではない。運がよければならないし、悪ければなる。あとから健康診断してもらっても、被曝者の健康被害の改善には繋がらない。
病気になったら、経済的にも社会的にも医療の面でも、しっかりと支える、という体制の構築こそが重要であって、予算はそこに使わねばならない。そのデータだけで十分だと私は考える。こういう調査は、被曝者のモルモット化に過ぎない。山下教授の目論見通りである。
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原発周辺15万人以上を健康調査へ 福島県、今後30年
2011年5月23日20時24分 朝日新聞
福島県は、東京電力福島第一原発事故による周辺住民への放射線の影響を調べるため、15万人以上を対象に、長期間の健康調査をすることを決めた。医療機関や政府の専門家もまじえた「健康管理調査検討委員会」を27日につくり、具体的な調査方法や住民への説明方法を検討する。6月以降の開始を目指している。
対象は、警戒区域や計画的避難区域を中心に15万人以上、30年程度を想定。子どもについては、福島市などにも調査範囲を拡大することを検討する。
長期間、低線量の放射線を受けた場合の影響については未解明の部分が多い。調査では定期的な問診や採血、採尿といった検査で、がんの発生率の増加などの兆候がないかを早期につかみ、適切な治療につなげたいとしている。調査結果は公表する方針だ。
2011/05/23(月) 23:07:54
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福島原発:元東電職員の木村さんの解説
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4月29日に高知市内で行なわれた「原発のない日本へ」パレード後の意見交流会で、元東京電力社員が福島第1原発の現状と東電の実態について語る。
10年前に東電を辞めた木村さんは、福島第1原発の近くに住んでいて地震に遭い、家は全く無事であったが、原発の事故を受けてすぐに家族と避難した。知り合いのところを転々とし、最終的に高知へ避難することとなった。その避難の際に、どれだけ被曝したかを自分で計算したところ、20ミリシーベルトは浴びていたという。
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元東電技術者の木村さんの解説。どれほどのデマが政府、東電、原子力安全委員会によって流されているか。恐ろしくなる。
・低線量障害
・偽装
・再臨界
などなど。
2011/05/21(土) 22:11:34
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福島原発:福島大学キャンパスの放射線量
福島大学経済経営学類が、福島大学キャンパスの詳細な放射線量マップを公開した。但し、大学が手続き的に抵抗しているので、ブログに出ている。
2011/05/20(金) 22:49:16
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東北大震災:塩害の田畑には、石炭火力発電所から出る石膏を投入すべし
定方正毅教授
という方が、かつて東京大学工学部におられた。珍しい善人で、正義漢であった。彼は常々、
東京大学の先生方は、学問を出世の道具にしている
と憤激しておられた。憤激のあまり定年前に東大を辞めてしまって工学院大学に移られたが、ほどなく急死された。東大で善人は長生きするのが難しい。定方教授が生きておられたら、今回の東大御用学者どものふざけた振る舞いに怒り狂われたことであろう。
さて、定方教授の御専門は燃焼工学であり、特に、石炭の燃焼で大きな業績を挙げられた。晩年は、単なる燃焼ではなく、
社会エコロジー工学
という分野を提唱された。定方教授は、世の中で「ゴミ」扱いされているものは、単に、うまい利用法が実用化されていないだけであって、それを見出すのが研究者の最重要の仕事だ、と言っておられた。その思想を突き詰めれば、社会システムは、排出物が何らかの形で人間社会・生態系の投入物になるように構成されねばならず、なんにも使い道のないようなゴミは出してはならない、ということになる。言うまでもないが、放射性廃棄物はその最悪の事例である。
定方教授の最重要の研究は、石炭を燃焼させた場合に発生する「汚染物質」を除去し、それの有効な利用法を発見・実用化することであった。そのなかでも特に重要なものは以下である。
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さらに、中国東北部・北部に広がるアルカリ土壌の問題に対して、大気汚染との同時解決手法の確立を目指して、脱硫の際の副生物である石膏を用いての土壌改良を提案され、実際に大規模圃場での改良効果が継続的に確認されるという画期的な研究成果を残されました。この中国での環境研究については、著書『
中国で環境問題にとりくむ(岩波新書)
』にまとめられています。
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石膏というのは硫酸カルシウムであり、塩化ナトリウムと接触すると、
硫酸カルシウム+塩化ナトリウム → 塩化カルシウム+硫酸ナトリウム
となって、共に無害である。
定方教授の研究は塩害の多い中国が舞台であったが、塩害に国境はない。石膏の利用は日本では減っていて、問題になっているらしい。
今こそ、原発を止めて石炭でガンガン発電し、そこから出てくる石膏を、東北地方太平洋岸の津波を浴びた地帯にぶち込む時である。
以下のようなやり方もすばらしいとは思うが、量が足りないであろう。田畑に限らず、いかなる場所も塩を浴びたのでは使いものにならない。出来る限り、石膏を撒くべきだと思う。
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よみがえれ水田…塩害地に特殊堆肥、田植え実験
津波被害のあった農地の早期回復実証実験に参加し、特殊な堆肥を使った田んぼで田植えする農家(宮城県石巻市で)=多田貫司撮影
津波の被害を受けた宮城県石巻市南境の水田で20日、塩分に強い微生物が豊富に含まれた堆肥を利用した田植えが行われた。
堆肥は、福島県の環境システム開発会社「福萬産業」が、経済産業省の支援を受けて開発した。
田植えが行われた約20アールの水田には、津波で汚泥が3~4センチ堆積したが、汚泥の除去や塩抜き作業もしないまま、耐塩性がある微生物を含む堆肥を投入。最小限の復旧作業のみでこの日を迎えた。水田には県産ブランド米「ひとめぼれ」の苗が植えられた。同社の小林功一社長は「有効性が確認できれば、データを公開し、復興に役立てたい」と期待する。
(2011年5月20日13時55分 読売新聞)
2011/05/20(金) 20:46:26
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高速増殖もんじゅ焼き
「もんじゃ焼き」
という看板を見て、
「もんじゅ焼き」
にみえてしまった。最近こういう見間違いが多い。
ついでに考えた。重曹かなにかをまぜたもんじゃ焼きで、
焼くと急速に膨張する
「高速増殖もんじゅ焼き」
というのはどうだろうか?
No Nuke!
と入れ物に書いておく。更に、ストローを蓋に差して、抜けないようにしておけば完璧だ。
2011/05/20(金) 10:18:04
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福島原発:金融機関の債権放棄をめぐる東京新聞の勇敢な行為
東京新聞のオフレコ破り。
この記事は、情報操作の汚いやり方が、非常によくわかる貴重なものである。
ちなみに、既に書いたように、銀行は当然、債権放棄すべきである。
それは、ここで債権放棄したほうが、はるかに良いからである。
そうでなければ、ズルズルと何兆円も突っ込むことになり、最後に本当にニッチモサッチモ行かなくなる。
ありがたいと思ったほうが良い。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/5036
「銀行は債権放棄を」という枝野幸男官房長官発言に対して、細野哲弘資源エネルギー庁長官が「いまさら、そんなことを言うなら、これまでの私たちの苦労はいったい、なんだったのか」と言ったオフレコ発言を14日付けの当コラムで紹介した。
幸いにも多くの読者を得たようだ。その中の1人、経済産業省の成田達治大臣官房広報室長が私の職場に"抗議電話"をかけてきた。霞が関がマスコミ操縦に使う「脅しの手口」がよく分かるので、紹介したい。
成田は私に直接、電話してきたのではない。私の「上司」に電話したのだ。
上司がすぐ私に教えてくれたので、こちらも気がついたが、私はすぐ成田に電話した。以下は、その際のやりとりである。
「それは上司に聞いてください」
「なにか私の記事の件で『上司』(やりとりでは実名、以下同じ)に電話したそうだが、どういうお話だったのか」
「それは『上司』に聞いてください」
「オフレコ話を書くのはけしからんとか、書いては困るといったような話と聞いたが」
「いや、私は書くなとは言ってませんよ」
「じゃ、どういう話なのか」
「私が言ったのは、懇談会の冒頭で私から『一部オフレコの部分もある』と言い、細野からも「ここはオフレコで」と言ったが、とくに反論や意見はなかった。終わった後で長谷川さんからも反論や意見はなかった。それなのにネットで書いたのは、どういう判断なのか。そちらはそういう会社なんですね。信頼関係が崩れている。とても信頼できない。これからは、そういう前提で対応を考えさせてもらう」
「対応を考えさせてもらう、というのは、どういう意味か」
「こちらは信頼できないと言っている。どうするかは、そちらの判断だ」
「分かりました。ありがとうございました。あなたから、そういう電話があった件もまた書かせてもらう」
「ちょっと待ってください。どういうつもりか」
「忙しいので、これで失礼する」
以上である。ほんの2、3分の会話だ。
官僚はこのようにマスコミと困った事態になると、記者当人ではなく「上司」に文句を言ってくる。たいていの記者は上司から注意されると出世に響くと思って、口をつぐんでしまう。「記者もサラリーマン」という弱みにつけ込んだ「恫喝」である。
本人との直接対決はできるだけ避けようとする。直接対決すると新たな接触が、またネタになる可能性がある。「もしかすると、また書かれてしまうかもしれない」と考えて、リスクを最小化するのである。まったく卑しい手口である。
そういう事情なので、相手は初めから私とまともに議論するつもりはない。「脅せば十分」という話である。
「オフレコ」という情報操作の手口
ここでは問題の本質である「官僚のオフレコ話」について書いておこう。
記事について、元官僚で現在、ある大学教授の方もツイッターで「私も官僚時代はよくオフレコで話をした。これは信義則違反ではないか」という「つぶやき」を記している。官僚にとって「オフレコ」というのは極めて重要なマスコミ操作の手段になっている。だから、記者のオフレコ破りは官僚にとって無視できない重要事なのだ。
官僚は記者クラブの会見などで「ここはオフレコだが」と前置きして、ちょっとした背景説明とか裏話を披露する。マスコミに書いてもらいたくないからではない。まったく逆で、実は自分の正体は明かさずに、マスコミにぜひ広めてもらいたいのだ。
背景説明とは、簡単に言えば官僚が世間に広めたい一定の「相場観や理解の仕方」と考えればいい。たとえば官僚に都合のいい解釈や政治家の悪口話、ほめ言葉などだ。
「あの人は政策通」とか「あの人は官僚を使いこなせない」とかいった話がよくマスコミに出るだろう。それはたいてい、官僚の話が出所になっている。
記者のほうは、そういう話を聞くと、なにか秘密の話を聞いたような気になって、知らず知らずのうちに官僚の相場観に染み込まされていく。それがオフレコの狙いである。
だから、官僚が「ここはオフレコで」といったときこそ、本当は記者が官僚の狙いに気づかなければいけない。今回の例で言えば、細野長官の狙いは二つ考えられる。
まず「枝野長官の『債権放棄話』などとんでもない」という相場観を記者に染み込ませたかった。「霞が関は絶対、受け入れない」という相場観である。これが一つ。もう一つは本当に枝野発言に頭に来ていて、枝野の評判を落としたかった。これが二つ目だ。私はおそらく二つ目の思惑がより大きかったと思う。枝野が邪魔者になってきたのだ。
枝野発言はその限りでは「もっともな話」であり、今回は細野たち官僚の相場観と世間の相場観があまりにかけ離れていた。今回のオフレコ話は、それくらい経産省という役所がダメになっている証拠でもある。
「オフレコ破り」をつるしあげる記者クラブの記者
では、論説懇のオフレコ破りは許されるのか。
私は基本的に大勢の記者が参加した場で「オフレコ」はあり得ない、と思っている。
官僚1人に対して記者数十人では、だれかがどこかで喋ったり記事にすることは十分にあり得る。官僚はそんな可能性はとっくに承知していて、書かれることを前提に喋っている。ただし、絶対匿名で。相場観を広めることが狙いだから、自分の正体が明かされては元も子もない。
私はそんな相場操縦を狙った官僚の手伝いをする「ポチ」ではない。重要局面で官僚の立場と基本的発想、狙いを書くのは大事な仕事の一部と思っている。今回はオフレコ話に経産省・資源エネルギー庁の考え方が象徴的に出ていた。だから書いた。当たり前だ。
論説懇は記者クラブでもない。役所が記者に呼びかけて開いた「政策説明会」のようなものだ。記者クラブだと、オフレコ破りした記者はしばしば、他のクラブ記者からつるし上げられたりするので書けなかったりする。記者クラブのもっとも悪い面である。
だからといって、私がオフレコに応じないというわけでもない。基本的に1対1で、しかも十分に信頼に値する相手なら応じる場合はある。1対1でなければ、自分と情報源以外の第三者によって情報が外に漏れる可能性があるので、意味がない。先に言ったとおりだ。
だいたい数十人もの記者を相手に、初めから「信頼関係」うんぬんを持ち出すほうがおかしい。自分たちが「ここはオフレコ」といえば、記者がみなその通り、黙って従うとでも思っているのだろうか。そうだとすれば、記者もよほど官僚になめられたものだ。
残念ながら、なめられ切ってしまったのが現状である。この件は面白いテーマなので、折に触れてまた続報を書くことにしよう。
(文中敬称略)
2011/05/19(木) 08:09:43
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上関原発:ようやく山口県が反対に
ようやく、ようやく、山口県が反対に回った。地元で反対し、とんでもない犠牲を強いられてきた方々に知事は思いを致して欲しい。
この原発がどれほどとんでもないシロモノかは、
http://www.shizen.or.jp/report/081221meeting/nuclear.html
などを御覧ください。
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福島第1原発:山口県知事、上関原発反対に転換へ
二井関成・山口県知事
中国電力が山口県上関(かみのせき)町に計画中の上関原子力発電所について、同県の二井関成(にいせきなり)知事は、予定地の公有水面埋め立て免許の延長を認めない方向で検討に入った。福島第1原発事故で原発の安全性が問われ、国による原子炉設置許可の見通しが不透明となったため。免許は来年10月に失効するが、再免許は原発に関する国の新たな安全指針が策定された段階で判断する意向。中国電力は計画の大幅変更を迫られる可能性が出てきた。
二井知事が埋め立てを許可しなければ原発は建設できず、原発に協力的な立場だった知事の方針転換となる。6月の県議会で最終判断を表明する見通しだが、全国で停止中の原発や新規の立地計画にも影響を与えそうだ。
上関原発は、瀬戸内海に面した海域約14ヘクタールを埋め立て、陸上部を含む33ヘクタールを造成し原発2基を造る計画。山口県は海面の埋め立て免許を08年10月に許可。中国電力は09年10月に着工したが、反対派の抗議活動でほとんど進んでいない。
免許は「着工から3年」が期限で、12年10月までに完成しなければ失効する。原発事故後、中国電力は山口県からの要請を受けて工事を一時停止しており、完成には免許延長が必須の状況。中国電力は今秋にも延長申請すると見られていた。
県によると、上関原発計画は埋め立て手続きと国の原子炉設置許可の手続きが並行して進み、中国電力は09年12月に経済産業省に原子炉設置の許可申請をした。だが原発事故で菅直人首相は政府のエネルギー基本計画の白紙見直しを表明するなど、計画通りの原発増設は困難な情勢だ。
県には、中国電力への埋め立て免許を取り消す案もあったが、法令違反がなければ取り消すことができないことから、免許の延長を認めない方向で検討している。県幹部は「免許を許可した時と状況が変わった。事故が起きれば上関の問題だけではすまなくなる」と説明する。【尾村洋介】
毎日新聞 2011年5月19日 2時30分(最終更新 5月19日 7時41分)
2011/05/19(木) 07:59:20
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浜岡原発:復水器の破損
浜岡原発の海水混入は、操作ミスなどではなく、復水器の配管の破損であった。多分、こないだの静岡の地震で壊れたのではないかと思う。
いずれにせよ、原発はこんなに脆いのである。しかもほんのわずかの事故がきっかけで、いつでも暴走する準備ができている。全て廃炉にする以外に、安全の確保など不可能である。
==============
浜岡5号機、炉内流入の海水は約5トンに
静岡県御前崎市の中部電力浜岡原子力発電所5号機で、運転停止作業中に原子炉に流入した海水量が約5トンに上ることが18日、分かった。
タービンを回す水蒸気を水に戻す「復水器」の配管が何らかの理由で破損し、配管内の海水が流入した疑いが強く、経済産業省原子力安全・保安院は配管の傷が予想以上に大きいとみて、中部電に詳しい原因調査を求める方針だ。
復水器内に漏れ出た海水量は400トンに上ることが判明しているが、中部電が原子炉内の冷却水に混入した不純物の量を分析した結果、炉内に流入した海水は5トンに達する可能性が高いことが分かった。同社は異常に気づいた14日夕、復水器から原子炉へ給水するポンプを停止したが、それ以前に原子炉内に海水が浸入してしまったらしい。
復水器内の古くなった配管に傷が生じた例は、過去にも他の原発であるが、浜岡原発5号機は2005年に運転を始めた比較的新しい原発だ。中部電は配管計約2万1000本を対象に破損部を特定する調査を始めたが、破損の詳しい原因はわかっていない。
(2011年5月19日03時04分 読売新聞)
2011/05/19(木) 07:55:44
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福島原発:危機敵状況についての後藤政志氏の見解
元東芝の原子炉設計者の後藤政志氏が、まともな言葉で解説してくださっている。
「コントロールが極めて難しい、コントロールが不可能だと言ってもいい技術なんです、原発は。そういう考え方をもたないと、とても封じ込めなんかできない。今、コントロール出来ていないのが現実です。そういうことは、原子力プラントの特性なんです。津波じゃないんですよ。津波はきっかけに過ぎない。そういう理解の仕方をしないと間違っています。」
これがつまり、
原子力安全欺瞞言語を使うな、
ということなのである。
2011/05/18(水) 20:17:23
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傍観者について:渡邊芳之教授のツイッターから
@ynabe39 反原発派は自分以外はみんな安全デマを信じていると思い込んでいるようだし,反反原発派は一般の人がみな原発の恐怖系デマを信じかねないと危惧しているように見える。
========
というツイッターを見て、私は何か強いものを感じて、以下のように反応した。
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anmintei 安冨歩 @
傍観者の立場に自分をおいて、高みの見物を決め込んでいるように見えます。 @ynabe39 反原発派は自分以外はみんな安全デマを信じていると思い込んでいるようだし,反反原発派は一般の人がみな原発の恐怖系デマを信じかねないと危惧しているように見える。
========
実は、この方がどなたか存じ上げなかったのだが、あとで見たら
渡邊芳之
氏という帯広畜産大の教授で心理学者であった。それに対して、以下のようなやりとりが続いた。
========
私がですか? でもこの問題でどちらかの立場に必ず参加しなければならない理由があるでしょうか? RT @anmintei: 傍観者の立場に自分を於いて、高みの見物を決め込んでいるように見えます。
hara8so はらや まこと
そう。立場を決めなきゃならない世の中が嫌だ。中庸。“@ynabe39: 私がですか? でもこの問題でどちらかの立場に必ず参加しなければならない理由があるでしょうか? RT @anmintei: 傍観者の立場に自分を於いて、高みの見物を決め込んでいるように見えます。
@anmintei: @hara8so 安冨歩
中庸と傍観は違います。
ynabe39 渡邊芳之
どうも「傍観者」とかいった言葉の悪いイメージにとらわれて,傍観そのものを悪いことのように考えているように思います。問題や状況の性質によっては傍観するほうが自分にとっても相手にとってもよい結果になることはいくらでもあります。 RT @anmintei:
3時間前
»
ynabe39 渡邊芳之
私は傍観ではないとも言っていません。なぜ傍観ではいけないのか,なぜこの問題で2者のどちらかの立場を選択せねばならないのか,と言っています。 RT @anmintei: @hara8so 中庸と傍観は違います。
3時間前 お気に入り リツイート 返信
========
なぜ私がこんな反応をしたのか考えてみた。私の考えの前に、渡邊氏の発想を整理しておく。氏は、
・「傍観」は悪いことではない。
・「傍観」の対立概念は、「立場の選択」である。
と考えておられる。これは根本的な問題に触れるテーマである。
最初に私は、
(1)「傍観」しないなら、「立場を選択」しないといけない
という考えが間違っていると考えている。そもそも、
(2)「立場」という考え方が間違っている
と考えている。「意見」と「立場」とは違うのである。意見というのはそれぞれに違うもので、たとえ「原発は廃絶せよ」という人が二人いても、意見は違う。たまたまこの質問に対しては、同じ応えをする、ということである。
私が、「傍観」として批判したのは、そういった多様な意見を持つ人々を、ある一つの質問に対する応えに応じて、
「反原発」
「反反原発」
というように勝手に「立場」として分類する態度である。こういう態度は、失礼というものだと私は感じる。
その上、そういうふうに二つの「立場」を勝手に実体化した上で、
「 反原発派」は自分以外はみんな安全デマを信じていると思い込んでいる
「反反原発派」は一般の人がみな原発の恐怖系デマを信じかねないと危惧している
と、その属性を設定して見せる態度は、更に失礼である。私は、原発は廃絶すべきだと考えているが、自分以外はみんな安全デマを信じていると思い込んでなどいない。それゆえ、このようなレッテル張りを拒絶する。
また、この態度は、自分を「傍観者」という安全地帯に置いているという点でも問題だと考える。とはいえ、「反原発」か「反原発」か、どちらの「立場」をとれ、と言っているのではない。「原発をどうすべきか」という問に対して応えられないという状態であっても、それはそれで一つの意見なのだから構わない。「どちらが良いか、よくわかりません」と言いながら、発言するのも、それなりの発言である。
しかし、この問から自分を切り離した上で、その問を巡ってさまざまな意見を出している人々を、外部から観察して分類し、属性を当てはめて解説してみせる、という態度は、発言している人々に対して失礼である。それゆえ私はそれを「傍観」と呼んで批判する。
「傍観者」は失礼なばかりではなく、破壊性がある。「
傍観者効果
」というやつである。意見を表明せずに傍観している人間がいると、人々が意見の表明をしにくくなるのである。
しかも、現在の原発をめぐる問題は、対等な二つの見解の対立ではない。原発を推進している側は、暴力と既成事実と利権とで武装した権力である。それに反対する見解は、それを表明するだけで勇気がいる。この状態を傍観し、勇気をもって論戦に参加している人々にレッテル貼りして茶化す行為は、発言者に圧力を加え、権力に加担していることになる。
もちろん、「こういうことになっているのではないか」という形で状況に割り込み、それを変化させようという態度は、傍観ではない。もしかするとそれは「中庸」かもしれない。渡辺氏がそのような態度をとって割り込まれるなら、私は傍観者だとは言わない。
以上のように考えて、私が鋭く反応した理由がわかった。これは「東大話法」によくある態度の取り方なのだ。渡邊氏は東京大学とは何の関係もお持ちでないようであるが、東京大学関係者は、頻繁にこういうスタンスをとって、「傍観者」として自分を安全地帯に置いて、発言だけするのが得意であることを思い出した。
【東大話法規則】自分を傍観者の立場に於いて、発言者をレッテル貼りして実体化し、属性を勝手に設定して、解説する。
2011/05/17(火) 17:49:58
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福島原発:34学会の愚劣な声明と、株式会社シロシベ 園環樹社長の単独声明
日本は科学の歩みを止めない
~学会は学生・若手と共に希望ある日本の未来を築く~
というふざけた声明文が出されている。34学会が連盟で、日本化学学会が中心で作ったらしい。まぁ、日本の理系の中心的学会が集まっている、と言って良かろう。もちろんここで「中心的」というのは「アカデミック利権の中心」という意味であって、知識の探求に命をかける真のアカデミズムの中心という意味ではない。
============
提言③ 国内および国際的な原発災害風評被害を無くすため海外学会とも協力して正確な情報を発信します
・・・・海外マスメディアの報道に必ずしも科学的に正確でない情報が氾濫し国際的な風評被害を招いています。これにより、国民社会、研究・教育、産業等に様々な影響が出ております。我々は国内はもちろん、各国の学会に可能な限り正確な情報を発信し,各国の学会と協力して,福島原発放射性物質漏出事故の国際的な風評被害をおさめ,科学技術立国としての我が国の貢献を果たすために最大限尽力いたします。
============
というあきれた内容である。前にも書いたが、名声とは風評であって、原発事故でその大切な風評が被害を被って、日本はこれから苦難の道を歩まざるを得なくなったのである。原発事故の前日まで日本および日本人は、
正直、正確、勤勉、高性能、ハイテク、清潔、美しい山河、豊かでおいしい水、平和
というイメージを持っていた。これこそは我々の最大の財産であった。ところが、それは原発事故のせいで、一瞬にして崩壊してしまった。
日本人=放射能
日本製品=放射能入り
という、現在、福島県民が受けている差別を我々は受けざるをえない。そればかりか、日本のイメージは、
馬鹿正直、やってるフリ、無責任、ポンコツ、ローテク、放射能汚染、汚染された山河、放射能入りの水、プルトニウム
というものに変わってしまった。先人の努力で築かれた「日本ブランド」が崩壊したのである。
この深刻な危機を乗り越えるには、大変な決意をもって、21世紀を切り開く、先進的な社会を構築していくしかない。それはいくら口で言っても無駄で、行動によって示し、世界の人々の尊敬をかちうるしか無い。
ところが、この理系のアホどもは、「福島原発放射性物質漏出事故の国際的な風評被害」を「正確な情報発信」とやらでおさめる、という出来もしないことを言っている。できもしない工程表で原発を処理しようとしている東電とそっくりである。
彼らがこの声明で言いたかったことは、今まで通りに「科学技術立国」やっていくのだから、たんまり補助金を頂戴ね、ということだけである。
有名な物理学者である学習院大学の田崎晴明さんが、さすがにぶち切れて、以下の声明を出しておられる。
http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/misc/34Gakkari.html
少しでも良心や知性というものがあれば、こんな下品な文章を、自分の所属する学会が出したら怒って当然である。
さて、この報道を見て、あきれ返ってしまったが、あまりのあほくささに放置していた。そしたら、株式会社シロシベ 代表取締役 園環樹という方からメールを頂いた。そこに、園さんが出された声明文が出ていた。あまりに立派なので、無断で掲載させていただくことにした。さすがは日本の最先進地、山紫水明の近江の方である。上の34学会の会長は、爪の垢を煎じて飲むべきである。
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元ネタ>1法人(1人)社長声明
最終更新日:2011年5月13日
1法人(1人)社長声明
日本の科学の歩みについて考える
~シロシベは学生・若手と共に希望ある日本の未来を築く~
1. 学生・若手研究者とともに勉学・研究の歩みを止めず未来に希望を持つため協働します
2. 被災した研究施設の復興および新時代の教育研究体制のあり方について広く国民とともに議論されることを望みます
3. 国内および国際的な原発事故による環境汚染・健康被害を小さくするため様々な情報をオープンに検討します
平成23年(2011年)5月12日(木)
株式会社シロシベ 代表取締役 園環樹
2011年3月11日に発生した東日本大震災により,亡くなられた多くの方に心から哀悼の意を表しますとともに,大切なご家族を失われた方々や困難な生活を続けられている皆さまに心よりお見舞い申し上げます。また,被災地や福島第一原子力発電所の事故に対応してご尽力されている方々に,深く敬意を表します。近代日本史上未曽有の東日本大震災とそれに続いた福島原子力発電所の事故により,今日の科学・技術の限界を痛感しております。そして,今こそ日本の復興・新生のために科学・技術の根本的なあり方について再考することが欠かせないと考え,株式会社シロシベはクライアントの皆様とともに総力を挙げて知恵と力を出す覚悟です。
大震災により,東北地方をはじめ東日本の大学および研究施設,そして森林も田畑も海も空も土も魚も牛も野菜も大きなダメージを受けました。石油やウランといった天然資源には恵まれない日本ですが,四季折々の豊かな自然に恵まれ,また「科学」という言葉が日本にやってくるずっと前から脈々と続く豊かな歴史と文化は国際社会における貴重な存在であります。このような人類の財産が失われ汚染された今回の原発震災を克服し,さらに文化的で豊かな社会を創り出すためには,科学と社会の関係,科学者の使命について根本的に見直すことが不可欠です。我々は,被災した大学施設や研究施設の早期復興および教育研究体制の確立支援を願うとともに,科学・技術のあり方について本腰を入れて考え直す所存です。
とくに,これからの日本や世界の文明の将来を憂い,日々努力を重ねていた大学生,大学院生,そして研究の道を歩み始めた若手研究者,とりわけ博士研究員(ポスドク)にとって,今回の震災は日常生活を奪うだけでなく勉学,研究の場を奪い,将来の夢までも失うどころか,政治利用される科学者の実態に絶望することになりかねません。株式会社シロシベは,日本の将来ある若者たちが「世界の第一線で活躍する」といった敗戦国根性丸出しの価値観から脱却し,自由に楽しく研究活動に没頭することが,日本の復興及び多様な価値観の共存する真に豊かな世界の構築に欠かせないと考えます。我々は現状に鑑み,学生・博士研究員・若手研究者と共にある企業として,被災により勉学や研究活動に影響を受けた若者とともに,これからも勉学や研究の道をともに歩んでいくことを表明します。被災した大学および研究施設が早く勉学・研究を落ち着いてできる状態になるよう願います。
福島第一原子力発電所放射性物質の漏出に対して,御用学者の安全デマなどとも揶揄される必ずしも正確でない情報発信にも影響されて日本国内はもとより国際的に放射性物質による汚染に関する懸念が深まっており,国民社会,研究・教育,産業等に様々な影響が出ております。多くの分野の専門家集団から構成される科学者コミュニティとしての各学会は,これまでにも増して国内はもちろん各国学会とも協力し,お忙しいとは思いますが,積極的に情報発信され,オープンな議論に参加されることを願います。
提言① 学生・若手研究者とともに勉学・研究の歩みを止めず未来に希望を持つため協働します
現状では,被災した大学,研究所では多くの装置,機器類が使用できず,若者たちがこれまでの努力を持って得た貴重な勉学・研究の時間が奪われています。また,さらに,直接的に被災していない若者たちも,私たちが従事してきた研究活動が本当に人類の福祉に貢献しているのか,巨大な利権集団を構成する一員として生命や安全,倫理をなおざりにしてきたのではないか,という疑念が頭をもたげ,勉学・研究への意欲の低下,精神的ダメージが非常に大きいのが現状です。さらに,今に始まったことではありませんが,雇用・経済的問題から生活に対する不安も抱えています。この精神的な不安定は「正常」な反応であり「病気」ではありません。シロシベは焦燥感と無力感に苛まれ未来に不安を感じる一若手研究者として,この不安を糧とし,みなさまとのつながりに感謝しつつ,勉学・研究の歩みを止めず精進いたします。
提言② 被災した研究施設の復興および新時代の教育研究体制のあり方について広く国民とともに議論されることを望みます
被災した大学,研究施設では建物の損壊をはじめ,地震によって建物,施設,装置や設備,貴重な研究資料や試料が破損されました。こうした施設,装置,設備,資料,試料については,ただ単に震災前の状態に戻すということではなく,新しい時代の教育研究体制の構築を視野に入れた復興が望ましい。すなわち,全日本の国民とともにオープンに議論することが欠かせません。研究体制・研究教育環境の復旧復興にあたっては,今後を見据えて教育研究予算を柔軟に使用できる工夫も必要なのかもしれません。しかし,復興のビジョンはこれからの日本が進む方向にも関わる重要な課題であるため,学会と国だけの閉じた関係の中で意思決定がなされることに幾許かの不安を禁じえません。
被災地域には我が国が有する大型装置を備える研究施設が多くあり,これら大型装置の被災による損害は甚大です。こうした研究施設,例えば,大強度陽子加速器施設(東海村)や高エネルギー加速器研究機構(つくば市)の加速器施設やフォトンファクトリー等についてはよく分からないので言及しませんが,世界をリードすることにどのような意味があるのか,どこに向かってリードしたいのか,国民との開かれた対話が活発に行われることを切に願います。
提言③ 国内および国際的な原発事故による環境汚染・健康被害を小さくするため様々な情報をオープンに検討します
東日本大震災や福島第一原発事故に関して,各国の友人からお見舞いと励ましや協力の申し出など心温かいメッセージをたくさん頂きました。一方で,国内マスメディアの報道を中心に過度に楽観的な情報が氾濫し国際的にも不信を招いているように思われます。これにより,国民社会,研究・教育,産業等に様々な影響が出ております。我々は国内はもちろん,各国から可能な限り情報を収集し,それらの情報をオープンに検討し,科学技術立国としての我が国の貢献云々の前に,原発放射性物質漏出事故による周辺住民の健康被害,国際的な環境汚染を最小限におさめるために,実際のところは事態に推移を呆然と眺めること以外できていないのが現状ではありますが,可能なかぎり非力ながら最大限尽力いたします。
上記3つの提言に対して,株式会社シロシベは努力を惜しみません。日々接する濃密な情報に溺れ,クライアントの皆様にご迷惑をかけつつ,しどろもどろに日常業務をこなすのが精一杯な毎日ですが,「34学会(44万会員)会長声明」を拝読し,つい反応してしまいました。提言①は科学を志す若者とそのご家族に向けて,提言②③は34学会会長の先生方,また,国民の皆様全体にお伝えしたいと思います。株式会社シロシベは,皆さまのご指導ご鞭撻を賜りながら,ともに手を取り合い,次代に希望ある日本の未来をともに築いていくことができればと考えております。
問合せ先:
株式会社シロシベ 代表取締役 園環樹
〒521-1222 滋賀県東近江市佐野町237番地
E-mail: t@psilocybe.co.jp (@を半角に変えてください) Twitter: @tamakisono
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2011/05/16(月) 23:21:18
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美浜原発:五木ひろし氏「原発の存続を見直す時期にも来ている」
五木ひろし氏がチャリティのコンサートとマラソン大会を、出身地の美浜で行った。
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「故郷を思いながら生きるのが人間。故郷の家族や知人、東北のファンへの思いから、つい胸が詰まり泣いてしまった…」と照れる五木。
「原発の存続を見直す時期にも来ている」
と複雑な胸中も吐露した。
==========
と言っている。美浜町でこの言葉を、美浜出身の五木ひろし氏が言った、ということは、かなりのことである。五木氏は、
http://covers2011.jugem.jp/?eid=22
というような歌も歌っているくらいだから、原発だいすき人間ではないだろう。
美浜と原発と五木ひろしで検索すると、以下の東本願寺の能登のお坊さんのエッセイがヒットした。
http://www.nsknet.or.jp/~yamabuki/hantai.html
============
「俺はなァ、五木ひろしの実家の近所の者や。
五木ひろしのおかあさんはなァ、五木ひろしを苦労して育ててなァ・・・・」
などと、五木ひろしの幼い頃や家庭の話を始めました。
私は、彼の五木ひろし物語をフンフンと興味深そうに聞いていました。
五木ひろしの話題が一段落着いたところで、彼が突然、
「ところで、兄ちゃん、原発って知っとるけ?」
「兄ちゃんも輪島の者やったら分かると思うけど、(両手で洗面器大の輪を作りながら)こんな化け物みたいなアワビがおるんや。
海の色も変な色でなァ。
他の魚や海草なんかも様子が変なんや。
俺は、漁師やから難しいことは分からんけれども、海がまともな海かどうかぐらい分かる。
ありゃあ、化け物の海や。
気持ち悪ぅて、すぐに上がってきたわ・・・・。」
============
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五木ひろし「街」思い涙の熱唱…復興願う
2011年5月16日 08時00分 (2011年5月16日 10時03分 更新)
故郷“原発の街”で涙の熱唱-。歌手、五木ひろし(63)が15日、原子力発電所がある故郷・福井県美浜市で恒例のマラソン大会を開いた。東日本大震災の被災地への思いを歌った新曲「街」を披露したライブでは、万感胸に迫り珍しく涙を流す場面も。「がんばろう日本!の思いを歌で届けたい」と、新曲の収益金などすべて義援金とする意向を明かした。
原発のある故郷で、原発事故で苦しむ東日本を支援-。五木がマラソンと新曲を通じて、被災地と痛みを分かち合った。
この日、「東日本大震災復興支援」と銘打ち、美浜町とともに「第23回美浜・五木マラソン」を開催、全国から昨年を上回る4356人が参加した。五木も親子の部で最初だけ応援で走ったが、周囲に気をとられ転倒するハプニング。両足のひざをすりむいたが、「大したことない。地元の子供たちと話せて楽しかった」と笑顔を見せた。
若狭湾を臨む美しい海岸線を走る最長20キロのコースだが、スタート地点からわずか約500メートル離れた地点には、関西電力の原子力発電所がある。1970年に運転を開始した美浜発電所だ。震災と原発事故の後だけにマラソン大会を開催すべきか悩んだというが、町長から「こんな時期だからこそ、復興支援のためにも開きましょう」と要請され、最終決断した。
五木は特設ステージで、7月27日に発売予定の「街」をアコースティックギター1本で披露。♪ここで暮らした ここで笑った 幸せになるために…。力強く情感豊かに歌い上げた。
この歌は親交のある作詞家、松井五郎氏(53)が被災地の復興を思い描いて歌詞を作り、五木みずから作曲。前日の現地ライブでも披露したが、その際は歌唱途中で涙を流してしまい、歌手生活47年目にして初めて、もう一度歌い直して喝采を浴びた。
「故郷を思いながら生きるのが人間。故郷の家族や知人、東北のファンへの思いから、つい胸が詰まり泣いてしまった…」と照れる五木。「原発の存続を見直す時期にも来ている」と複雑な胸中も吐露した。
この日の大会と「街」の収益金は義援金として被災地に送られる。
2011/05/16(月) 11:30:54
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福島原発:1号機、空だき状態10時間以上 燃料の溶融速く
「東電の解析によると、燃料の溶融は従来考えられていた以上の速度で進行」
何を馬鹿な事を!!!
小出さんの指摘しているように、少しでも原発のことを知っていれば、短時間でそこまで行く、と普通は想定する。
既に指摘したように、これぞ、原子力欺瞞言語のなせる技なのだ。
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福島第1原発:空だき状態10時間以上 燃料の溶融速く
2011年5月15日 22時15分 更新:5月15日 23時47分 毎日新聞
東京電力福島第1原発1号機で、地震からわずか16時間後の3月12日早朝には、燃料の大部分が溶け落ちていた可能性が強まった。東電の解析によると、燃料の溶融は従来考えられていた以上の速度で進行。外部から冷却水を入れるため、弁を開いて炉内の圧力を下げる「ベント」作業を始めた時には、炉内は既に水位が燃料の下端を下回る「空だき」状態で、燃料の大部分が溶融していたことになる。今後、ベントの作業や外からの注水のタイミングが適切だったかが問われることになりそうだ。
東電のこれまでの発表では、福島第1原発で原子炉が空だき状態になったのは2号機(14日)が最初。1号機は空だきになっていたことすら公表されていなかった。今回の解析結果が正しければ、1号機の空だき状態は11日午後7時半ごろから、淡水の注入開始(12日午前5時50分ごろ)まで10時間以上続き、ベント開始はさらに5時間近く後になってからだったことになる。
小出裕章・京都大原子炉実験所助教は「電源喪失で原子炉が冷やせなくなれば、早い時期に炉心溶融に至ることは想定できていたはずだ。燃料の損傷が限定的だとしてきた東電の説明は完全に誤っていたことになる。データの公表も遅すぎる」と指摘する。
東電は今回の解析で「圧力容器の損傷は大規模ではない」と説明するが、小出助教は「圧力容器は完全に破損し、溶けた燃料が格納容器の底に穴を開け、原子炉建屋の地下に大量の汚染水が漏れ出す原因になっている」と推定する。
吉川栄和・京都大名誉教授(原子炉安全工学)も「溶融した燃料の一部は格納容器に落ちているだろう」と指摘、東電の解析に否定的な見解を示した。さらに「燃料は格納容器のクラック(損傷部)から水と一緒に漏れている可能性もある」と述べ、地震の揺れや炉心溶融、水素爆発などさまざまな原因で格納容器が損傷している可能性を指摘した。
工程表への影響について吉川名誉教授は「初めに描いた絵と状況が異なり、収束までの時期は確実に延びるだろう。むき出しの燃料の回収は相当困難な作業になる。廃炉の工程にたどり着くのも難航するだろう」と厳しい見通しを示した。【酒造唯、八田浩輔】
2011/05/16(月) 00:01:24
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東海第二、女川原発の危機
本当によくやった!
だから、もう二度と動かさなくて良い。
また後出しか。
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東海第二原発、綱渡りの3日半 停止作業の詳細明らかに
2011年5月15日11時51分 朝日新聞
東日本大震災で被災した日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)では、原子炉が安定的に停止している状態になるまでに3日半かかっていた。日本原電がまとめた資料でその作業の詳細が明らかになった。津波で非常用発電機の一部が停止し、炉内の水温や圧力を下げるため、綱渡りの作業が続いていた。
日本原電によると、東海第二原発は3月11日の地震直後に停電した。このため非常用発電機3台が動き始め、非常用炉心冷却システム(2系統)が起動した。しかし地震から約30分後に高さ5.4メートルの津波が襲い、その影響で命綱の発電機のうち1台が停止。非常用炉心冷却システムも1系統が使えなくなった。
こうした状況から冷却が十分進まず、地震から7時間後の時点で、原子炉内の水温は二百数十度、圧力は約67気圧。通常の運転時とほとんど変わらない状態だった。水温を下げるために注水すると水蒸気が発生して圧力が高まる。この圧力を下げるために水蒸気を格納容器内に逃がす弁の操作にも迫られた。
同様に被災した東北電力女川原発(宮城県)は12日午前1時ごろに安定的な停止状態になった。しかし、東海第二原発の炉内の圧力は午前2時前でも約58気圧と高い状態だった。さらに午前3時ごろには約60気圧に再上昇。注水と逃し弁の開閉の繰り返しで、燃料が露出するようなことはなかったものの炉内の水位も70センチほど変動した。
急激な温度変化は炉本体の損傷につながるような恐れもある。水温と圧力、水位の変動などを見極めながらの作業が続いた。14日午前に外部電源が復旧、深夜には止まっていた非常用炉心冷却システムもふたたび動き、炉内の水温が100度未満になる「冷温停止」の状態に至った。この間、通常の2倍以上の時間がかかったという。
原発事故に詳しい社会技術システム安全研究所の田辺文也所長は「非常用電源が一部使えないなか、細心の注意を払う作業が続いていただろう」と話す。
日本原電は震災を受け電源車を配備、非常用発電機の増設を決めた。福島第一原発では燃料が損傷し周辺に放射性物質が漏出した。同じ事態に陥らないか検証を進めている。(栗田有宏、中村浩彦)
2011/05/15(日) 20:56:04
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浜岡原発:「脱塩処理をすれば廃炉になるレベルではない」
なんじゃらほいい!!
なんで海水が一次冷却系に入るんじゃ!!
そのまま廃炉にしていいよ!!
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http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210515017.html
【原発】浜岡原発でトラブル 炉内に海水流入か(05/15 17:30)
14日に運転を停止したばかりの浜岡原発でトラブルです。核燃料の冷却作業中に400トンの大量の海水が誤って原子炉や復水器に流入したとみられます。中部電力は「廃炉になるレベルではない」としています。
午後4時半ごろ、浜岡原発5号機で冷却水の異常を知らせる警報が鳴り、中部電力は原子炉圧力容器に海水が入った恐れもあるとして通常の冷却系統での注水をストップしました。代わって緊急炉心冷却装置を作動させ、原子炉は15日正午過ぎに冷温停止状態になりました。中部電力によると、推定で400トンの海水が原子炉や復水器内などに流入したとみられます。原因は調査中ですが、海水を利用する熱交換器の配管から漏れた可能性もあるということです。海水は機器を腐食させる危険がありますが、中部電力は「脱塩処理をすれば廃炉になるレベルではない」としています。
2011/05/15(日) 20:50:05
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福島原発:1号機は地震で崩壊
岩波『世界』5月号で、田中三彦氏は、「福島第一原発事故はけっして“想定外”ではない」という論文で、大津波も電源喪失も冷却材喪失事故とは関係なく、地震で破断事故が起きていた、と指摘していた。漸く、それを裏付ける証言が出てきた。
福島第一原発は、600ガルの想定の4分の3に過ぎない448ガルで、最悪の破断事故を起こして、あっという間にメルトダウンしていたのである。
日本の全ての原発は、少なくとも地震に対する対応ができるまで、直ちに停止すべきである。
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h
ttp://www.sakigake.jp/p/special/11/eastjapan_earthquake/news.jsp?nid=2011051401000953
1号機、津波前に重要設備損傷か 原子炉建屋で高線量蒸気
東京電力福島第1原発1号機の原子炉建屋内で東日本大震災発生当日の3月11日夜、毎時300ミリシーベルト相当の高い放射線量が検出されていたことが14日、東電関係者への取材で分かった。高い線量は原子炉の燃料の放射性物質が大量に漏れていたためとみられる。
1号機では、津波による電源喪失によって冷却ができなくなり、原子炉圧力容器から高濃度の放射性物質を含む蒸気が漏れたとされていたが、原子炉内の圧力が高まって配管などが破損したと仮定するには、あまりに短時間で建屋内に充満したことになる。東電関係者は「地震の揺れで圧力容器や配管に損傷があったかもしれない」と、津波より前に重要設備が被害を受けていた可能性を認めた。
第1原発の事故で東電と経済産業省原子力安全・保安院はこれまで、原子炉は揺れに耐えたが、想定外の大きさの津波に襲われたことで電源が失われ、爆発事故に至ったとの見方を示していた。
地震による重要設備への被害がなかったことを前提に、第1原発の事故後、各地の原発では予備電源確保や防波堤設置など津波対策を強化する動きが広がっているが、原発の耐震指針についても再検討を迫られそうだ。
関係者によると、3月11日夜、1号機の状態を確認するため作業員が原子炉建屋に入ったところ、線量計のアラームが数秒で鳴った。建屋内には高線量の蒸気が充満していたとみられ、作業員は退避。線量計の数値から放射線量は毎時300ミリシーベルト程度だったと推定される。
この時点ではまだ、格納容器の弁を開けて内部圧力を下げる「ベント」措置は取られていなかった。1号機の炉内では11日夜から水位が低下、東電は大量注水を続けたが水位は回復せず、燃料が露出してメルトダウン(全炉心溶融)につながったとみられる。
さらに炉心溶融により、燃料を覆う被覆管のジルコニウムという金属が水蒸気と化学反応して水素が発生、3月12日午後3時36分の原子炉建屋爆発の原因となった。
(2011/05/15 02:08 更新)
2011/05/15(日) 10:33:50
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福島原発:いしだ壱成氏の経験。機動隊は子どもでも殴る。
http://ameblo.jp/isseiishida/entry-10819818986.html
いしだ壱成氏の子供の時の体験である。日本では、原発の危険な出力調整実験に反対するだけで、子供でさえこういう目にあうのである。
==============
その瞬間、誰かに突き飛ばされて地面に叩きつけられた。
やはり、武力による衝突が始まったのだ。
急いで起き上がるが、身体の小さい僕は圧倒的に非力だった。
あたりはカオス状態だった。
今度は機動隊員の膝蹴りを喰らった。
また冷たいアスファルトの地面に顔面から叩きつけられた。
ラジ!!と聴いたことのある声が聞こえた。ラジというのは、僕の洗礼名で、親たちにはこう呼ばれる方が多い。
顔を上げると、子供になんてことするんだ!!と僕を助けようと手を伸ばして叫んでいる西荻窪で無農薬野菜の八百屋を営む親(一括してそう呼びたいと思う、僕には沢山の親がいると思っている)がいた。一瞬だが、知った顔を見つけて安心した。
その矢先、機動隊の警棒が彼に叩きつけられ、彼は苦痛に顔を歪めてその場に倒れ込んだ。
あんなに優しい笑顔しか見たことのなかった人間が見知らぬ人間に殴られて、苦痛に顔を歪めている。
全部がスローモーションだった。
自分の母親を探した。
遠くに見えた。騒乱に巻き込まれていた。誰かに殴られたのか、痛そうな顔をしていて、尚且つ機動隊の警棒が母を襲おうとしていた。
助けに行かねば、と立ち上がった。僕がいった所でたいした助けにはならないのだが、とにかく息子の本能というやつだろうか。
その瞬間、今度は自分が警棒で右肩あたりを殴られてまた倒れた。
このくそがきが!!
と聞こえた。地面に丸くなって防御体制に入っていた僕の横腹を何人かの隊員に蹴られた。息が出来なかった。そうか、僕はくそがきなのか。そんなこと、初めて言われた。
安全靴のつま先の鉄板があんなに重くて威力のあるものだとは思わなかった。左頬に鉄の冷たさを感じた。後頭部を厚いブーツの底で踏んずけられた。何人の隊員に踏みつけられただろう。
2011/05/15(日) 10:28:14
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東日本大震災: タガメ出動!! カエルも出動!!
なんともはや。。。
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震災後、増える結婚相談 指輪売れ行きも増
2011年5月15日5時0分 朝日新聞
東日本大震災をきっかけに、生涯のパートナーを得ようとする人が増えている。都市部の女性を中心に結婚相談所への照会が相次ぎ、会員同士で成婚して退会するケースが急増。婚約指輪の売れ行きも伸びた。未曽有の災害に直面して孤独感にさいなまれ、人との絆を持ちたいとの思いが広がった、との見方もある。
結婚情報紹介サービス大手のオーネット(本社・東京)では、今年4月の資料請求件数が前年同月比で約12%増。関東の女性でみると24%増えた。会員同士の結婚による退会も続き、3月は423人で前年同月比19.5%の増。4月も333人と18.1%伸びた。同社大阪北支社の古沢広美・支社長代理は「地震直後から問い合わせが増え、入会者も例年の2~3割増」と話す。サンマリエ(同)でも関東甲信越地方で入会者の伸びが目立つ。
東北6県で約3千人の会員を抱える結婚情報紹介業「あんしん友の会」(本部・盛岡市)では、震災後に女性からの問い合わせが震災前より3割ほど増加。「地震が一歩踏み出す契機になった」と打ち明ける人もいた。「ノッツェ」で知られる結婚情報センター(本社・東京)の郡山支店(福島県郡山市)は、震災前と比べて入会者が1.5倍以上増えたとしている。
東京都内に住む一人暮らしの会社員女性(30)は、大型連休中に結婚相談所に登録した。震災当日に帰宅困難となり、6時間歩いてマンションにたどり着いた。その後も余震に敏感になり、寝つけない夜も増えた。「将来への不安が膨らみ、家族を作ることの大切さを痛感した。人と絆を結ぶ努力をしたい」
新宿高島屋(東京都渋谷区)のアクセサリー売り場では、4月1~19日の婚約指輪の売り上げが前年同期比で約4割増加。「婚約指輪を買うつもりはなかったが、自分たちの出会いや気持ちを形にして残したい」と訪れるカップルもいた。(沼田千賀子、山内深紗子)
2011/05/15(日) 08:53:28
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福島原発:パウル・クレーの芸術が示すもの
パウル・クレーというスイスの画家の展覧会
が行われている。今日まで京都で、月末から東京である。原発に関心のある人はぜひ観に行くべきだ。
パウル・クレー展の作品は、まるで福島原発事故と、それをめぐる日本社会の有り様を描いているかのようだ。展覧会のHPに出ている画像に、勝手にキャプションを振ってみた。
【福島第一原発 1号機の爆発】
【福島第一原発 3号機の爆発】
【福島第一原発の全容】
【放射能に汚染された森・畑・家】
【東京電力】
【無人の会見場で記者会見する原子力安全・保安院】
【山下教授:放射線の影響は、実はニコニコ笑ってる人には来ません。】
【正気の人間は、怯えながらも怒り、生きようとする】
2011/05/15(日) 00:28:14
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福島原発:「(全炉心溶融は)想定しなかった。認識が甘かった」
> 「(全炉心溶融は)想定しなかった。認識が甘かった」
> 細野豪志首相補佐官は13日開かれた政府・東電統合対策室の記者会見で見通しの甘さを認めた。
原子力発電所事故に関する本を読めば、メルトダウンはだいたい、分単位とか、おそくとも時間単位で起きるというストーリーが書かれている。それゆえ、原子力大事故を想定して思考していた人は、そのくらいの見積もりをしていたはずだ。小出さんも勝負はあっという間につく、どんなに長くとも一週間とか十日以内と想定していた、と何度も言っている。
それが結局は正しかったのである。
なぜ彼らがそういう普通の考え方で臨まなかったかというと、何度も書いているように、
原子力安全欺瞞言語
を使っているからである。そこから離脱しない限り、事態は決して見えない。妄想に対応し続けているので、事態が一向に改善しないのである。
政府は今からでもいいから、原子力安全欺瞞言語を話す連中を排除すべきである。事態は絶対に改善しない。
==============
1号機、冠水作戦窮地…4千t以上の水消えた
福島原発
東京電力福島第一原子力発電所の事故収束に向け、最も復旧作業が進んでいた1号機で、大量の燃料が溶融し、圧力容器の底部にたまる「炉心溶融(メルトダウン)」が判明するなど工程表の見直しを迫るトラブルが相次いでいる。
事故から2か月経過した今になって、こうした想定外のトラブルが発覚したのはなぜか。背景を追った。
◆メルトダウン◆
「(全炉心溶融は)想定しなかった。認識が甘かった」
細野豪志首相補佐官は13日開かれた政府・東電統合対策室の記者会見で見通しの甘さを認めた。
福島第一原発1~3号機は、東日本大震災によって冷却機能を喪失、水で満たされているはずの燃料が露出した。必死の注水作業を続ける東電は、「燃料の一部は溶融したが、メルトダウンはしていない」としてきた。経済産業省原子力安全・保安院も同様の見方で、先月17日に東電が発表した原子炉安定化に向けた工程表は、これを前提にした作業計画だった。それだけに、12日判明した1号機の炉心溶融は関係者に大きな衝撃を与えた。原子炉を冷やすため、格納容器に水を満たす冠水(水棺)作業は、順調に進んでいると思っていたからだ。
現実は違った。炉心溶融は、原子炉建屋内に作業員が入り、水位計を修理・調整したことで判明。圧力容器内(高さ19メートル)の水位は底部から最大で4メートルしかなかった。燃料が崩壊した底部の穴やすき間から漏出したと考えられる。格納容器側の水位も想定より低く、これまで注水された1万トンのうち、少なくとも4000トン以上の水が「消えた」ことになる。
◆消えた水◆
なぜ、トラブルの発見が遅れたのか。
水位計を調整する前、圧力容器と格納容器の圧力に差があったため、東電は「容器の損傷はない。格納容器にも着々と水がたまっている」と見込んでいたからだ。
しかし、見通しが甘かった。建屋内の高い放射線が水位計の調整を阻んでいたとはいえ、事故直後から数値がほとんど変化しなかったことを重視しなかった。水位計などの故障や炉心溶融の可能性が指摘され、東電は「調整後、水位低下は予想していたが、それを大幅に上回った」と語る。
消えた水の行方も注目される。高濃度の放射性物質で汚染された水が、圧力容器の穴から外へと漏れ出す恐れがあるからだ。滞留先として最も疑わしいのは、原子炉建屋の地下だ。作業員が階段を下りようとしたところ、高い放射線でその先に行けなかった。
(2011年5月14日09時52分 読売新聞)
2011/05/14(土) 10:28:22
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