東日本各地でかなりの放射性物質が降り注いでいる。
ドイツ人が解析した放射性物質の拡散シミュレーションが公開されている。
http://www.spiegel.de/wissenschaft/natur/bild-750835-191816.html日本にもこの手のものはたくさんあるはずだが、なぜ、出ていないのだろうか?これで見ると15日あたりに、関東地方に盛大に放射性のチリが飛んでいたことがわかる。それが昨今の雨で落ちてきたようである。
もしこのまま原子炉が大人しくなってくれれば、これが最大限ということになると思う。ゴフマン流の計算でいけば、相当数の人が潜在的なリスクを抱えたことになるが、厳密な疫学的調査を広範囲にやらないと見い出せないような水準だと思われる。何しろ、放射性物質の影響をうけた数千万人のうち、3分の1が癌で死ぬのだから、たとえそれが数千人か数万人増えても、疫学的にはよくわからないからである。
それでも、胎児、赤ん坊、乳幼児、子供は、十分な注意が必要である。
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都内の浄水場から放射性ヨウ素 乳児飲用に適さぬ濃度
2011年3月23日14時53分
東京都水道局は23日、金町浄水場(葛飾区)から乳児の飲用に適さない濃度の放射性ヨウ素が検出されたと発表した。検出濃度は1リットル当たり210ベクレルで、厚生労働省が21日に示した乳児の飲用に関する指標値の100ベクレルを110ベクレル上回っていた。
都は23区と武蔵野、町田、多摩、稲城、三鷹各市での乳児の飲用を控えるよう呼びかけている。ただ、「厚労省設定の数値は長期間飲用した場合の健康被害を考慮したもので、代替飲用水が確保できない場合は摂取しても差し支えない」としている。
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原発から40キロの土壌、高濃度セシウム 半減期30年
2011年3月23日12時22分
文部科学省は23日、福島第一原発から約40キロ離れた福島県飯舘村の土壌から、高濃度のセシウム137が検出されたと発表した。単純比較はできないが、国が定めた放射線管理区域の基準値の4倍に相当する。半減期が8日と短い、放射性ヨウ素の値も、約30倍の値だった。今後、土壌の入れ替えが必要になる可能性も出てきた。
同省によると、20日午後0時40分に飯舘村で採った土1キロあたりから、セシウムが16万3千ベクレル、ヨウ素が117万ベクレル検出された。19日午前11時40分に同じ場所から採った土と比べ、セシウムで約6倍、ヨウ素で約4倍高くなった。
このほか、約45キロ離れた川俣町で19日に採った土からセシウム8690ベクレル、ヨウ素8万5400ベクレル、約25キロ離れた南相馬市でもセシウム4040ベクレル、ヨウ素3万5800ベクレルを検出した。
ヨウ素の半減期は8日間と短いが、セシウム137は約30年間にわたる。長期間、土壌が汚染されることにより、人体や農作物などに影響が出る可能性がある。
放射線管理区域の基準値は1平方メートルあたり4万ベクレル。
原子力安全・保安院は23日未明の記者会見で、福島県内の高濃度に汚染された野菜が見つかったことに関連して、「セシウムは半減期が長く、場合によっては土壌を入れ替える作業も必要になるかもしれない」と発言した。
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雨とともに降下? 放射線量、東日本は高めのまま
2011年3月23日10時45分
各地で観測された大気中の放射線量
23日午前中の東日本は前日に降った雨の影響で、福島第一原発から放出された放射性物質が降下したとみられ、引き続き大気中の放射線量が高めに推移している。
福島県内では23日午前8時現在、福島市で1時間あたりに5.90マイクロシーベルト(シーベルトは人間が放射線を浴びた時の影響度を示す単位)、いわき市で1.73マイクロシーベルトなど。前日同時刻の6.44マイクロシーベルト、2.24マイクロシーベルトより、それぞれ少し下がった。ただし、県内の平常時の上限は0.07マイクロシーベルト程度。飯舘村で13.60マイクロシーベルトを計測したように、まだ地域によってはかなり高い状態だ。
前日に高い値を記録していた茨城県内もやや下がった。北茨城市で1.44マイクロシーベルト(22日午前8時現在は2.430マイクロシーベルト)、ひたちなか市で0.968マイクロシーベルト(同1.076マイクロシーベルト)となった。一方、東京都新宿区で0.146マイクロシーベルトなど、前日より高い値を記録した地点も複数あった。
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- 2011/03/23(水) 16:16:24|
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ついにかなりの量の放射性物質が落ちてきた。
ゴフマン博士の『人間と放射線』の日本語版への序によれば、268人ラドあたり、1件のガン死が出て、同じ数の非致死的な癌が出る。また、1万人ラドで1.54件の白血病死が発生する。1ラドは、0.01グレイで、それはまぁ、面倒な変換があるのだが、0.01シーベルトと思えば良い。
つまり、2.68人シーベルトで一人が癌で死ぬ。
http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/13.html によれば、「10,000ベクレルを経口摂取した時の実効線量は0.13ミリシーベルトになる。」とのことである。5300ベクレルのセシウム137に内部被曝すると、0.075ミリシーベルトということになる。
さて、三千万人の首都圏に住む人のうち、このセシウム137をどのくらいの人が吸い込むのだろうか。見当がつかないが、たとえば百万人としてみよう。すると、
0.75mSv×百万人=750人シーベルト
となる。
750人シーベルト÷2.68人シーベルト=280
である。つまり、280人が癌で死に、280人が癌になる。セシウム137の半減期は30年だから、数十年間は放射能を維持するから、その間、放射線を出し続けるから、その間、癌を起こし続ける。
これが「健康に影響を与える値ではない」と言えるのだろうか。もちろん、いつ、どこで、誰が死ぬのか誰にもわからないし、死んだとしても、それが福島原発起源であることは、決して立証しえないから、彼らにとってはどうでもいいことである。
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首都圏、放射性降下物増える 東京で前日比10倍も
2011年3月23日0時1分 朝日新聞
文部科学省は22日、福島第一原発事故の影響を受け、上空からちりなどとともに落ちた放射性物質の測定結果を発表した。首都圏などを中心に増加傾向を示した。東京都新宿区で1平方メートルあたり5300ベクレルのセシウム137、3万2千ベクレルのヨウ素131を検出、前日に比べ、いずれも約10倍の濃度に上がった。健康に影響を与える値ではないが、長期に及ぶ監視が必要になる。
放射性降下物の測定は、文科省が21日午前9時から22日午前9時にかけて全国で行い、分析した。
東京都の値は、前日のセシウム560ベクレル、ヨウ素2900ベクレルから急上昇した。22日発表のセシウムの値は、放射線管理区域の基準値4万ベクレルの8分の1、ヨウ素の値は、5分の4にあたる。
この他の自治体のセシウムの値も、さいたま市が1600ベクレル(前日790ベクレル)、甲府市が400ベクレル(同不検出)、宇都宮市が440ベクレル(同250ベクレル)と、軒並み上昇した。
前日に、最も高い値を記録した茨城県ひたちなか市では、やや下がったものの、セシウム1万2千ベクレル、ヨウ素8万5千ベクレルと、依然、高い値を記録している。福島や宮城は震災の影響で計測できていない。
東日本は22日も、雨や雪が降ったところが多く、大気中に漂うちりとともに、放射性物質が落下したとみられる。ヨウ素の半減期は8日間と短いが、セシウムの半減期は30年で、地面に降りた後も長期間放射線を出し続ける。土壌や水、農作物への放射能汚染につながりかねないため、今後も監視を続ける必要がある。
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地震
- 2011/03/23(水) 00:13:12|
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