マイケル・ジャクソンの思想

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小池百合子、衝撃の「AI」発言について

最近の政治家の発言は、驚かないことが少ないくらいハチャメチャになっている。もはや「東大話法」などという一見整っていながら中身はハチャメチャ、というレベルではなく、安倍政権になって、言葉の底が抜けてしまっている。

それでも、小池百合子東京都知事のこの発言は、その衝撃力が飛び抜けている。

========
「2つ目のご質問でございますけれども、情報というか、文書が不存在であると、それはAIだからです。私があちこち、それぞれ外部の顧問から、それからこれまでの市場のあり方戦略本部、専門家会議、いろいろと考え方を聞いてまいりました。いくら金目がかかるかということについては、関係局長が集まった会議で、既にA案、B案、C案、D案と各種の数字が出てきております。よって、試算については既に公表されているものがあります。最後の決めはどうかというと、人工知能です。人工知能というのは、つまり政策決定者である私が決めたということでございます。回想録に残すことはできるかと思っておりますが、その最後の決定ということについては、文章としては残しておりません『政策判断』という、一言で言えばそういうことでございます」
http://www.sankei.com/premium/news/170811/prm1708110013-n25.html
============

文書が不存在であると、それはAIだからです・・・・最後の決めはどうかというと、人工知能です。人工知能というのは、つまり政策決定者である私が決めたということでございます。

なんという衝撃的な言葉であろうか。都知事が人工知能であったとは。。。しかし、一体、何でこんなことを言い出したのか、解析してみたい。

まずこの発言は次の質問への応答である。

==================
2点目は豊洲市場移転問題について、知事が公表した市場と、豊洲と築地と双方に市場機能を残す方針について、財源や運営費など検討した記録が都に残ってないというのが毎日新聞の情報公開請求でも明らかになった。最終判断が知事と顧問団による密室で下されて、情報公開という知事の方針に逆行するんじゃないかという指摘もある
==================

質問の要点は、「決定過程を記録に残さないようなやり方は、情報公開という知事の方針に反しているのではないか」ということである。

ちなみに「情報公開」という言葉の意味は『デジタル大辞泉』では、次のようになっている。

【行政機関などが保有している情報を、国民が知りたいときに自由に知ることができるようにすること。】

小池都知事は、「東京大改革の一丁目一番地は情報公開」としており、定例会見で次のように言っている。

=========
「今回の第2回定例議会において、一つは情報公開の条例の改正、二つ目が公文書の管理徹底の条例成立ということです。まさしくこういった点が今、国会の場においても『文書があるのないの』とか、『共有がどうなっているの』とか、そこに注目がいっているわけです。基本的に記録は残す。そして、重要な文書については、所管課限りでなく他部署が関与するダブルチェックにより廃棄するというのが、今回の公文書管理のポイントにもなっているわけです。行政である以上はしっかりと情報の管理、公文書の管理をするというのは当然の話だと思います」
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2017/06/27/antena-16/
=========

記者が聞いているのは、「基本的に記録は残す」という態度と、「知事が公表した・・・方針について・・・検討した記録が都に残ってない」という事態とは、矛盾しないか、ということである。

これに答えるには、

「最終決定は私の中で起きた過程ですから、さすがにそれは記録に残せません。しかし、なぜ決定したかは、説明できます。」

と言えば良いわけである。とても簡単なことである。

しかし小池都知事はこう答えなかった。そのかわりに、

「最後の決めはどうかというと、人工知能です。」

と答えた。改めて読むと爆笑してしまうが、深刻な問題なので、笑っていないで理由を考えねばならない。

一つの可能性は、「なぜ決定したのかを、説明できないから」である。とはいえ、この決定を表明した記者会見でその理由を、

・豊洲移転後にかかる費用の赤字に対応するため
・「築地ブランド」を生かして土地を有効活用するため

http://www.huffingtonpost.jp/2017/06/20/tsukiji-yuriko_n_17218046.html

と説明している。もし本当にこれが理由であるなら、ますます「人工知能」のフリをした理由がわからなくなる。

私の考えは、小池都知事自身が、この理由を信じていないから、ではないか、ということである。そもそも、豊洲移転自体が巨額の資金を食っており、しかも開業後も大赤字を生み出すことは確実である。その総額は一千億円をはるかに超えるとされている。それゆえ、もともと築地を売却してなんとか埋める、それでも苦しい、という事業なのである。

ところが都知事の方針は、築地を売却しないで、そこに「食のテーマパーク」を作るというものであって、これにはまた巨額の資金を投入せねばならなず、その上、これ自体が赤字になるリスクが非常に高い。ディズニーランドが苦戦しているご時世に、

「東京都が運営する食のテーマパーク」

などを開業し、天下り役人を大量に受け入れて、その上で、豊洲の赤字を埋めるほどの黒字を叩き出す、などという事業が、現実的だと信じる人がいれば、そんな人はクルクルパーと言って過言ではなかろう。

そしておそらく、小池知事はクルクルパーではない。とすれば彼女は、この理由が、口から出まかせであって、本当にできるなどとは、全く思っていない、ということになる。そして、都民が忘れた頃に、この方針を「やっぱりお金がなくて無理でした。築地は売却します。」と撤回するつもりなのではないだろうか。

とすると、この決定の本当の理由は、何なのであろうか。私は、

「都議選の前に、口から出まかせを言っておく必要があったから」

ではないかと想像する。もちろん、こんな理由は口が裂けても言えない。それゆえ、

「回想録に残すことはできるかと思っております」

と言っているのである。

つまり、彼女が常に考えていることは、「何をなすべきか」ではなく、「何を言えば選挙民の支持を維持できるか」である。そう考えると、同じ記者会見で、都民ファーストとの距離感について聞かれて答えた次の答えをよく理解できる。

===========
「それから、2番目の質問も今の答えで大体カバーできるものだと思いますけれども、これから決めるべきものは、スピーディーに決めていく、それから、しっかりと議論すべきものはしっかりと議論をするといったような、テーマに即した形での距離感であったり、時間をかける、もしくは質的に深める、量的に時間をとる、それはもう本当にケース・バイ・ケースになろうかと思っております。一言で言えば、良識に基づいて、都民が見ているのだということをいつも念頭にしながら進めるということだと思っております」
===========

「都民が見ているのだということをいつも念頭にしながら進める」という言葉が重要である。小池知事は、原則に従って行動する、ということを全く考えていない。そうではなくて、「都民にどう見えているか」だけを考えている。そしてその見え方を最大にすれば、支持を確保でき、つまりは権力を維持できる、と認識しているのである。

この計算は非常に複雑であって、とても大変である。いや、それよりも、こんなことをしていると、良心が咎めて、心が折れてしまう。もしも私がそういう「立場」に置かれたら、

「こんなの大変すぎる!人工知能にやってほしい!!」

と願望するところである。それを現にやってのけている小池知事は、すでに人工知能の域に達していると言っても過言ではない。つまり、

小池知事は、権力を最大化する人工知能である

ということになる。この事実を、自ら露呈したのが、この発言ではないかと思う。

それは、とても恐ろしいことであり、安倍晋三や橋下徹などといった、
「お爺さんの願望の実現」
とか、
「学校時代の恨みを晴らす」
とか、そういった権力奪取以外の余計な「目的」を持ったファシストよりも、ずっと純度の高いファシストだ、ということになる。

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  1. 2017/08/11(金) 13:03:00|
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安冨歩 高知大学 集中講義 「日本通史Ⅱ」 完全録画を無料公開中!

2016年度に高知大学で行った集中講義の録画ビデオを、YouTube にアップした。国立大学の授業は、国民の税金によって支えられているのであり、原則、公開されるべきだ、と私は考えている。

シラバス

高知大学 集中講義 初日

高知大学 集中講義 2日目

高知大学 集中講義 3日目

高知大学 集中講義 4日目/最終日

  1. 2017/07/20(木) 00:14:50|
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老子の本   「足るを知る者がセレブである。」

知足者富也。

を、

足るを知る者がセレブである。

と訳してみた。
これがぴったりだと思ったが、「セレブ」が死語になる可能性を感じたので「富豪」と変更した。


33章

知人者智也。
自知者明也。
勝人者有力也。
自勝者強也。
知足者富也。
強行者有志也。
不失其所者久也。
死而不忘者寿也。

他人を知る者は、智慧者であるが、
自らを知る者は、それを凌ぐ明智である。
人に勝つ者は、有力者であるが、
自らを知る者は、それを凌ぐ明智である。
人に勝つ者は、有力者であるが、
自らに勝つ者は、それを凌ぐ強者である。
足るを知る者が富豪である。
不屈の意志があるなら、どんなことでも実行しうるが、
己のあるべき姿をどこまでも失わない者は、不朽である。
死んでも忘れられない者が、
本当の意味で長寿である。

  1. 2017/05/24(水) 23:33:13|
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楽譜および音源の公開:弦楽四重奏のための「その日、輝きは失われた」(2016)




  楽譜はここからダウンロード

弦楽四重奏のための その日、輝きは失われた (2016)
安冨歩、片岡祐介、新雅史

That day in Hiroshima, the sparkle of life was lost (2016) for strings quartet
Ayumu Yasutomi, Yusuke Kataoka, Masafumi Arata

この作品は、原爆ドームの前で、原爆の死者に祈りを捧げながら、その霊感を受けて3人が共同で作曲した。我々は、これを原爆の死者の魂による作品と感じ、その成果を我がものとしようとするならば、その怒りを買い、想像を超えた罰を受けるのではと恐れるがゆえに、ここに全ての権利を放棄する。我々をこの判断へと導いた刈部謙一氏に感謝します。

We composed this piece of music in front of the Atomic-Bomb Dome in Hiroshima, praying for the victims of the bomb. While it is us who made the music, we strongly feel that it comes not from us but from the victims’ souls. For that reason, we do not wish to claim any rights for this music, thinking that we will be punished by the angered souls if we did so. We express our gratitude to Mr. Karube Ken'ichi, who advised us on this decision.
  1. 2017/05/24(水) 13:07:53|
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老子の本

ディスカバー21から、『超訳 論語』を出版してからはや数年が経過した。この本は、韓国語と中国語(香港)とに翻訳され、ダイジェスト版がローソンで販売される、という、私の本にしては珍しい幸運児であった。この流れで、「老子」を書いて欲しい、というご要望があり、ようやくその原稿を書き上げた。いま、ゲラが出るのを待っているところである。

『論語』は抄訳であったが、『老子』は全訳である。なぜなら、論語の方は一貫して読もうとすると、どうしても、二割程度、読めない箇所があったのに対して、老子のほうは、ほぼ全体を一貫して読むことに成功したからである。そして、私が取り組むときに予想していたとおり、老子は、論語の理論的バックボーンになっている。両者を合わせてお読みいただければ、老子の描き出すような世界観に基いて、論語の倫理が展開されていることを、理解していただけるものと思う。

ここのところ、ブログの更新を放置していたのだが、同書の発売にあわせて、老子についての考えを少しずつ書いていこうかな、と思っている。
  1. 2017/05/09(火) 23:15:06|
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