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マイケル・ジャクソンの思想

福島原発:外部電源の回復

電源が全機に繋がり、中央制御室が一つ点灯した。これは大きな成果だ。あの危機的状況からよくぞここまで持ち直したものだ。それに、原子炉さんが、短気を起こさないで待っていてくれてありがたかった。

小出さんが電話インタビューで、

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 福島原発の場合は一切の電源がなく、ポンプも回らない状況です。消防のポンプ車を使って冷却水を回す方法を思いつき、一気に破局的な状況にいくのを食い止めているのが現状です。しかし、事態は日が経つにつれて悪化しています。
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と言っておられた。つまり、マッチポンプは非常に重要な役割を果たしているのだ。よくぞこのマッチポンプ方式を思いついたものだ。これがなければ今頃、最終段階まで行っていてもおかしくなかっただろう。

とはいえ、まだ電灯がついただけで、緊急冷却装置の復旧までの道程は長い。そこまで行かないと、原子炉を手懐けたことにはならない。その間に、炉心がつむじを曲げないとも限らない。また、そうでないと、放射性物質の散乱がいつまでも継続する。

また、その下に付けた記事で、有冨内閣官房参与が言っているように、海水の注入を早くやめないといけない。というのも、塩分の凝着が進むと水が通りにくくなる上、腐食が進んで危険だからだ。

乗り越えないといけない問題は山積している。それでも、外部電源を復旧したのは重要な一里塚だ。

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福島第1原発:3号機の中央制御室が点灯 全機に外部電源

 東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発の電源復旧作業で、東電は22日夕方までに、4号機への外部電源の接続を終了。4号機経由で3号機に電気を送るための作業も完了し、3号機の中央制御室が同午後10時43分、点灯した。既に接続を終えている2号機から1号機へ、5号機から6号機へ電気を送る作業も終え、すべての号機で外部電源から電気を受け取る態勢が整った。

 東電によると、今後の復旧作業はまず、3、4号機の中央制御室がある建屋内の設備を点検し、通電が可能な状態にした上で、原子炉を監視する中央制御室を点灯。各種機器の健全性を点検した後、原子炉、使用済み核燃料プールの冷却機能の復活を目指す。

 中央制御室が復旧すると、ヨウ素などの放射性物質を取り除く空調や照明が使えるようになり、作業効率が大幅に改善する。現在は最低限しか作動していないさまざまな計器類も復活し、より正確に原子炉内の状況などを把握できる。

 東電は当初、建屋の損傷が少ないため外部からの放水による冷却が難しい2号機を優先して電源復活作業を進めてきた。しかし21日に2号機と3号機の建屋から煙が上がり、作業員が一時避難して作業を中断。22日にも2、3号機から白煙が上がっているのが確認されたが、東電は使用済み核燃料プールから上がる水蒸気で影響はないと判断、作業を再開していた。

 一方、経済産業省原子力安全・保安院は22日、2号機の使用済み核燃料プールが満水になった模様だと発表した。同プールには20日、消防用ポンプで約40トンの海水を注入、さらに22日も注水したが、18トン入れた時点で、「満水」を知らせるセンサーが作動したという。水温は51度(30度前後が安全な状態)と推定される。【江口一、関東晋慈】

毎日新聞 2011年3月22日 21時10分(最終更新 3月22日 23時49分)


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福島第1原発:放水、真水に切り替えを…有冨内閣官房参与

東京工業大原子炉工学研究所長の有冨正憲教授
 22日に内閣官房参与に任命された東京工業大原子炉工学研究所長の有冨正憲教授は同日、東京電力福島第1原発の放水について、「海水注入は塩分が炉内にたまり、冷却能力が低下して腐食が進む。早急に真水に切り替えなければならない」と語った。

 東京都内で開かれた市民らとの「情報交換会」で発言した。有冨教授は「海水注入は緊急避難としてはやむを得ない措置だったが、海水注入は一刻も早くやめるべきだ。政府や東電に申し入れてきたが後手に回っている」と語った。【小川節子】

毎日新聞 2011年3月22日 23時37分(最終更新 3月22日 23時55分)
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  1. 2011/03/22(火) 23:57:16|
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福島原発:たね薪ジャーナル 夜9時〜10時

http://www.mbs1179.com/tane/index.shtml

小出裕章さんが毎日出演なさっておられるようです。インターネットで関西以外でも聴くことができます。
  1. 2011/03/22(火) 17:37:42|
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福島原発:原発防災マニュアル

京都大学原子炉実験所の原子力安全研究グループで緊急研究会があったらしい。

http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/

このグループは例の熊取六人組のことだと思う。そのなかに、山田定明さん(2003年に逝去)という方の書かれた『原発防災を考える』というブックレットの抜粋のPDFが出ていた。

http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No110/Bousai-1.pdf

便利なのでダウンロードして、できたらプリントアウトして持ち歩いておくと良いのではないかと思う。
  1. 2011/03/22(火) 17:25:49|
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福島原発:日経新聞の指摘

日本の原発に冷却塔がないのは何故か、気になっていたのだが、理由を知らなかった。余熱を海にすべて捨てるという無茶をやっていたせいだ。

>原子炉を効率的・経済的に冷やせる海を前に立地しながら、
>わざわざ巨大な冷却塔を建てる必要を、事業者も規制官庁も考えなかったに違いない。

というこの発想は決して正当化されない。なぜなら、原発というのは非常にエネルギー効率の悪い発電所で、水蒸気を300度にしか上げられず、原子炉の出す熱のうち三分の一だけを電気にして、あとは海に捨てるという無茶苦茶な環境破壊をしているのだ。いくら無限の水量がある海でも、原発のある海域の水温は、大幅に引き上げられることになるからである。

もし、この環境破壊を気にしていれば、冷却塔を建てたであろう。そうすれば、今回のこの事態を防ぐことができた。たとえ電源が復旧しても、福島第二原発の冷却水の取水装置が壊れていたように、第一原発も壊れているであろうから、そう簡単には復旧しないと予想される。

http://www.jema-net.or.jp/Japanese/denki/2010/de-744/p13-14.pdf

によれば最新鋭の火力発電所は1500度まで上げて、59%を電気に変換している。捨てるのは41%にまで下がっている。もしも原発に依存するという愚行をしていなければ、火力発電所の熱効率はもっと引き上げられていたであろう。

原発が日本経済を支えるエネルギーを生み出しているというのは幻想だと私は考える。理由は以下だ。

(1)電気以外の代替エネルギーの利用技術を衰退させた。
(2)膨大な放射性廃棄物を生み出し、低レベルでも数十年、高レベルは数万年も保持せねばならない。
(3)廃炉となった原発の処理のしようがない。
(4)放射能汚染による疾病およびのちの世代への遺伝的悪影響。
(5)今回および今後の事故による日本の技術、環境、農産物への海外での風評被害。


既に、もはや日本の技術は信用できず、環境も食べ物も放射能に汚染されている、と思われている。輸出も観光も深刻なダメージを受けるであろう。これらを総合計すれば、原発が何らの経済的利益も、日本社会にもたらしていない、と私は考えている。


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日本の原発、「海依存」が弱点 冷却に構造的課題

編集委員 滝順一
(1/2ページ)2011/3/21 16:15

 福島第1原子力発電所での放水作業を指揮した東京消防庁の緊急消防援助隊の警防部長は「海からの取水場所を探すのに苦労した」と記者会見で明らかにした。原発施設の浜側は津波が押し上げた泥などで一面が覆われ、作業が困難だったらしい。

 福島第1原発はいま、眼前にある海から切り離されてしまっている。海に依存するという日本独特の原発のありようが、今回の大事故の根っこにある構造的要因だ。

 欧米の多くの原発で、外観を見てだれの目にも印象的なのは、白い蒸気を上げる巨大な冷却塔だ。1979年に炉心溶融事故を起こした米スリーマイル島原発も例外ではない。こうした原発では川からくみ上げた水で原子炉などを冷やす。温かくなった河川水をそのまま川に戻すわけにはいかないから、冷却塔で空気で冷やしてから戻す。そこには空冷の仕組みがある。

 日本の原発に冷却塔はない。原発で発生した余分な熱は海水で取り除き、巨大な自然の放熱器である海に流し込む。完全な水冷方式である。だから、すべての原発は海岸に立地する。誤解のないように言い添えれば、通常は海水で直接原子炉を冷やすのではない。真水の冷却水で原子炉を冷やし、熱くなった冷却水の熱を海水で取り除く仕組みだ。

 こうした構造であるから、海水を取り込めなくなると、原子炉を冷やせなくなる。福島第1で起きた電源の全喪失という事態は、冷却水を冷やす海水ポンプも動かなくなったということだ。詳しい情報が表に出ていないようだが、仮に海水の取水施設に大きな損傷があれば、所内電源が回復し冷却装置が動き出しても、冷却水を冷ます海水の確保に苦労する事態も考えられる。

 御巣鷹山に墜落した日本航空ジャンボ機は、飛行に不可欠な補助翼を動かす複数系統の油圧装置を備えていた。安全のために冗長性を持たせていたのだ。しかし、すべての油圧配管が尾部では同じ場所を通っていた。このため、後部圧力隔壁の破壊によってすべての油圧系が破損し、操縦不能に陥った。

 福島第1も、複数の緊急冷却装置や多数の非常用電源を備え、原子炉を多重的に守っていた。しかし、海にすべて依存する冷却システムという基本構造が損なわれると、たちまち機能不全に陥った。

自衛隊の消防車から放水を受けた東京電力福島第1原発3号機(18日午後)=陸上自衛隊中央特殊武器防護隊撮影
 同原発の建設にかかわった専門家が「冷却塔があれば」と漏らしたという話を人づてに聞いた。仮定の話が許されるなら、福島第1の原子炉のいくつかを空冷にしていたら、事態は違ったかもしれない。もっとも、それは選択の外だったろう。原子炉を効率的・経済的に冷やせる海を前に立地しながら、わざわざ巨大な冷却塔を建てる必要を、事業者も規制官庁も考えなかったに違いない。

 冷却が日本の全原発に共通する構造的な弱点であることが、今回の事故でわかった。重要なのは、これをどう生かしていくかだ。

 今回の原発事故では「想定外」という言葉が繰り返し使われている。しかし、想定できなかったということは、防災や原子力安全にかかわる行政や事業者、科学者や技術者の能力不足を意味する。原発が津波に弱いのではないかとの指摘も、これまでなかったわけではない。誠実に耳を傾け、想定してみる意欲・能力に欠けていただけだ。

 宮城県沖では、繰り返し地震が起きることが知られており、政府の地震調査研究推進本部も30年以内に99%の確率で発生を予測していた。ただし、それはマグニチュード(M)7級であり、東日本大震災を引き起こしたM9の巨大地震ではなかった。

 M9巨大地震が、予測の範囲にあったM7級地震を包含するものなのか、別物なのか、地震の本体についての解明はこれから進むだろう。とりあえず現時点で言えば、政府予測はまったくはずれたと断じざるを得ない。むしろ、この海域で起きうる地震の大きさを過小評価し、必要十分な防災対策を講じる妨げになった恐れがある。

 日本の地震学は阪神大震災に有効な警告を出せず、今回も世間の目をミスリードした。「想定外」は責任の免罪符にはならない。
  1. 2011/03/22(火) 10:51:12|
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