福島の原子炉は、熱くなった炉心に水を流して蒸気にし、それでタービンを回し、その蒸気を海水で冷やして水に戻し、それでまた炉心を冷やす、という構造になっている。今回、復旧したのは、その海水を取り込むポンプである。これがないと、炉心を冷やす水を冷やせないのである。
これは重要な進展である。しかし、問題は炉心を冷やす水の循環回路ができていないことである。
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東電は「原子炉に水を入れているだけの現状から、冷却システムを動かすことで、5、6号機のように早く安全な状態に持ち込みたい」と話す。
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となっているが、これは変な話である。まず、5号機、6号機は、爆発しなかったので、プールを冷やす回路が壊れていなかったと思われる。それゆえ、海水で冷却するシステムを復旧すれば、プールを冷やす水を冷やすことができて、冷温状態に持ち込めている。
しかし、1~4号機は炉心やプールを冷やす水の循環回路はおろか、圧力容器やプール自体がかなり損傷している。ここをなんとかしないことには、海水の冷却システムが復旧しても、冷やすものがない。「冷却システムを動かすことで」の「冷却システム」とは、
【炉心やプールを冷やす水を循環させる回路】+【海水でその水を冷やす回路】
の二重回路のことであるはずだが、肝心の前者の修理は、全く進んでいない。なぜなら、タービン室の下部に高濃度の汚染水が溢れているからである。その上、たとえ回路が修復されたとしても、圧力容器の底が抜けているなら、水はそこからダラダラ流れていくので、まともに循環などしない。
「原子炉冷却本格化へ」
という異常に楽観的な見出しを毎日新聞が付けた理由が、私にはわからない。
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福島第1原発:海水ポンプ復旧にめど 原子炉冷却本格化へ
東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発で31日、原子炉の冷却システムを支える海水ポンプの復旧にめどが立った。今後、ポンプと外部電源をつなぐ作業に入る。正常に働けば、原子炉の冷却に向けた対策が本格化する。
海水ポンプは、炉内から出てきた高温の水を冷ます熱交換器に、常に冷たい海水を供給するための機器。津波ですべてが電源とともに動かなくなり、1~4号機では原子炉や使用済み核燃料プールの冷却ができず水素爆発などが起きた。一方、5、6号機では仮設の海水ポンプを動かすことで燃料プールを冷やし、制御可能な「冷温停止」にすることに成功している。
東電はすでに2、3号機で仮設海水ポンプの設置を完了。1、4号機にも設置の見通しが立った。中央制御室まで来ている外部電源に接続し、海水ポンプによる冷却システムの復旧を急いでおり、東電は「原子炉に水を入れているだけの現状から、冷却システムを動かすことで、5、6号機のように早く安全な状態に持ち込みたい」と話す。
一方、1~4号機のタービン建屋地下やトレンチ(立て坑)内の汚染水について東電は、その水位を無人カメラで常時監視することを決めた。2日までにカメラを設置する。2号機では水表面の放射線量が毎時1000ミリシーベルト超と高く、作業員が近づくことが難しいため。どこに設置するかは検討中という。【関東晋慈、松本惇、酒造唯】
毎日新聞 2011年3月31日 22時50分
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2011/03/31(木) 23:36:53 |
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ここで出ているシミュレーションは、別に専門家でなくとも、多少とも原発のことを知っていれば、適当なデータを集めて、鉛筆舐め舐めできるような話である。
この緊急時の電源喪失という問題は、原発のアキレス腱なのだ。あのチェルノブイリの事故も、この問題と関係している。電源が失われたときに非常用ディーゼル発電機が起動するまでに多少の時間が掛かる。場合によってはうまく起動しない可能性もある。それが極めて危険なので、その間を、タービン発電機のローターの慣性回転を利用して、短期的に発電してしのぐというシステムがあった。ところが、このシステムのテストができない以前に開業してしまい、やむを得ず、原子炉が動いているときにこのテストを無理矢理やったのだ。それが失敗してあの大事故を起こしてしまった。
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原発の全電源喪失、米は30年前に想定 安全規制に活用(1/2ページ)
2011年3月31日16時39分 朝日新聞
東京電力福島第一原子力発電所と同型の原子炉について、米研究機関が1981~82年、全ての電源が失われた場合のシミュレーションを実施、報告書を米原子力規制委員会(NRC)に提出していたことがわかった。計算で得られた燃料の露出、水素の発生、燃料の溶融などのシナリオは今回の事故の経過とよく似ている。NRCはこれを安全規制に活用したが、日本は送電線などが早期に復旧するなどとして想定しなかった。
このシミュレーションは、ブラウンズフェリー原発1号機をモデルに、米オークリッジ国立研究所が実施した。出力約110万キロワットで、福島第一原発1~5号機と同じ米ゼネラル・エレクトリック(GE)の沸騰水型「マークI」炉だ。
今回の福島第一原発と同様、「外部からの交流電源と非常用ディーゼル発電機が喪失し、非常用バッテリーが作動する」ことを前提とし、バッテリーの持ち時間、緊急時の冷却系統の稼働状況などいくつかの場合に分けて計算した。
バッテリーが4時間使用可能な場合は、停電開始後5時間で「燃料が露出」、5時間半後に「燃料は485度に達し、水素も発生」、6時間後に「燃料の溶融(メルトダウン)開始」、7時間後に「圧力容器下部が損傷」、8時間半後に「格納容器損傷」という結果が出た。
6時間使用可能とした同研究所の別の計算では、8時間後に「燃料が露出」、10時間後に「メルトダウン開始」、13時間半後に「格納容器損傷」だった。
一方、福島第一では、地震発生時に外部電源からの電力供給が失われ、非常用のディーゼル発電機に切り替わったが、津波により約1時間後に発電機が止まり、電源は非常用の直流バッテリーだけに。この時点からシミュレーションの条件とほぼ同じ状態になった。
バッテリーは8時間使用可能で、シミュレーションと違いはあるが、起きた事象の順序はほぼ同じ。また、計算を当てはめれば、福島第一原発の格納容器はすでに健全性を失っている可能性がある。
GEの関連会社で沸騰水型の維持管理に長年携わってきた原子力コンサルタントの佐藤暁さんは「このシミュレーションは現時点でも十分に有効だ。ただ電力会社でこうした過去の知見が受け継がれているかどうかはわからない」と話す。
一方、日本では全電源が失われる想定自体、軽視されてきた。
原子力安全委員会は90年、原発の安全設計審査指針を決定した際、「長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又(また)は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない」とする考え方を示した。だが現実には、送電線も非常用のディーゼル発電機も地震や津波で使えなくなった。
原子力安全研究協会の松浦祥次郎理事長(元原子力安全委員長)は「何もかもがダメになるといった状況は考えなくてもいいという暗黙の了解があった。隕石(いんせき)の直撃など、何でもかんでも対応できるかと言ったら、それは無理だ」と話す。(松尾一郎、小宮山亮磨)
2011/03/31(木) 20:58:27 |
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さきほどの記事でIAEAの考えに、希望的観測は入っているだろうが、と書いた。どういう希望的観測が入っているのか、あのあと考えた。本当は、もう考えたくないのだが、どうしても考えてしまう。考えた結果、やはり疲れた。
どういう希望的観測かというと、事故の連鎖的拡大が起きない、という前提で話がなされているのだ。
(1)たとえば、局所的だが、決して小さくはない再臨界が1号機で起きたとしよう。
(2)爆発は起きない。
(3)しかし、放射性物質の放出が急激に増える。
(4)たとえば圧力容器の破損が拡大する、ということは十分ありうる。
ここまではIAEAの言うとおりである。話はここから先が、気分が悪くなる。
(5)すると、大量の放射性物質が周辺に散布される。
(6)1号機周辺の放射線量が高くなる。
(7)作業を中断せざるを得なくなる。
(8)格納容器やプールへの注水が中断する。
(9)長時間、接近できない状態が続く。
(10)炉心がむき出しになる。
(11)溶解が進む。
(12)また再臨界が起きる。→(3)に戻る。
ということになって、
(13)そのうち1号機は、暴走する。
(14)放射線量が極めて高くなって、発電所全体から、全員撤退することになる。
(15)全ての格納容器、プールへの注水が中断する。
(16)全ての原子炉が暴走する。
となってしまうのだ。
マッチポンプの冷却が安定に継続できる、という前提を置いて話をするのはやはり問題である。この連鎖的拡大が起きる可能性を考えて、小規模の再臨界が起きても、どこかで止める体制を急速に確立しなければダメなのだ。
なぜそれをやらないで、プラスチックで固めるとか、シートを被せるとか、被害の補償だとかいう、あたかも危機が過ぎ去ったかのような話が先に出てくるのか、私には理解できない。これもまた、安心安全の雰囲気を創りだすための策動なのであろうか。
2011/03/31(木) 17:02:03 |
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昨日の IAEA の記者会見のロイターの記事を見てみた。
http://www.reuters.com/article/2011/03/30/us-japan-radiation-idUSTRE72T78120110330 要点の第一は飯舘村の高い放射線量のことである。40キロ離れたこのあたりで、IAEAの基準を遥かに上回る放射線量が観測されているということは、その範囲は既にかなり危険ということである。放射性物質は、そこにじっとしている訳ではなく、風やら水やらでまた拡散するので、汚染の範囲はジワジワ広がっていく。前にも書いたが、薄まっても安全にはならない。命中率が下がるだけで、標的となる人間は増えるので、半減期の長いセシウムなどの放射性物質の場合、被害総量は一定率で増え続ける。
第二の論点は、再臨界の可能性についてである。重要なので訳しておく。
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In a potentially negative development, Flory said the agency had heard there might be "recriticality" at the plant, in which a nuclear chain reaction would resume, even though the reactors were automatically shut down at the time of the quake.
That could lead to more radiation releases, but it would not be "the end of the world," Flory said. "Recriticality does not mean that the reactor is going to blow up. It may be something really local. We might not even see it if it happens."
潜在的な悪い事態の展開について、フローリー氏は以下のように述べた。IAEAは「再臨界」がこの発電所であるかもしれない、と聞いている。その状態では、原子炉は自動的に停止されているにもかかわらず、核連鎖反応が再開することになる。
そうなると、更なる放射性物質が放出されるが、とはいえそれは「この世の終わり」ではにあ、とフローリー氏は述べた。「再臨界は、原子炉が吹き飛ぶだろう、ということは意味しない。それはもっと局所的なものである。たとえ起こっても、気づかないこともある。」
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つまり、現状では、IAEAは、再臨界が起きても局所的なもので、放射能の放出が増大するにとどまり、大規模な爆発につながる全面的なものは起きないだろう、と見ている。
但しこれは、発電所内の放射能汚染がさほど進展せず、作業員が冷却作業を続けられる、ということが前提になっている。この作業は、このマッチポンプでは、どのくらいかかるかわからない。その間、放射能は流出し続ける。問題は、その濃度と範囲とに移ってきているようだ。
希望的観測も含まれているのかもしれないが、一応、本当と見て良いと思う。
2011/03/31(木) 15:47:05 |
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お二人が言っておられることは、大げさな話ではない。
但し、瀬尾モデルによる小出氏の予測は確か、チェルノブイリ型の事故を想定している、と私は理解している。今回は既に一旦、停止しているので、1号機と3号機とが水蒸気爆発を起こしても、そこまでの範囲には広がらないかもしれない。とはいえ、3号機はMOXであり、更に、2号機も爆発するおそれが十分にある。それに既に述べたように、どれかひとつが破局に至ると、他の原子炉にも接近できなくなるので、暴走する。その場合には、1~6号機の使用済み燃料も無事では済まない。そこまでいくと、福島第二原発まで汚染のために接近できなくなりかねず、最悪の最悪を想定すれば、10機の放射性物質が溢れ出す。この場合には、チェルノブイリを遥かに上回る汚染が生じることは、言うまでもない。
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放射能 見えない恐怖と知っておくべき「本当の話」
小出裕章氏インタビュー
週刊朝日2011年03月25日号配信
建物から勢いよく噴き上げる灰色の噴煙。福島第一原子力発電所で1号機に続き、3号機でも水素爆発が起こった。心臓部である格納容器は無事だったと言われているが、まだ予断を許さない状況に変わりはない。『隠される原子力・核の真実 原子力の専門家が原発に反対するわけ』(創史社)などの著書もある京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏(61)はこう警告する。「もし、格納容器が爆発すればチェルノブイリになる」。東京は、日本は、そのときどうなってしまうのか──。
──福島第一原発の1号機と3号機で、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故と同様に炉心が溶融して大爆発が起きたら、どうなるのでしょうか。
おしまいですよ。放射能による被害の大きさは原子炉の電気出力に比例します。旧ソ連のチェルノブイリ原発は100万キロワットでした。福島第一原発1号機の46万キロワットと3号機の78・4万キロワットを合わせるとチェルノブイリ以上の規模になる。チェルノブイリ原発事故では、日本であれば、法令で放射線管理区域にあたる1平方キロあたり1キュリー以上の汚染を受けた土地は原発から700キロ先まで広がりました。これは、東京をはじめ、名古屋、大阪まで入るほどの広さに匹敵します。
原発の事故災害評価をしてきた京都大学原子炉実験所の故・瀬尾健氏の研究をもとに、私が福島第一原発で110万キロワットレベルの原子炉が爆発した場合をシミュレーションしたところ、原発から10キロ圏内の急性死亡率は99%を超えることがわかりました。南西方向に風速4メートルの風が吹いていた場合、ある程度の時間がたって発症する放射能の「晩発性影響」によるがん死者は、東京でも200万人を超えるという結論が出ました。
◆本州は関東まで居住が不可能に◆
さらに、放射線の強さが半減するまでの時間を意味する「半減期」が30年の「セシウム137」などの放射性物質が大量に放出され、飛散する範囲は半径320キロにも及びます。北は岩手から南は神奈川、山梨まで、本州の関東以北は事故後、数十年にわたって土壌が放射能に汚染され、人間が住むことができなくなってしまう地域が出る可能性があります。
──枝野幸男官房長官は、記者会見で、1号機と3号機は水素爆発を起こしたものの、「格納容器は健全である」と言っています。いったい、内部では何が起きていたのでしょうか。
通常であれば、原子炉圧力容器をおさめた格納容器のなかは、窒素で満たされており、決して爆発を起こさないようになっています。限られた情報から推定するしかありませんが、今回、炉心溶融によって発生した水素や酸素が逃し弁から格納容器内に放出され、格納容器内の冷却用プールの水も炉心の温度が高くなりすぎたために水蒸気となった。その結果、最大4気圧程度までしか想定されていなかった格納容器内が8気圧まで上昇してしまった。
しかし、格納容器が爆発してしまっては、もろに放射性物質が飛び出すことになる。そこで、ベントという弁を開けて格納容器内の圧を下げることにしたわけです。放出された水素が建屋の上部にたまり、爆発した可能性が高い。こんなことが起きるなんて、私の記憶にある限り、世界でも初めてのことです。
──爆発の結果、福島第一原発から100キロ以上離れた女川原発(宮城)の敷地内でも一時、放射線量が通常の4倍以上の数値を記録しました。福島第一から流れたとも言われています。
もともと、格納容器の弁の先には放射性物質を捕まえるフィルターがついています。フィルターは完全な気体である「クリプトン」や「キセノン」などの希ガスは捕まえられないため、弁を開けた時点で、ある程度の放射性物質は外に出ることになるのですが、今回はそのフィルターが多量の水分で目詰まりを起こして、吹き飛んでしまった可能性が考えられます。そのため、ヨウ素など本来なら外に出るはずのない放射性物質も飛び出しているのではないでしょうか。今回、周辺で被曝した人たちのなかには、体や衣服に付着した放射性物質を落とす「除染」を受けた人もいましたが、長年、原発の現場で研究をしてきた私も除染を受けるほどの被曝をしたことはありません。すでに放射性物質は体内にも入っていると考えられます。
◆これからのこと予想もつかない◆
──1号機はウラン燃料、3号機は昨年9月からMOX燃料を使っています。
MOX燃料はウランの酸化物とプルトニウムの酸化物を混合したものです。プルトニウムの生物毒性はウランの20万倍とも言われています。実際に爆発した場合の毒性は単純に20万倍というわけではありませんが、ウランだけの燃料に比べ毒性が高まるのは間違いありません。
さらに、プルトニウムは本来、高速増殖炉で使用すべきものであり、福島第一原発にある沸騰水型炉で使用すべき燃料ではない。家庭用の石油ストーブにガソリンを混ぜた灯油を入れているようなものです。平常時であっても、軽水炉でMOX燃料を使用するということ自体が、非常に危険なことなのです。
それでも、日本の原発がMOX燃料を使用しているのは、日本が世界有数のプルトニウム保有国だからです。第2次世界大戦中に長崎に投下された原爆はプルトニウム爆弾ですが、現在、日本はプルトニウム原爆を4千個も作れるほど保有しているのです。そのため、世界から早急にプルトニウムを消費することを求められている。だが、国内にある高速増殖炉「もんじゅ」は、1995年に起きたナトリウム漏れ事故などで操業停止になっています。そこで、国から泣きつかれた東京電力など電力各社は、軽水炉でMOX燃料を使うことにしたわけです。
──1号機と3号機はとりあえず、危機を脱したと見てよいのでしょうか。
わかりません。冷却水の水位が下がったことで、炉心が露出してしまい、炉心溶融が起きたのは間違いありませんし、これからどうなるのかも予想がつかない。私は、これまで、再三にわたって警告してきましたが、地震や津波などの非常事態に備えてあったはずの非常用電源も電源車も、何の役にも立たないことがハッキリしました。
これは、チェルノブイリや米国スリーマイル島の事故に匹敵するようなシビア・アクシデントなのです。 (本誌・大貫聡子)
◆原子炉爆発すれば十数時間で放射能は首都圏へ◆
「死の灰」と呼ばれる放射能の健康被害は、計り知れない。
1986年に起こったチェルノブイリ原発事故では、広島と長崎の原爆を合わせた放射能の約200倍もの放射能が放出された。福島第一原発の1、3号機を足した原子炉の電気出力は、チェルノブイリ原発の100万キロワットを超える。京都大学原子炉実験所助教の今中哲二氏は、チェルノブイリは将来分も含め"死者"は、10万~20万人と指摘しており、万が一、日本でも首都圏に飛散すれば、大量の被害者が出る可能性がある。
原子力資料情報室の上澤千尋氏は言う。
「放射性物質は、全体的に一定の速度で広がるのではなく、風向きによって扇状に飛散していきます。『ホットスポット』と言って、雨雲などに乗って、飛び地で雨と一緒に『黒い雨』として降ることもあります」
福島原発の場合、例えば、茨城県の上空を通過して、東京が被爆する可能性もある、ということだ。
上澤氏によると、被曝した時の症状は大きく分けて二つある。
(1)急性障害 100~250ミリシーベルト超の被曝をすると、直後から数カ月以内に、めまいや嘔吐、脱毛などの症状が現れる。重篤な場合は、内臓が機能障害を起こしたり、皮膚がただれて全身ヤケドのような症状を起こしたりして、死にいたることもある。
1999年の「JCO臨界事故」では、ステンレスのバケツでウラン粉末を溶かして沈殿槽に注入したさい、核分裂が連鎖的に続く臨界状態となり、作業員2人が急性障害で死亡した。
(2)晩発性障害 数年~数十年後にがんや白血病などを発症する。一般人の年間被曝線量の限度である1ミリシーベルトでは、がん罹患率は1万人中500~1千人と言われている。それが、2ミリシーベルトになると、がん罹患率も比例して2倍になると言われている。
このほか、被曝すると、免疫機能が下がるため、他の病気を引き起こす可能性も高くなるほか、遺伝子に傷がつき子孫への影響も懸念される。
では、万が一、放射性物質が飛散してきたら、どう対応したらいいのか。
「とにかく、放射性物質にふれないことが重要です」(上澤氏)
原子力安全・保安院などはこう注意を促している。
(1)屋内退避。換気扇や冷暖房を止め、窓を閉めて、外気が室内に入らないようにする。特に、雨は大気中の放射性物質を地上に降らせるため、当たらないようにする。
(2)外出する場合は、長袖、長ズボン、ゴーグル、フード付きのコートなどを着て、外気に触れないようにする。防塵用のマスクや、濡らしたタオルで口や鼻を覆う。室内に入る前に、コートなどは袋に入れて密閉し、室内に放射性物質を持ち込まないようにする。
(3)万が一、肌に付着したら、洗い流す。
(4)ヨウ素剤を服用する。
しかし、これらのことをしたとしても、被曝しないかといえば、そうではない。
「大気中に放射性物質が蔓延しているので、ドアを開閉しても室内に入ってくるし、スーパーなどの商品に放射性物質が付着している場合もある。物理的に考えて、完全に被曝を防ぐことはできない。気休めにしかなりません」(同)
福島第一原発の爆発で避難した人のうち、40歳未満全員が甲状腺がんを防ぐ「ヨウ化カリウム」を服用した。事前に放射性のないヨウ素剤を服用することで、放射性ヨウ素を吸い込んでも甲状腺が飽和されているため、甲状腺がんの予防になるという。「ヨウ化カリウム丸」(日医工)などがあるが、購入するには、原則、医師の処方箋が必要となる。
しかし、上澤氏はこう言う。
「甲状腺が活発な若い人は飲んだほうがいいが、放射能は何十種類もあるので、ヨウ素剤では、ヨウ素以外の放射能は防げません」
さらに注意しないといけないのは、身近に放射能が飛散しなくても、被曝した地域の農産物や畜産物などを口にしたら、そこから体内被曝をすることもあるし、水源地が被曝していれば水道から被曝してしまうことにもなる。
放射能が飛散すればするほど、被曝を防ぐことは難しいのだという。確実なのは、爆発してから身近に放射性物質が到達するまでに避難することだ。
「例えば、東京なら、単純に、福島─東京間約200キロを風速で計算して、時間を測ります」(上澤氏)
もし、南西方面に風速4メートルであれば、わずか約14時間で到達する。
「とはいえ、仮に逃げのびたとしても、汚染の程度によっては、いつ東京に戻れるかわかりません」(同)
人間に牙をむいた放射能は、まさに「死の灰」なのだ。 (本誌・神田知子)
2011/03/31(木) 14:27:40 |
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なぜか週刊誌にはこういう記事が沢山出ている。
なぜ、テレビや新聞は無視するのだろう。
本当の話は「デマ」扱いされ、危険な嘘が「正しい情報」とされる。
あべこべワールドの恐怖である。
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佐藤栄佐久・前福島県知事が告発 「国民を欺いた国の責任をただせ」
週刊朝日 3月30日(水)17時56分配信
福島第一原子力発電所の事故は周辺の土壌や海水からも大量の放射能が検出され、世界を震撼させる事態となっている。原発の安全性に疑問を持ち、一時は東京電力の原子炉17基をすべて運転停止に追い込んだこともある佐藤栄佐久・前福島県知事(71)はこう憤る。「諸悪の根源」は経済産業省であり国だ──。
今回の事故の報道を見るたびに、怒りがこみ上げてきます。一部の識者は「想定外の事態だ。これは天災だ」というような発言をしていましたが、だまされてはいけません。これは、起こるべくして起こった事故、すなわち“人災”なのです。
私は福島県知事時代、再三にわたって情報を改ざん・隠蔽する東電と、本来はそれを監視・指導しなければならない立場にありながら一体となっていた経済産業省に対し、「事故情報を含む透明性の確保」と「原発立地県の権限確保」を求めて闘ってきました。しかし、報道を見る限り、その体質は今もまったく変わっていないように思います。
端然とした表情で語る佐藤氏の自宅は福島県郡山市内にある。地震から2週間以上経過した今も石塀は倒れたままになっているなど、爪痕が生々しく残る。もともとは原発推進論者だったという佐藤氏が日本の原子力政策に疑問を抱き始めたのは、知事に就任した翌年の1989年のことだった。
この年の1月6日、福島第二原発の3号機で原子炉の再循環ポンプ内に部品が脱落するという事故が起きていたことが発覚しました。しかし、東電は前年暮れから、異常発生を知らせる警報が鳴っていたにもかかわらず運転を続けていたうえに、その事実を隠していました。県や地元市町村に情報が入ったのはいちばん最後だったのです。
いち早く情報が必要なのは地元のはずなのに、なぜこのようなことがまかり通るのか。私は副知事を通じ、経産省(当時は通商産業省)に猛抗議をしましたが、まったく反応しませんでした。
日本の原子力政策は、大多数の国会議員には触れることのできない内閣の専権事項となっています。担当大臣すら実質的には役所にコントロールされている。つまり、経産省や内閣府の原子力委員会など“原子力村の人々”が政策の方向性を事実上すべて決め、政治家だけではなく原発を抱える地方自治体には何の権限も与えられていないのです。
国や電力会社は原発に関して、地元自治体を「蚊帳の外」にしただけではないという。佐藤氏が「8・29」と呼ぶ事件がある。2002年8月29日、原子力安全・保安院から福島県庁に「福島第一原発と第二原発で、原子炉の故障やひび割れを隠すため、東電が点検記録を長年にわたってごまかしていた」という恐るべき内容が書かれた内部告発のファクスが届いたのだ。
私はすぐに、部下に調査を命じました。だが、後になって、保安院がこの告発を2年も前に受けていながら何の調査もしなかったうえに、告発の内容を当事者である東電に横流ししていたことがわかったのです。
私の怒りは頂点に達しました。これでは警察と泥棒が一緒にいるようなものではないか。それまで、東電と国は「同じ穴のムジナ」だと思っていましたが、本当の「ムジナ」は電力会社の奥に隠れて、決して表に出てこない経産省であり、国だったのです。
この事件で、東電は当時の社長以下、幹部5人が責任をとって辞任し、03年4月には、東電が持つすべての原子炉(福島県内10基、新潟県内7基)で運転の停止を余儀なくされました。
しかし、保安院、経産省ともに何の処分も受けず、責任をとることもありませんでした。
それどころか、福島第一原発の所在地である双葉郡に経産省の課長がやってきて、「原発は絶対安全です」というパンフレットを全戸に配り、原発の安全性を訴えたのです。なんという厚顔さでしょうか。
今回の事故でも、記者会見に出て頭を下げるのは東電や、事情がよくわかっていないように見える保安院の審議官だけ。あれほど、「安全だ」と原発を推進してきた“本丸”は、またも顔を出さずに逃げ回っています。
さらに、佐藤氏は3月14日に水素爆発を起こした福島第一原発3号機で、「プルサーマル」が行われていたことに対し、大きな危機感を持っているという。
なぜメディアはこの問題を大きく報じないのでしょうか。「プルサーマル」とは、使用済み燃料から取り出したプルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を使う原子力発電の方法で、ウラン資源を輸入に頼る日本にとって、核燃料サイクル計画の柱となっています。
これに対して私は98年、MOX燃料の品質管理の徹底をはじめ四つの条件をつけて一度は了解しました。
しかし、判断を変え、3年後に受け入れ拒否を表明することになりました。
福島第一とともにプルサーマルの導入が決まっていた福井県の高浜原発で、使用予定のMOX燃料にデータ改ざんがあったと明らかになったからです。
そして、核燃料サイクル計画には大きな欠陥があります。青森県六ケ所村にある使用済み燃料の再処理工場は、これまでに故障と完成延期を繰り返しており、本格運転のメドがたっていません。この工場が操業しない限り、福島は行き場のない使用済み燃料を原子炉内のプールに抱えたままになってしまう。今回の事故でも、3号機でプールが損傷した疑いがあります。これからも、この危険が残り続けるのです。
昨年8月、佐藤雄平・現福島県知事はプルサーマルの受け入れを表明し、30日には県議会もこの判断を尊重するとの見解をまとめました。このニュースは県内でも大きく報じられましたが、その直後、まるで見計らったかのように、六ケ所村の再処理工場が2年間という長期にわたる18回目の完成延期を表明したことは、どれだけ知られているでしょうか。
福島第一原発の事故で、首都圏は計画停電を強いられる事態となっています。石原慎太郎・東京都知事は00年4月、日本原子力産業会議の年次大会で、「東京湾に原発をつくってもらっても構わない」と発言しましたが、この事態を見ても、同じことを言うのでしょうか。
私は06年に県発注のダム工事をめぐり、収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。控訴審では「収賄額はゼロ」という不思議な判決が出され、現在も冤罪を訴えて闘っている最中です。その経験から言うと、特捜部と原子力村の人々は非常に似ています。特捜部は、自らのつくった事件の構図をメディアにリークすることで、私が犯罪者であるという印象を世の中に与え続けました。
今回の事故も重要な情報を隠蔽、管理することで国民を欺いてきたと言えるでしょう。今こそ国の責任をただすべきときです。 (構成 本誌・大貫聡子)
さとう・えいさく 1939年、福島県郡山市生まれ。東京大学法学部卒業後、88年に福島県知事に初当選。06年、収賄容疑で東京地検特捜部に逮捕された。09年、一審に続き、控訴審でも懲役2年(執行猶予4年)の有罪判決が出されたが、「収賄額はゼロ」と認定され、実質上の無罪判決となった。現在、上告中。著書に『知事抹殺』(平凡社)がある
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「福島原発は欠陥工事だらけ」
担当施工管理者が仰天告白
週刊朝日2002年9月20日号配信
資源エネルギー庁の原発推進PR費だけで、年間70億円もの税金が使われている。一方で次から次へと明るみに出る東京電力の損傷隠しに、「もっと大きなものを隠しているのではないか」という声さえも漏れるほどだ。福島原発で実際に建設に取り組んだ元技術者たちが、驚くべき現場のずさんな実態を本誌に語った。(編集部注:本誌2002年9月20日に掲載。年齢、肩書き等は当時のものです。ご注意ください)
福島第一、第二、柏崎刈羽原子力発電所で起きた東京電力の損傷隠しは、日本の原発への信頼性を大きく揺さぶった。東電のうそつき体質が明らかになり、チェックもできず判で押したように「安全宣言」を出してしまう経済産業省の原子力安全・保安院の無能さが世間に知れ渡ってしまったのだ。
だが、原発にまつわる「不正」「ずさんさ」はじつは、これだけにとどまらない。
鹿児島大学非常勤講師の菊地洋一さん(61)は、厳しい口調でこう語るのだ。
「国はすぐに『安全だ。安全だ』と言うが、原子炉メーカーや現場の実態も知らずに、複雑で巨大なシステムの原発を簡単に安全などとは言ってほしくない。保安院も東電も原発の基本的な仕組みしかわからないから、原発推進の御用学者たちの言うことに振り回されているのだろう。だが、今回のシュラウドのひび割れだって大変なことで、地震が起きたらどうするのか、そういう危機感を持たない保安院や東電の意識は非常におかしい。すべてが現場を知らない机上の空論で成り立っている。そもそも、『安全』と言う前提には、建設工事のときから完璧な材料を使って、かつ完璧な施工がされたというのが絶対条件だろうが、建設現場ではそれはあり得ないこと。現場は試行錯誤の中で手探りで仕事をしているんです」
じつは、菊地さんは今回問題になっているGEIIの前身のGETSCOの元技術者で、東海第二(78年運転開始)と福島第一の6号機(同79年)の心臓部分である第一格納容器内の建設に深くかかわっている。GETSCOは沸騰水型炉を開発したGEの子会社で、GEがこの二つの原子炉を受注したのだ。
菊地さんの当時の立場は企画工程管理者といい、すべての工事の流れを把握して工程のスケジュールを作成する電力会社と下請けとの調整役だったという。現場では、自分の作業内容しか知り得ない技術者がほとんどだが、第一格納容器の隅々までをつぶさに知る数少ない人物の一人だ。
「建設中に工事の不具合はいくらでも出てくる。数えたらキリがない。当然のことですが、ちゃんと直すものもあります。でも信じられないことでしょうが、工期や工事費の都合で、メーカーや電力会社が判断して直さないこともあるんです。私が経験した中では、福島第一の6号機に今も心配なことがある。じつは、第一格納容器内のほとんどの配管が欠陥なのです。配管破断は重大な事故に結びつく可能性があるだけに、とても心配ですが......」
ほとんどの配管が欠陥とは、穏やかな話ではないが、どういうことなのだろうか。
主要な配管の溶接部分についてはガンマ線検査があるため、溶接部分近くに穴があいており、検査が終わると、外からその穴にガンマプラグという栓をはめていくのだそうだ。ところが6号機の第一格納容器内では、プラグの先が配管の内側へ飛び出してしまっている。仕様書では「誤差プラスマイナス0ミリ」となっているのに、最大で18ミリというものまであった。
原因は、度重なる設計変更だ。当初の計画では肉厚の配管を使う予定が、いつのまにか薄い配管になってしまっていたのだった。
担当外だった菊地さんが気づいてすぐに担当部署に相談したが、最終的には配管工事を請け負った業者の判断に一任され、結局、直されることはなかった。
菊地さんが続ける。
「確かに配管を直したら、プラグの発注から始まり検査や通産省立ち会いの耐圧試験も含め、半年や1年は工事が延びたと思う。工事が1日延びれば、東電側に1億円の罰金を支払わなければならないというきまりもあった。GE側は業者の判断によっては違約金の支払いも覚悟していたが、最終的には業者側の直さないという判断を尊重した形になった。でもこの配管を放置しておけば、流れる流体がプラグの突起物のためにスムーズに流れなくなり乱流が生じ、配管の一部が徐々に削られていき、将来に破断する可能性だってある。それが原因で、何十年後かにドカンといくかもしれないのです」
今回の損傷隠しで、6号機はジェットポンプの配管のひび割れが未修理のまま運転されていることが明らかになっている。このずさんな工事と関係があるのだろうか。
◆大型のジャッキで圧力容器を矯正◆
菊地さんは、6号機を東電に引き渡した後、退社したが、その後も第一格納容器内の配管が破断し、暴走する夢を見たという。
実際、86年には米バージニア州のサリー原発で、直径45センチの配管が破断する事故が起きた。それまで「配管の破断前には水漏れ状態が続くため、完全破断する前に対策をとれる」ということが「定説」になっていたが、サリー原発では瞬間的に真っ二つに断ち切れる「ギロチン破断」と呼ばれる状態になった。定説を覆す、予期できないことが原発には起きるのだ。
福島第二原発の3号機のポンプ事故(89年)後、菊地さんは、6号機の配管も、「全部めちゃくちゃだから直すように」と東電本社に直訴した。東電からは一部主要な配管は替えたものの「ほかはちゃんと見ているから、安全です」という答えが返ってきたという。
「東電はこの配管の問題性をちゃんと認識しているのか。通産省(当時)に報告しているのか。報告しているのなら、通産省がどんな調査をし、どう判断したのか。そのうえで東電は安全だと言っているのか、はなはだ疑問だ」(菊地さん)
では工事をチェックする立場の国は、何をしていたのだろうか。菊地さんがこう説明する。
「まったくあてになりませんね。通産省の検査のときに、養蚕が専門の農水省出身の検査官が来たという話も聞いたことがあるほどです。現場では国の検査に間に合わなくて、ダミー部品をつけておいて、検査が終わってから、正規の部品に取り換えるということもやった。もちろん、検査官は気がつきませんよ」
こんなこともあった。
東海第二の試運転を前に国の検査があった。だがその前日、電気系統がトラブルを起こし、使えなくなってしまったという。試験当日は国の検査官を前に、作業員が機械の前で手旗信号で合図し、電気が通って機械が作動しているように見せかけた。それでもしっかりと「合格」をいただいたというのだ。まるでマンガのような話だ。本当に、おかしなことを挙げていけばキリがないようだ。
「いかに国の検査が形式的でいい加減なものかということがわかるでしょう。何よりも問題なのは、いい加減な検査を受けた原発が、いま現在も動いていて、国が安全だとお墨付きを与えているということなのです」
菊地さんは次々に起きた浜岡原発の事故や今回の損傷隠しを契機に50ccバイクで全国をまわり、自らの体験を生かし反原発を訴えていくことを計画しているという。
今回の損傷隠しのきっかけは、2年前のGEIIの元技師による内部告発だった。原発に関する内部告発は、じつは14年前にもあった。
現在、科学ジャーナリストの田中三彦さん(59)がメーカーの不正な工事過程を告発したのだ。
内容は、田中さんが日立製作所の関連会社のバブコック日立の設計技師だった74年に起こった出来事だった。
同社は日立製作所が受注した福島第一原発4号機(78年運転開始)の原子炉圧力容器を製造していたが、製造の最終過程でトラブルが起こった。高さ約21メートル、直径約6メートルの円筒形で厚さ約14センチの合金鋼製の圧力容器の断面が、真円にならず、基準を超えてゆがんだ形になってしまったというのだ。
これも冗談のような話なのだが、容器内部に3本の大型ジャッキを入れ、610度の炉の中に3時間入れてゆがみを直したというのだ。田中さんは当時、原子力設計部門から別部門に異動していたが、急遽呼び戻され、どれだけの時間をかけて、何度の熱処理をすべきか解析作業を担当させられた。作業は国にも東電側にも秘密裏で行われ、ゆがみを直した後、東電に納入されたのだという。
◆国と業界一体で「安全」ゴリ押し◆
田中さんはその後退職し、88年に都内で開かれた原発シンポジウムで、
「ジャッキで無理に形を整えた圧力容器が実際に運転しており安全性を心配している」
と"告発"したのだ。
田中さんが懸念したのは、ジャッキで力を加えた熱処理による材料の性質の変化などで、それによる原子炉の安全性の問題だった。
しかし、告発からわずか数日後、東電と日立製作所、そして通産省までもが、
「問題ない処置だった」
と口をそろえ、またもや得意の"安全宣言"を出した。
田中さんはこの経過を90年に出版した『原発はなぜ危険か―元設計技師の証言―』(岩波新書)に詳細にまとめている。田中さんはこう話す。
「ゆがみの矯正は明らかに違法行為であり、日立側は私との話し合いで、最後まで当時の生データも出さなかった。また告発後、通産省も東電も日立から事情聴取することもなく、すぐに安全宣言を出した。今回の東電の損傷隠しでもこれが繰り返されている」
なぜ、こうも国はちゃんと調べずに安全宣言を出してしまうのか。そして何よりも恐ろしいのは、この福島第一原発4号機も、その後も十分な検証が行われないまま、今も稼働しているということだ。
「根本的な問題は、電力業界の体質そのものです。彼らには罪の意識はまったくなく、逆に合理的な判断の上に成り立っていると思っている。それは給電の計画変更などのコストの問題、同じ構造の原子炉を持つほかの電力会社への影響など、結局は電力会社サイドの勝手な都合で決められている。国も『あうんの呼吸』でそれを見守ってきた。国も電力会社も原発が壊れるまで『安全だ』と言うのでしょう。いつかはわからないが、大事故は必ず起きる。早急に脱原発の方向に切り替えるべきだが、その前に、せめて国の技術的なレベルを上げ、原発に対する管理能力をきちんとすべきです」(田中さん)
最近、70年代半ばに通産省の検査官が逆に東電に損傷隠しを指示した疑惑も報道されている。まさに「あうんの呼吸」を持つ官業もたれ合いの原子力行政そのものであり、「原発は安全だ」と喧伝する中で、官業一体となって「損傷隠し」までしてきてしまったというわけだ。
いずれにしろ、欠陥だらけの原発が稼働し続けているという、この恐ろしい状態を脱するには、保安院でも東電でもない第三者機関にきちんと調べてもらうしかない。 (本誌取材班)
2011/03/31(木) 14:18:26 |
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ここに挙げられているのは、最小限のものである。
セシウムが降り注いで水道水を赤ちゃんのミルクに使えなくなり、その上、ペットボトルの水も、宮崎駿監督が、
「風評被害や乳幼児への水の問題には配慮しなければいけない。だけど、僕と同じ年齢の人たちが行列を作って水を買うのはもってほか。人民の愚かさもマスコミは糾弾してほしい」
と批判するような事情で買えなくなり、悶え苦しんだ若い母親が受けた多大な被害などは参入されていない。
原発がそもそも経済的合理性を欠いていることは、多くの人が指摘してきたところである。エコロジーでもエコノミーでもない。そんなものをエコロジーでエコノミーとほざく原子力安全経済環境欺瞞言語を振り回してきた連中の罪は重い。
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補償額は数兆円規模に…東電、巨額の費用負担
東京電力が福島第一原発の1~4号機の廃炉を決断した。
今後、東電は廃炉にかかる巨額の費用を負担しながら、原発周辺の住民への損害賠償にも対応しなくてはならない。さらに、社債の償還や火力発電所の増設費用なども東電に資金負担が重くのしかかる。被災者への賠償を確実に行うために政府は東電の経営を支え続けざるを得ない。賠償額の規模次第では、国有化を視野に入れた再建策を検討せざるを得ないとの見方も浮上している。
◆膨らむ額
東電は廃炉を決めたが、必要な資金は巨額だ。中部電力は浜岡原発1、2号機の廃炉を決めているが、1基あたり約1000億円の費用を見込んでいる。これをそのまま当てはめれば、福島第一の廃炉費は4000億円だが、浜岡原発は普通に稼働しており、「福島第一は事故で、放射性物質も外部に漏れており、廃炉にかかる費用はさらに膨らむ」(大手アナリスト)との見方がある。
5000億円を超える損失になる可能性もあり、過去に積んでいる引当金を超えることは確実だ。
◆緊急融資
さらに、原発が稼働できない分、火力発電所を再稼働させるなどの対策費も必要になる。発電のための燃料として、石油や液化天然ガス(LNG)を調達する必要があり、年間4000億円から1兆円程度のコスト増になるとの見方もある。また、2011年度だけで、社債の償還や借入金の返済などで7000億円規模の費用も必要だ。
東電の10年12月末の手持ち資金は4320億円。3メガバンクを含む大手銀行7行が31日までに1兆8500億円の緊急融資を行うため、当面の資金繰りには問題はない。今後について、勝俣恒久会長は「政府と協議しながら資金不足に陥らないように努力する」と述べている。
財務面をみても、東電の単体ベース(10年3月期)の自己資本比率は17・1%と国内電力10社平均(22・3%)を下回っている。財務体質の悪化を食い止めるため、資産売却などを進める必要が出てきそうだ。勝俣会長も「民間企業として最大限のコストダウン、スリム化を図っていく」と大規模リストラを行う方針だ。
◆原子力賠償法
最大の懸念材料は賠償金の負担額だ。1999年9月に茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」で起きた臨界事故では、住民の健康被害や出荷できなくなった農産物の補償などにJCOが約150億円を支払った。
JCOでは避難対象が半径350メートルだったが、福島第一原発では半径20キロ・メートルと桁外れに広い範囲に避難指示が出ている。放射性物質による農作物への風評被害も補償対象となる見通しだ。計画停電についても補償を求める声が出る可能性もあり、「補償額は数兆円規模になるのでは」(経済官庁幹部)との見方もある。
原子力損害賠償法では、事故時には国が原子力発電事業所1か所あたり最大1200億円を支出すると定めているほか、「社会的動乱や異常に巨大な天災地変の場合」に、国が補償するとの規定がある。枝野官房長官は25日午後の記者会見で「安易な免責はあり得ない」と述べている。想定を超える巨大地震と津波による原発事故とはいえ、事故処理の不手際を指摘する声もあり、東電に全面的な免責が認められない可能性もある。(経済部 愛敬珠樹、豊田千秋)
(2011年3月31日11時13分 読売新聞)
2011/03/31(木) 11:26:10 |
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人災であることが、ますます明らかとなっている。テレビに出ている御用学者どもは、何らの反省もしていないが、技術者にはもっとマトモな人が多少はいるようである。彼らの言葉を真剣に受け止めることが、正常な思考のための第一歩である。
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設計に弱さ GE元技術者が指摘
【ロサンゼルス吉富裕倫】東京電力福島第1原発と同型の原子炉を設計した米ゼネラル・エレクトリック(GE)社の元技術者、デール・ブライデンバーさん(79)が毎日新聞の取材に応じ、原子炉格納容器について「設計に特有の脆弱(ぜいじゃく)さがあった」と指摘し、開発後に社内で強度を巡る議論があったことを明らかにした。
東電によると、福島第1原発はGEが60年代に開発した「マーク1」と呼ばれる沸騰水型軽水炉を6基中5基使っている。
◇議論封印「売れなくなる」
GEでマーク1の安全性を再評価する責任者だったブライデンバーさんは75年ごろ、炉内から冷却水が失われると圧力に耐えられる設計ではないことを知り、操業中の同型炉を停止させる是非の議論を始めた。
当時、マーク1は米国で16基、福島第1原発を含め約10基が米国外で稼働中。上司は「(電力会社に)操業を続けさせなければGEの原子炉は売れなくなる」と議論を封印。ブライデンバーさんは76年、約24年間勤めたGEを退職した。
ブライデンバーさんは退職直後、原子炉格納容器の上部が小さく、下部と結合する構造が脆弱で万一の事故の際には危険であることを米議会で証言。マーク1の設計上の問題は、米原子力規制委員会の専門家も指摘し、GEは弁を取り付けて原子炉内の減圧を可能にし、格納容器を下から支える構造物の強度も改善。GEによると、福島第1原発にも反映された。
しかし福島第1原発の原子炉損傷の可能性が伝えられる今、ブライデンバーさんは「補強しても基本設計は同じ。水素爆発などで生じた力に耐えられる強度がなかった」とみる。また「東京電力が違法に安全を見落としたのではない」としながらも、「電気設備の一部を原子炉格納容器の地下に置くなど、複数の重大なミスも重なった」と分析した。
ブライデンバーさんはGE退職後、カリフォルニア州政府に安全対策について助言する原発コンサルタントとして約20年間働き、現在は引退している。
毎日新聞 2011年3月30日 10時49分(最終更新 3月30日 12時32分)
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2011年3月23日 中日朝刊
東日本大震災で世界有数の事故を起こした東京電力福島第1原発(福島県双葉町、大熊町)。その設計などを担当した東芝の元社員2人が本紙の取材に応じ、「設計時は、これほどの大津波は想定しなかった」と証言した。東電が想定していた津波は最高5・5メートル。実際には14メートルを上回る大津波が押し寄せており、2人は設計に甘さがあったと口をそろえた。
元社員の男性(69)は大学で機械工学を学び1967年、東芝入社。商業用の沸騰水型軽水炉の建設が始まろうとしていた時期。71年から順次稼働した福島第1原発1~3号機と、5~6号機の設計に参加。原子炉周りの残留熱を除く熱交換器や海水ポンプなどを設計した。
今回、津波が非常用ディーゼル発電機などの故障を引き起こし、原子炉の冷却機能がマヒしたことに衝撃を受けた。「当時は『マグニチュード(M)8・0以上の地震は起きない』といわれ、(10メートルを超えるような)大津波は設計条件に与えられていなかった」
東電は土木学会の津波評価に基づいて、福島第1原発を襲う津波を最高5・5メートルと想定していた。国の耐震指針に基づく評価に合格している。
当時の設計の甘さについて、福島第1原発が日本で初期の施設だったことを挙げる。「当時の日本で原発は未経験分野。1、2号機を受注した東芝も担当したのは部品設計。プラント全体の設計は米ゼネラル・エレクトリック社(GE)が受注していた」と明かす。
GEの設計には、地震多発国特有の条件が十分に反映されていなかった。「日本のメーカーは原発設計の経験がなく、改善することもできなかった」
3号機からはGEに頼らない「原発の国産化」が目標に。東芝と日立が受注するが、実態はGEとライセンス契約を結び、規格を踏襲。「電力会社から『3号機以降も慎重に同じものをつくれ』と言われていた」と振り返る。
「女川や柏崎刈羽などの原発でも非常用発電などは同じ弱点がある」と指摘する。
事故後、男性は原子力発電所を抱える全事業所の社長に宛て「稼働中の原発を止めてほしい」とファクスを送った。「原発は人間が扱いきれるものではない。一人でも多くの人が気づいてほしい」
福島原発のタービンの安全性を検証する作業にかかわった元東芝社員の男性(63)も「今回のような大津波やM9は当時は想像もできなかった」と振り返った。
70~80年代に東芝に勤務。事故や地震で原発のタービンが壊れて飛び、原子炉を直撃する事故などによる安全性を検証した。M9の地震や、航空機が落ちて原子炉を直撃する可能性も想定した。すると上司から「原発が数10年しか稼働しないのに1000年に一度とか1万年に一度とか、そんな想定をしてどうする」と一笑に付された。
今回、原子炉は地震の揺れそのものには耐えたが、津波で非常用電源や冷却機能がダウンした。「もしM9でも原発が大丈夫だったとなれば日本の技術は称賛されていた。非難とは紙一重だった」と話す。
国も東電も「原発は安全」と強調してきたが、絶対に安全なんてことはないと感じていた。「どんなことが起こる可能性があるのか情報を徹底公開し、原発が本当にいるのかどうかを国民みんなで考えるべきだ」
2011/03/31(木) 01:25:14 |
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やはり、圧力容器は損傷していた。当たり前である。あれだけ爆発したのだし、あれだけ、炉心の露出が続いているのだから、そうならない方がおかしい。普通に考えればそうなのに、なぜ、東電も政府も、「圧力容器の健全性は保たれている」という幻想を抱き続けたのだろうか。
これまた日本軍とそっくりである。たとえば1945年の夏、「満洲国」の国境を守る関東軍は、「ソ連軍は当分、侵入してこない」という観測に固執していた。ところが、シベリア鉄道を国境から見ていた観測者は、多数の貨物車が西から東へと向かっていることを報告していた。それは、ドイツを降服させたソ連軍が、ソ満国境に続々と送られてきたからであった。関東軍はしかし、日ソ不可侵条約をソ連が遵守するという極めてありそうにもない想定をおいていた。なぜかというと、夏に攻めて来られたのでは、自分の防衛準備が整わないからであった。こういう希望的観測に固執して正常な判断力を失うことが、日本軍には多々あった。
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福島原発1~3号機「圧力容器に損傷」 原子力安全委
2011/3/30 22:33 日経新聞
原子力安全委員会は30日午後の記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所の1~3号機について「圧力容器が損傷しているのは事実だろう」との見解を示した。1~3号機は原子炉に真水を注入するが、不安定な状態が続いている。タービン建屋などにたまった高い濃度の放射性物質を含む汚染水の排水作業も難航している。
圧力容器は核燃料を入れた原子炉の中心部分で、高圧に耐えるため厚い鋼鉄でできている。安全委の代谷誠治委員は「圧力容器と格納容器の圧力差が小さく、圧力容器が健全に保たれているとは思えない」と説明。具体的な損傷箇所は言及しなかったが、何らかの損傷があることを示唆した。
圧力容器は簡単にひびが入ったり、割れたりすることはないとされている。ただ燃料棒の真下の部分には核反応を抑える制御棒を出し入れするための穴があり、溶接部は弱い。経済産業省原子力安全・保安院は30日の会見で「制御棒の部分が温度や圧力の変化で弱くなり、圧力容器から(水などが)漏れていることも考えられる」との見解を示した。
圧力容器自体が損傷すれば、冷却のための水を入れても水位が上がらず十分に燃料を冷やしきれないうえ、タービン建屋地下の汚染水を取り除いて、本来の冷却装置を動かすことができても、十分に冷却水が循環しない恐れもある。
福島第1原発では原子炉の温度が高い状態が続く。1号機の圧力容器の温度は30日午後2時にセ氏270度。水の注入量を増やした結果、29日より同約52度下がったものの、設計の上限(同302度)に近く依然として高い。2号機も30日午前6時で同170度と前日に比べて17度上昇した。
熱交換器など本格的な冷却装置の稼働に向けた作業を急ぐが、1~3号機とも冷却装置を動かすポンプがあるタービン建屋や屋外の坑道(トレンチ)には汚染水がある。抜き出す作業を一部で始めたものの、思うように進んでいない。
2011/03/30(水) 22:48:59 |
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ワハハハハハハハハハハハハハハハハハ
あ~あ。
笑わせてくれる。
どうしてこの期に及んで、都合よく「震度6強」とか、「想定内」の地震が来ると思うんだ!!
福島でさえ、電源以外に、パイプやらなにやら、津波でもっていかれたのだから、
訓練くらい、その水準を想定してくれないと、やってるフリにもならない。
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「津波で電源切断」想定、浜岡原発で大規模訓練
福島原発
大地震と津波による浜岡原発3号機の被害を想定し、訓練を行う中部電力社員(29日午後)
中部電力は29日、静岡県の浜岡原子力発電所で津波による被害を想定した大規模な緊急時対応訓練を実施した。
協力会社を含めて約140人が参加し、東京電力福島第一原子力発電所で深刻な事態が続いているなか、緊迫した面持ちで万一に備えた。
訓練は「浜岡原発が震度6強の強い揺れと津波で、すべての電源が奪われた」との想定。今回の東日本巨大地震後に配置した発電機車へのケーブル接続、非常用ディーゼル発電機用燃料の移送、海水系ポンプ電動機の復旧訓練などが行われたほか、原子炉を冷却するため消防車を利用した代替注水訓練も実施された。3号機のシミュレーター室では、計器類の確認や非常時の対応訓練も行われた。
御前崎市の石原茂雄市長や同市議らも訓練を視察。石原市長は「福島の事態に市民は不安な気持ちを持っている。これでもかというところまで対策を取らないと市民は納得しない。放射能漏れを想定した訓練の必要もある」と話した。
地元4市でつくる浜岡原発安全等対策協議会(4市対協)の開催については、「話はあるが、中電とだけの4市対協では現状がわからない。国に来てもらったうえで開きたい」と語った。
(2011年3月30日06時53分 読売新聞)
2011/03/30(水) 12:53:19 |
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清水社長は、良心がまだ残っているタイプの凡人だったようだ。
歴代社長のような東大出ではなく慶応出身なので、脳みそのブチキレ具合が足りないのかもしれない。しかし、一体、誰がこの貧乏くじを引くというのだ。
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東電の清水社長、入院 極度のめまい訴え
2011年3月30日12時30分 朝日新聞
東京電力は30日、原発事故の陣頭指揮をとっていた清水正孝社長が、29日夜、極度のめまいを訴えたため入院したと発表した。清水社長は震災後、体調不良を訴えて、陣頭指揮から一時、離れていた。
2011/03/30(水) 12:45:30 |
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医者:ではCTスキャンを念のためにとりましょう。
患者:CTスキャンって、沢山の放射線を浴びるんじゃないんですか。
医者:テレビの見過ぎですよ。大丈夫です。
患者:本当に健康に悪影響はないんですか。
医者:はい。
患者:どうして放射能なのに、影響がないですか。
医者:だって浴びるのはあなたで、私じゃありませんから。
東電:この程度では健康に影響はありません。
被曝者:本当にはないんですか。放射線って遺伝子を傷つけるんでしょう?
東電:大丈夫です。
被曝者:どうして大丈夫なんですか。
東電:だって影響があるとしても、何年も何十年も先ですから。
被曝者:だったら影響があるじゃないですか。
東電:ハハハ。それまでにはウチはもう潰れてますから、関係ありませんので、大丈夫です。
2011/03/30(水) 11:48:59 |
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もうやめたいのに、やめられん。
このままでは、肩こりで倒れてしまう。
どうやら1号機は相当まずいようだ。燃料棒がむき出しになっているなら、圧力容器も早晩、やられるだろう。2号機の圧力容器の底にたまっている燃料棒は、放っておくと熱くなって再臨界するか、あるいは圧力容器を溶かしてしまう。
なんとか冷却が継続できるように祈るしかない。
その間に、もっと強力な冷却方法を構築する以外、逃げ道はないだろう。
それはとても大変なことだが、全世界の力を合わせれば、可能かもしれない。
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福島原発、専門家ら「3つの懸念」 燃料棒激しく損傷
2011/3/30 6:21 日経新聞
東京電力が福島第1原子力発電所で1号機の炉心冷却を急ぐのは、燃料棒の損傷がもっとも激しいとみられるからだ。炉内の冷却水が減って燃料棒のかなりの部分が露出、一部溶けている可能性があるとの見方が多い。2号機も1号機に次いで不安定な状態が続く。水を入れると圧力容器内の圧力が上昇して危険なだけでなく汚染水が増える恐れもあり、注入量は慎重な調節が必要だ。
■1号機「空だきに近い状態」
1号機は地震後、燃料棒の露出が最初に起こったとみられている。水の注入により水位はある程度回復したが、燃料棒の露出時間が長かったため損傷の割合が最も高いと考えられている。
原子炉内の通常運転時の温度は約285度だが22日ごろから上昇し一時は400度に達した。水の注入増により200度まで下がったが29日午前2時には再び329度まで上昇した。東電は28日夜から注入量を2割前後増やし、29日午後には300度を下回った。
東電のデータでは1号機の燃料棒は約4メートルの長さの約4割にあたる160~165センチ、水面から出ている。ただ精度には疑問も出ている。高橋実・東京工業大准教授は1号機の燃料棒は「大部分が露出して空だきに近い状態になっている可能性が高い」と指摘する。
「炉内が4~5気圧の状態で水蒸気の温度がこれほど高くなることは普通はない」といい、燃料棒がほとんど冷えていないとみる。「津波で電源が喪失したとき、最初に動いた非常用システムでの冷却がうまくいかなかったのではないか」と原因を推測する。
半面、1号機では圧力データなどから見て、圧力容器自体は比較的健全に保たれているとみられる。このため、放射性物質の外への漏れは今のところ少ないようだ。
■2号機、圧力容器もなお不安定
*は計器が一部故障、または故障の可能性。▲はマイナス
1号機に次いで損傷の度合いが大きいとみられるのは2号機。二ノ方壽・東京工業大学原子炉工学研究所教授は「燃料棒は半分以上溶けている可能性も否定できない」と指摘。「溶けた燃料は水で冷やされて固化し、圧力容器の底にたまっている」と推測する。底の弱い部分、制御棒を出し入れするパイプなどから格納容器へと抜け周囲への高濃度の汚染につながっているもようだ。29日夕には圧力容器内の温度は約200度まで上がるなど不安定な状態が続く。
1、2号機に比べて3号機の燃料の損傷度合いは低いとみられる。炉内の温度なども安定している。ただタービン建屋のたまり水表面の放射線量は毎時750ミリシーベルトと、2号機タービン建屋に次いで高い。容器の部分的な損傷なども想定される。
■3号機含め汚染水除去は難航
東京電力は福島第1原子力発電所の原子炉を冷やすための注水と並行して、タービン建屋地下にたまった放射性物質を多量に含む水の除去を急いでいる。汚染水を抜かないとポンプや配線に作業員が近づけず本格的な冷却機能を回復できない。
汚染水の排水は24日に1号機で着手した。汚染水をタービン建屋内にある、原子炉から送られてくる水蒸気を冷やして水にする復水器に移す作業をしている。3台のポンプを使うが、くみ上げられる水の量は毎時約20トンどまりだ。
1号機の復水器の容量は1600トンで、まだ余裕がある。たまった汚染水が「減ったようだ」と指摘する作業員もいるというが、正確な量は把握できず、いつ作業が完了するかはっきりしない。
2、3号機の復水器の容量は3000トンあるが、いずれも満杯。復水器に汚染水を入れるには、既に入っている水を別の場所に移さなければならない。こうした「玉突き作業」が3号機で28日に始まり、29日夕には2号機でも開始した。
原子力安全委員会の代谷誠治委員は29日夜の記者会見で、「汚染水を人工池や使わなくなったタンカーで処理したり、米軍の力を借りたりすることもありうる」と述べた。貯蔵設備を作る際は汚染水が漏れないよう「しっかり対策すべきだ」とした。東電は「事業者としては現時点では(汚染水を)外に出すつもりはない」としている。
経済産業省の原子力安全・保安院は29日、福島第1原発から16キロ南方の岩沢海岸で採取した海水中に含まれる放射性物質のヨウ素131の濃度を発表。28日午前8時45分に採取した水では国の基準値の58.8倍の濃度で、前日の7.3倍から上がっていた。
27日には同原発の北側の海水からも高濃度のヨウ素131が検出されている。保安院は「沖合では北から南に海流が流れており拡散している」と分析している。
2011/03/30(水) 11:05:37 |
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さきほどの産経新聞に出ていた医者どもの発言 だが、どれも凄い。発狂しそうになってきた。
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▼4分の1程度
会場の参加者「被災者から『乳児に母乳を飲ませているが、放射性物質が母乳に蓄積されないか』と相談を受ける。『母乳が不安ならミルクに変えなさい』という報道もある」
菊地透氏「母乳を与えるべきでないというニュアンスなら、それはウソ。母乳はすばらしいもの。お母さんが放射性物質を取り込んだとしても、お母さんの体がフィルターになっているので、母乳の放射性物質のレベルは下がる。それに、そもそもお母さんの体に取り込まれる放射性物質自体も少ない」
大野和子氏「(放射性物質の母体からの)母乳への移行率は、4分の1程度といわれる」
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赤ちゃんの放射線への反応が、母親よりも数十倍高いことを考えると、4分の1も母乳に移行するなら、母親よりも遥かに高いダメージを受けることになる。なぜそれで安心できるというのか?
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参加者「福島県の牛から放射性物質の基準を超えた生乳が出たということだが、福島県に住むお母さんも同じ空気を吸っている」
清哲朗氏「放射性ヨウ素は分子量が大きく、重いので地面に落ちるのではないかと思う。空気中にいつまでも漂っているという考え方には賛同しかねる」
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放射性ヨウ素の浮遊⇒雨で地面に落ちる⇒服や靴などにつく⇒家に入る⇒口に入る
放射性ヨウ素の浮遊⇒雨で地面に落ちる⇒乾燥して地面の近くに舞い上がって吸い込む
という風になっていて、いつまでも空気中に<漂っていない>から怖いのだと私は理解している。
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▼洗濯物も平気
参加者「私は助産師で、普段から育児製品を煮沸して消毒するよう勧めている。煮沸は安全か」
菊地氏「放射性物質は煮て濃縮されるということはない。水中にあるものだから、熱すると気化するだけ。今までやっている通りやってもらえばいい」
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煮沸したって放射性物質は変化しないから怖いのでは?
煮沸したら、放射性物質は洗うよりもよく落ちるから、安全性が高まる、という風に返事しないといけない。しかし気化して部屋の中の空気中に出てくると、それはそれでかなり怖い。
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大野氏「放射性物質は水に溶けているわけではなく、混交しているだけ。濃縮されていくということはない」
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生物はたとえば骨や甲状腺に放射性のヨウ素やセシウムを集めてしまう。これは「濃縮」では?
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参加者「行政機関や研究機関などで、発表される(放射性物質などの)数値が異なったり、後から修正されたりする。何とかならないか」
菊地氏「そのために今回のような講演会をしている。専門家集団が共通の認識を持って動くようにすべきだ」
清氏「そして、私たち専門家団体がそれを周知していくことが重要だ」
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専門家だけが同じ見解で情報をコントロールする、できる、すべきだ、という考えは、非常に傲慢な態度だ。
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▼汚染といえるか
司会・中村仁信氏「原発の近くまで行って正確な報道をしたいというマスコミや、もっと近くまで行って被災者を助けたいというボランティアもいる。私は被曝の基準値1ミリシーベルトは低すぎるのではないかと考えている」
丹羽太貫氏「『汚染』という言い方も気になる。コンタミネーション(汚染、汚染物質)というと捨てるものというイメージで、われわれはすぐにレッテルを貼ってしまう。同じように、このレベル(の放射性物質の濃度)で、福島県の人を『被曝者』というとおかしくなる。それをいうなら、『日本国民が被曝者』『世界中が被曝者』といわなければならない。『汚染』『被曝者』という言葉は軽々しく使ってもらいたくない」
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まさにそうだ。世界中が「汚染」されており、全人類が「被曝者」だから問題なのだ。だから、「汚染」「被曝」といわねばならない。
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参加者「しかし、自然界には存在しない(人工的な)放射性物質が出ているのだから、『汚染』と言わざるを得ないのではないか」
丹羽氏「『汚染』という言葉は強すぎる」
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出た!!!
得意の言い換え!!!
汚染を何と言い換えるつもりなのか?
2011/03/30(水) 09:47:55 |
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生体内における化学反応は、精妙に構成され、0.5~2.0電子ボルトというオーダーで運営され、電子の移動距離も数オングストローム(1/100,000,000cm)という距離にとどまっている。我々の身体は「神殿」なのである。
それに対して放射線は、その十倍あるいは百万倍、数十~数十万電子ポルトというエネルギーを持ち、電子はミリメートル、センチメートル、メートルというオーダーで移動する。
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「この電子は、原子の大きさよりはるかに大きな距離を跳梁し、いかなる結合をも切断する能力をもっている。生化学系では、化合物の特別な空間的配置によって、反応が微妙にコントロールされている場合が多い。高速電子はこの微妙な空間的配置におかまいなく、どこででも何でも破壊してしまう。」(ゴフマン『人間と放射線』40頁。)
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放射性物質を一分子でも体内に取り込んでしまえば、身体の中にこの乱暴者を抱え込むことになる。これが「正確な知識」というものだ。これまでの核実験やチェルノブイリのために、私たちの身体には既に、かなりの人工放射性物質が取り込まれており、神殿は乱されている。今回の事故は、我々の至近距離で生じた、神殿への冒涜なのである。それをなぜ平気でいられるのか。
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また現在、1ミリシーベルトとされている年間被曝限度量についても「100ミリシーベルト以下では、健康に影響はないというのがICRPの公式的な見解だ」として、見直しを議論すべきだという見解を示した。
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と言っているが、
http://ameblo.jp/anmintei/entry-10832471175.html で論じたように、これはとんでもない嘘である。日本放射線技術学会の関係法令等検討小委員会の出した報告から再度、引用しておく。
==========
低線量放射線におけるヒトの健康影響においては,確定的影響は起きない.低線量被曝において起こる可能性は,確率的影響である.発癌など確率的影響は,環境影響との複合影響と考えられ,線量と線量率が低くなるほど,発癌の誘発リスクは小さくなる.しかし,低線量における発癌リスク評価の基礎となっている日本の原爆生存者に対する疫学調査からは,低LET放射線に関して約50~100mGy以下での過剰リスクの有無を証明することは期待できない.
一方,分子遺伝学から疫学研究を補足すると,ヒトおよび実験動物の発癌の機序は細胞核染色体中のDNAが標的であることが証拠付けられている.照射を受けた細胞にはDNA損傷を修復する能力があり,変異や発癌リスクが軽減されることを示す証拠は数多く発表されている.
しかしながら,放射線照射によるDNA損傷は複雑であり,損傷を正確に修復することは非常に難し
い.これらの結果をまとめると,細胞中のDNA損傷修復作用は放射線による発癌リスクを相当に軽減するという説は大いに考えられるが,現在までの知識では低線量における発癌リスクは,その修復機能によってすべて消失すると考えるまでには至っていない.
結論としてICRPは,確率的影響のしきい線量は存在しないとする仮説を支持し,低線量・低線量率の被曝においても,放射線防護上の確率的影響は線量とともに増加すると考えている.
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つまり、ICRPは、1ミリシーベルトどころか、どんなに少ない放射線でも影響がある、という仮説を支持してるのである。どうして平気でこんな嘘をつけるのかというと、おそらく、
http://ameblo.jp/anmintei/entry-10833416702.html で見たように、日本原子力学会の嘘を孫引きしているのではないかと思われる。
(追記:と思ったら、「放射線防護について勧告する国際放射線防護委員会(ICRP)の委員、丹羽太貫・京都大名誉教授が基調講演」とあるので、こいつは、ICRPの委員なのだ!どうして「線形しきい値なし仮説」と、「100ミリシーベルト以下は安全」という「しきい値仮説」とを、頭の中で両立させられるのか、私には理解できない。)
東大でもそうだが、医学部の連中というのは、差別意識が強い。自分たちは一般の東大の連中とは違う、と思っている。たとえばスポーツクラブなども、全て「鉄門」という名前をつけて、普通の学生とは別になっている。「鉄門野球部」「鉄門サッカー部」「鉄門テニス部」とかいう具合である。
大学のキャンパス内には自分たちを更に囲うような塀を作ってはいけない、というルールが東大にはあるのだが、医学部のある建物は古い塀を残してあった。その建物を改修する際に、この塀も改修しようとしたので、「この際、取り払うように」と勧告を受けたら、医学部は「塀には手をつけないで残します」と言った。どうしても、自分たちを区切りたいのである。
そういう差別的な人間は、思考力が弱る。なぜなら、何かから目を背ける姿勢を維持していては、科学的思考を展開することができないからだ。そうすると、自分の周囲の自分の立場を左右できる人間に右顧左眄することになる。自分の頭で考えないで、業界で言われていることを「正しい知識」と鵜呑みにするようになる。原子力安全欺瞞用語体系はその一種だが、医学も相当なものである。
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「生活、今まで通りに」 放射性物質の専門家ら講演会
産経新聞 3月30日(水)7時57分配信
拡大写真
【原発講演会】大野和子・京都医療科学大学教授(写真:産経新聞)
■母乳、与えても大丈夫 「被曝者」軽く使わずに
東京電力福島第1原子力発電所の事故で、放射性物質(放射能)への動揺が広がっている。水道水や農産物からは暫定基準値を超える放射性物質が見つかり、被曝(ひばく)の相談も増えた。そんな中、放射性物質や放射線医療の専門家らが集まった「福島原発災害チャリティー講演会」(主催・医療放射線防護連絡協議会)がメルパルクホール(東京)で開かれた。専門家らは「健康被害のリスクはきわめて低い」「正確な知識を持ってほしい」と訴えた。
講演会では、専門家の立場から放射線防護について勧告する国際放射線防護委員会(ICRP)の委員、丹羽太貫・京都大名誉教授が基調講演を行った。放射性物質について説明し、福島県の住民も他都道府県の住民も健康被害を受けるリスクがきわめて低い理由を科学的に説明した。
また現在、1ミリシーベルトとされている年間被曝限度量についても「100ミリシーベルト以下では、健康に影響はないというのがICRPの公式的な見解だ」として、見直しを議論すべきだという見解を示した。
このほか、4人の専門家が講演を行い、その後、丹羽氏らとパネル討論を行った。会場には医療関係者ら約150人が集まり、パネリストとなった講演者らに質問した。
また、募金も行われ、参加者から義援金計24万4538円が寄せられた。福島原発に関連する機関や事故の対処に努める機関に送られる予定。
パネル討論の詳細は以下の通り。
□講演者ら
丹羽太貫・京都大学名誉教授
香山不二雄・自治医科大学教授
清哲朗・元厚生労働省医療放射線管理専門官
大野和子・京都医療科学大学教授
菊地透・医療放射線防護連絡協議会総務理事
≪司会・進行≫
中村仁信・日本医学放射線学会防護委員長
▼4分の1程度
会場の参加者「被災者から『乳児に母乳を飲ませているが、放射性物質が母乳に蓄積されないか』と相談を受ける。『母乳が不安ならミルクに変えなさい』という報道もある」
菊地透氏「母乳を与えるべきでないというニュアンスなら、それはウソ。母乳はすばらしいもの。お母さんが放射性物質を取り込んだとしても、お母さんの体がフィルターになっているので、母乳の放射性物質のレベルは下がる。それに、そもそもお母さんの体に取り込まれる放射性物質自体も少ない」
大野和子氏「(放射性物質の母体からの)母乳への移行率は、4分の1程度といわれる」
参加者「福島県の牛から放射性物質の基準を超えた生乳が出たということだが、福島県に住むお母さんも同じ空気を吸っている」
香山不二雄氏「牛で放射性物質がどのように吸収されたか。福島県の空気に現在、どれくらい濃度があるか分からないが、(呼吸器ではなく)消化管から吸収されたのではないか。(母乳に蓄積という話は)女性の母乳にダイオキシンが含まれていたという問題から類推して出てきたのかもしれない。ダイオキシンは(人間の体に含まれる脂などに溶けやすい)脂溶性物質だが、放射性物質はそういうことはなく、(母乳における)濃度が高いことはない」
清哲朗氏「放射性ヨウ素は分子量が大きく、重いので地面に落ちるのではないかと思う。空気中にいつまでも漂っているという考え方には賛同しかねる」
▼洗濯物も平気
参加者「私は助産師で、普段から育児製品を煮沸して消毒するよう勧めている。煮沸は安全か」
菊地氏「放射性物質は煮て濃縮されるということはない。水中にあるものだから、熱すると気化するだけ。今までやっている通りやってもらえばいい」
大野氏「放射性物質は水に溶けているわけではなく、混交しているだけ。濃縮されていくということはない」
菊地氏「このほか、洗濯物を外に干していいかとか、外で履いた靴はポリ袋に入れるとか、よくメディアで言われている。専門家がコメントしているものもあるが、『余裕があれば…』という前提で少しコメントすると、その部分だけが大きく掲載されてしまう。私は日常通りにやっていくのがいいという考えだ」
参加者「行政機関や研究機関などで、発表される(放射性物質などの)数値が異なったり、後から修正されたりする。何とかならないか」
菊地氏「そのために今回のような講演会をしている。専門家集団が共通の認識を持って動くようにすべきだ」
清氏「そして、私たち専門家団体がそれを周知していくことが重要だ」
▼汚染といえるか
司会・中村仁信氏「原発の近くまで行って正確な報道をしたいというマスコミや、もっと近くまで行って被災者を助けたいというボランティアもいる。私は被曝の基準値1ミリシーベルトは低すぎるのではないかと考えている」
丹羽太貫氏「『汚染』という言い方も気になる。コンタミネーション(汚染、汚染物質)というと捨てるものというイメージで、われわれはすぐにレッテルを貼ってしまう。同じように、このレベル(の放射性物質の濃度)で、福島県の人を『被曝者』というとおかしくなる。それをいうなら、『日本国民が被曝者』『世界中が被曝者』といわなければならない。『汚染』『被曝者』という言葉は軽々しく使ってもらいたくない」
参加者「しかし、自然界には存在しない(人工的な)放射性物質が出ているのだから、『汚染』と言わざるを得ないのではないか」
丹羽氏「『汚染』という言葉は強すぎる」
参加者「野菜から検出された放射性物質は、健康への影響とはほとんど関係ないレベルということだが、出荷制限、摂取制限が行われている。そうならないために何かすべきではないか」
大野氏「専門家が阻止すべきだということだが、これから、容認できる放射性物質の濃度を決めていかなければならない。(ほかの農産物にも暫定基準値以下の放射性物質が含まれていることが知られ)、私たちも一般の人から、『こんなに含まれているなんて、隠していたでしょう』といわれる。まずは、あらゆるものに含まれていることを多くの人が知っていることが重要だ」
2011/03/30(水) 08:41:53 |
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VIDEO まず、ビフォーアフターの「匠」を短調に変換したものを流して、盛り上がってきたところで、次のビデオを音を消して再生しましょう。
VIDEO そして、自分で、
なんということでしょう~ と言うと、気分が出ます。
それでもまだ、匠の技で、 「安全」で 「健全」で 「健康に影響はありません」ので ご「安心」ください。 と付け加えると、嬉しくなります。
ビフォーアフターの写真は以下。
2011/03/30(水) 07:54:59 |
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また猛烈に肩こりになってきた。これ以上やっていると、本当に健康を害するので、もうこのあたりで大幅にペースダウンせざるを得ない。ここらでもう一度まとめておきたい。
17日に下に添付した記事を書いた。あれからもう12日も過ぎたとは。。。記事を読みなおしてみて、事態は一進一退である。その後の進展は次のとおりだ。
【良い知らせ】
(1)5号機と6号機と共用プールの使用済燃料はなんとか大人しくしてくれている。
(2)4号機と3号機とのプールへの注入作戦は、ある程度成功した。
(3)電源が全ての原子炉に通った。
【悪い知らせ】
(1)1号機が熱くなっている。
(2)2号機の圧力容器および格納容器が破損し、極めて高濃度の汚水が数千トンも溜まっている。
(3)1号機と3号機とでも汚水大量にが溜まっている。
(4)汚水の処理がお手上げ状態になっている。
(5)プルトニウムが出ている。
(6)2号機はめちゃくちゃに壊れていた。1号機、3号機も冷却系の復旧は極めて困難。
(7)福島県に高濃度の汚染地帯が生じている。
(8)首都圏にも多少ながら放射性物質が降った。
(おまけに)浜岡原発が停止どころか、点検中のやつまで再開しそうである。
最大の問題は、相変わらず欺瞞言語が健在であることだ。これを打ち破らない限りは、なんともならない。さすがに「安全です」は言えなくなっており、「健康に影響はありません」も減ってきているが、相変わらずゴニョゴニョ言っている。
ウソツキかどうか見分けるポイントは、しゃべっているやつの目をよく見て、声をよく聞くことだ。内容を聞いてはいけない。信念にしたがって喋る人は、恐れていないので、目はしっかりとしており、声はよく響く。
ウソツキは目がウロウロになっており、声も割れ鐘のように響かない。あるいはさらにおかしくなった連中は、目がキラキラしていて、声のトーンが異常に高くなる。いずれの場合でもウソツキは、こんな事態なのにニヤニヤしたり笑ったりする。
これから何が起きるのだろうか。
(1)圧力容器と格納容器が破損しているというのは、極めて深刻な事態である。
(2)今更、塞ぐこともできないので、高レベルの放射能がどんどん流出してくる。
(3)そうすると、発電所内の放射線のレベルが上昇していく。
(4)それでは作業ができないので、外部に捨てざるを得ないので、外部への著しい汚染が広がる。
(5)そんなこんなしているうちに、炉心や使用済燃料が熱くなり、どんどん壊れていく。
(6)特に1号機がいまは危険である。
(7)2号機は穴が空いていてかなりヤバい。
(8)3号機はMOXでもともと怖い。
ここで止められるのかどうかが、運命の分かれ道である。私の予想は、
原子力安全欺瞞言語を使っている限りは、止められない、 である。これを打ち破り、
名を正す 以外に道はない。それには、斑目とかそういう連中を全員クビにして、小出さんとか今中さんとか藤田祐幸さんとか石橋克彦さんとか、そういう人々を据えるのが一番簡単である。
実際、彼らの予想が的中して今回の事故が起きたのであり、予想が的中した以上、彼らが科学的に正しかったことが証明されたのである。間違っていた連中は排除して、正しかった人々を入れない限り、今のような危機には決して対応できない。対応できなければ、原発は100%終わりである。もしも原子力を生き延びさせたいのであれば、反原発の学者に頼むしかない。
彼らは、彼らの責任ではないというのに、一様に、自分たちが力不足で原発を止められなかったことを悔やんでいる。「ほうら見ろ、俺達のいった通りだろう」などという態度は微塵も示しておられない。その上、小出さんなどは、「東電は私にとって敵だけれど、今は、エールを送りたい」と講演の冒頭で言っておられた。これほどに誠実な人々である。政府は、勇気を持って彼らに頼んで欲しい。少なくとも、彼らを入れて御用学者や電力会社と議論させて、なんとかする道を探さないとどうしようもないだろう。
もし、こういう措置がとられず、名が正されなければ、ジリジリと事態は悪化して行くだろう。原子炉は容赦なく放射能をバラマキ、人を排除して、勝手に熱くなっていく。事態が収拾できなくなると、責任ある部署にいる連中は、斑目を見習って次々と、
「ぼく、わかりませ~ん」
と言い出して開き直る。良心が残っていて開き直れない人々は、次々に自殺するか行方不明になるだろう。そうすればもう、誰も何もできなくなる。
ここから先は、最悪のシナリオである。
(7)原子炉のいずれか一つが臨界に達するなり、水蒸気爆発を起こすなりすれば、全員撤退せざるを得ない。
(8)そうなると6機とも放棄されるので、いずれは破局を迎える。
(9)そうなると、福島第二原発も放棄せざるを得なくなり、そちらの4機もいずれ破局を迎えるかもしれない。
10機の原発がオシャカになった日本に、まだ住めるのかどうか、私は知らない。少なくとも、日本の技術や、日本の食品や、日本の自然や文化に対する、海外の人々の信頼やあこがれは一切失われ、まったく相手にされなくなることは確実であろう。浜岡原発までそうなったら、もうオワリといって良かろう。
==========
福島第一原発:全体的な見通し。名を正すべし ========
原発について色々書いているうちに、猛烈な肩こりになってしまった。少なくとも現時点では、放射線による健康被害よりも、肩こりの方が私にとって深刻である。枝野長官でさえ8時間休んだらしいから、職務上、何の関係もない私が、こんなことで疲れても意味が無いので、ペースダウンしたい。
色々調べて回った結果をまとめておきたい。言うまでもないが、私はど素人で、情報は全てマスコミ経由であるから、下記が真実かどうか、知らない。知らないが、そういう情報を私自身の思想に基づいて分析し、まとめたものであり、その点においてのみ意味がある。これが後に明らかになることと、全くかけ離れていれば、私の思想が根本的に間違っていることが明らかになる、というメリットがあるので、書いておきたい。
【(1)最悪、事態はどこまでいくのか?】
我々の運がどこまでも悪く、東電も政府もまともなことを一切しない、という条件で考えてみると、以下のような悪夢のシナリオが考えられる。
・放射線レベルが上昇して、東電職員が全員撤退する。
・放ったらかしになった1~3号機がメルトダウンする。
ここから先が情報不足でよくわからないのだが、おおまかに言って三つの可能性がある。
(Barry Brook)圧力容器の下の炉心キャッチャーが受け止めて、そこで止まる。
(大前研一)再臨界になったら圧力容器が爆発し、格納容器も破損するが、そこで止まる。
(今中哲二)溶けた炉心材料が格納容器の下にためている水と反応すると水蒸気爆発を引き起こす恐れがある。そうなるとチェルノブイリ事故に限りなく近づく。(今中氏は京大原子炉実験炉の助教。「熊取六人組」の一人)
1号機と3号機とは、格納容器全体に海水が入っている。大前研一は、この水が緩衝材になるので更に安全だと言っていたが、この海水は水蒸気爆発を起こさないのだろうか?
もしも不幸にも今中説が的中すれば、1~6号機の全てが吹き飛ぶことになろう。そうすると、1~3号機の炉心、更に、1~6号機に蓄積されている使用済み燃料数千本が、全て撒き散らされる。これは、チェルノブイリを遥かに上回る事故になる。アメリカが80キロ以上への退避を自国民に勧告し、ドイツやフランスが首都圏からも退避しているのは、この事態の可能性を考えているからだと思われる。
この可能性を排除できないのであれば、首都圏からでも、若い人で、退避できる人は退避した方が良い。既に述べたように、胎児、赤ちゃん、幼児は、できるだけ逃げたほうが良い。
逆に、60歳以上の人は、元気を出して、働いて社会の機能を保持し、若い人々を守ってほしい。何しろ、あなたがたの世代がこんなものを日本に設置して回ったので、こんなことになったのだから。
【(2)事態はどうなっているのか?】
ハッキリ言って、どうなっているのか誰にもわかっていない、というのが答である。放射線が凄くて近づけず、その上、計器がほとんど壊れているので、現場の作業員も、何が何だかわからずに作業している。確実なことは以下のとおりである。
(1)1~3号機で核燃料の、少なくとも半分以上が水で冷やされない状態が何日も続いている。
(2)1~6号機で、使用済燃料がむき出しになりつつあり、放射性物質が放出されている。こちらも、再臨界の可能性は否定できない。その場合には、炉内ではなく、外気中で起きる。
(3)炉心あるいは使用済み核燃料が熱くなり、水蒸気が酸化されて生じた水素により、爆発が続いている。
よくわからないのは、格納容器の下にあり、ドーナツ状の圧力抑制室という、水蒸気を水にして貯めておく場所が、壊れているかどうかである。2号機は壊れている、とされており、3号機もその可能性が指摘されている。一方で、もしそうだとすると、周辺の放射性水準が低すぎる、という原子力危険・隠蔽院の指摘も当たっているような気もする。しかし、全体として、壊れていると見たほうがよかろう。
【(3)なんとかなるのか?】
これもわからないが、
(1)自衛隊のヘリコプターと機動隊の放水車による注水が成功する→使用済み燃料が安定化。
(2)現在行われている電源回復工事が成功。
(3)緊急冷却装置などの設備が運良く動いてくれる。
という幸運が重なれば、少なくとも事態の悪化を止められる。
【(4)避難指示圏外の人は、逃げるべきか、逃げるべきでないか?】
「福島原発:逃げるべき人、逃げなくていい人」で既に述べたように、内部被曝が問題であるから、成長期の人や、今から子供をつくるつもりのある人は、できるだけ遠くに逃げたほうがよい。逃げるべき人ランキングは以下である。(9)以下は逃げないほうが良い。
(1)胎児
(2)赤ちゃん
(3)幼児
(4)児童
(5)若者
(6)これから子供を持つつもりの人
(7)子供をこれから持つつもりのない人
(8)もう子供なんか出来ない人
(9)老人
(10)後期高齢者
(11)平均余命を超えた人
【(5)どこへ逃げる?】
ベストは南半球である。これならチェルノブイリを越える事態でも当分は平気である。日本国内なら、九州くらいまで逃げないと、ウルトラ最悪を対岸の火事としてみることはできないだろう。しかし、西日本なら、何とかなるだろう。しかしパニックになって避難し、路上で寝るようなことになると、その方が健康被害が大きい。冷静に考えて自分で道を見つけるしかない。
【(6)どのくらいの放射線量なら安全か?】
安全な放射線量というものはない。どんなに微量でも、危険は危険である。ただ、微量であればその危険性が非常に低い、ということである。世の中に危険はつきものであるから、放射線から来る危険が、避難の危険を下回ると思うなら、逃げるべきではなく、上回ると思うなら、逃げねばならない。決めるのは、一人ひとりである。
それから、被害の規模は、
累積被曝量×被曝人数
で見積もらねばならない。多くの人が少量の放射性物質に晒されることは、少数の人が大量の放射性物質に晒されるのと、少なくとも同等に危険である。ところが、政府もマスコミも、この事実に目を塞いで、
「健康に影響はない水準です」
を繰り返しているが、これは、
「健康に影響があっても、原発のせいだとはバレない水準です」
という意味に過ぎない。(詳細はこちら)
【(7)なぜこんなことになったのか? どうしたらよいのか?】
原子力欺瞞用語を使うからこんなことになったのである。
・危険を安全という。
・不安を安心という。
・隠蔽を保安という。
・事故を事象という。
・「長期的には悪影響がある」を「ただちに悪影響はない」という。
・無責任を責任という。
孔子は以下のように述べている。
===============
『論語』子路13-3
子路曰。衛君待子而爲政。子將奚先。
子曰。必也正名乎。
子路曰。有是哉。子之迂也。
子路は言った。「衛の君主が先生に政治をさせたとしましょう。先生はまず何をなさいますか。」
先生は言った。「必ずや、名を正す。」
子路は言った。「これだから、先生は迂遠だ。」
===============
今の事態においても、まず行わねばならないことは、迂遠に見えるかもしれないが、名を正すこと、すなわち事実に即した言葉を常に使うことである。その兆しが多少はみえていることが、光明である。
1995年の「もんじゅ」の大事故についての平岡憲夫氏の以下の言葉が全てを明らかにしている。今回の事故でもあれだけの「爆発」を「爆発的事象」と言っていた。
=============平岡憲夫「原発がどんなものか知ってほしい」より========
しかし、こんな重大事故でも、国は「事故」と言いません。美浜原発の大事故の時と同じように「事象があった」と言っていました。私は事故の後、直ぐに福井県の議会から呼ばれて行きました。あそこには十五基も原発がありますが、誘致したのは自民党の議員さんなんですね。だから、私はそういう人に何時も、「事故が起きたらあなた方のせいだよ、反対していた人には責任はないよ」と言ってきました。この度、その議員さんたちに呼ばれたのです。「今回は腹を据えて動燃とケンカする、どうしたらよいか教えてほしい」と相談を受けたのです。
それで、私がまず最初に言ったことは、「これは事故なんです、事故。事象というような言葉に誤魔化されちゃあだめだよ」と言いました。県議会で動燃が「今回の事象は……」と説明を始めたら、「事故だろ! 事故!」と議員が叫んでいたのが、テレビで写っていましたが、あれも、黙っていたら、軽い「事象」ということにされていたんです。地元の人たちだけではなく、私たちも、向こうの言う「事象」というような軽い言葉に誤魔化されてはいけないんです。
普通の人にとって、「事故」というのと「事象」というのとでは、とらえ方がまったく違います。この国が事故を事象などと言い換えるような姑息なことをしているので、日本人には原発の事故の危機感がほとんどないのです。
=============================
2011/03/29(火) 23:43:55 |
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炉心やプールを冷やす水はいったいどこに行っているのだろう、とずっと不思議に思っていたが、何のことはない、周りに溜まっていたのである。それはあまりにも普通の出来事であって、こんなことに今頃気づいて驚くほうが驚きである。やはり、原子力安全欺瞞言語を用いる人々の脳は、作動が狂っている。
斑目という御用学者代表が遂に
「ぼく、どうしていいか、わかりませ~ん」
と開き直ったが、おそらく、今後、みんな次々と開き直ってサジを投げて来るだろう。開き直れないくらいに良心があるか、開き直れない立場に立っている人は、次々と自殺するに違いない。
高レベル放射能を帯びた数千トンの水など、処理不可能に近い。かといって、炉心に注水をやめるわけないはいかないので、そのうち、海に溢れる。とんでもない海洋汚染が起きるだろう。
NHKで御用学者が言っていたが、唯一の方法は、放射性物質を沈殿させたりする施設を応急に作ることであろう。そうすれば処理済の水を炉心を冷やすのに回して循環させることができる。そんな施設を作るのは簡単ではないだろうから、直ちに動かないといけないが、そういう様子はない。
=========
福島第1原発:汚染水は数千トン 除去作業難航
東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発について、東電は29日、タービン建屋地下で見つかった高い放射線量を持つ汚染水の除去作業を継続した。しかし、汚染水が数千トンを超える見通しで、高濃度の放射能を帯びているため作業は難航している。内閣府原子力安全委員会の代谷誠治委員は29日、2号機の原子炉圧力容器が破損している可能性に言及した。圧力容器は厚さ16センチの鋼鉄製で、核燃料を封じ込める最も重要な防護壁だけに、事態は深刻さを増している。
計画では、タービン建屋内にたまった汚染水をポンプで室内の復水器に送る。復水器は原子炉で発生し、発電のためにタービン建屋に送り込まれた蒸気を水に戻す装置だ。
このうち、1号機ではタービン建屋内の汚染水を24日夕から毎時6~18トンポンプでくみ上げ、室内にある復水器に送り込んでいる。効果は不明だ。2号機では1号機と同様の作業を予定しているが、汚染水から毎時1000ミリシーベルト以上の高い放射線量を検出。被ばく回避の必要性から作業は遅れている。
2、3号機では復水器が満水で、汚染水を復水器に入れるための「玉突き作戦」に着手。復水器の水を「復水貯蔵タンク」に入れようと、このタンクの水を「サージタンク」と呼ばれるタンクに移す。
1~3号機ではタービン建屋外の「トレンチ」と呼ばれるトンネル状の構造物から放射能を帯びた水(計約1万3000トン)が見つかったが、回収の見通しは立っていない。
経済産業省原子力安全・保安院は「汚染水をすべて回収しようと、いろいろ考えている」としている。
このほか、1号機では原子炉の温度が一時300度を上回る異常事態だったが、注水量を毎分113リットルから141リットルに増やし、改善傾向にある。4号機では29日、中央制御室の照明が点灯し、同原発の全6基の制御室が再開した。
一方、圧力容器の損傷が指摘された2号機は14日に原子炉の冷却機能を喪失。炉の水位が低下し、燃料棒が8~9時間、水面から完全に露出する「空だき状態」になった。15日には格納容器の一部の「圧力抑制プール」で爆発が起き、格納容器損傷が指摘されている。その後、放射線量が毎時1000ミリシーベルト以上の汚染水がタービン建屋などで見つかった。代谷委員は「圧力容器内は高温なのに圧力が上がってこない。どこかが損傷している可能性がある」と語った。
東電は高線量の汚染水について「原子炉内で破損した核燃料に触れた水が、何らかの経路で漏れた。圧力計が壊れている可能性もある」としている。【西川拓、伊藤直孝、藤野基文、日野行介】
毎日新聞 2011年3月29日 22時07分
2011/03/29(火) 23:31:55 |
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http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/754.html 非情な政府です(悲)小出裕章・京大原子炉 全文聞き起こし3月25日たねまきジャーナル(毎日放送ラジオ)
http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/754.html
投稿者 ジャック・どんどん 日時 2011 年 3 月 26 日 02:45:55: V/iHBd5bUIubc
今晩は、京大原子炉の小出裕章さんの怒りの激しさに、聞き起こさざるを得なくなりました。
これまで、種まきジャーナルでも、怒りを極力抑えて話しておられるように感じましたが、いつも沈着冷静な小出先生が「政府の棄民作戦」に対して怒りを爆発させました。
私は思わず水木しげるの「総員玉砕せよ!」を思い出してしまいました。変わってません、政府の「よらしむべし、しらしむべからず(?この文句あってんのんか?)」
たねまきジャーナル 2011年3月25日 21:30~22:30(大阪MBS 毎日放送ラジオ)
いまどきカセットテープに一旦録音して、それを再生しながら聞き起こしました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
水)水野晶子アナ、近)近藤勝重毎日新聞専門編集員、千)千葉アナ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
水)今日の原発関係のニュースについて色々わからないところを、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生にうかがいます。小出先生こんばんわ。今日もよろしくお願いします。そして、東京には近藤さんがいます。よろしくおねがいします。
まずですね、今日は、ラジオリスナーからの質問からまいりたいと思います。ラジオネーム、アセットマネージャーズさんからなんですけど、原子炉が損傷しているという可能性が出てきたんですよね。
小)もちろんです。
水)それは3号機の原子炉の中にあると思われる成分が混ざった水が、いま水たまりとなっているという話からわかるはなしですよね。
小)それもひとつですし、ずっと前から水素爆発ということが起きて原子炉の建屋が吹き飛んでいる訳ですけど、それはもう原子炉そのものが損傷しているという証拠です。
水)そうですね。小出さんはこの件については、早くから指摘をしていらしたんです。アセット・マネージャーズさんの質問です。原子炉が損傷しているとして、その今の状況として放射能の拡散を止める事はできるんでしょうか?
小)え~、原子炉と呼んでいるものには、たぶん皆さんが呼んでいるものには、いろんなレベルのところを呼んでるんだと思います。一番小さな範囲で呼んでる皆さんは、いわゆる燃料棒のある炉心というところを原子炉と呼んでいる。次のちょっと大きなところでは、その炉心を含んでいる原子炉圧力容器という圧力鍋がるんですが、それを原子炉と呼んでるように思います。次には原子炉圧力容器を全体にくるむようにした原子炉格納容器という大きな建物があるのですが、それを原子炉と呼んでいる人もいるようなのです。マスコミもどうも混乱しているように思うのですが、現在の状況はいわゆる炉心の部分は一部もう必ず破損しています。それから原子炉圧力容器はたぶん破損していません。
水)たぶん大丈夫?
小)はい、今のところはまだ破損していません。原子炉格納容器は一部破損しています。
水)あっ、「います」?それはなんでわかるんですか?
小)えー、例えば今回、3号機でタービン建屋の底に水がたまっていたわけですけれど、それは原子炉格納容器というのは放射能の最後の防壁なのです。防壁なのですがその防壁がすでに破れて外に出て来ているということの証明ですし、たとえば2号機の圧力抑制室というとこで爆発があって壊れたというのは、東電自身が認めている訳で、それは格納容器が壊れたのと同じことなんです。
水)そういうことなんですね。最後の砦といわれる格納容器がどこか一部分破損している。
小)一部分壊れている。
水)この状態で今、放射性物質が漏れだしてる訳ですよね。で、原子炉の中にある水、冷却水の1万倍のレベルの濃度が出てると。これは、これを止める事はできません?
小)できません!
水)で、できません?!はあ~。格納容器を修理することはできないのですか?
小)こんなときには、もちろんそんなことは到底できません。
水)つまり、近寄れないということですか?
小)はい、はい。
水)はあー。例えばほんとにシロート考えで申し訳ありません。あのー格納容器も全部含めてセメント詰めしてしまって、放射能を出さないようにするということはできないんですか?
小)最後の最後にはそれをしなければいけませんが、今はとにかく炉心という部分が融けて、原子炉圧力容器が水蒸気爆発をその中で起こさないように、起こしてしまうと、ほんと破局的になってしまいますので、なんとしてもしても原子炉を融かさないために水を送り続けるということが何より一番大事です。
水)はー。
小)コンクリートで埋めてしまうとかより前に、まずそれをやらなければいけない。
近)先生、その冷却の作業とか出来るんですか?
小)これまで2週間格闘してきてるのですね。なんとか原子炉が破局的に壊れないようにしようとして、東京電力の所員の人たちが必至に作業して来て、今なんとか持ちこたえてきてここまできてるわけです。すべての電源が使えなかったわけで、福島の所員の人たちは消防用のポンプ車をつれて来てなんでもいい、なんとか水を入れようとして海水を入れたんですね。海水を入れてしまえばもう二度と原子炉としてはもう使えないということがわかっているわけですけれども、海水でも泥水でもいいからとにかく原子炉の中に水を入れなければいけないということで、今日まで2週間頑張ってきているわけです。そのおかげで破局的な破損というものを防いで今に至っている。
近)その損傷しているから今の事態が起きている。そうすると復旧作業それは相当な影響をうけますよね。いま海水じゃなくて真水をかけようってことを米軍と一緒にやろうってそれは要するに海水がもうだめだってことですか?
小)もともと海水というのは塩を含んでいるですね。塩を含んだ水を原子炉の中に入れると水はすぐに蒸発しちゃうんです。そうすると塩分が残るんですね。塩がどんどんどんどん圧力容器の中にたまっていくという、そういう状態になってるはずです。
近)その弊害が出始めてる訳ですか?
小)はい、そうすると燃料棒というものが原子炉の中に突き立ってるわけですけれども、あっちこっちに塩がどんどんどんたまってくることになると水が流れなくなって燃料棒を冷やす事も出来なくなるだろうと。おまけに、塩といものは水に溶けながらまわっているわけで、あっちこっちのバルブとかですね弁とかにくっついてですね、もしほんとうにバルブ、弁を開きたくなったときにひらけないということがあるかもしれませんし、ポンプを回したいと思ってもポンプにまた塩がくっついてポンプが動かないということがあるかもしれない。ですからもともとほんとうは海水はやりたくない。なんともしょうがなくてやってきたんです。もし海水じゃなくてふつうの水を使えるのであれもちろんいいことですし、それをやろうとしてるところです。
水)これあのせっかく命懸けで作業をしてもらってる訳ですけれど、たまった水でそこで放射性物質が今回被曝を作業員の方がされたとなりますと、作業を続けるためにたまった水を排水しなきゃいけないということですが。
小)はい、作業のためにはそれが一番いいとおもいます。
水)それはどの程度の難しい作業なんでしょうか?
小)排水をしようと思うと、地下にたまってるわけですから、排水をするためにまたポンプを動かさなければならないと思います。そのために地下にピットという槽があると思います、そこの槽は排水を送るためのポンプですね。そのポンプがすぐに動くのであれば送れると思います。それが動かないというのであれば水中ポンプという別のポンプを入れて作業をすることになると思います。
いずれにしても大変な困難です。
近)あのう、先生ね、一進一退といってしまえばそれまでなんですけど、要するに今の状態ていうのは悪化していっているんですか?
小)えーと、ずっど悪化してきました。でもこの数日は、悪化も食い止めてるし、好転も出来ないという状態だと思います。先生、以前わたしの番組に出た時の先生のお言葉で「祈る思いだ」「祈りたい」っておっしゃってましたよね。先生の「祈りたい」っていうのは、同じですか?
小)はい、もう私には東電の社員のひとたちが頑張ってくれるしか手の打ちようがないと思います。私が自分でできるなら何でも自分でやりたいと思いますけれど、東電の今の現場を知ってる人たちがやってくれる以外には手の打ちようがないと。
近)つまりわたしが言いたいのは、先生の祈りが通じているほどのものでもないわけですね、今。
小)はい、残念ながらその最悪のシナリオというものを私自身がなくなった思うほどには好転していないのです。
水)今回、作業していて被曝なさった方たちが、線量計のアラームが鳴っていたのにそれを故障だと思い込んで作業を続けていたと。これ、びっくりするんですけどね。こういうことって専門家の方から見たらどう見えるんですか?
小)私から見るとアリエナイと思います。ただし、二つのシナリオが考えられると思います。ひとつは現場に3人の方が行かれたというんですが、ひとりの方は契約会社の社員だったと、たぶん私は東芝のい社員だと思うんですけど設計してよく知ってる人ですね。その人は長靴を履いていたんだそうです。あと二人の方は東電の直接の関連会社方だと。新聞報道でありました、要するに下請けですね、その人たちは長靴すら履いていなかったということで私はちょっと驚きました。
極端なシナリオを二つ考えてるんですけど、ほとんど知識のない人が現場に行ったということ。それだアラームメーターの何すら知らない、それで行って知らないまま水に入っても大した危険もないと思ってそこで作業したという極端なシナリオがひとつのシナリオですね。もうひとつのシナリオは十分に知っていたと。アラームメーター鳴ってその意味も知っていたと。でも
自分たちの仕事をしなければ、今の危機を救う事ができないと。だから、行ってみれば水があることがわかるわけですよね。自分が履いているものが長靴でないこともわかる。でもたぶんそこまで彼ら何百メートルも走ってきてるです。暗い懐中電灯をもって彼ら走ってるんだと思うんです。そこに着いたんです。何か仕事をしなければ今の危機を乗り越えられないと思ったときに、この水は汚れてると知りながら入りという人はいると思います。
水)うーん。
近)覚悟でですが?
小)はい。極端な私の描くふたつのシナリオです。でも、それほど困難な作業なのです。
水)あのう、ということは、ほんとうに短い時間しかお一人が作業でる時間がない。
小)それは、もうみんな承知しているのです。
水)あのうほんとうに多くの作業員の数を確保するということも必要なのでしょうけど。
小)これから必要になります。どんどん。
水)はー、そうですか。そんなに多くの専門家はいはるのですか?
小)えーと、ますます少なくなっていくと思います。特殊技能を持った人がやらなけばならない事が多いはずですか。そういう人がどんどん少なくなっていくときに、知識のない人、いわゆるなんて言うんでしょうね、巷でいう鉄砲玉みたいに使われるひとも含めて被曝させられて行くのかなと思います。
水)そうであっては困るのですが、ラジオネーム、レオトラさんから宇都宮から聞いているということで、メールくださいました。栃木でもこの原発の影響で水道水を信頼して飲めないような状況なりつつあります。非常に不安な状況です、とおっしゃってるのですが、(原発から)今回20㎞~30㎞の圏内の人たちに、自主的な避難を呼びかけるということになりました。これは、避難指示は出さなくて大丈夫だ、小出さんはお考えになります?
小)えー、私はその報道を聞いて、なんて言うんでしょうね、私はあんまり感情的な事を言ってはいけないという職業にいるのだと思いますけど、怒りを抑えることができません(怒)
この政府はなんとキタナイ政府かと(怒)
水)はー。(水野アナ、小出先生の発言に唖然)
小)ほんとうに必要なことであれば指示を出して逃がさなければならないのに、自主的に逃げろって、一体どういうことを言ってるのかと(怒)
近)そこは先生やっぱなんかね、アリバイなんですよ。
水)なんですか、それ!
近)とりあえずそういうことを言ってただろうってことを、とりあえず言ってるわけですよね。
小)そうですよね。非情な政府ですね(悲)
水)あのう、福島の地域の一部で出ていた1.4ミリシーベルトっていうのは、どういう意味のある値ですか?
小)だって、普通の皆さんは1ミリシーベルト以上浴びてはいけないと政府が決めているんですよ(怒)。それを1.4浴びてしまったって、そのことに対して一体政府はどういう責任をとるつもりなんでしょうか(怒)。私は放射線業務従事者という非情に特殊な放射線作業に従事する人間ですけど、そういう人間が入る放射線の管理区域という場所でも3ヶ月に1.3ミリシーベルト被爆するようなところ、要するに管理区域なんですけれど、管理区域でもなんでもないところで何日間の間に、1.4ミリシーベルト浴びてしまった。そんなこと、とうてい◯ないことなんです。それに政府が何の謝罪もしない、勝手に逃げろなんていうのは一体どういう政府なのかと(怒)私は思います。
水)そういう意味をもった数字だったんですね。
小出先生また来週も、ぜひ来週もお話うかがわせて下さい。正しいを情報を私たち、入手して考えていきたいと思います。
今日もどうもありがとうございました。
京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんにうかがいました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以上、起こしました。小出さんの怒りに負けて、真夜中にやっちゃいました。今日はあーしんどかった、とは言いません。
一言一句聞き(書き)起こしていたら、泣けて来た。ありがとう、小出さん。
●ーーーは勝手にこちらが中見出しをつけました。多少の聞き違い、文章語句の間違いはご容赦ください。
2011/03/29(火) 18:02:23 |
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http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/754.html 非情な政府です(悲)小出裕章・京大原子炉 全文聞き起こし3月25日たねまきジャーナル(毎日放送ラジオ)
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投稿者 ジャック・どんどん 日時 2011 年 3 月 26 日 02:45:55: V/iHBd5bUIubc
今晩は、京大原子炉の小出裕章さんの怒りの激しさに、聞き起こさざるを得なくなりました。
これまで、種まきジャーナルでも、怒りを極力抑えて話しておられるように感じましたが、いつも沈着冷静な小出先生が「政府の棄民作戦」に対して怒りを爆発させました。
私は思わず水木しげるの「総員玉砕せよ!」を思い出してしまいました。変わってません、政府の「よらしむべし、しらしむべからず(?この文句あってんのんか?)」
たねまきジャーナル 2011年3月25日 21:30~22:30(大阪MBS 毎日放送ラジオ)
いまどきカセットテープに一旦録音して、それを再生しながら聞き起こしました。
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水)水野晶子アナ、近)近藤勝重毎日新聞専門編集員、千)千葉アナ
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水)今日の原発関係のニュースについて色々わからないところを、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生にうかがいます。小出先生こんばんわ。今日もよろしくお願いします。そして、東京には近藤さんがいます。よろしくおねがいします。
まずですね、今日は、ラジオリスナーからの質問からまいりたいと思います。ラジオネーム、アセットマネージャーズさんからなんですけど、原子炉が損傷しているという可能性が出てきたんですよね。
小)もちろんです。
水)それは3号機の原子炉の中にあると思われる成分が混ざった水が、いま水たまりとなっているという話からわかるはなしですよね。
小)それもひとつですし、ずっと前から水素爆発ということが起きて原子炉の建屋が吹き飛んでいる訳ですけど、それはもう原子炉そのものが損傷しているという証拠です。
水)そうですね。小出さんはこの件については、早くから指摘をしていらしたんです。アセット・マネージャーズさんの質問です。原子炉が損傷しているとして、その今の状況として放射能の拡散を止める事はできるんでしょうか?
小)え~、原子炉と呼んでいるものには、たぶん皆さんが呼んでいるものには、いろんなレベルのところを呼んでるんだと思います。一番小さな範囲で呼んでる皆さんは、いわゆる燃料棒のある炉心というところを原子炉と呼んでいる。次のちょっと大きなところでは、その炉心を含んでいる原子炉圧力容器という圧力鍋がるんですが、それを原子炉と呼んでるように思います。次には原子炉圧力容器を全体にくるむようにした原子炉格納容器という大きな建物があるのですが、それを原子炉と呼んでいる人もいるようなのです。マスコミもどうも混乱しているように思うのですが、現在の状況はいわゆる炉心の部分は一部もう必ず破損しています。それから原子炉圧力容器はたぶん破損していません。
水)たぶん大丈夫?
小)はい、今のところはまだ破損していません。原子炉格納容器は一部破損しています。
水)あっ、「います」?それはなんでわかるんですか?
小)えー、例えば今回、3号機でタービン建屋の底に水がたまっていたわけですけれど、それは原子炉格納容器というのは放射能の最後の防壁なのです。防壁なのですがその防壁がすでに破れて外に出て来ているということの証明ですし、たとえば2号機の圧力抑制室というとこで爆発があって壊れたというのは、東電自身が認めている訳で、それは格納容器が壊れたのと同じことなんです。
水)そういうことなんですね。最後の砦といわれる格納容器がどこか一部分破損している。
小)一部分壊れている。
水)この状態で今、放射性物質が漏れだしてる訳ですよね。で、原子炉の中にある水、冷却水の1万倍のレベルの濃度が出てると。これは、これを止める事はできません?
小)できません!
水)で、できません?!はあ~。格納容器を修理することはできないのですか?
小)こんなときには、もちろんそんなことは到底できません。
水)つまり、近寄れないということですか?
小)はい、はい。
水)はあー。例えばほんとにシロート考えで申し訳ありません。あのー格納容器も全部含めてセメント詰めしてしまって、放射能を出さないようにするということはできないんですか?
小)最後の最後にはそれをしなければいけませんが、今はとにかく炉心という部分が融けて、原子炉圧力容器が水蒸気爆発をその中で起こさないように、起こしてしまうと、ほんと破局的になってしまいますので、なんとしてもしても原子炉を融かさないために水を送り続けるということが何より一番大事です。
水)はー。
小)コンクリートで埋めてしまうとかより前に、まずそれをやらなければいけない。
近)先生、その冷却の作業とか出来るんですか?
小)これまで2週間格闘してきてるのですね。なんとか原子炉が破局的に壊れないようにしようとして、東京電力の所員の人たちが必至に作業して来て、今なんとか持ちこたえてきてここまできてるわけです。すべての電源が使えなかったわけで、福島の所員の人たちは消防用のポンプ車をつれて来てなんでもいい、なんとか水を入れようとして海水を入れたんですね。海水を入れてしまえばもう二度と原子炉としてはもう使えないということがわかっているわけですけれども、海水でも泥水でもいいからとにかく原子炉の中に水を入れなければいけないということで、今日まで2週間頑張ってきているわけです。そのおかげで破局的な破損というものを防いで今に至っている。
近)その損傷しているから今の事態が起きている。そうすると復旧作業それは相当な影響をうけますよね。いま海水じゃなくて真水をかけようってことを米軍と一緒にやろうってそれは要するに海水がもうだめだってことですか?
小)もともと海水というのは塩を含んでいるですね。塩を含んだ水を原子炉の中に入れると水はすぐに蒸発しちゃうんです。そうすると塩分が残るんですね。塩がどんどんどんどん圧力容器の中にたまっていくという、そういう状態になってるはずです。
近)その弊害が出始めてる訳ですか?
小)はい、そうすると燃料棒というものが原子炉の中に突き立ってるわけですけれども、あっちこっちに塩がどんどんどんたまってくることになると水が流れなくなって燃料棒を冷やす事も出来なくなるだろうと。おまけに、塩といものは水に溶けながらまわっているわけで、あっちこっちのバルブとかですね弁とかにくっついてですね、もしほんとうにバルブ、弁を開きたくなったときにひらけないということがあるかもしれませんし、ポンプを回したいと思ってもポンプにまた塩がくっついてポンプが動かないということがあるかもしれない。ですからもともとほんとうは海水はやりたくない。なんともしょうがなくてやってきたんです。もし海水じゃなくてふつうの水を使えるのであれもちろんいいことですし、それをやろうとしてるところです。
水)これあのせっかく命懸けで作業をしてもらってる訳ですけれど、たまった水でそこで放射性物質が今回被曝を作業員の方がされたとなりますと、作業を続けるためにたまった水を排水しなきゃいけないということですが。
小)はい、作業のためにはそれが一番いいとおもいます。
水)それはどの程度の難しい作業なんでしょうか?
小)排水をしようと思うと、地下にたまってるわけですから、排水をするためにまたポンプを動かさなければならないと思います。そのために地下にピットという槽があると思います、そこの槽は排水を送るためのポンプですね。そのポンプがすぐに動くのであれば送れると思います。それが動かないというのであれば水中ポンプという別のポンプを入れて作業をすることになると思います。
いずれにしても大変な困難です。
近)あのう、先生ね、一進一退といってしまえばそれまでなんですけど、要するに今の状態ていうのは悪化していっているんですか?
小)えーと、ずっど悪化してきました。でもこの数日は、悪化も食い止めてるし、好転も出来ないという状態だと思います。先生、以前わたしの番組に出た時の先生のお言葉で「祈る思いだ」「祈りたい」っておっしゃってましたよね。先生の「祈りたい」っていうのは、同じですか?
小)はい、もう私には東電の社員のひとたちが頑張ってくれるしか手の打ちようがないと思います。私が自分でできるなら何でも自分でやりたいと思いますけれど、東電の今の現場を知ってる人たちがやってくれる以外には手の打ちようがないと。
近)つまりわたしが言いたいのは、先生の祈りが通じているほどのものでもないわけですね、今。
小)はい、残念ながらその最悪のシナリオというものを私自身がなくなった思うほどには好転していないのです。
水)今回、作業していて被曝なさった方たちが、線量計のアラームが鳴っていたのにそれを故障だと思い込んで作業を続けていたと。これ、びっくりするんですけどね。こういうことって専門家の方から見たらどう見えるんですか?
小)私から見るとアリエナイと思います。ただし、二つのシナリオが考えられると思います。ひとつは現場に3人の方が行かれたというんですが、ひとりの方は契約会社の社員だったと、たぶん私は東芝のい社員だと思うんですけど設計してよく知ってる人ですね。その人は長靴を履いていたんだそうです。あと二人の方は東電の直接の関連会社方だと。新聞報道でありました、要するに下請けですね、その人たちは長靴すら履いていなかったということで私はちょっと驚きました。
極端なシナリオを二つ考えてるんですけど、ほとんど知識のない人が現場に行ったということ。それだアラームメーターの何すら知らない、それで行って知らないまま水に入っても大した危険もないと思ってそこで作業したという極端なシナリオがひとつのシナリオですね。もうひとつのシナリオは十分に知っていたと。アラームメーター鳴ってその意味も知っていたと。でも
自分たちの仕事をしなければ、今の危機を救う事ができないと。だから、行ってみれば水があることがわかるわけですよね。自分が履いているものが長靴でないこともわかる。でもたぶんそこまで彼ら何百メートルも走ってきてるです。暗い懐中電灯をもって彼ら走ってるんだと思うんです。そこに着いたんです。何か仕事をしなければ今の危機を乗り越えられないと思ったときに、この水は汚れてると知りながら入りという人はいると思います。
水)うーん。
近)覚悟でですが?
小)はい。極端な私の描くふたつのシナリオです。でも、それほど困難な作業なのです。
水)あのう、ということは、ほんとうに短い時間しかお一人が作業でる時間がない。
小)それは、もうみんな承知しているのです。
水)あのうほんとうに多くの作業員の数を確保するということも必要なのでしょうけど。
小)これから必要になります。どんどん。
水)はー、そうですか。そんなに多くの専門家はいはるのですか?
小)えーと、ますます少なくなっていくと思います。特殊技能を持った人がやらなけばならない事が多いはずですか。そういう人がどんどん少なくなっていくときに、知識のない人、いわゆるなんて言うんでしょうね、巷でいう鉄砲玉みたいに使われるひとも含めて被曝させられて行くのかなと思います。
水)そうであっては困るのですが、ラジオネーム、レオトラさんから宇都宮から聞いているということで、メールくださいました。栃木でもこの原発の影響で水道水を信頼して飲めないような状況なりつつあります。非常に不安な状況です、とおっしゃってるのですが、(原発から)今回20㎞~30㎞の圏内の人たちに、自主的な避難を呼びかけるということになりました。これは、避難指示は出さなくて大丈夫だ、小出さんはお考えになります?
小)えー、私はその報道を聞いて、なんて言うんでしょうね、私はあんまり感情的な事を言ってはいけないという職業にいるのだと思いますけど、怒りを抑えることができません(怒)
この政府はなんとキタナイ政府かと(怒)
水)はー。(水野アナ、小出先生の発言に唖然)
小)ほんとうに必要なことであれば指示を出して逃がさなければならないのに、自主的に逃げろって、一体どういうことを言ってるのかと(怒)
近)そこは先生やっぱなんかね、アリバイなんですよ。
水)なんですか、それ!
近)とりあえずそういうことを言ってただろうってことを、とりあえず言ってるわけですよね。
小)そうですよね。非情な政府ですね(悲)
水)あのう、福島の地域の一部で出ていた1.4ミリシーベルトっていうのは、どういう意味のある値ですか?
小)だって、普通の皆さんは1ミリシーベルト以上浴びてはいけないと政府が決めているんですよ(怒)。それを1.4浴びてしまったって、そのことに対して一体政府はどういう責任をとるつもりなんでしょうか(怒)。私は放射線業務従事者という非情に特殊な放射線作業に従事する人間ですけど、そういう人間が入る放射線の管理区域という場所でも3ヶ月に1.3ミリシーベルト被爆するようなところ、要するに管理区域なんですけれど、管理区域でもなんでもないところで何日間の間に、1.4ミリシーベルト浴びてしまった。そんなこと、とうてい◯ないことなんです。それに政府が何の謝罪もしない、勝手に逃げろなんていうのは一体どういう政府なのかと(怒)私は思います。
水)そういう意味をもった数字だったんですね。
小出先生また来週も、ぜひ来週もお話うかがわせて下さい。正しいを情報を私たち、入手して考えていきたいと思います。
今日もどうもありがとうございました。
京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんにうかがいました。
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以上、起こしました。小出さんの怒りに負けて、真夜中にやっちゃいました。今日はあーしんどかった、とは言いません。
一言一句聞き(書き)起こしていたら、泣けて来た。ありがとう、小出さん。
●ーーーは勝手にこちらが中見出しをつけました。多少の聞き違い、文章語句の間違いはご容赦ください。
2011/03/29(火) 18:02:23 |
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小出さんの出演したラジオ番組を起こした方がおられる
http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/644.html ==========
京大原子炉、小出裕章さん 福島原発事故、全文聞き起こし(3月23日毎日放送ラジオ・たねまきジャーナル
http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/644.html
投稿者 ジャック・どんどん 日時 2011 年 3 月 24 日 00:44:14: V/iHBd5bUIubc
今時、カセットテープに録音してから、それを聞きながら書き起こしました。
多少の抜け落ち、聞き間違いはご容赦ください。
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水野晶子アナ、毎日新聞(大阪)平野さん解説
アメリカのCBSテレビの世論調査の結果
「日本の政府は全ての情報を公開していると思いますか?」
いいやそうは思わない「No」の答えが79%
日本人も5割はそう思っているののではないでしょうか?
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京都市の入荷した茨城県産水菜から360ベクレルのヨウソ、560ベクレルのセシウム検出。
いずれも基準値上回る。京都市は集荷停止を指示。いよいよ関西にも。
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原発関連のニュースのあと、小出さん登場
水)京都大学原子炉実験所助教小出裕章さんです。こんばんわ。今夜もよろしく。
まず、東京の水道水で乳児の基準値を超える値が出てきたと言う話なんですが、福島第一原発から200㎞もはなれてるというところで、基準値の倍を超える値が出てるのに驚いています。
小)原子力発電所が爆発した場合、風に乗って放射性物質が流れるんです。風向きが悪ければ、風下に入ったら町まちを襲っていく訳で、例えば今月3月15日に福島原発から放出された放射能が東京をずーと汚染していったデータがすでに得られています。もしそういう事実があるのであれば、もう水道水などと何だろうと汚れてしまうのは仕方のない事です。
水)何百キロ離れていたから来ない、というわけでなく、風向き次第なんですか?
小)ヨウソは揮発性の高い物質で、近くで落ちてくれなくて、大変遠くへ運ばれてしまう。セシウムという元素もそうですけど、200㎞離れてるから安心だとかとは思わない方がよい。
水)小出さんご自身が、東京の大気がどのようになってるか、放射性物質が飛んで来てるかのどうかのデータをお持ちなんですよね。これによると、今の大気ていうのはどのような状況なんでしょうか?
小)ごめんなさい、私が測定したのは東京で放射能の濃い雲が届いた15日の1日だけなんです。私が計れたのは。それ以後は実は私は計れてなくて、他は東京都がずっと計っています。そのデータは東京都が公表していますけれど、一番ひどかったのはやはり3月15日だったようです。それが今、水道の中に入って来ている
んだなと思います。
水)わたしなんか、水だけだと思ってるんですけど、それは空気中もあってのことなんですね。
平)これ土壌とか海とか範囲も想像以上に広がっているように思うんですけど、これは現在進行形で放射性物質が飛散していると考えてなくていいんですか。
小)現在進行中で飛散しています。
平)そうですよね。そうであれば、現在工事をしている各号機のたとえば2号機とか3号機の一番危険の度合いが強いと思われるんですけど、どの炉から出ているという見方でしょうかね。
小)ええと、よくわかりません。2号機というのは、すでに格納容器が破損していると東京電力も認めている訳で、そうなりますと格納容器は放射能を閉じ込める最後の防壁なんですが、それがもうすでに破れているとするとそこから恒常的に出ていると思います。
あと、3号機は今日火災がありましたけど、火災によってあんまり周辺の放射線量が変わらないと言ってますけど、ほんとにそいうなのかな?とちょっと、眉に唾をつけています。
水)今日、3号機で夕方また黒い煙が出たんですね。このことは確か月曜日にも同じような状況がありましたよね。
小)わたし、お話したと思うんですけど、火災になるには着火源が必要ですよね、
水)着火源があるはずと、推測してくださっていたんですよね。
そんとき、私は水素しかありえないと思っていたんで、格納容器が破れて水素がでていると、私は推察していたのです。そうすると他の放射能も出てしまうので、火災と同時に放射性物質がまき散らかされたと私は危惧します。
水)これが水素なのかどうなのか、その後わたしもずっと報道の発表を気にしてたんですけど、ないようなんですけど、ないですよね。
小)ないです。
水)わからないままですよね。そのわからないまま今日繰り返されましたよね。小出さんはどのような推察ですか?
小)えーと、今日の場合は月曜日と違って、電源が復活してるんですよね、3号機は。それは電源回復によってどこまで電気を流したのかわからないのですが、不用意に電気を流すとショートすることがあるんです。そうすると、発火ということがあるんです。電気系とからの発火というのは可能性はあると思うんですけど、あいかわらず水素の可能性だって残っていると。
水)ある意味この可能性をつぶしていって原因は何かというのを調べないと、格納容器が破損しているのかどうかわからないと思うんですけど、調べられないんですか?わからないんですか?
小)さきほど、ニュースの中でもタービン建屋5分間いるだけで、50mシーベルトを超えてしまったというのがありました。今回の事故にあたっては、一人の労働者は250ミリシーベルトを浴びてはいけないことになっているのです。もともとは100だったんですけど。100なんかでは到底間に合わないので250まで引き上げてしまった。それにしても25分もいたらそれが超過してしまう。
水)は~。
小)もう大変な被曝環境で作業してるんですね。そうしたらどっかで火事があった、トラブルがあったといってもそれを調べることすらが、決死隊のような感じでいかなくてはならない。そういう状況になっているのです。
水)ふーん。
小)普通の現場ではない。大変なところで仕事していなきゃいけないという状況。
水)もうひとつ、うかがいたいのは土の汚染なんですけども、原発から40キロ離れた福島県の飯館村の土、土壌からですね。
濃度の高いセシウムが検出されという発表がありました。これ通常の1600倍という数字なんだそうですが、セシウムが土から検出されるというのはどういう意味なんですか?
放射性のセシウムを含んだ雲がですね、流れていって土にくっついたとうことです。
水)はー、これ土にくっついたというのを除去するというのは?
小)土を捨てる以外にありません。
水)土をすてるというのは、どこにすてる?
小)捨てれないですよね
水)捨ててもなくならないですよね。どっかの土がまた汚れますよね。
小)そうです。同じ事です。
水)土という事は、そこで育てた作物を食べると、口に入れたときに内部被曝になりますよね。
小)もちろん、内部被曝することになります。
小)土の上に暮らしていたらどうなるんですか?今日報道された1キログラム当たり16万ベクレルという値のセシウムですね、これがあるとすると、その土地は
放射線管理区域にしないといけない。それは、「放射線管理区域」は、一般人が立ち入ってはいけない区域。日本の法律の基準をはるかに超えている。
平)小出先生、今日枝野官房長官が、きのう私がお聞きした「スピーデイ」による試算結果の報告を受けたと記者会見しまして、原発から30㎞圏外の一部で、
100ミリシーベルトになりうる地域もみられるな、と。直ちに避難や国内退避をしなければならない状況とは判断していないと。これは、私は非常に矛盾しているなと。
小)私も矛盾しているともいます。
平)これ~、どうなんですかね?30㎞圏外の人たちもやはり深刻になんらかの措置をとらなければならない事態になってるんじゃないかと。
小)もとろんそう思います。日本の法律も、世界の法律もそうですけれど、放射線を被爆するということは、あらゆることで危険なことであるということを大前提にしているわけですね。だから労働者の場合は1年間にこれ以上浴びては行けないという基準を決めて老いる訳で、一般人も基準を決めていおる訳で。
一般人が浴びてはいけないというのは、1年間に1ミリシーベルトという値なんです。それがすでに100ミリシーベルトを超えてしまっているというのは、とてつもないことが起きていると考えないといけない。「直ちに、なんとか」と言っている場合ではない。と私は思います。
平)諸外国、例えばアメリカが80キロ圏外というのは、まっとうな判断ですよね。
小)そうです。
水)ただ今すぐ退避を広げるというと、まあパニックににになる人もいるんじゃないかと心配しますが。
小)私もそう思います。それはもう苦しい事です。
水)納得のいく説明があってできることですね。これは。
小)でももう説明のしようがないんですよね。許容限度を超えた被曝というのが、ものすごく広範囲で広がってる訳ですし、40キロも離れた飯立町では、放射線量の管理区域(一般人立ち入り禁止区域)にしなければならないほどの土地の汚染が起きている、ということになると並大抵なことでは避難とか、そういう対策をとりようがなくなってきている。
水)福島の飯立村のセシウム、半減期30年なると教えていただきましたね。ことの深刻さが日ごとに少しずつかんじられているのですが、原発には外部電力が通じたり
中央制御室では照明がついたりと、希望的にうけとりたいですが。
小)私もそう受け取りたい。だからといってポンプは未だに動かない訳ですし、3号機の火事というのも、ひょっとして電気を通したから故に起きたかもしれないと伺っているのです。これからどう乗り切っていかれるのかという不安もぬぐい去れずにいるのです。
2011年3月23日毎日放送ラジオ「たねまきジャーナル」21:30~22:30
を起こしました。あーしんどかった。
2011/03/29(火) 17:53:10 |
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最前線は非常に凄惨な状態になっているようである。これで、極めて危険な環境で、正確かつ迅速な作業をこなすのは、人間にとって不可能だと私は思う。
兵隊をどんどん送り込みながら、物資を送らないで見殺しにした、ガダルカナル島の戦場のようである。ベトナム戦争で、最前線の兵士に二日に一回はアイスクリームを供給していたアメリカ軍もやり過ぎのように思うが、兵站を軽視する日本軍の伝統が、福島原発にまで脈々と引き継がれているのを見ると、悲しくなる。日本軍はガダルカナルでまともに闘う以前に敗北し、「転進」した。
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東日本大震災:福島第1原発事故 作業員、厳しい環境 粗食1日2回/下着替えなく
経済産業省原子力安全・保安院の検査官が28日会見し、東京電力福島第1原発の敷地内で復旧作業に当たる作業員の状況を「作業環境は厳しい」などと語った。
同原発に駐在する原子力保安検査官事務所の横田一磨(かずま)所長(39)は22日に震災後初めて原発施設内に入り、5日間駐在した。
現地には約400人の作業員がおり、原子炉建屋近くの「免震重要棟」という建物で寝起きしている。建物内でも1時間当たり2~10マイクロシーベルトの放射線量があるため、放射線を遮る鉛が入ったシートを床に敷いている。
食事は1日2回。朝にビスケット30枚程度と小さな野菜ジュース1本、夜は非常用のレトルトご飯と缶詰一つ。当初は飲料水も限られ、1人当たり1日ペットボトル1本(1・5リットル)だったという。
作業は、全身を放射線から守る防護スーツに全面マスクで行う。手袋を二重にし、靴にはカバーを着けている。作業ができない夜はミーティングを一本締めで終えた後、会議室や廊下、トイレの前などで毛布にくるまり雑魚寝をしている。
食料などの物資を積んだバスが1日2回、施設外から免震重要棟に到着。一部の作業員の交代もこのバスを使う。横田所長は「下着が替えられないことへの不満の声もある。作業を続ける上でのエネルギーを得るのが食事なので、より多くの物資を運ぶ方策を考えている」と話す。
横田所長も作業員に同行して中央制御室での作業の様子を写真に撮影するなどした。敷地内に滞在した5日間で計883マイクロシーベルトの被ばくをしたという。復旧作業の進行状況について横田所長は「タービン建屋地下で見つかった汚染水の処理で作業が進まない。職場環境の改善なども国が協力できる限りしていきたい」と話した。【関東晋慈、松本惇】
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◆福島第1原発での作業の流れ◆
午前 6時ごろ 起床
7~8時 免震重要棟でミーティング
8~10時 朝食(ビスケットと野菜ジュース)
10時ごろ 建屋で作業開始
午後 5時ごろ 作業終了
5~8時 夕食(レトルトご飯と缶詰)
8~10時 免震重要棟でミーティング
10時ごろ 夜勤の作業員を除いて就寝
毎日新聞 2011年3月29日 東京朝刊
2011/03/29(火) 17:04:32 |
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浜岡原発は、津波でやられるのではない。駿河湾の直下型が想定されているので、地震でやられる。津波の避難訓練をしても仕方がない。
石橋克彦教授の論文 では、地盤が1メートルくらい隆起する、と言っている。そんな地震に耐えられる原子炉があるとは思えないので、訓練しても無駄だと私は思う。ここでも竹槍精神が遺憾なく発揮されている。
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静岡・浜岡原発で総合訓練 津波での事故想定 中部電力
2011年3月29日10時27分
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東日本大震災で福島第一原発が被災したことを受け、中部電力は29日、静岡県御前崎市の浜岡原発で総合訓練を実施した。津波で電源が失われたと想定するなど、福島第一でのトラブルを強く意識した内容で、社員ら約140人が参加し、新たな対応策を確認した。
訓練は大規模な地震が起きて原発が自動停止し、津波が発電所の構内に入り込んだという想定で実施された。外部からの電源供給が止まり、非常用ディーゼル発電機も停止、原子炉を冷やす機能が失われたとして、作業員らが復旧に向けた訓練をした。
東日本大震災を機に敷地内に常駐させている発電機車のケーブルを原子炉建屋につないだり、海水を注入するための消防車のホースを建屋のバルブに接続したりする作業が行われた。また、発電所を運転する中央制御室を再現した部屋では、社員らが電源を失った状態での運転操作の手順を確認していた。
中電は震災後、津波に備えた高さ12メートル以上の防波壁の建設や非常用電源の増設といった対策を発表している。浜岡原発の5機は、マグニチュード8規模が想定されている東海地震の震源域にある。(川田俊男)
2011/03/29(火) 11:22:12 |
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別に驚くことではないと思う。
原子力安全欺瞞言語を話す人々は、そもそも何の知識も無いのだから。
彼らが持っているのは、愚にもつかない情報だけである。
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福島第1原発:汚染水対応 班目氏、「知識持ち合わせず」
班目春樹・原子力安全委員長は28日夜の記者会見で、東京電力福島第1原発のトレンチでみつかった高放射線量の汚染水への対応について、「どのような形ですみやかに実施できるかについて、安全委ではそれだけの知識を持ち合わせていない。まずは事業者(東京電力)が解決策を示すとともに、原子力安全・保安院にしっかりと指導をしていただきたい」と述べた。首相への勧告権限も持つ専門家集団トップの発言だけに、その役割について議論を呼びそうだ。
同委員会は原子力利用時の安全確保のために基本な考え方を示し、行政機関や事業者を指導する役割を担い、他の審議会より強い権限を持つ。だが、班目委員長は23日に会見するまで、国民に対して見解や助言の内容などを説明することがほとんどなく批判を浴びていた。【大場あい】
毎日新聞 2011年3月29日 0時07分(最終更新 3月29日 0時23分)
2011/03/29(火) 11:08:13 |
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記事の中にあるように、愚かな核実験によって、我々は既に、プルトニウムによって汚染されている。wikipediaにはプルトニウムについて以下のように記載されている。
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1945年以来、約10トンのプルトニウムが、核実験を通じて地球上に放出された。核実験のフォールアウトのために、既に世界中の人体中に1~2ピコキュリーのプルトニウムが入っている[1]。フォールアウト起源のプルトニウムが地表面の土壌に0.01~0.1 pCi/g存在する[2]。このほか、原子力施設等の事故や、再処理工場からの排出 [3]により、局地的な汚染が存在する。
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今後、福島原発から出るプルトニウムは、水蒸気爆発や大規模火災でも起きない限り、広範囲には飛び散らないものと思われる。しかし、これがいったい、どういうものであるのかは、下の小出さんの論文などで理解しておく方がよいであろう。
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouen/Pu-risk.pdf ===============
福島第1原発:土壌からプルトニウム 建屋外にも汚染水
福島第1原発2号機の汚染水の様子
◇格納容器損傷の可能性高まる
東京電力は28日、東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発1~3号機のタービン建屋外にある「トレンチ」と呼ばれるトンネル状の穴の中に水がたまり、2号機では1時間当たり1000ミリシーベルトを超える高い放射線量が検出されたと発表した。建屋地下の汚染水がトレンチに漏れ出した可能性がある。また同日、敷地内の土壌から毒性の強い放射性物質のプルトニウムが検出されたことも明らかにした。いずれも炉心内で作られる放射性物質や放射線量で、11日の被災以来指摘されていた核燃料や格納容器の損傷の可能性が高まった。
プルトニウムの濃度について東電は、1940~80年代に繰り返された大気圏核実験の際、日本に降ったものと同等で人体への影響はないとしている。新たな土壌を採取し、継続的に分析する予定。
トレンチはタービン建屋と海との間にある凹字形トンネルで、非常用電源を冷やすための海水が通る配管や海水をくみ上げるポンプのケーブルなどを納めている。普段は水がないが、1~3号機とも地表付近まで水で満たされているのを27日午後3時半ごろ発見、直後に線量を測定した。
2号機のトレンチの水は1000ミリシーベルト(1シーベルト)以上で、同タービン建屋地下の汚染水と同様、炉心の冷却水の10万倍以上のレベルだった。1号機は0.4ミリシーベルト、3号機はがれきがあるため近寄れず測定していない。周辺の大気の放射線量(1時間当たり)は▽1号機0.4~1ミリシーベルト▽2号機100~300ミリシーベルト▽3号機0.8ミリシーベルト。
東電は最も水面が高い1号機のトレンチについて、海への流入を防ぐ処置を取った。
プルトニウムの調査は21、22日に実施した。1、2号機から500メートル~1キロ離れた5地点で土壌を数百グラム採取し、日本原子力研究開発機構が分析。その結果、全地点の土から原子炉内で発生するプルトニウム239、240が検出され、うち2地点からプルトニウム238も検出された。
大気圏核実験では主にプルトニウム239、240が大気中に放出され、238はほとんどないことから、東電はこの2カ所については今回の事故によるものとみている。
プルトニウムは▽被災時運転中だった1~3号機の炉心▽1~6号機の使用済み核燃料プール内の核燃料▽3号機で使用していたプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料のいずれにも含まれる。今回検出されたプルトニウムの由来について東電は「特定はできない」と話した。
原子炉の冷却作業は、水を増やすほどタービン建屋に汚染水がたまる恐れがあることから難航している。【藤野基文、八田浩輔】
◇「憂うべき事態」
経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官はプルトニウムの検出について「健康影響は考えられないが、燃料棒の損傷があることを示している。放射性物質が漏れないようにする(原発に)あるべき五重の壁が破れたことを示す。憂うべき事態だ」と述べた。
毎日新聞 2011年3月29日 1時18分(最終更新 3月29日 3時05分)
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土壌から微量プルトニウム 福島第一原発敷地 東電発表
2011年3月29日0時53分 朝日新聞
東京電力は28日、福島第一原子力発電所の敷地内で21、22日に採取した土壌から微量の放射性物質のプルトニウムを検出したと発表した。原子炉の核燃料が損傷して漏れ出した可能性が高いが、東電は「人体に影響のないレベルの濃度」としている。
これまでも発電所から放出されたとみられるヨウ素やセシウムなどの放射性物質が見つかっている。しかし、プルトニウムは検出するのが難しく、時間がかかっていた。
今回検出されたのは、プルトニウム238、239、240の3種類。東電は発電所の敷地内の5地点で土壌を採取。このうち1、2号機の排気筒から約500メートル離れた2地点で3種類すべてが検出された。検出量は最大で土壌1キロあたり計0.8ベクレル。
プルトニウムは1950~80年代に米国、旧ソ連、中国の核実験によって世界中に広がった。国内ではいまも微量が検出される。今回の濃度は、こうした観測値と同レベルだという。
3号機では昨年、プルトニウムをウランに混ぜた混合酸化物(MOX)燃料を一部に使う「プルサーマル」運転を始めた。ただ、通常のウラン燃料を使う原子炉でも運転中に燃料の中でプルトニウムが生成される。このため、どの号機から出たものかは不明だ。
3種類の中でプルトニウム239は半減期が約2万4千年と最も長く、長期にわたって影響を与え続ける。
2011/03/29(火) 09:48:02 |
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私の勤務先の東京大学の文化と、原子力安全欺瞞言語システムは、非常に良く似ている。両者は密接な関係にあるのではないか、と予想していたが、以下のような記事を見つけた。
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http://kainippon.blog119.fc2.com/blog-entry-134.html
④『役員四季報〈上場会社版〉2003年版』(東洋経済新報社、2002年)に私の記述を加えた物
④によれば、2002年7月31日現在ではあるが、東電の役員39名のうち、東大出身者は23名で、圧倒的に多かった。又上の表の様に、荒木、南、勝俣の、歴代社長は皆東大卒であり、清水氏が社長に就けば東大以外出身社長という、珍しい例となりそうだ。
数年前の「読売ウィークリー」によれば、慶大出身社長は付属校出身者が多いらしいが彼はどうだろう。
同じく④によれば、清水副社長は、勝俣社長の弟である、丸紅の宣夫社長の、学部の2年後輩に当たる。宣夫氏は神奈川出身で、新宿高出身らしい。
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東電のカネに汚染した東大に騙されるな!
http://www.insightnow.jp/article/6430
純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 芸術学部哲学教授
純丘曜彰 教授博士/健康・医療
84,2602011年3月27日 03:54
/寄付講座だけで、東電は東大に5億円も流し込んでいる。一方、長崎大学は、その買収的な本性に気づき、全額を東電に突き返した。水俣病のときも、業界団体は、東大の学者を利用して世論操作を行い、その被害を拡大させてしまっている。いま、同じ愚を繰り返してはならない。/
なんと5億円! 寄付講座だけでも、これほどの大金が、東京電力から東京大学大学院の工学研究科にジャブジャブと流し込まれている。これは、東大の全86寄付講座の中でも、単独企業としてあまりに突出した金額だ。(詳細データ http://www.u-tokyo.ac.jp/res01/pdf/20110301kifu.pdf 本記事のコメントも参照せよ)
東大だけではない。東工大や慶応義塾大学など、全国のあちこちの大学の大学院に、東京電力は現ナマをばらまいている。これらの東京電力のカネの黒い本性は、2002年の長崎大学大学院で暴露された。そもそも東京電力が、自分の管区とはほど遠い長崎大学に手を伸ばしたことからも、手口の異様さがわかるだろう。
長崎大学医学部は、戦前の官立六医大の一つという伝統を誇り、その大学院医学研究科を2002年4月から医歯薬学総合研究科へと発展させることになった。ここに突然、東京電力が、9000万円で講座を寄付したい、と言い出した。テーマは、低線量放射線の人体影響。そのうえ、その趣意書からして、原発推進とも受け取れる表現が踊っていた。これに対し、当時の学長、池田高良(まさに被曝腫瘍が専門)は、趣意書の書き直しのみで、カネの受け入れを強行しようとした。
このため、学内外から猛烈な反対論が沸き起こり、夏には混乱の学長選となった。おりしも、東京電力は、福島第一原発三号機で、炉心隔壁のひび割れの事実を伏せたまま、97年にむりに交換し、二千人近い作業員にかなりの被曝をさせ、その後もこの事実を隠蔽し続けていたことが、ようやく発覚した。もはや、なぜ東電が被曝後遺症を扱う池田学長に唐突に大金の話を申し出たのかは明白だ。かくして、代わって斎藤寛(公害問題が専門)が学長に当選。長崎大学は、9月に臨時教授会を開き、東京電力の寄付講座受け入れを取りやめ、すでに大学側に振り込まれていたカネ全額を東京電力に突き返した。
1956年に水俣病が発見された際、地元の熊本大学は、ただちに現地調査を行い、有機水銀が原因であることを特定し、チッソに排水停止を求めた。ところが、日本化学工業協会は、東大教授たちに水俣病研究懇談会、通称「田宮委員会」を作らせ、連中が腐った魚を喰ったせいだ、などという腐敗アミン説をでっち上げ、当時のマスコミも、この東大教授たちの権威を悪用した世論操作に乗せられて、その後も被害を拡大し続けてしまった。
いままた、同じ愚を繰り返すのか。「核燃料70%の損傷」を、燃料棒292本の7割、204本のそれぞれにほんの微細な傷があるだけ、などという、アホな詭弁解説をまともに信じるほど、いまの国民はバカではない。なんにしても、テレビで口を開くなら、まず、東京電力から受け取った黒いカネを、全額、返してからにしろ。
テレビもテレビだ。公正、中立、客観を旨とする以上、解説を学者に頼むなら、原発賛否両方の学者を公平に呼べ。調べるプロなら、連中のウラ事情ぐらい調べておけ。
/by Univ-Prof.Dr. Teruaki Georges Sumioka
2011/03/29(火) 00:55:53 |
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圧力容器に穴があいており、使用済燃料プールから煙が出たりしている以上、当然のことであるが、愕然とする。
武田邦彦中部大学教授は、
http://takedanet.com/2011/03/32_f654.html のなかで、プルトニウムの毒性は立証されていない、と主張している。「それはプルトニウムの毒性は特別で「角砂糖5ヶで日本人が全滅する」と言われます。わたくしは責任ある立場でしたから、事実を調べるために、随分文献を読んでみましたが、このような毒性を見つけることはできませんでした。」という。「このように、ウランやプルトニウムが人間に対して強い毒性を持たないのは、人間が使う元素ではないということが決定的な理由だとわたくしは考えています。」というのがその主たる論拠である。
しかし私はゴフマンの『人間と放射線』の第14章という文献を知っている。そこで論じられているのは、主として肺がんである。プルトニウム酸化物は不溶性なので、吸入されて呼吸器の組織に付着すると、ほとんど取れなくなるのである。どんなに人間にとって不要であっても、取れないものは取れないので、ずっと付着し続ける。特に、喫煙者は、気管の繊毛が失われているので、プルトニウム酸化物が付着しやすい。また、経口経路にしても、プルトニウムは植物に取り込まれやすく、それを経由して、胃腸管から吸収されるという。一旦、付着すると、プルトニウムの発がん性が極めて高いことは、プードル犬を用いた実験で立証されている。
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土壌からプルトニウムを検出…福島第一原発
福島原発
東京電力は28日深夜、記者会見し、東京電力福島第一原子力発電所で21、22日の両日、採取した土壌から、プルトニウムが検出されたことを明らかにした。
これまでの大気圏内の核実験に由来するものではなく、今回の事故で放出された可能性が高いという。
東京電力によると、人体に問題となるレベルではないとしている。
(2011年3月29日00時04分 読売新聞)
2011/03/29(火) 00:36:31 |
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遅すぎる。初日にやるべきことだった。
今頃、ニッチもサッチもいかなくなってから、頼りにされても、フランスも困るだろう。
最初から、東電には統御不能だった、と私は思う。
なぜなら、原子力安全欺瞞言語を使っているからだ。
フランスならなんとか手を見いだせるのだろうか?
可能性は低いと思うが、とにかくやってきてよく調べてもらって、
「どうしようもない事態だ」 とハッキリ言ってくれるだけでもありがたい。そうしたら欺瞞言語が崩壊し、どうにかなり始めるだろう。
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東電、仏に支援要請
原発事故受け
【パリ共同】東京電力が福島第1原発の事故で、フランス電力(EDF)や核燃料会社アレバ、原子力庁などフランスの原子力関連企業・機関に支援を要請したことが分かった。ベッソン産業・エネルギー・デジタル経済担当相が28日、ラジオ番組で明らかにした。
29日付フランス紙ルモンドによると、アレバは事故発生直後から東電側と連絡を取り合っていたが、事態が急展開したのは「この36時間」としており、26日ごろに緊急要請があったことを明らかにした。
同紙は「東電が原発事故の統御不能に陥った可能性」との見出しを掲げ、事態を深刻視している。
ベッソン担当相は「東電からの(フランス各機関に対する)支援要請は(事故発生後)初めて」と述べた。EDFは18日、専門家の派遣や原発事故に対応するロボットを含む資材130トンの搬送など独自の救援計画を発表。だが、ルモンド紙によると日本側はこれを拒否したという。
フランスは日本の原子力業界と関係が深く、アレバは日本の電力会社の委託でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の加工を請け負っている。福島第1原発3号機で現在使われているMOX燃料は、1999年にフランスから運ばれた。(共同通信)
2011年03月28日 22時10分 京都新聞
2011/03/28(月) 23:54:38 |
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チェルノブイリの1割というのは、想像を絶する値だ。しかもたった3日とか10日の話である。既に、極めて高濃度の放射性物質を含む水が膨大に発見されているので、放出量は更に増えているはずである。事態をまったく収拾できないでいるので、放出量はこれからも増え続けることであろう。
少なくとも、チェルノブイリと比較しうるほどの放射性物質が、落ち着くまでに放出されると見たほうが良いであろう。人類と地球とに対する、深刻な犯罪を我々は犯してしまった。そのことをしっかり認識する必要がある。もちろん、最大の被害者は、日本列島とその近海に住む、人間を含む生命の子供と胎児・卵である。
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放射性物質放出、チェルノブイリ1~2割の試算
福島原発
ウィーンの気象地球力学中央研究所は、東日本巨大地震被災直後の3日間(12~14日)に、福島第一原子力発電所から大気中に放出された放射性ヨウ素は、チェルノブイリ原発事故の10日間で放出された量の約2割に相当するという試算結果を公表した。
核実験全面禁止条約機構(CTBTO、本部=ウィーン)が、群馬県高崎市など世界各地に置いた監視拠点24か所で検知した放射性物質データをもとに分析した。
一方、フランス放射線防護原子力安全研究所は、日本国内の観測データをもとに、12~22日に同原発から放出されたヨウ素やセシウムなどの量は、チェルノブイリ事故の放出量の1割との暫定値を公表している。同研究所の声明によると、試算は米原子力規制委員会や欧州の技術安全ネットワーク、フィンランドの原子力当局とも議論をしたうえで行われた。
(2011年3月28日14時42分 読売新聞)
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土壌汚染「チェルノブイリ強制移住」以上 京大助教試算
東京電力福島第1原発の事故で、高濃度の放射性物質が土壌などから確認された福島県飯館村の汚染レベルが、チェルノブイリ原発事故による強制移住レベルを超えているとの試算を、京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子炉工学)がまとめた。
飯館村は原発から北西約40キロ。今中助教は、原発の状況が分からず被災地各自の事情もあるとした上で「避難を考えた方がいいレベルの汚染。ヨウ素やセシウム以外の放射性物質も調べる必要がある」として、飯館村で土壌汚染を調査する方針だ。
文部科学省の調査で20日に採取した土壌から放射性のヨウ素1キログラム当たり117万ベクレル、セシウム16万3千ベクレル、雑草からヨウ素254万ベクレル、セシウム265万ベクレルが確認された。土壌中のセシウムは通常の1600倍以上だった。
今中助教は、土壌のセシウムで汚染の程度を評価した。汚染土を表面2センチの土と仮定すると1平方メートル当たり326万ベクレルで、1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故で強制移住対象とした148万ベクレルの2倍超、90年にベラルーシが決めた移住対象レベルの55万5千ベクレルの約6倍だった。
今中助教は「国は原発周辺の放射性物質を詳細に調べて分析し、ただちにデータを公開すべきだ」と話している。セシウムは半減期がヨウ素(8日)と比べ30年と長く、汚染の長期化が懸念されている。
【 2011年03月28日 15時52分 】
2011/03/28(月) 23:43:49 |
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