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マイケル・ジャクソンの思想

福島原発:私だったらどうしたか。

私がもしも首相だったらどうしたか、について書いておこうと思う。後知恵と言われかねないが、事故が起きた直後から、私は同じことを考えていて、知り合いには話していた。

(1)福島瑞穂議員を「原子力事故担当大臣」とする。彼女は「原発事故が起きる起きる」と以前から騒いでいた人だからである。それに、こないだまで大臣をやっていたのだから、適任であろう。小沢議員を「原子力事故担当大臣補佐」に任命する。このくらい豪腕の人でないと、役に立たないであろうから。なぜ小沢氏を補佐にするかというと、福島氏を補佐にしたのでは、小沢氏は言う事を聞かないからである。それから、原発が津波でやられる、と予言していた吉井英勝衆議院議員を同じく補佐にする。

(2)原子力委員会、原子力安全委員会に、熊取六人組をはじめとする、「原発事故が起きる」と主張していた学者を入れて、原子力安全欺瞞言語を操る人々と半々にする。双方の議論を首相と原子力事故担当大臣・補佐が聞いて、意思決定する。

(3)日本全国の原子炉を停止させる。そんなことをしてどうするのかというと、作業員を調達したいのである。一人当たり250ミリシーベルトにしようが、500ミリシーベルトにしようが、作業員は恐らく、急速に払底するので、日本中から、原子炉に詳しいひとを掻き集める必要がある。

(4)原子炉OBを集める。老人は被曝しても影響が低いので、彼らを主役にする。

(5)福島原発の処理に当たる人には、1ミリシーベルト当たり、10万円くらいのボーナスを奮発する。100ミリシーベルトで1000万円もらえるなら、頑張るだろう。もちろん、東電持ちである。

(6)IAEAに直ちに救援を依頼して、世界中の原子炉技術者、作業員で、福島第一原発と同型の原子炉に精通した人々を日本に呼び集める。作業に必要な資材も持ってきてもらう。彼らは、1日、100万円くらいのボーナスを払う。もちろん、東電持ちである。

(7)アメリカからスリーマイル島の経験者を、ウクライナ・ロシアから、チェルノブイリの経験者を呼び集める。

(8)アメリカ、中国、ロシアから、原子炉の作業員を掻き集める。彼らにも、1ミリシーベルト10万円くらいの賃金を払う。もちろん、東電持ちである。

(9)福島第一原発から出てくる数値は、すべてリアルタイムでインターネット上に公開する。

(10)放射線などの状態から、炉心内部を推定することのできる物理学者を掻き集めて、常時解析させて、現場に伝える。おそらく、勝手にネット上でやってくれるのではないかと想像する。

(11)100キロ圏内から子供と妊婦と若者を移動させる。

(12)退職した老人を再雇用して勤務してもらって、都市機能を維持する。

こういうことを、事故初日からやって、なんとか事態を収拾できるかどうか、というレベルの話だと私は思っていたし、今も思っている。

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  1. 2011/03/26(土) 23:15:40|
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福島原発:無駄な官邸の肥大化

下の記事は22日のものでもはや旧聞に属するが、重要なことだと思うので論評しておきたい。新たに内閣官房参与に任命されたのは、

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有冨正憲東工大教授(同大原子炉工学研究所長)(63)、
斉藤正樹東工大教授(62)
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の二人である。同研究所のHPで見たところ、有冨教授の専門は、

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社会的受容性の向上を目指し、信頼性の高い次世代の原子力エネルギーシステムの構築に資する研究と、その基盤となる学問の体系化を図るために気液二相流の流動・伝熱特性に関する実験的、解析的な研究を中心とする基礎研究を行っている。
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というものであった。現在主流の大型原子炉は、放っておくと暴走する危険なシステムなので、中小型原発を「未来型」と言っているようである。しかし、本当に関心があるのは気液二相流(つまり気体と液体との混合)の流動・熱伝導のように思える。

一方、斉藤教授は、

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21世紀における人類の生存基盤を脅かす地球規模の人類共通の危機(エネルギー危機、地球環境危機、水・食糧危機、生命・医療危機等)に対し、「地球とその家族をどう護るか?」を原子力の科学技術を基にして、その戦略を科学する。さらに、新しい未来型原子力が未来の文明(未来の人間社会や地球環境、さらに人類の宇宙への進出等)に対してどう貢献するかを科学する。
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であった。具体的テーマを見ると、

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1. 核拡散抵抗性の高い原子炉システムの研究(平和と持続的発展を目指して)
2. 人間社会や地球環境と調和する原子力システム(放射能消滅を目指して)
3. 医療用超ミニ原子炉システムの研究(医療への応用)
4. 未来の宇宙開発を支える宇宙用原子力システムの研究(宇宙開発への応用)
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というものである。誠に結構なテーマであるが、軍事転用可能なプルトニウムが出ない「平和利用」専用の原子炉という1以外は、実現性が乏しいように私は感じる。特に、4は怖い。原子力ロケットが、打ち上げに失敗したらどうなるというのであろう。

いずれにせよ、二人とも、「より安全・安心な原子力」という方向性の基礎的な研究をしている。こんな人びとを、この非常時に官邸に呼んできたところで、おそらく大した役には立たないと私は思う。

役に立つのは、過去の原子力重大事故に精通している人で、以前から「日本でもこういう事故が起きる」と警告してきた人々である。東京工業大学の原子炉工学研究所の研究室一覧を見てみたが、そんな研究をしている人はいない。

なぜそんなことになるのか、というと、原子炉重大事故に関心を持つような人は、学会でつまはじきにされるからだと私は考える。たとえば日本原子力学会の和文雑誌の論文タイトルを見ても、そういう感じの論文は見当たらない。事故のことを「異常事象」と言ったりして、事態を糊塗する論文が関の山である。

そういうわけであるから、東電や原子力危険・隠蔽院が信頼できないからといって、「ちゃんとした学者」を呼んできても無駄である。結局のところ彼らは、原子力安全欺瞞言語に習熟した人びとだからである。そういう言語を使っていると、脳のニューロンの接続がおかしくなって、まともな言語を使えなくなるのである。「事故」と言おうとしても無意識のうちに「事象」と言ってしまうくらいでないと、この業界では学者としてやっていけないのだと思う。

もし、官邸がいま本当に役に立つ人を必要としているのであれば、京大の原子炉実験所の「熊取六人組」のような、原子力の推進に反対しつづけて、出世できなかった人を呼んでくるしかない。彼らを呼んできて、原子力安全欺瞞言語を話す連中と、両方の意見を聞き、場合によっては論争させて、それを菅直人首相が見ていれば良いのである。どちらが正しいか、彼が決めて、それにしたがって行動すれば良い。

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官邸肥大化、参与が14人…組織も増殖

巨大地震
 東日本巨大地震を受け、菅首相を取り囲む組織は増殖、肥大化する一方だ。

 「既存の省庁の縦割りで物事が全く進まず、官邸が仕切るしかない」というのが首相周辺の説明だが、民主党側の組織も合わせると、相当な数が増えた。

 地震直後に発足させた緊急災害対策本部、原子力災害対策本部はいずれも首相が本部長。17日には緊急対策本部の下に「被災者生活支援特別対策本部」、22日には同対策本部を各府省次官らが支える「被災者生活支援各府省連絡会議」が発足。このほか、13日には「電力需給緊急対策本部」、15日には東京電力と連携するための「福島原子力発電所事故対策統合本部」も発足。「この混乱時にとても機能的に動いているとは言い難い」(民主党筋)との指摘も出ている。

 首相のブレーン的な役割を担う内閣官房参与の任命も相次いでいる。地震後に5人が追加され、態勢は総勢14人に膨張した。

 首相は地震発生後、放射線、危機管理、情報通信の専門家を参与に迎え、22日には原子炉工学を専門とする2人を任命。2人は首相の母校・東工大の教授だ。

 東京電力や経済産業省原子力安全・保安院に原子力の専門家がいるにもかかわらず、外から放射線や原子炉工学に詳しい学者らを次々参与に任命したのは、「これまでの経緯で、首相が東電や保安院に対する信頼を失ったため」(内閣府幹部)との見方が強い。

 民主党内からは「首相が表に出ず、側近ばかり使って危機をしのごうとするのは、余裕のなさの表れだ。リーダーシップを持って官僚機構を使いこなし、民間と連携してオールジャパンで対策に取り組まなければこの危機は乗り越えられない」(中堅議員)との不満の声が出ている。

(2011年3月23日22時25分 読売新聞)
  1. 2011/03/26(土) 22:12:28|
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福島原発:なぜ情報を共有しないかというと、それをしたらオワリだから。

下の記事で東電を批判している元京都大学原子炉実験所講師の小林圭二さん(原子核工学)と、同実験所の小出裕章助教(同)のお二人は、例の熊取六人組である。漸くにして御用学者ではない人びとの見解が大手メディアに出るようになってきた。遅すぎるのだが。

なぜ汚染情報が共有されなかったのか。東電の担当者が「現場の混乱」のせいにしているが、それはちがう。しつこいようだが、これも原子力安全欺瞞言語のせいなのである。原発において本当の情報を皆が知ったら、みんな怖くなって逃げ出してしまい、運営できなくなる。それゆえ、情報は細分化して無意味化し、目の前の操作に必要な知識・情報以外は、決して流通しないようにしておかねばならない。平井憲夫さんの言われた「絶対安全」という「5時間の洗脳教育」もそのために必要とされるのである。

原子力安全欺瞞言語は、この目的のために構築された。危険性についての情報を、細分化して無意味化し、「安全性」に関する情報に変換することが、この言語の機能である。

福島第一原発においては、恐るべき事故によって、危険性は極限的に増大している。それゆえ、本当のことに目を向けたら、心底恐ろしくなって全員逃げ出さざるをえない。それが人情というものである。しかし、そんなことをしたら東電は終わりである。そこで、原子力安全欺瞞言語を更に強化して用いているものと推定される。

かくして福島第一原発では、情報は以前にも増して、細分化され、流通しなくなっているのではなかろうか。限られた報道からも、互いに口もきかないで、黙々と作業し、黙々と休憩しているような印象を受ける。つまり、「現場が混乱」しているから、情報が流通しなくなっているのではなく、現場を混乱させないために情報が流通しなくなっているのである。それは政府やマスコミが「パニック」を恐れて情報を出さないように、出すにしても無意味化して出るように加工しているのと同じ理屈である。

ハイパーレスキュー隊は、相互に声を掛け合いながら、必死で助けあって作業していた。あのような状態にならなければ、危機を乗り越えるのは難しいだろう。それが東電に可能であろうか。また、日本国民も、彼らに倣って情報を蜜に交換しながら、助け合っていかなければこの危機を乗り越えられないだろう。「パニック」を恐れてばかりの政府やマスコミには、その実現は不可能である。


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「汚染情報なぜ共有しない」東電の対応、専門家ら批判

2011年3月26日17時0分 朝日新聞

 東京電力福島第一原子力発電所3号機のタービン建屋内で起きた作業員3人の被曝(ひばく)事故をめぐり、東電側が1号機の同建屋でも同様の放射線量を6日前に把握しながら、注意喚起していなかったことが判明。東電側は26日、後手にまわった対応への釈明に追われた。専門家らは、ずさんな安全管理を批判している。

 同日午前の東電本社。連日の記者会見に姿を見せた福島第一原発の藤森昭彦・環境担当は、注意喚起がなかった理由を問われ、言葉に窮した後、「十分な情報共有がなされていなかった。現場の混乱があったと思われる」。絞り出すような声だった。1号機関連の高い放射線量の公表が遅れたことについても、吉田薫広報部部長が「申し訳ない」と述べるにとどまった。

 経済産業省原子力安全・保安院も、東電から1号機関連の報告を25日未明に受けながら、公表したのはほぼ1日後。西山英彦審議官は「3号機に神経が集中していたという事情があった」と釈明。ある保安院職員は「バタバタした状況が続いて、保安院でも情報整理ができていないのだ」と混乱ぶりを嘆いた。

 元京都大学原子炉実験所講師の小林圭二さん(原子核工学)は、「情報共有されていなかったことは非難されるべきだ。一義的には放射線管理担当者の責任だと思うが、組織としてずさんだったと言われても仕方ない」と東電の対応を批判。同実験所の小出裕章助教(同)は、「作業員は非常に困難な状況で、一刻も早く冷却ポンプを復活させようと水に入ったのだろう。これを教訓に、東電側は情報を共有させ、作業員一人一人の身を守ることを考えないといけない」と話す。

 また、宮崎慶次・大阪大名誉教授(原子炉工学)は、「長靴を履いていれば、水につかって作業してもやむを得ない放射線量だった。直接肌に触れることの危険性が、現場で作業する人にどの程度伝わっていたのか。東電が協力会社側にも十分に注意し、管理する必要があった」と指摘した。
  1. 2011/03/26(土) 17:27:55|
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福島原発:なぜ水漏れが起きると思わなかったのか

3号機でも1号機でも、高濃度の放射性物質によって汚染された水が見つかっている。また、放水口から少し離れた海から、うんざりするような濃度の放射性物質が検出された。

原子力安全欺瞞言語を使う人びとの認識はこうだった。

(1)原子炉から出る配管は丈夫だから割れないはず。
(2)すべての配管は自動的に弁が閉まっているから漏れないはず。
(3)だから周辺の水はさほど汚染されていないはず。

しかし実際には、とんでもない濃度の放射性物質を含む水が発生し、海にダラダラ流され続けた。

普通の考えでは、これだけの異常事態が起きているのだから、どこかで配管が壊れて水が漏れるのではないか、と考えるはずだ。最初に掲げておいた読売新聞の記事に、地震直後に「やばい水」が漏れてきたという作業員の証言があるくらいだから、私はそう思っていた。私の判断力が優れているというのではなく、それが普通の判断というものである。

それができなくなる原子力安全欺瞞言語を使用し続ける限り、事態は収拾されないだろう。こと原子炉に関する限り、収拾されないということは、最悪の事態になる、ということである。なぜなら炉心は放っておくとドンドン熱くなり、崩壊していくのだから。

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ずれた配管、やばい水!…原発作業員の恐怖証言

福島原発
 強い横揺れで天井のパイプがずれ、大量の水が漏れてきた――。


 東日本巨大地震が発生した11日、東京電力福島第一原子力発電所で、稼働中だった1号機棟内にいた男性作業員の証言から、建物内が激しく損壊した様子が初めて明らかになった。

 この作業員は、同原発の整備などを請け負う会社に勤務。昨夏からたびたび同原発で作業しており、地震があった11日は、稼働していた1号機の建物内のうち、放射能汚染の恐れがなく防護服を着用する必要がないエリアで、同僚数人と電機関係の作業をしていた。

 「立っていられないほどの強い揺れ。横向きに振り回されている感じだった」。地震発生の午後2時46分。上階で作業用クレーンや照明などの機器がガチャンガチャンと激しくぶつかり合う音も聞こえた。「これは普通じゃない揺れだと直感した」

 建物内の電気が消え、非常灯に切り替わった。「その場を動かないように」という指示が聞こえたが、天井に敷設されていた金属製の配管の継ぎ目が激しい揺れでずれ、水が勢いよく流れてきた。「これはやばい水かもしれない。逃げよう」。誰かが言うのと同時に、同僚と出口がある1階に向けて階段を駆け降りた。

 建物内で漏水を発見したら、手で触ったりせず必ず報告するのがルール。だが、この時は余震が続いており、放射能に汚染されているかもしれない水の怖さより、このまま原子炉といっしょに、ここに閉じこめられてしまうのでは、という恐怖の方が強かった。

 1階は作業員でごった返していた。外に出るには、作業服を着替え、被曝
ひばく
量のチェックを受けなければならないが、測定する機器は一つだけ。細い廊下は長い行列ができていた。

 激しい余震はその後もさらに続き、「早くしろ」とあちこちで怒声が上がった。被曝はしていなかったが、「水素爆発した後の1号機の建物の映像をテレビで見た。あそこに閉じ込められていたかもしれないと思うと今でも足がすくむ」。(影本菜穂子)

(2011年3月16日14時37分 読売新聞)

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汚染水除去を最優先 福島原発、破損場所の特定急ぐ
2011/3/26 15:41 日経新聞

 東京電力福島第1原子力発電所では1、3号機タービン建屋地下の水たまりで高濃度の放射性物質が検出され、1号機で水を取り除く作業を急いでいる。原子炉とタービン建屋をつなぐ配管が損傷して水が漏れた可能性が指摘されており、破損場所の特定も必要。今後漏水が拡大する恐れもあり、復旧作業は厳しい状況が続いている。

 1、3号機の水で検出された放射性物質は、通常運転時の炉心の水の1万倍という高い濃度で、復旧作業の妨げになる。このため1号機では汚染された水をポンプでくみ上げ、とりあえず復水器にためておく排水作業を進めている。復水器は本来、タービンを回した水蒸気を冷やして水に戻す設備。2、3号機タービン建屋の水は量が多すぎて排水方法を検討中という。

 たまっていた水について東電は放射性物質の種類と濃度を25日に分析、3号機ではセリウム144とヨウ素131の濃度が特に高かった。1号機も同様にヨウ素131などが高かった。

 経済産業省原子力安全・保安院は、原子炉内の水が漏れ出た可能性が高いとの見解を示している。使用済み核燃料プールの水では高濃度の放射性物質は想定しにくいからだ。

 また、ヨウ素131の濃度が高かったことも理由。使用済み核燃料プールだとしたら半減期が8日と短いヨウ素131はすでにほとんどなくなっているはずで、地震発生直前まで運転していた原子炉の水とみるのが自然なためだ。

 原子炉内の水が漏出した原因は定かではないが、保安院は「圧力が保たれているので、原子炉にひびが入っていることはない」とし、配管や弁から漏れた可能性が高いとみている。原子炉からタービン建屋には水蒸気を送る管などがあり、これらの一部で破損し、水が漏れた可能性がある。

 通常、原子炉でつくられた水蒸気は「主蒸気管」と呼ぶ配管を通ってタービンに送られる。冷やされた水は復水器から「復水管」という配管を通って原子炉に戻る。これら2つが主要な配管だが、ほかの配管の可能性もある。

 ただ、本来、配管は地震対策が施され「非常に頑丈で壊れるとは考えにくい」(東京工業大学の沢田哲生助教)ものだという。

 北海道大学の奈良林直教授は配管の破損のほかに、「格納容器のどこかに破損があってそこから漏水し、なんらかの原因でタービン建屋へ水が流れ込んだ可能性もある」とみている。格納容器の本体と圧力抑制室をつなぐ接続部は以前から弱いと指摘されており、そこが壊れたかもしれないという。格納容器の破損で漏水しているなら「現段階では放射線量が高いので、すぐに直して水漏れを止めるのは不可能」とみる。

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原子力発電の配管とは
2011/3/26 15:41 日経新聞

 ▼原子力発電の配管 原子炉が入っている原子炉建屋の機器と、水蒸気から電気をつくるタービン建屋の機器をつなぐ様々な配管がある。原子炉で発生した蒸気をタービンに運ぶ主蒸気管と、水に戻してから再び原子炉に届ける復水管が主体。

 このほか、ごみを除去したり、余分な熱を取り除いたりする管など複数種類のものが建屋の中を網目状に走っている。

 通常の運転時、配管を通る水蒸気や水には、核分裂反応で生じた特定の放射性物質がわずかに含まれているものの、核燃料棒の中にあるコバルトやテクネチウム、セリウムなどの放射性物質は含まれていない。

 管には弁やポンプがついており、流れる量などを細かく調節できる。地震などで原子炉が緊急停止すると、弁を自動的に閉める設計になっているため、放射性物質を含んだ水や蒸気が外部に漏れることはないとされている。

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福島第1原発:海水から1250倍のヨウ素 放水口付近

2011年3月26日 11時44分 更新:3月26日 14時54分 毎日新聞


海水を採取した場所

体に影響する被ばく線量の目安
 経済産業省原子力安全・保安院は26日、東京電力福島第1原発の放水口から南へ330メートル離れた場所で25日午前8時半に採取した海水から、放射性物質のヨウ素131が法律で定められている値の1250.8倍の放射能濃度で検出されたと発表した。東電は「放射性物質を含んだ水が海水に漏れ出している可能性が高い。(1~3号機のタービン建屋地下で見つかった)水たまりから出ている可能性も否定できない」とし、海水の調査を1日1回から2回に増やす。

 保安院によると、同濃度の水を500ミリリットル飲むと、一般人の1年間の人工的な被ばく限度と同等の1ミリシーベルトになる水準。ほかにセシウム134については117.3倍、セシウム137は79.6倍だった。24日午前に同じ場所で実施した調査結果(ヨウ素131で基準の103.9倍)と比べると、10倍以上に上昇している。

 保安院は「潮流に流されて拡散するので、海洋生物に取り込まれるまでには相当程度薄まる。周辺は避難区域に指定されており、住民への直接の影響はない」として、人体への直接的な影響を否定した。

 一方、海、魚と放射性物質の関係について詳しい水口憲哉・東京海洋大名誉教授(資源維持論)は「1250倍とは非常に大きな値だ。海では希釈されるが、10~100倍に薄まったとしても懸念の残る濃度ではないか。現状では、放射性物質を多く含む水を海に捨てるなということは言えないが、千葉県沖などを含めた広い範囲の海水の調査をする必要がある」と話す。【八田浩輔、日野行介、大場あい】
  1. 2011/03/26(土) 16:47:31|
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福島原発:首相の認識

菅首相は昨夜の会見で、以下のように述べた。

「悪化を防ぐという形で対応しているが、予断を許す状況にはなっていない」

という表現は、原子力安全欺瞞言語の影響を受けていてわかりにくいが、事態を正確に伝えているように感じる。普通の言葉で言えば次のようになると私は解釈する。

「炉心溶融による圧力容器や格納容器の破砕、あるいは水蒸気爆発といった、極めて深刻な放射性物質の散布という最悪の事態を防ぐという形で対応している。しかし、状況は一進一退であり、そうならないと保証できるようにはなっていない。最悪の事態になったりしたら、内閣がふっとぶどころか、日本の将来が危ぶまれる事態であるから、責任者として非常に緊張する。最悪の事態を回避するためには、すべての原子炉の冷却系を作動させて炉心を100度以下にせねばならない。しかしそれにはやるべきことが山積している。放射性物質の濃度が高い現場で、それら全てを実現するという困難な任務を、一つ一つやっていかねばならない。」

こういう風に言ってくれたら、何が起きているのか、よくわかると思うのだが。

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菅首相の会見全文〈25日午後7時半〉(朝日新聞)より引用

 ――首相は現段階での原子炉、福島第一原発の現状をどのように認識しているのか。また、収束させるメドについてどう考えているのか。さらに、避難指示の範囲を拡大する考えはないのか。

 今日の福島第一原子力発電所の状況は、まだまだ予断を許す状況には至っていない、悪化を防ぐという形で対応しているが、予断を許す状況にはなっていないという認識を持っている。引き続き、極めて高い緊張感を持って一つ一つの事態にあたっていかなければならない局面が続いている、このように認識している。
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  1. 2011/03/26(土) 16:05:31|
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福島原発:放射性物質の拡散について

京都大学大学院 人間・環境学研究科 自然環境動態論講座 宇宙論・重力グループ の阪上雅昭教授からコメントをいただいた。阪上さんは物理学者であるから、私よりも原子炉内外で生じている物理過程を理解する知識をお持ちである。ご専門は原発ではなく、ブラックホールの動態とか魚の群体の運動とかの非線形科学である。このブログを毎日読んで下さっている、とのことであった。

(1)阪上教授も、「浜岡原発の運転再開はすべきでない」とお考えである。川勝平太知事はよく考えて欲しい。

(2)”チェルノブイリの10%~50%の放射性物質"に関して、阪上教務も「こんなに出ているとは思いませんでした.驚きました.」とのことで、これについて以下のコメントを頂いているので、ご参考にしていただきたい。(※)は私の註釈。

============
オーストリア気象当局
http://www.zamg.ac.at/aktuell/index.php?seite=1&artikel=ZAMG_2011-03-18GMT09:52
のシミュレーションに基づいて推定しているようです.

念のため,私の見解を述べておきます.

シミュレーションはそれなりに信頼できると思います.もちろん,安冨さんなら容易に理解できるように,流れの上での拡散ですから,カオティックで,計算された濃度の空間パターンの精度は高くないと予想されます.(※つまり、ここで描かれている絵は、かなりいい加減だ、ということである。それはやり方が悪いのではなく、原理的なもので、どんなに頑張っても正確にはならない。)

いい加減な言い方ですが,ある場所の放射性物質の濃度は,計算に用いた空間差分より大きいスケールで平均した統計的な意味でしか信頼できないと思います.(※いい加減な計算をたくさんやってみて、その平均をとったような、そういう程度のものだということ。)

このシミュレーションでは,初期の放出量,従って濃度分布の絶対値は決められません.絶対値は観測データから決めているようです.3月18日~19日あたりの計算の場合は群馬の高崎やPetropavlovsk(ロシア)にある CTBTO の観測所のデータで濃度分布の絶対値を決めているようです.(※どれだけいつ放射性物質が放出されたかを決められないので、周辺のデータをとって、それに合うように計算している、ということ。)

ただ,元々のシミュレーションが本質的に不安定で精度の期待できない計算なので,分布の絶対値を決める観測点の数が少なすぎるという印象を受けます.(※もともといい加減な計算を、ろくなデータもなしにやっているので、かなりいい加減ということになる、ということ。)

その意味では SPEEDI の試算
http://www.nsc.go.jp/info/110323_top_siryo.pdf
の方が局所的計算であるかつ観測点が多いので信頼性は高いと思います.

その意味では
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103240465.html
の3万~11万テラベクレルという推定値の方が信頼性が高いと思われます.ただ朝日新聞以外が記事にしていないようなので,気になっています.

  1. 2011/03/26(土) 12:11:03|
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