fc2ブログ

マイケル・ジャクソンの思想

福島原発:4号機の貯水槽

福島みずほがツイッターで半日前に以下の様に指摘している。

==================

米空軍無人偵察機グローバルホークが撮影した福島原発の上空の映像が公開されない。米軍は同意したが政府は公開をしていない。この情報は世界の原子力専門家が事故終息のための対策を考えるうえでじゅうようなものだ。世界中の知恵を借りるべきときに非公開にする理由はない。官邸は公開を決断すべき。

==================

そしたら、以下のような記事が出た。4号機のプールが割れているので、水を入れても無駄だ、とアメリカは言っている。プールから出た水素であれだけ爆発したのだから、それが自然な考えだ。アメリカがえらく自信満々なのも気になる。偵察機や軍事用人工衛星で上から覗いた結果ではないだろうか。

だとすると、これは大変である。4号機のプールをおさめないと、屋外でいきなり臨界という、考えたくもない最悪の事態が起きる可能性がある。

公明党の提案で、生コンの機械を持ってきて注水しようとしているそうだが、水ではなく、生コンを注入しないといけないのかもしれない。そんなことして大丈夫なのかどうか知らないが。。。。


==================

4号機の貯蔵プールめぐり日米で食い違う見解
2011/03/19 22:54

 福島第1原子力発電所4号機の使用済み核燃料貯蔵プール(約1400立方メートル)をめぐり、日米で見解の違いが鮮明化している。日本側は19日、自衛隊による放水準備を進めたのに対し、米専門家らはプールに亀裂が入り冷却水が漏れ、「打つ手のない」(米物理学者)状況に追い込まれる可能性を指摘している。

使用済み核燃料への対応急務 水位下が…
原子炉を冷却できないとどうなる?

 4号機では15日早朝に爆発音が確認された。5階にあるプール付近で爆発が起きたとみられ、建屋が大きく破損した。計測機器が電源喪失で使えないうえ、建屋内は放射線量が高く、東京電力はプールの水位や温度を確認できない状況となっている。このことが日米間の食い違いを生む要因となっている。

 米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)は18日、米原子力規制委員会の複数の専門家の見解として、プールの壁に亀裂か穴が開いていると報じた。地震が起きた後の事態の推移のほか、事故発生時に同原発にいた米国人から得た情報をもとに判断したという。

 原子力企業幹部も同日、米紙ニューヨーク・タイムズにプールが壊れており、水の補充が極めて困難になっていると語った。

 4号機の危険性を最初に指摘したのは規制委のヤズコ委員長。16日の下院エネルギー委員会で「水はもう完全になくなり乾いている」と証言した。日本側は否定したが、同氏はすぐに「情報は信じるに値する」と反論した。

 これに対し北沢俊美防衛相は19日の記者会見で「米側の見解は聞いている」としながらも、4号機の表面温度が100度以下であるとして、残っている水により冷却の効果があらわれているとの認識を示した。

 経済産業省原子力安全・保安院の担当者も19日、産経新聞に対し、プールの水位について「16日に目視した時点よりも下がっていると考えられるが、水がなくなっているという情報はない」と強調した。

 16日に陸上自衛隊のヘリが原発上空で計測した放射線量は250ミリシーベルトと高い数値だったが、専門家は「燃料棒が露出していればもっと高い数値になるはずだ」と指摘する。

 東電と保安院も4号機より、プールの水が蒸発して白煙が上がり続けていた3号機の方が緊急性が高いとして、3号機への放水を優先した。

 北沢氏は「(3号機で)一定の効果をあげたら4号機に移る」と語った。
スポンサーサイト



  1. 2011/03/19(土) 23:55:42|
  2. ブログ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

福島原発:不吉な予感

いやな予感がする。
いくら海水を入れているといっても、炉心の一部はまだ露出が続いているのではないのか。あれだけ苦労しても露出が続いていて、一時は、注水をやめていたのだから、そう簡単に入らないだろう。それに、海水をあれだけ入れると、水が蒸発して、塩分がパイプを埋めてしまい、注水を妨害するようになるはずだ。

こんな段階で「炉心が冷却された」などという言葉を平気で使うとは、信じられない神経である。原発安全欺瞞用語に違いない。非常にいやな感じがする。

それから、農産物についてだが、「国とも相談しながら」というのがミソなのだろう。国民の税金でなんとかケツを拭いてもらうつもりなのだ。




======================

1~3号機、炉心は冷却状態…東電会見

読売新聞 3月19日(土)19時42分配信
 東京電力は19日午後7時頃から広報担当者が記者会見し、「福島第一原発1号機から3号機については炉心を冷却するための海水の注入が続いている」として、炉心が冷却された状態であるとの見方を示した。

 また、復旧に当たっている作業員のうち、6人が100ミリ・シーベルトを超える放射線量を浴びたことも明らかにした。

 厚労省が定める作業員の緊急作業時の被曝(ひばく)限度量は、これまで100ミリ・シーベルトだったが、今回の事故に限り、250ミリ・シーベルトに引き上げられており、限度の中に収まっている。

 このほか、農産物から規制値を超える放射線量が検出されたことについて「心よりおわび申し上げる。今後お客様から損害賠償などの申し出があれば、国とも相談しながらしっかり準備を進めていきたい」とも語った。
最終更新:3月19日(土)19時42分
  1. 2011/03/19(土) 23:42:56|
  2. ブログ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

福島原発:天皇のメッセージの効果



ここに来て、漸く、色々なことが回りだしたのは何故かと思っていたのだが、上の天皇のメッセージが奏功したのではないか、という気がしてきた。こういう心の豊かな方が、重要なメッセージを発してくださったことは、誠に大切な事であったと思う。
  1. 2011/03/19(土) 21:47:27|
  2. ブログ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

福島原発:枝野さん、自分で食べたらどうですか?

=================
枝野氏は、検出された放射性物質濃度の牛乳を1年間とり続けた場合、被曝(ひばく)量は胸部CTスキャン1回分程度、ホウレンソウは胸部CTスキャン1回分の5分の1程度、と説明。「ただちに健康に影響を及ぼす数値ではないということを十分ご理解いただき、冷静な対応をお願いしたい」と呼びかけた。
=================

これもまた、内部被曝と外部被曝とを、意図的に混同する、原子力欺瞞用語の典型例である。

こんなホウレン草や牛乳を毎日とったら、内部被曝を何百回もすることになる。そんなに内部被曝したら、平岡憲夫さんのように長期的には癌になってしまうだろう。

基準値以上とか以下とかの問題ではなく、放射能を持つ物質が1分子でも付いていたら、申し訳ないが、非国民と言われようと何と言われようと、私は食べたくない。子供には絶対食べさせたくない。

それに、こういう放射能が検出された食品は、捨てることもできない。なぜならこれだって、低レベル放射性廃棄物だから。

もったいないので、枝野さんもこんなことを言った以上は、自分で食べたらどうだろうか。原子力行政を推進している、あるいは推進した、御用学者、官僚、政治家および東電はじめ電力会社の経営者、東芝や日立のような原子炉メーカーの経営者は、ぜひとも率先して食べていただきたい。あれだけ安全だと言ってきたし、今も言っているのだから。彼らの体で放射性物質を受け止めてもらって、お亡くなりになったら、福島第一原発の立ち入り禁止区域に葬ることにしよう。放射能の拡散を防御し、農業を支えた功績で、勲章をあげて立派なお墓を国費で立てることに私は反対しない。

現段階で既に放射能が検出されるということは、今後、事態が改善しなければ、一体、どうなるというのだろう。放射能を持つ微粒子が徐々に日本中に拡散していって、広範囲の食品や飲料水に、微量の放射能が含まれる事態になりかねない。日本の食品に対する巨大な風評被害が生じて、海外の人は誰も買ってくれなくなるだろう。

尤も、我々は常に内部被曝している。人体にカリウム40という放射性物質という放射性物質が含まれているからである。しかしだからといって、余計な放射能を取り込むのは真っ平御免である。

日本は雨が多く、大地に傾斜が多いので、いずれは皆流されて海に出るであろう。しかしそれでも、生態系に対する影響は、延々と継続する。

============

農産品から暫定基準値超える放射能「健康に影響ない値」

2011年3月19日18時35分

被曝線量と体への影響
 枝野幸男官房長官は19日の記者会見で、福島県内の牛乳と茨城県内のホウレンソウから、食品衛生法上の暫定規制値を超える放射性ヨウ素などが検出されたことを明らかにした。政府は、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響と見て調査し、同原発から一定区域内の産品の摂取制限や出荷規制などの対応を検討する。

 枝野氏は、検出された放射性物質濃度の牛乳を1年間とり続けた場合、被曝(ひばく)量は胸部CTスキャン1回分程度、ホウレンソウは胸部CTスキャン1回分の5分の1程度、と説明。「ただちに健康に影響を及ぼす数値ではないということを十分ご理解いただき、冷静な対応をお願いしたい」と呼びかけた。

 厚生労働省によると、牛乳は、福島第一原発から30~40キロ離れた福島県川俣町の農場の原乳3検体から検出されたヨウ素131がいずれも基準を超えた。基準の3倍を超えたものもある。そのうち1検体からはセシウム137も検出されたが、規制値内だった。

 茨城県によると、18日に福島県境に近い高萩市で採取したホウレンソウから、国が示した規制値の約7.5倍のヨウ素131を検出。日立市や常陸太田市、東海村やひたちなか市、大子町の5地点のホウレンソウからも、3~7倍程度のヨウ素が検出された。第一原発から各自治体の中心地は84~122キロ離れているという。高萩市のホウレンソウからは規制値を超す放射性セシウムも検出された。同県の橋本昌知事は19日、ハウス栽培も含め県内全域で取れるホウレンソウすべてについて、JAなどを通じて出荷自粛を要請したことを明らかにした。県は「毎日15グラムを1年間食べ続けても健康に影響を及ぼすレベルではない」としている。

 厚労省は19日、福島県と茨城県に対し、該当する牛乳とホウレンソウの入手先や流通先を調べたうえで、その結果に基づき販売の禁止など必要な措置をとるよう要請した。政府は、厚労省に文部科学省や農林水産省、関係自治体などのデータを集約させ、原子力災害対策本部が調査結果を踏まえて対応を指示する。

 暫定規制値は、福島原発の事故を踏まえて政府が食品衛生法に基づき設けた、放射性物質で汚染された食品の出荷や販売を規制する基準。枝野長官は「通常から確定的な基準として数値を設定しておくべきだったと思っているが、そのことによって国民の健康被害を防ぐことについての影響はない」と述べた。
  1. 2011/03/19(土) 19:27:25|
  2. ブログ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

福島原発と Smooth Crimnal

「いい加減、マイケルの話をしてくれ!」というご要望があった。私もいい加減、嫌になってきた。なぜこのブログで原発の話を延々とやるのかについて、説明しておかねばならないだろう。

マイケル・ジャクソンが原発についてどう考えていたのか、私は知らない。ご存知の方は、ぜひ教えていただきたい。

私がこの間、ずっと考えてきた言葉は、Smooth Criminal である。放射能は典型的な Smooth Criminal であり、また、原子力産業自体が、Smooth Criminal によって構成されたものだと思うからである。

原発事故によって放射能を持つ物質が大量にばら蒔かれると何が起きるだろうか。それは風に乗って遠くまで漂っていく。そして雨となって地面に落ちる。人々の衣服や靴について家に忍び込む。何かの拍子で食べ物や飲み物に入る。あるいは、川に落ちて水道に入り、蛇口から忍びこむ。あるいは乾燥して地面から舞い上がり、呼吸と共に肺に入る。そうやって体の中から放射線を至近距離で浴びせ、遺伝子を静かに傷つける。ヨウ素なら半年、セシウムなら数十年にわたって。

遺伝子を傷つけられた細胞の大半は黙って死んでいく。しかし中には、遺伝子を無理に修復し、変な配列を創りだして生き延びる奴が出てくる。それでも大半は、免疫系によって排除される。しかしそれをくぐり抜ける奴が出てきたら、癌である。それは徐々に増える。この過程が人を殺すには、長い長い時間が掛かる。何年か、何十年か。発病してもすぐにはわからない。

こうやって発病した癌や白血病は、それが原発起源なのかどうかすらわからない。遡って原因を特定することが本質的に困難なのである。原発事故がどういう病気を引き起こすかを明らかにするには、何十年にわたる、詳細かつ広範囲な調査が必要である。そんなことをするには大きな権限が必要であり、費用も人員も掛かる。これができるのは政府だけであるが、政府が原発を推進したいなら、決して真剣にはやらない。御用学者が適当に調査すれば、必ずや「明確な影響は認められない」という結果が出る。多少出ても、「限られた被害しか認められない」という結果が出る。

国民は間違いなく、この結果を喜んで受け取る。そして「あれだけの事故が起きても、影響は限られていたので、原発は安全だ」という欺瞞言語がさらに強化される。人々は通常の生活に戻る。自分自身に向き合い、真の幸福を目指すなどという面倒なことはやめて、自分の苦悩の原因を放置して隠蔽する。隠蔽された原因から生じる苦痛を紛らわすための刺激を求める。膨大な数の人にとめどなく刺激を与えるには、電気が必要である。それゆえ、原発も必要である。

原発というシステムはそれ自体が、Smooth Criminal によって構成されている。自分をごまかし、欺瞞語を駆使し、弱い立場の人々を経常的に被曝させることで初めて作動する。人々に欺瞞言語を吹きこみ、「原発なしには決して楽しく暮らせませんよ」と脅すことで維持される。弱い人間の自己欺瞞を助長させることで、原発はさらに放射性廃棄物を蓄積する。それはただ蓄積されるだけで、どこにも捨てることができない。

更に深刻な Smooth Criminal は自然と生態系とに対する犯罪である。福島原発が水蒸気爆発を起こしても、幸いにも強い西風が吹いて、全ての放射性物質が海に出たとしよう。めでたしめでたし。日本は救われた。そして放射能は全て海に落ちる。微生物が吸収する。植物が吸収する。それを小魚が食べる。それを大きな魚が食べる。それを人間が釣り上げて、食べる。内部被曝する。人間が食べなくとも、放射能は、海を循環する。蒸発して、大気を循環する。

地球創世直後には大量の放射能があった。しかしそれらは地質時間的には短い時間しかもたない。プルトニウムさえ、半減期はわずか二万数千年であるから。そうして生命が出現するころには、ほとんどが消えてなくなっていた。それを悪魔に魂を売り渡した人類が取り出してしまった。日本人もまた、悪魔に魂を売り渡し、五十四基の原発を、この地震津波列島に作り出した。そうして案の定、想定された通りに、環境中にばら蒔いた。巨大な Smooth Criminal である。

以下は、This Is It と HIStory とを合成した映像である。これを見ると、「一度はやって欲しかったな~」と強く思う。繁栄する大都会に忍び寄る Smooth Criminal 。それは東京に忍び寄る福島原発の放射能の雲のことだったのかもしれない。


  1. 2011/03/19(土) 17:20:55|
  2. ブログ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

福島原発:これも良い知らせ

5号機、6号機は非常電源がかなり回復した。この二つは4号機と違って、使用中の燃料棒が入っていなかったらしく(こちら参照)、元々、危険性は低かったが、それでも徐々にプールの温度が上昇していた。放置すると、4号機のように水素爆発する可能性があったのだが、それが回避された。

=============
2011年3月19日 15時25分 東京新聞

 6号機では19日午前4時半ごろ、3台ある非常用発電機のうち1台が復旧。もともと1台が無事だったため、これで2台態勢になった。電力を共有している5号機とともに、プールの水を循環させて使用済み燃料を冷ましたり、水を補給したりできるようになった。

 18日までに5、6号機の燃料プールは水温がセ氏70度近くまで上がり、水位が低下することが懸念されたが、その恐れはほぼなくなった。東電によると、5号機で19日午前5時、プールの冷却が始まり、68・8度だった水温が4時間後に67・6度に下がった。
  1. 2011/03/19(土) 16:40:52|
  2. ブログ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

福島原発:良い知らせ

これまでに流れた映像を見る限り、検査はきちんと行われているように感じる。ということは、少なくとも現段階では、福島県外で被曝する恐れは極めて低いと言って良いだろう。但し、今から降る雨で放射性物質が落ちてくると、事態が悪化するおそれがある。この被曝検査の推移は重要なデータである。

=================

福島第1原発:住民4万人被ばく検査 健康被害はなし

2011年3月19日 12時34分 更新:3月19日 16時25分 毎日新聞

 福島第1原発の事故を受け、福島県内で放射線の影響を調べるスクリーニング検査を受けた住民が、17日までに約4万2440人に達することが19日、分かった。

 県によると、このうち67人から放射線を検出。いずれも靴や衣服に放射性物質が付着していた。健康に被害を及ぼす数値は出ておらず、全身洗浄が必要な住民もいなかった。県は11市町村13カ所のほか、移動検査車を使って検査している。
  1. 2011/03/19(土) 16:33:49|
  2. ブログ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

福島原発:原子力危険・隠蔽院の欺瞞

まだ隠蔽院が嘘をついている。

「すぐには体に影響が出るわけではないが、長く滞在すると影響が出る可能性がある」

と影響を認めたのは、これまでより随分マシである。これは、かなりの放射線が30キロ圏外でも測定されたから、やむを得ず譲歩したのだと思われる。しかし、

「長く滞在すると影響が出る可能性がある」

という説明は意味不明である。というのも、何度も書いているように、原子炉から直接被曝するのではなく、放射能を持つ物質から出る放射線で被曝するからである。放射能を持つ物質を吸い込んで内部被曝すれば、どこに行こうとも、放射能も一緒である。やはり、連中は頭がおかしい。

正確に言うなら、

「高いレベルの放射線が観測されるということは、放射能を持つ物質が残留していることを意味する。長期にこの場に滞在すると、それを吸い込んで内部被曝する可能性が徐々に高まる。」

ということである。

それよりも、雨が心配である。これだけ放射能を持つ物質が、水素爆発や水蒸気の形でばら蒔かれた以上、たとえ小規模でもそれらが「黒い雨」となって落ちてくる。降り始めの雨は特に危険である。また、雨が上がって地面が乾くと、それらが舞い上がって、内部被曝しやすい状態になる。


==============

「マスクや長袖着用を」雨予報で保安院が呼びかけ

 原子力安全・保安院の西山英彦審議官は19日の記者会見で、福島第一原発の事故で自主避難が始まっている同原発30キロ圏外の福島県浪江町や飯舘村などについて、「すぐには体に影響が出るわけではないが、長く滞在すると影響が出る可能性がある」と述べた。

 18日に浪江町で毎時140マイクロ・シーベルト、飯舘村で同62マイクロ・シーベルトという高い放射線が観測されたことを受けて発言した。

 屋内退避を要請している同原発から20~30キロ圏内についても、「外出する際は、放射線になるべく接しないようにする必要がある。徒歩での移動を避け、窓を閉じた車で移動してほしい」と述べた。また、福島県内では19日午後から降雨が予想されていることから、「マスクや長袖のシャツを着用し、雨にぬれないようにしてほしい」と注意を呼びかけた。同院が放射線被曝を避けるため、一帯の住民に具体的な注意点を呼びかけるのは初めてだ。

 一方、福島県外については、現在の放射線レベルが1年続いても年間1・7ミリ・シーベルト程度であることを示し、「通常、自然に浴びる放射線の量にあたる2・4ミリ・シーベルトに満たない」と安全性を強調した。

(2011年3月19日15時32分 読売新聞)
  1. 2011/03/19(土) 16:18:42|
  2. ブログ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

福島原発事故: 【重要】京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏電話インタビュー

極めて重要な情報源です。

必ず聞くか、読んでください。

福島原発事故:京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏電話インタビュー

音源 http://www.videonews.com/asx/interviews/110317_koide_300.asx

文字 http://www.the-journal.jp/contents/jimbo/mb/post_100.html

(2011年03月17日)

 17日午前、福島第一原発2、3、4号機で白煙が確認された。自衛隊が空から放水するなど、冷却作業が続いている。
 福島原発事故の現状と今後想定される問題点について、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏に、ジャーナリストの青木理が聞いた。

青木: 東京電力福島第一原子力発電所の状況が深刻化しています。緊急性が高いニュースなので、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんにお話を伺おうと思います。小出さん、よろしくお願いします。
 まず、今最も懸念されているのは、「メルトダウン」がさらに進むことだと思います。今、一部炉心溶融が起きている。ただし、一般に言われている「メルトダウン」にはまだ達していないという認識でよろしいでしょうか。

小出: 私もそう思います。

青木: 「メルトダウン」が起きれば、どういう状況になるのでしょうか。

小出: 皆さん、原爆はご存知だと思います。広島に落とされた原爆で燃えたウランの量は800グラムでした。現在、私たちが使用している原子力発電所は日本に54基あり、平均して1基につき100万キロワットを発電します。100万キロワットの原発が1日稼動すると、ウランを3キロ燃やします。つまり、広島型原爆3~4発分のウランを燃やすわけです。それによって作られたエネルギーの3分の1だけを電気にして、3分の2は海に捨てるというのが原子力発電所という機械です。

青木: 海に捨てるというのは、発熱したものを熱量として捨てるということですか。

小出: そうです。1秒間に70トンの海水の温度を7度上げて、また海に戻すという、なんとも言葉に尽くせないほどの膨大な環境汚染をしながら発電する装置です。

青木: 今は、原子炉の燃料棒が冷やせない状態になり、その一部に溶融が起きているというわけですね。確か、スリーマイル島原発事故のときは燃料の45%くらいが溶けて下に落ちたと記憶しています。しかし、幸いにも底は抜けませんでした。福島原発では底が抜ける可能性があるのでしょうか。

小出: スリーマイル島の事故のときは、電気が使えました。ポンプも使えました。それでも事故になり、原子炉の半分近くが溶けてしまいました。しかし、最終的にはポンプを回すことで原子炉を冷やし、最悪の事態を免れたわけです。
 福島原発の場合は一切の電源がなく、ポンプも回らない状況です。消防のポンプ車を使って冷却水を回す方法を思いつき、一気に破局的な状況にいくのを食い止めているのが現状です。しかし、事態は日が経つにつれて悪化しています。

青木: 政府や東京電力は「まだ大丈夫」と言っています。それが嘘だとは言いませんが、事態はどんどん悪化しており、今後は最悪のことも考えなければならないと思います。いわゆる「メルトダウン」が起きると、格納容器に穴が開くのでしょうか。それとも爆発するのでしょうか。

小出: 色々な可能性が考えられます。原子炉の燃料が存在している場所を炉心と呼びます。炉心を包んでいるのは、鋼鉄の巨大な圧力容器です。燃料が溶けるか「メルトダウン」してしまうと、圧力容器の底に落ちます。その部分に水が残っていると、水蒸気爆発という現象が起きます。爆発の規模にもよりますが、もし大きいと圧力容器が壊れてしまうこともあります。
 原子炉圧力容器の外側には格納容器があります。原子炉圧力容器が水蒸気爆発で破壊される事態になれば、格納容器もたぶん壊れてしまいます。そうなると、放射能を閉じ込めるすべての容器が壊れてしまうことになってしまいます。

青木: 燃料が溶けることで床が抜ける可能性もあり、水がたまっている場合は水蒸気と反応して爆発を起こし、最悪の場合は格納容器も壊れてしまうということですね。

小出: 青木さんがおっしゃったように、水蒸気爆発をしなくても、「メルトダウン」した炉心が圧力容器の底を抜く可能性はあります。炉心は2800度にならないと溶けません。しかし、圧力容器は鋼鉄なので、1500度にもなれば溶けてしまいます。2800度の溶融体が溶けて下に落ちれば、もちろん圧力容器も溶けてしまいます。その外側の格納容器に水が残っていると、また水蒸気爆発をする可能性があるわけです。

青木: 経産省原子力安全・保安院は、今回の事故を国際原子力機関(IAEA)が定める8段階の国際原子力事象評価尺度で、「レベル4」としています。
しかし、フランスなどは上から2番目の「レベル6」だと言っています。スリーマイル島の事故は「レベル5」、チェルノブイリ事故は一番上の「レベル7」ですが、この原子力安全・保安院の「レベル4」という考えは論外なのでしょうか。

小出: 論外です。スリーマイル島の事故は越えています。

青木: 複数の原子炉が同時多発的に制御できなくなっている現状を見ると、チェルノブイリ事故以上の事象と言えるのでしょうか。

小出: 最終的な結末はわかりませんが、いま炉心が溶ける危機に直面している原発が1、2、3号機と3つあります。その出力を全部合計すると、200万キロワットを超えます。チェルノブイリの原発はちょうど100万キロワットの出力でした。今回はその2倍に相当する放射能と戦っているわけです。それが出てきてしまえば、チェルノブイリを超えてしまうわけです。

青木: ここから先は、ご覧になっている方にも冷静に考えていただきたいし、私もパニックを誘発したくはないですが、最悪のケースを想定する必要はあると思います。仮に原子炉が完全に「メルトダウン」した場合、首都圏への影響はどの程度あるのでしょうか。

小出: 風向きなどによると思います。西風がずっと吹いていれば、出てきた放射能は太平洋の方にいくので東京は助かります。しかし、現に今東京で放射能が検出されるように、風向きはころころ変わるわけです。すべての放射能が海に流れるわけではありません。東京にも当然届くかと思います。ただし、どのくらい届くかはわかりません。

青木: 放射線は放射能物質とは違いますよね。放射線は原発から離れれば離れるほど、弱くなると考えて良いのでしょうか。

小出: 放射線を放出する物質が、原発の中にある限りはそうです。

青木: それが、放射線物質として拡散してしまうとどうなるのでしょうか。

小出: 拡散して表に出てしまえば、拡散したもの自体が放射線を出すので、どこにいてもだめです。

青木: 風向きが東京に向いていれば、東京の辺りでも相当な汚染が広がる恐れがあるということでしょうか。

小出: たとえば、福島原発から東京までは200から250キロの距離があります。チェルノブイリ事故のときどうだったかというと、ソ連当局は30キロ圏内の住民を避難させて、無人地帯を作りました。しかし、チェルノブイリの原発から200~300キロ離れた彼方で、ものすごい汚染を発見しました。なぜかというと、放射能を含んだ雲が流れていき、その地域に雨が降ったからです。
みなさんご存じだと思いますが、井伏鱒二さんという小説家が「黒い雨」という小説を書きました。広島の原爆が落ちた時にきのこ雲で死の灰が舞い上がりましたが、その時に雨が降りました。普通の雨と違って黒く、町の白い土壁に黒い雨の筋が残るほどだったのですが、その雨に放射能が洗い落とされて混じっていたのですね。その雨に打たれた被爆者たちが、さらに被爆したことをテーマにした小説です。放射能の雲が流れてきたときに、どこで雨が降るかが決定的な問題になるわけです。

青木: その地域では、人体に直接影響のある汚染があったのでしょうか。

小出: 私はあったとは思いますが、放射線障害を診断するのは難しいのです。亡くなったり、髪の毛が抜ければわかりますが、なかなかわからないまま過ごしていたのだろうと思います。体の調子が悪いと思いながら普通に生活していて、3ヶ月後にわかったといいます。

青木: 現在原発の周辺20キロが退避地域になっていますが、なんとか現状で被害を抑えられた場合、この地域はどうなるのでしょうか。

小出: 正確には答えにくいですが、東京にも放射能が拡散されていることが観測されているので、原発周辺は東京以上に汚れていることでしょう。その汚れがどの程度かという問題で、人々が住めるかどうかの判断をする必要があります。粗い推測ですが、現時点での汚染であれば、住民は戻ることができると思います。しかし、今後さらに汚染が進むと、チェルノブイリのように封鎖しなければならなくなると思います。

青木: 現時点では、よく調べ除染すべきをすれば、住民が戻って生活をできる可能性があるということですね。ただし、これ以上悪化すれば、極端にいえば人が近づけないような状況にもなりかねないということですね。

小出: おっしゃる通りです。

出演者プロフィール

小出 裕章(こいで ・ひろあき)
京都大学原子炉実験所助教。1949年東京都生まれ。72年東北大学工学部原子核工学卒業。74年東北大学学研究科原子核工学科修了。74年から現職。伊方原発訴訟住民側証人。著書に『放射能汚染の現実を超えて』、『隠される原子力 核の真実』、共著に『原子力と共存できるか』など。

青木 理(あおき・おさむ)
ジャーナリスト。1966年長野県生まれ。90年慶應義塾大学文学部卒業。同年共同通信社入社。大阪社会部、成田支局、東京社会部、外信部、ソウル特派員などを経て06年退社。著書に『日本の公安警察』、『国策捜査』、『絞首刑』など。
  1. 2011/03/19(土) 15:53:31|
  2. ブログ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

福島原発:有効な対応

漸く、日本社会のゆっくりとした合意形成が作動し始めたようだ。よくぞ原発がそれまで待ってくれていたものだ。なんとかなるかもしれない。

(1)電源が回復した。まだまだあちこち壊れているだろうから、楽観できないが、人間側のコントロールを回復するための第一歩であることは間違いない。

(2)下の無人大量放水と、生コン圧送機は、役に立つだろう。

(3)自衛隊の熱を測る偵察機は、原子炉の内部状態について貴重な情報を知らせてくれるであろう。

(4)ニュースには出ていないようだが、各種放射線のデータを東北大学と京都大学のグループで解析して、内部状態を推定する作業をしている、との話を聞いた。嘘かホントか確認できないが、うまくけいば、炉心の状態がかなりわかるはずである。

こういう智慧が徐々に回ってきていることを見れば、日本政府も東京電力も、本当に重大事故の準備をな~んにもしていなかったことがよくわかる。少しでも準備していれば、こういうことを初日から投入できたであろうに。原子炉安全欺瞞言語の罪深さがよくわかる。

しかし、本当に原子炉が辛抱強く待っていてくれたものである。原子炉もまたゆっくり合意形成してくれていたのであろうか?お願いだから、もう少し待って欲しい。


=================
東京消防庁、7時間1260トン放水へ プール容量分(1/2ページ)

2011年3月19日13時51分 朝日新聞

 東京電力福島第一原子力発電所3号機の冷却作戦で、19日未明に連続放水できる態勢を整えた東京消防庁の派遣部隊は、午後1時半をめどに本格的な放水を始める。約7時間で1千トン以上の放水を目指す。防衛省は4号機への放水も検討。大阪市消防局が先遣隊6人を現地派遣したほか、政府は高さ約60メートルから放水できる生コン圧送機を準備するなど、態勢強化が進む。

 東京消防庁が19日午前0時半に構築したのは、海際に設置した「スーパーポンパー」と呼ばれる送水車で海水をくみ上げてホースで送り、最大で22メートルの高さから毎分3.8トンを放水できる「屈折放水塔車」から連続的に放水する方式。

 これまで自衛隊が行ってきた複数の消防車による放水は、あらかじめ消防車に搭載した水を放って引き揚げるやり方のため、1回の放水量は限られていた。海水をくみ上げながらの連続放水が可能になったことで、効率は格段に上がると政府関係者は期待している。

 同庁の予定では、放水は毎分3トンのペース。7時間の放水では計1260トンになる。3号機の使用済み燃料貯蔵プールの容量は約1千トンなので、仮にプールが空でも、これを満たすことが可能となる計算だ。

 屈折放水塔車は無人での作業も可能で、同庁は無人で放水を続けることも検討。7時間の作業では、途中に給油が2、3回必要になるという。

 同庁は同日、新たに車両14台と隊員102人を、先発した139人の交代要員として現地に追加派遣した。

 また、政府は同日朝、高さ約60メートルから放水できる生コン用の圧送機を、横浜市から現地に向かわせた。同様の機材の追加導入も検討している。さらに、大阪市消防局は同午前10時、職員6人を現地へ派遣。自衛隊や東京消防庁などと活動内容や必要な機材の調整にあたる。放水活動をする隊は陸上自衛隊の指揮下に入る見通しだ。

一方、陸上自衛隊のCH47ヘリコプターが19日早朝、第一原発上空を飛行し、特殊な機材で原子炉の施設内部の温度を計測した。危険性の判断や、放水の効果を確認するためとみられる。測定は3号機、4号機、2号機、1号機の順で実施。より危険な原子炉を優先的に調べる方針とみられる。

 航空自衛隊の偵察機RF4も午前9時10分、空自百里基地(茨城県)から発進、第一原発一帯を上空から撮影した。RF4は胴体下部に赤外線探知装置やパノラマカメラなど3種類のカメラが埋め込まれており、同様に温度測定をしたとみられる。
  1. 2011/03/19(土) 15:36:43|
  2. ブログ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

福島原発:老人よたちあがれ!

福島原発:逃げるべき人、逃げなくていい人で書いたように、30キロ圏外であっても、逃げるべき人がいる。端的にそれは若い人だ。逃げなくて良い人がいる。それは老人だ。それはほぼ、単純に年齢で決まる。

(1)胎児
(2)赤ちゃん
(3)幼児
(4)児童
(5)若者
(6)これから子供を持つつもりの人
(7)子供をこれから持つつもりのない人
(8)もう子供なんか出来ない人
(9)老人
(10)後期高齢者
(11)平均余命を超えた人

(9)~(11)の人は逃げる方がリスクが高まるので、逃げるべきではない。(7)と(8)とは事情による。(1)~(3)は念には念を入れて、退避した方がいいが、それでも、退避から生じるリスクが大きいなら逃げるべきではない。たとえば、赤ちゃんが路上で一夜を過ごすくらいなら、家にいたほうが明らかに健康被害が少ない。

原発事故が最終的にどの程度の死者や病人をもたらすのか、実はわかっていないのだ。チェルノブイリについても、既に何十万人もが亡くなり、これからも多数が死亡するという人もいれば、何百人しか死んでいない、という人もいる。

しかし、遠くにばらまかれる放射能によって内部被曝した場合に、誰が最も大きな影響を受けるかについては明確な合意がある。(1)~(3)の人々が最も高いリスクにさらされている。それから、(1)~(6)の人々から将来生まれるであろう人々が。こういった人々こそが、将来の日本社会を形成するのであり、彼らを守ることが、大人の責務である。

特に、(9)~(11)の人々は、そもそも大したリスクを負わない。代謝が低くて放射性物質を体に取り込みにくい上、内部被曝して発がんしても、その前に寿命が切れる可能性が高いからだ。それゆえ、若者を逃がして、都市機能を守る献身をお元気なご老人にお願いしたい。

この観点からすれば、原発を抑えこむ仕事を、現在は若い東電職員、自衛隊、警察官、消防隊員にやらせているが、とんでもない話である。これは、少なくとも(7)以上の人々がすべき仕事であり、できれば(9)以上の人がするべきである。

特に、過去に原子力行政を推進してきた官僚、御用学者、その政治的誘導をした政治家、東京電力の幹部職員、特に、既に引退した人々には、大きな直接的道義的責任があろう。こういう人々は、直接、現場に行って決死隊を買って出るくらいの気概を見せて欲しいものである。軽い機材の運搬、自動車の運転、現場の目視、簡単な計器の操作など、出来る仕事はいくらでもあるだろう。

これらの人々には、自分たちの行動が惹起した事態に、果敢に立ち向かって欲しい。原発は絶対に安全だ、という信念に従って、この地震津波列島に、大量の原発をつくってきたのだから。そうして、皆さんの子孫を守ってほしい。

そうやって立派に自ら責任を果たす姿を見せて頂ければ、「あいつのせいだ、こいつのせいだ」といった犯人探しを誰もしなくなり、今から我々が何をすべきであるのかを、冷静に考え、責任をもって行動するようになるだろう。
  1. 2011/03/19(土) 09:59:23|
  2. ブログ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

最新記事

最新コメント

カレンダー

02 | 2011/03 | 04
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

プロフィール

yasutomiayumu

Author:yasutomiayumu
FC2ブログへようこそ!

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
その他
81位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
74位
アクセスランキングを見る>>

全記事表示リンク

全ての記事を表示する